今回も短め+話が進んでない……というか原作裏?
エクスカリバーの捜索を始めて数日。エクスカリバーを所持していたフリードを探すが一向に手がかりすら掴めない。
それにしても、コカビエルの奴もまだ動かないのか?あいつの目的は戦争だろうからな。それか、聖剣に関して何か準備をしているのか?
と辺りが夕暮れに染まる中を散策しているとある場所から馴染みの深い気配がする。
「イリナ、聖剣の気配だ。今すぐ向かうぞ」
「わかったわ!」
「逃げさせてもらうぜ! 次に会う時に決着だ!」
聖剣の反応のした方に向かうと、エクスカリバー二本を持ったフリードとハルパーに向かい合う形で兵藤たちがいた。
「逃がすと思うか?」
「やっほー」
フリードたちと兵藤たちの間に立ち、フリードに告げる。
「マジかよ!お前がいるとはな、ゼノン!仕方ねぇ、バルパーのじいさん、撤退だ。コカビエルの旦那に報告しに行くぜ!」
「致し方あるまい」
「それじゃ、バイビー!」
フリードは懐から閃光弾を取り出し、地面に投げつけた。
別に視界を奪われても戦闘は出来るので、一応不意打ちに備え光が収まるまで動かず警戒しておく。
そして、光がおさまると二人は逃げていた。
「……兵藤、俺たちは彼奴らを追跡する、お前たちは……頑張れよ。いくぞ、イリナ」
近くにリアス・グレモリーとソーナ・シトリーが近づいて来ているのが分かったので、逃げるようにバルパーたちを追跡しにいく。
「ええ!」
「僕も追わせてもらおう! 逃がすか、バルパー・ガリレイ!」
すると、直ぐに木場がこちらに合流した。まあ、いいか。
「イリナ、木場、今回は戦闘はできる限り控えて貰う」
フリードたちを追跡している途中でイリナと木場に話しかける。
「どうして?」
「何故だい?」
「まず、今回の目的が追跡だという事に加えてあいつらの拠点でこの少人数で戦闘する事に利点がない」
わざわざ相手の有利な場所で戦う必要がない。調べたコカビエルの性格からして挑戦をふっかければあいつなら乗ってくるだろう。
「確かにね……」
「……」
木場は納得していないが言葉を続ける。
「それに、コカビエルは聖剣を目的として奪ったのでは無い……ということだ」
「どういう事?」
「どういう事だい?」
この言葉に、二人は食らいついてきた。よく考えればわからないか?……推測に過ぎないがな。
「推測に過ぎないが、コカビエルの目的は天使・堕天使・悪魔による三つ巴の戦争を起こす事だ。その為、我々から聖剣を奪った上で魔王の妹がいるこの地にやって来たのだろう。だったら、早急に悪魔に連絡しサーゼクス・ルシファー殿に協力を要請した方が一番効率的だ」
セラフォルー・レヴィアタン殿でも可だがな。
そう話している間にフリードたちが、拠点らしき街はずれの廃鉱の中に入っていく。
中に入るとバルパーとフリードだけがいた。
「さて、追いついたぞ?バルパー・ガリレイ、フリード・セルゼン。コカビエルは何処だ?」
すると、強烈な殺気と共に奥から光の槍が降り注いできた。
すぐさま、イリナと木場より前に出て『
光の槍が降り注ぐのが止んだと同時にコカビエルが出てきた。
「ほう、今のを防ぐか……流石に聖剣を託されるだけあるな」
イリナと木場に撤退できるように目配せをして、コカビエルに問いかける。
「貴様が堕天使幹部コカビエルか?」
「ああ、私がコカビエルだ。さて、計画まで時間がないが直ぐに終わらせるとしよう」
俺の質問に律儀に答えると、コカビエルはバルパーに合図をした。
すると、バルパーが小型の何かを使い結界を創り出した。すると、辺りは廃鉱からただの広い空間に変わった。
「ちっ……逃す気は無いか……イリナ!木場!バルパーを狙え、こいつの持っている道具が結界を創り出している。その間、俺はコカビエルの相手をする!」
あの道具が気になるが今は逃げる事を専決して行動しなくては……。
「わかったわ!」
「させるかよ!」
イリナと木場がバルパーに向かうがフリードが邪魔をする。
「さて、何処まで粘れるかな?」
余裕の表情でコカビエルは、フリードたちと離れ俺に向けて光の槍を無数に撃ち出してきた。
「ははは、どうした?防戦一方じゃないか、それとも精一杯かな?」
あれから、遊ぶようにだんだんとスピードを速め、威力を強くした光の槍を撃ち出してくるコカビエル。まだまだどちらも余裕があるとはいえ、コカビエルが油断している内に何か手を打たないとな。
イリナと木場の方はなんとか優位に進めている。しかし、まだフリードに有効打を与えていない。
と、いうのも……予想以上にバルパーの指示が的確で思うように攻められない、という現場だ。
「ふっ!」
ほんの僅かな時間で聖なるオーラを凝縮し、斬撃を光の槍の弾幕を消すような形で飛ばした。
「小癪な……」
すると、コカビエルは余裕の現れかわざわざ残りの弾幕を消し、斬撃を手で受け止めようとした。
……今しかない!
「イリナ、木場!フリードの動きを止めろ!」
すぐさま、二人に指示を出す。
「了解!『
「ああ!『
イリナの聖剣の形状が変化し、幾重にも又分かれしてフリードを襲い、木場の
「なんじゃ、こりゃあ!?」
フリードは突然の猛攻に驚き飛んで回避する。
「落ち着け、フリード。『
フリードが着地する直後の隙を狙って濃いオーラを練った聖剣でフリードの聖剣を砕く!
物凄い音が鳴り響きフリードの持つ二本の聖剣の半身が砕け散った。
オーラが足りなかったのが原因か……完全に破壊出来なかった。
「げげ!?僕ちゃんの聖剣が!?」
「……素晴らしいぞ、そこの聖剣使い。バルパー、計画を早めるぞ」
聖剣を半身とはいえ二本も破壊されたのに余裕なコカビエル。
計画だと?何をする気だ……?
「ふむ、仕方あるまい。フリード、引くぞ」
「了解だぜ!」
すると、バルパーが結界を解くと
辺りが廃鉱に戻った。しかし、さっきと位置が変わっていてコカビエルが出口側にいた。
「手土産だ、生き残れたらまた会おう」
コカビエルが先程とは比べものにならない巨大な光の槍を数本生み出し、こちらに投合してきた!
くそったれ!廃鉱ごと俺たちを消す気か!?仕方ない……。
俺は決心するとその場に聖剣を突き刺して莫大なオーラを聖剣に込めて言霊を唱える。
「破壊せよ!『
そして、閃光が俺たちを飲み込んだ……。
「くっ……流石に堕天使幹部。これを使う事になるとはな……」
砕けて核だけになった聖剣をみて呟く。使用したのは、昔に俺が考案したリスク有りまくりの一度限りの聖剣による広範囲の衝撃波。
欠点は核を残して聖剣が砕け散るという単純明快なもの。
先ずは、全員の安否を確認しようと辺りを見回す。すると、少し遠くにイリナが血塗れで横たわっていた。急いで駆け寄る。
「イリナ!……息はあるか」
脈と呼吸を確認して生きていることに安堵した俺は応急処置として回復魔術を唱える。
「大丈夫かい?」
すると、後ろから声がかかる。
「木場、よく生きてたな。
「後は君の近くにいたからかな……でも、悪魔の僕にはあれはキツイな」
確かに悪魔に光は有毒だ。明らかに今の木場は気力だけで持ち堪えている。
「そうか、とりあえず俺たちの拠点に来い。治療をする」
「うん、お願いするよ」
と、同時に木場も倒れ込む。……俺もキツイんだが?
「さて、治療は粗方済んだが流石にダメージは抜ききれないか」
あれから二人を拠点のホテルに連れ込み重症の二人を重点的に治療して、現在では木場が完全にとはいかないが動けるまでに回復した。
「でも、大分マシになったよ。それで、これからどうするんだい?」
木場の質問に少し考えて答える。
「……彼奴らの計画について、これも推測だがグレモリー眷属に対する挑発と迎撃の準備だろう。だが、聖剣の気配がしない……まだ計画が始まっていないのだろう」
一度区切り、水を飲んでから続けた。
「それで、俺の推測が正しいなら駒王学園でその計画をするだろう」
すると、木場が立ち上がる。
「なら、すぐに行こう」
「ああ……イリナ、借りてくぞ」
といって俺の部屋に寝かせてあるベッドの近くにかけられた『
主人公が行った技(?)について
名前:聖剣爆弾←
効果:聖なるオーラの暴走による巨大な衝撃波。
勿論、聖剣は核を残して大破する。
詳細:主人公が一度