流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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めちゃくちゃお待たせしました!!

本当すいませんm(> _ <)m

これからもノソノソ亀更新になると思いますが、よろしくお願いします!!!


第百四話   終らない野望

「ガ、ガルナ・・・」

 Dr.リーガルはその場に膝をつき、自分の子孫の成り果てた姿を凝視する。

 

『「ガハッ、おぉわりだぁ! ずべてぇぇ!! グガアァァハハハッ!!」』

 最早、人が発する声ではない、"ノイズ"混じりの甲高い声が、Dr.ガルナの顔だったものから発せられた。

 

「無理があったんだ。 ノイズと機械が融合した、怪物のような電波生命体と電波変換するなんて・・・人間としての意識が、殆ど無くなっている」

「酷い、不完全なバケモノになったか・・・」

 ジェミニ・スパークBとジャック・コーヴァスが顔をしかめる。

 

『ゴンタ、火山の様子がおかしい! マグマの熱が下がっている』

 ゴンタのウィザード・オックスが火山の異変を伝える。

辺りを見渡していると、赤々と燃えたぎっていたはずのマグマが、物凄いスピードで黒くなっていく。

 

「ど、どうなってんだ?」

「マグマの熱が下がって、黒く固り始めてるのよ」

 デカオとやいとが、足場から乗り出してマグマが固まるのを見る。

 

「あいつが、フジ山の熱エネルギーを全て奪い取っているのよ!」

 クイーン・ヴァルゴが杖をロードオブカオスに向ける。

 

火口には、ココロサーバーに熱エネルギーを供給するためのパイプが取り付けられていた。 ココロサーバーを取り込んだロードオブカオスが、そのパイプを通して、フジ山の熱エネルギーを奪っているのだ。

 

「うぅ・・・」

「メイルちゃん!?」

 突然、メイルがうずくまり、やいとが心配して駆け寄った。

 

「こ、怖い・・・」

「メイルちゃん、しっかり・・・あれ、なんだか悲しくなってきた?」

 そういうやいとの目から、ポロポロと涙がこぼれている。

 

「うおおぉぉ! オレはなんだか腹が立ってきたぞ!?」

 デカオまで、両腕を降り上げて叫びだした。

 

メイル達だけでなく、スバル達以外の電波変換していない人間達が苦しそうに頭を押さえている。

 

「みんな、一体どうしたの!?」

「ダークネスサーバーが起動したんだ」

 ハープ・ノートの言葉に返すように言ったのは、Dr.リーガルだった。 彼も頭を押さえ、苦悶の表情を浮かべている。

 

「自己崩壊しかけていたダークネスサーバーが、ガルナとロードオブカオスの電波変換によって、半壊した状態で起動し始めたんだ。 それ故に、ロードオブカオスの負の感情が、我々の心に流れ込んでいるんだ」

「でも、起動に必要なエネルギーは、イキシアはもう無いんだよ!」

 リーガルの言葉を彩斗が否定する。

 

「完全に起動したわけじゃない。 フジ山の熱エネルギーによって一時的に起動しただけだ、そう長くは持たん」

 

「それに、電波変換したオレ達に影響が無いってことは、電波生命体に干渉できるほどの電波を発信できていないんだ」

 シドウがアシッドブラスターを両腕で持ち、構える。

 

『「ガァん違いずるなぁぁ! 電ばがよあっだのではない、だめごぉでるのだ!」』

「何っ!?」

『「世界に、わだしの闇を広げるだめ! ずぅべでのエネルギーをあっじゅくさせ、爆発さぜれば、どぉぉおなる?」』

 歪んだ表情をしたガルナの顔の口角が吊り上る。

僅かに残ったガルナの意志が行う最後の悪あがき。 それは、ロードオブカオスの中で凝縮されたダークネスサーバーの電波を世界中に拡散させ、人々の心に自身の負の感情を植え付けようとしているのだ。

 

「そんな事すれば、どんな事になるか!」

『考えたくもねぇな・・・』

 そう言うスバルとウォーロックの顔は青ざめている。

 

「させるかぁ!!」

「いくぞ、ツカサ!!」

「うん!」

 ジャック・コーヴァス、ジェミニ・ブラックBとWがロードオブカオスに向かって技を放つ。

それに続き、スバル達も攻撃を仕掛ける。

 

「『じゃぁまはさぜない!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___同時刻 科学省___

 

「光博士! フジ山で高密度のエネルギーを感知! モニターに映します」

 名人がそう言い終るか否か、部屋に取り付けられた巨大モニターにフジ山の全体図が映し出される。

 

画面には、フジ山の頂上で爆炎交じりの煙が大量に噴き上げられている映像が映し出されている。

 

「みんな・・・!」

 

 

___同時刻 WAXA本部___

 

「ヨイリー博士! ワープホールが!」

「これは・・・!?」

 

 ヨイリー博士達の目の前にあるワープホールが、ジジジッと揺らぎ、形状を保てなくなっている。

 

「過去で何が起こっているの? モニターに映像を!」

 ヨイリー博士の指示で、WAXA職員がモニターにフジ山の火口内部の映像を映し出す。

 

その映像を見て、ヨイリー博士たちは絶句した。

 

「みんなぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___火口内 サーバールーム___

 

死屍累々

この惨状を表すなら、この言葉がふさわしい。

 

ロードオブカオスと一体化したDr.ガルナと対峙するスバル達の中に、立っている者は一人もいない。

 

全員、ボロボロに傷つき、その場に倒れ伏している。

 

 

「ガ、ハァ・・・」

 アシッド・エースが地に手を付け、立ち上がろうとするが、手に力が入らず崩れ落ちてしまう。

 

「ぢ、ちくしょう」

「ボク達の攻撃が全く効かない・・・!」

「体に、力が入らねェ・・・」

 ジャック・コーヴァス、ジェミニ・スパークW、オックス・ファイアもアシッド・エース同様立ち上がろうとするが、ダメージが大きくて動けない。

 

『「ヴぅだだぁ! ナにもぉガもォォォ!!!」』

 ロードオブカオスが両腕を上げ、奇声を上げる。

 

『「闇のナがにノマれでじぃまえ! ダークネスストリーム!!」』

 ロードオブカオスの体が細かい電子へと姿を変え、その電子が回りはじめ、渦を生み出し始めた。

渦は瞬く間に天まで届く竜巻へと姿を変える。

 

「カオス自身が竜巻に!?」

「熱斗! みんな! 何かに掴まるんだ!!」

 彩斗はそう叫ぶと、熱斗を抱きかかえ、その場に伏せる。

周りの仲間達も壁に掴まったり、床に伏せて、竜巻に飲み込まれないようにふんばる。

 

しかし、竜巻は徐々に巨大になり、スバル達を飲み込んでしまう。

 

「ウワアアアァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(く、苦しい・・・)

竜巻の中、仲間達とバラバラに別れてしまったスバルとウォーロック

 

(このまま、手も足も出ずに終わるのか!?)

激しい暴風にさらされ、スバルは今にも意識を失いそうだ。

 

『ス、スバル、しっかりしろ!』

「ウォーロック・・・!」

 

『諦めんじゃねぇぞ! オレ達は、まだ諦めちゃいけねぇんだ!』

「ウォーロック・・・そうだ。 ボク達は・・・」

 左腕から聞こえてくるウォーロックの激励に、意識が飛びかけていたスバルの頭の中で、今までの事が思い出される。

 

熱斗達との再会, ダークロイド達との戦い, ココロサーバー設立の秘密, その中で感じた思いと願い

 

全てのことを思い出した時、スバルの意識が覚醒する。

 

 

 

 

 

「未来を諦めない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、竜巻の中に一筋の光が現れた。

光は、一直線にスバルの元へと向かってくる。

 

スバルは向かってくる光を手で受け止める。

受け止めた光は次第に淡く弱まっていき、その正体を現す。

 

 

「コレは・・・ホープ・キーとオラシオン・ロック!?」

『なんでココに・・・!?』

 

ロックとキーは、スバルの手の中で点滅している。 まるで、互いを呼び合うかのように

 

 

『・・・開けろってことか?』

 ウォーロックの言葉に、スバルは黙って頷く。

 

スバルはオラシオン・ロックの鍵穴にホープ・キーを差し込む。

 

「イキシア、今こそ、その力をみんなの願いのために!!!」

 

 

カチャ!

 

 

竜巻の中、静かにその音は響いた。

 

 




流星(スバル)に願い(オラシオン)をかける時、最後の希望(イキシア)が奇跡を起こす!!!

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