まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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終幕+フライング無双回。



今回は話の区切り上、一番文字数が少ないです。








What is Durandal?Ⅲ

 

「え……?」

 

呆然とするグレモリー。同じく呆然としたコカビエルだったが直ぐに笑みを浮かべた。

 

「ほう?貴様か。ショックで使いものにならなくなったかと思ったが……面白い。赤龍帝、こいつに譲渡しろ」

 

……あれ?グレモリーを説得する必要なしか?

 

「早くしろ、赤龍帝」

 

「あ、ぶ、部長?」

 

コカビエルの催促に、兵藤が困惑している。無理もないな、俺だって驚いている。

 

「……彼に賭けるしか無いわ。イッセー、お願い……」

 

すると、グレモリーが決心したのか、兵藤に俺への譲渡を促す。グレモリー眷属が俺を見ている。

 

そして、俺は『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』を地面に突き刺してから兵藤に向けて術式を展開した左腕を突き出す。兵藤は俺に近づき左腕に触れた。

 

赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

Transfer(トランスファー)!』

 

兵藤から流れる力を左腕の術式に溜める。そして、兵藤が俺から離れたのを確認した後に、右手に聖なるオーラを込めながら言霊を唱える。

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

すると、言霊を唱え始めた瞬間から俺の周りの空間が歪み、次第に俺の右手付近に歪みが集まり、亜空間が開いた。そして、その亜空間に手を掲げる。

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。……デュランダル!」

 

言霊を唱え終わると同時に、聖魔剣を遥かに凌ぐ聖のオーラを放つ剣が俺の右手に収まった。

 

「デュランダルですって!?」

 

「貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!」

 

驚愕するグレモリー眷属たちとコカビエル。

 

「私は、もともとは聖剣デュランダルの使い手だ。エクスカリバーは兼任していたに過ぎない」

 

「だが、その程度では俺は倒せんぞ!」

 

わざわざ空中に浮かび、そう叫ぶコカビエル。

 

「(フラグ乙)……術式、解放」

 

右手に持ったデュランダルの剣先に左腕の術式を移して、そこに胸元から取り出した『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』の核と『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』を押し付ける。

 

そして、術式を安定させる為に譲渡された力と俺のありったけの生命力をつぎ込む。

 

デュランダルの聖なるオーラと先程つぎ込んだ力が融合し、漏れ出た聖なるオーラで出来た光の柱が俺を包む。

 

完成したエクスカリバー二本を一時的に融合させたデュランダルを見て告げる。

 

「……汝を“エクス・デュランダル”と名づける」

 

俺の命名により、一層オーラが強まるエクス・デュランダル。

 

自然体で右手に持ち、コカビエルに向かって下から斬り上げるように言霊と共に斬りつけた。

 

「滅びよ」

 

その意味をもった言霊と共に放たれたのは、黄金の光の斬撃だった。コカビエルはエクス・デュランダルから発せられるオーラによって動けない。

 

「何だこの光は!?まるで神……」

 

『Half Dimension!』

 

すると、どこからか何かが聞こえる。しかし、斬撃はそれを介せずに、そのままコカビエルを消滅させてシトリー眷属による結界をも消滅させて上空に飛んでいった。

 

そして、エクス・デュランダルはさっきの一撃でデュランダルと二つのエクスカリバーの核に戻る。

 

「まさか、半減は疎か干渉すらできないとはな……しかも、コカビエルを消すとは予定外の状況になっているな」

 

その後、白い全身鎧を身に纏った声色からして男性がこちらを向いて話しかけてきた。

あの鎧とさっきの能力は……

 

「……白龍皇か」

 

「ああ、そうだ。赤龍帝の力を見たかったんだが……それ以上に面白いものを見れたな。貴様の名は?俺はヴァーリだ」

 

目を付けられたか……また厄介な。

 

「……ゼノンだ」

 

「覚えておこう、貴様の名を」

 

結構です、と心の中で思うが一旦地上に降りてフリードを担いだ。そして再び光の翼を展開し、空に飛び立とうとする。

 

『無視か、白いの』

 

すると、兵藤の『赤龍帝の籠手

(ブーステッド・ギア)』の宝玉が光り、ドライグらしき声がする。

 

『起きていたのか、赤いの』

 

白龍皇の鎧の宝玉も光って声を発した。

 

暫く続きそうなので、デュランダルを亜空間に戻し、聖剣の核を回収をしに動く。

他の奴らは二天龍の話を聞き入っている為、俺の空気の読めない行動は目に入っていないみたいだ。

 

『せっかく出会えたのにこの状況ではな……』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』

 

『しかし、白いの。以前のような敵意が全然伝わってこないが?』

 

『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』

 

『お互い、戦い以外の興味対象があるということか?』

 

『そう言うことだ。こちらは暫く独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう? また会おう、ドライグ』

 

『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』

 

そうこうしている間に、二龍の会話が終わり、フリードを抱えた白龍皇が宙に浮かんでいく。

 

「キミがもっと強くなるのを待っている。俺の宿敵くん」

 

最後に兵藤に向かって言い放ち、

飛び去っていた。

 

「これで、一先ず、一件、落着か……」

 

回収も終えて、緊張感が抜けた俺に、急に疲労感と虚脱感が襲ってくる。

流石に無謀すぎたか……?

 

「やったじゃねぇか、色男! へぇー、それが聖魔剣か。綺麗じゃないか」

 

兵藤は、俺と同じく緊張が抜けたのか、木場へと駆け寄ってそう言った。

 

やばい……視界が霞む……。

俺はヨロヨロと校舎まで歩き、寄りかかる。

 

「イッセーくん、僕は「今は言いっこなしだ。いったん終了でいいだろう?」……そうだね」

 

すると、紅髪のグレモリーらしき人物が木場たちに近づき何かを言っている。

 

「…斗、よく………きてくれたわね。それに……なんて………誇れ……」

 

やべぇ、何も見えないし、殆ど聞こえない。

 

「……、僕は……誓い……。僕…………は…………の眷属……として、……と……を……お……し……」

 

あー、ダメっぽいな。無理だ。

 

そして、俺は気を失ってそのまま倒れた……

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふ、ありがとう。そういえば彼は……!アーシア!直ぐに治療を!朱乃もお願い!イッセーはアーシアに力を譲渡して!お兄様たちが来るまで彼を死なせてはいけないわ!」

 

その後、こんな事が起こった事も知らずに……。




今回使用した技の適当な設定。

名称:名称未定(黄金の斬撃)

効果:言霊によって変化

詳細:

破壊の聖剣+擬態の聖剣+デュランダル+赤龍帝の贈り物+数十年分の生命力

を一回の斬撃に凝縮して放った一撃。また、使い手の気質が破壊力に反映される性質であるデュランダルの効果によりとんでもない威力になっている。

もう二度と登場しない技。

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