今回、短め。
フラグ追加
聖剣追加
「……ギャーくん、ニンニクを食べれば健康になれる」
「いやぁぁあ!小猫ちゃんが僕をいじめるぅう!」
夕日が差し掛かる旧校舎近くで塔城がニンニクを持ちながらヴラディを追いかけていた……よくやるなぁ。
そんな中、俺は今日仕事もないので、ようやく俺を見ても暴走はしなくなったヴラディの走りっぷりを遠くから眺めていた。
「……アザゼルか」
すると、アザゼルが近づいていているので振り向く。
「よう、ゼノン。へぇ、魔王眷属の悪魔さん方はここで集まってお遊戯してる訳か」
「お遊戯って……まあ、そんなもんだろうがな。何の用ですか?」
どうせ、ロクでもない用だろ?
「ああ、聖魔剣使いはいるか? ちょっくら見に来たんだが」
聖魔剣使い?……ああ、木場か。
木場って、どこにいたっけ?
「こっちには、いませんね。もしかしたら、あっちの方にいるかもな……」
適当な事言っておくか、アザゼルにヴラディの
「そうか、じゃあちょっくら行ってくる」
「……あまり、刺激するなよ?」
一応、釘を刺しておく。
「ああ、できるだけな。俺だって戦争しに来たんじゃないしな」
そして、アザゼルはヴラディたちの方に歩いて行った。
さて、今日は帰るか……俺は何も見ていない。
*
その数日後、俺と兵藤はとある場所に姫島から呼び出された。二人に何やら要件があるしい。
その場所とは、町の外れを進んむとある神社だ。裏で特別な約定が執り行われていて、悪魔でも入る事が出来るようになっている、と説明を受けた。
「いらっしゃい、お二人とも」
神社が見える辺りまでに来ると、巫女装束を着た姫島が立っていた。意外に似合ってるもんだな。
俺たちは、姫島の先導について行く。そんな中、姫島は歩みを止めずに話してくる。
「ゴメンなさいね。急に呼び出してしまって」
「あ、いえ。俺もやる仕事がなくて暇だったので」
「……重要な要件があるのはわかっている」
そして、俺たちは鳥居をくぐる。
すると、ある覚えのある気配と共にだいたいの用の察しがつく。あの方か……。
「朱乃さんはここに住んでいるんですか?」
と、兵藤が質問をする。まさか、これは“俺の家に住まないか?”という事か……!?
「ええ、先代の神主が亡くなり、無人になったこの神社をリアスが私の為に確保してくれたのです」
なんだ、普通の質問だったのか。
期待外れだな兵藤……。
「彼が赤龍帝ですか?」
突然、発せられる懐かしい声。
声のした方向へ振り向くと、豪華な白いローブを着て頭上には金色の輪が漂っている青年……ミカエル様がいた。
「初めまして、赤龍帝……兵藤一誠くん。私は天使の長のミカエル。なるほど、このオーラの質はまさにドライグですね」
「お久しぶりです、ミカエル様」
すぐさま、跪く。
「ええ、ゼノンも久しぶりです。もう、貴方が仕えてる訳でもないのですから、頭を上げなさい」
そう言われ立ち上がる。
三勢力の中では、一番
「さて、二人とも本殿に向かいましょう」
そして、本殿に移動するが亜空間内にあるデュランダルが共鳴しているのがわかる……この感じは……。
「聖剣?」
それも、
「ええ、これはゲオギウルス……聖ジョージと言えば伝わりやすいでしょうか。彼が持っていた
と言ってデュランダルが共鳴していない方の聖剣を兵藤に差し出すミカエル様。
「俺に
おいおい……
「阿保か兵藤、特殊な儀礼を施しているか何かでお前にも使えるようになっている筈だ」
「その通り。これには特殊な儀礼を施していて、悪魔であってもドラゴンの力を持つ貴方ならば使うことは可能です。方法は、籠手に同化させます」
気になったので、質問する。
「ドライグ殿、そんな事は可能なのか?」
兵藤に向かって……正確に言えば
『ああ、神器は想いにこたえるから、こいつがそう望めばいい。あと、殿なんて付けなくてもいい』
すると、兵藤が発現させた
そして、兵藤は恐る恐るアスカロンを握り望む。するとアスカロンは光になり籠手に吸い込まれた。
すげーな、
「さて、兵藤くんは用が済んだので姫島さんの所に戻っていいですよ」
「は、はい。わかりました」
そして、兵藤が去ってからミカエル様が残ったほうの聖剣を差し出した。
「さて、ゼノンにはこれを……」
「これも、聖剣……?デュランダルに似た雰囲気を持っているのですが?」
デュランダルと同一の剣か、それとも……?
「これは、シャルルマーニュが持っていたとされる佩刀の聖剣ジョワユースです。デュランダルと同じ材質で作られ、イエス・キリストの処刑に用いられた聖槍ロンギヌスの破片が埋め込まれている聖剣です」
『
「そんな、コールブランドーやデュランダルに次ぐような聖剣を頂いてよろしいので?」
知名度は、コールブランド(カリバーン)やエクスカリバー、デュランダルに比べると低いが、伝承通りなら神殺しの聖剣となる。
「こちらも聖魔剣をいただいたのでいいんですよ。あと、堕天使側には
……ん?
「ということは、ジュリオさんがいなかったのは……?」
「ええ、この聖剣の発掘と回収を頼んでいたのです。あの
本当か……コカビエルの件の功績は、大きいからな。それに、あの人がいないから俺にも期待がかかっていたのは間違いないし。
「すみません……」
そう考えると、自然に頭を下げていた。
「いえ、そういう意味で言ったわけではないのですよ。……話は変わりますが、いずれ貴方自身について彼らに話すことになるでしょう」
前半で頭を上げて話を聞いていると、気になる単語が出てきた。俺について……か。
「……ええ、自身が分かる範囲で全て話します」
憑依については、既にミカエル様には話してある。意外にもすんなり受け止められたのは俺も驚いたけど……。何でも、この世界には英雄の魂を継いだ人間がいるらしく有り得ない話じゃないらしい。
とりあえず、ジョワユースを受け取る。すると、聖剣が光り……
『…………・………』
「ん?」
何だ、今の?何かが聞こえた気がしたんだが……。光も直ぐに収まったし。
「大丈夫みたいですね。ジョワユースも貴方を所有者として認めたようですし」
「……ええ、そうみたいです」
考えても結論はおろか、推測すら立てられないからとりあえず気にしないでおこう。
「それでは、また会いましょう」
そして、ミカエル様は飛び去って行った。
さて、部長に報告しに行きますか……
次話投稿でジョワユースの設定を追加。