そして、例のオリキャラ登場……しかし、プロットとは全く別物になったのは何故なんだ……?
そして、時は過ぎパーティー当日。
ギャスパーを除く男性陣は、駒王学園の制服に身を包んで、座って待機していた。何でもタンニーン様とその眷属の方々が送ってくれるらしい。
「兵藤か? それにゼノンに木場?」
「匙、どうしてここに?」
すると、匙が声をかけてきた。一誠が質問すると、匙が答える。
「会長がリアス先輩と一緒に会場入りするって言うから付いて来たんだ。それで、会長は先輩に会いに行っちまったし、仕方ないんで屋敷の中をウロウロしてたら、ここに出た」
匙は少し離れた席に座り、真剣な面持ちで一誠に言う。
「もうすぐゲームだな」
「そうだな」
「俺、鍛えたぜ」
「俺達も鍛えた。ってか、山で毎日ドラゴンにイジメられた」
一誠に続けて俺も口を開く。
「俺は、最初はアザゼル、次にタンニーン様、終盤は祐斗と模擬戦しかしてないな」
木場は今後の為に、口を開かなかった。……因みに予定ではあった沖田総司様との模擬戦だが、色々あって、先送りとなった。
「そ、そうか。相変わらずハードな生き方してんな。まあ、俺も相当ハードなメニューこなしたけどさ」
俺たちの返答に軽く顔が引き攣る匙。すると、匙は頬を掻きながら、口を開く。
「先月、若手悪魔が集まった時のこと覚えているか?」
俺たち三人が肯定すると、匙は続ける。
「あれ、俺達は本気だ。お、俺……せ、先生になるのが夢なんだ!」
「先生……レーティングゲーム学校のか」
俺の呟きに匙は紅潮しながらも真剣に話を進めた。
シトリーは冥界にレーティングゲーム専門の学校設立を夢としているが、そこでは悪魔なら階級に関係なく受け入れるという体制を取る学校らしい。誰でもレーティングゲームが出来るように、シトリーは人間界で勉強している事も聞かされた。
「立派な夢だ……なら、自分の夢に自信を持て」
それを聞いて、率直に匙に言う。自分の夢なら自信を持った方が良い。叶う叶わないは自分の行動次第だからな。
「そうだな……。というか、ありがとな、ゼノン」
「何のことだ?」
惚けたように言う。何の事かは分かっているが……実際、感謝されるように動いた訳じゃいからな。
「……それでもだ。会長も言ってたからな」
「そうか……」
まあ、素直に感謝は受け取っておくか。……レーティングゲームでは手は抜かないし、抜く気も無いがな。
「イッセー、お待たせ。あら、匙くん来ていたのね」
部長の声がしたので、振り向くとドレスに着替えた部長達がやって来た。
ただ……
「なんでお前までドレス姿なんだよ!」
一誠が代弁するかのように叫んだ。……まあ、分かっちゃいたんだよな、この場にいなかったからな。というか、一誠。先に部長たちの姿を褒めろよ。女性とはそう言うものだぜ?
「だ、だって、ドレス着たかったんだもん」
女装癖も大した物だ。……下手な女性より似合っている気がするな。
そして、シトリーもドレス姿でやって来た。その後、暫くすると執事がやって来てこう言った。
「タンニーン様とそのご眷属の方々がいらっしゃいました」
庭に出てみると、タンニーンとその眷属のドラゴンが十体もいらっしゃった。
……普通に考えるならタンニーン様の眷属は「
「約束通り来たぞ、兵藤一誠」
「うん! ありがとう、おっさん!」
そして、シトリー眷属を含む俺たちはタンニーン様を含めたドラゴン達の背中に乗り、会場となる場所へ向かった……
*
……パーティー会場
上級悪魔達との挨拶を一通り終えた俺は、飲み物で喉の渇きを潤すと同時に他の奴らを探していた。
一誠、アルジェント、ギャスパーはフロアの隅っこにある椅子に座り込んで慣れない事に気疲れしたのか、グッタリしていた。
それを見て苦笑いをしていると、一誠の方に金髪のお嬢さん……確かレイヴェル・フェニックス……が近づき会話をし始めた。
そして、暫く時間を潰していると視界に黒猫が入った。あれは……使い魔? ということは黒歌か?
そして、俺はパーティー会場を抜けてエレベーターを降り、明るい場所を出て、闇夜の森を歩く。
暫く歩くと懐かしい気を感じたので足を止めてその方向を見つめる。
「久しぶりじゃない?」
すると、黒い着物に身を包み、頭部に猫耳を生やした女性……黒歌が現れた。
「久しぶりだな、黒歌。何のようだ? わざわざこんな時に使い魔寄越して」
軽口を叩く……塔城の事だろうしな。
「あなたに会いたくて来たのに、酷い……なんて、野暮な事は言わないで本題に入るにゃん……あの事を白音に言った?」
「ああ、まさか俺が悪魔になって同じ眷属になるとは思いもしなかったけどな」
これも、何かの運命なのかね……。
「そうね、あの時はごく僅かな可能性に賭けただけだったから……。それで、白音の反応は?」
「信用したよ。まあ、証拠あったからな」
「え?」
黒歌が予想通り疑問の声を漏らしたので、俺はグラシャラボラス家の次期当主の事を話す。
「そうだったのね。でも、私は今は戻れないにゃん……」
その言葉に俺は、黒歌とは別の方向を見て口を開く。
「そうか、「
すると、美猴が姿を見せる……隠れて居た訳では無かったがな。……というか、黒歌が「
「久しぶりだねぃ、聖剣使い。雰囲気的に入り込めなかったぜぃ」
空気を読んだのか……?
「で、お前も単独行動か?」
「そうだねぃ。黒歌が野暮用に出るって言い出して、なかなか帰ってこないから、こうして迎えに来たわけだぜぃ。それと……」
美猴は言ったん言葉を止めると、ある方向を見て言葉を続ける。
「気配を消しても無駄無駄。俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、気の流れの少しの変化だけでだいたい分かるんだよねぃ」
すると、一誠、部長、塔城の三人が出てきた。塔城が出てきたことに黒歌と美猴は驚いていた。多分、塔城は仙術の応用で一誠か部長の気と同調してたな。というか、そんなのはあの書物には無かったが……アザゼルか?
「白音……!?」
「はい、黒歌お姉様……」
すると、塔城と黒歌は互いに抱き合う。美猴がいる事に、部長と一誠は警戒していたが、塔城の意思を優先させたみたく、塔城を止めようとはしなかった。
暫く経って、塔城と黒歌が離れると部長が黒歌に質問する。
「でも、何で貴方は「
「それは……」
「白音……塔城を最悪の場合は連れ戻す為……だよな?」
黒歌が言い淀んだので、俺が言葉を続ける。俺の発言に驚いた表情の黒歌だったが、口を開く。
「……そうにゃん。だけど、白音それはあの「
「そうだったのね……」
普通ならばあり得ない和やかな雰囲気が辺りを包む。
「それじゃあ、そろそろ戻った方が……!?」
場を収めようとした途端、俺たちや黒歌たちの方とは別の方に一人の女性が現れた。その手には、聖剣と謎の結界装置が握られている。
「始めましてローラン。早速、貴方の力を見せて?」
そして、手に持っていた結界装置が光って辺りが結界に包まれた。
辺りを即座に見回して把握すると、全員場所は離れているがいる事を確認する。
……良かった……のか? 美猴と黒歌の表情からするに知ってはいそうだが……。というか、ローランって、あのローランか?
「……ざ……な……」
先程の呟きが聞こえたので、その女性を見るとその表情は怒りに染まっていた。
……え? どういう理由で怒ってるんだ?
「……巫山戯んな、何で余計な奴らがいるんだ? 私とローランの邪魔……こいつらと戯れていなさい」
すると、異形の怪物が複数創造され、黒歌や美猴、一誠たちに襲いかかった。理由が理解不明過ぎる……。
「何だこれ!?」
「ごちゃごちゃ五月蝿い。糞蜥蜴が……口を開くな……それとそこの余計な貴様らも黙ってろ」
異形に対して一誠の驚きの声をあげるが、あの女性は冷徹な言葉を吐く。……赤龍帝を赤蜥蜴か……。
「俺っちたちもかよ! 仕方ねぇ、グレモリー! 共闘だ!」
美猴が異形を如意棒で吹き飛ばすと、部長に叫んで提案をする。
「……ええ!」
共闘なら彼方は何とかなるか……問題は……
「さあ、見せなさい」
……この女性だな。だから見せろと言われても何が何だか分からない。とにかく、この行動の意図を探るしかないな。
「お前は何者だ? そして、ローランとは?」
先ずは、単刀直入に訊ねる。
「そうですね、名乗り忘れてました。私の名前はオリヴィエ、名の通りオリヴィエの魂を継いだ人間です。それに、ローランは貴方の事」
これが、英雄って奴か。しかし……
「俺はローランなんかではないが?」
「いえ、貴方はまだ真のローランには程遠いけどローランには違いないのです。聖剣デュランダルに認められるって事はローランに違いないのよ!」
その言葉と共に、オリヴィエは聖剣を構えて突っ込んで来た!
というか……その理屈は可笑しくないか!? こいつ精神汚染スキルでも持ってるんじゃないか!?
「チッ……!」
オリヴィエの聖剣をジュワユースで受けるが、舌打ちを零す程に一撃が重い……流石は英雄か……。
「どうしたのですか、ローラン!? もっともっトもッとモっとモッとモっトもっとモットもっとモットモットモットモット本気で来なさい!」
そういって放つ連撃をデュランダルとジュワユースで受け切るが……こいつ、手を抜いてる。先程の一撃とは大違いに軽い。
手を抜く意味がわからない。……考えるだけ無駄か。やるしかないか……応援は来るかわからんが、異変には気づくだろうしな。
「ハァッ!」
瞬時に魔力と気を合成し、肉体強化。そして、攻守一転して連撃を放つ。
が、その連撃は嬉々とした恐ろしい程の笑みを浮かべたオリヴィエはいとも簡単に受け切る。
「それは、予測済みだッ!」
瞬間的に魔力と気のバランスを崩し、足元を暴発させて目眩ましと共に距離を取ると直様、無数の斬撃を放つ。
煙が晴れるとそこには、左頬に切り傷が一筋のみで、他は無傷だった。
クソッタレが……ここまで実力差が有るのかよ……。
「ふふふ……いいわ」
オリヴィエは頬に出来た切り傷から出た血を手で取り、
「少し本気でいきましょうか……死なないでね?」
「ッ!」
先程の軽い連撃ではなく、最初の重い一撃が連続で襲いかかる。
一合毎に斬撃の余波で切り傷が増える。
「ぐっ……!」
……これは、二剣でオーラを分散させるより、一剣にオーラを込めた方がいいな……。
「ジュワユースッ! 」
鍔迫り合うたびに、森の木々が衝撃によって破壊され、大地が抉れ、大気と結界が震える。
このまま、斬り合ってもジリ貧か……なら、仕掛けるしかないか。
オリヴィエの聖剣を左肩に受ける。
「……!」
聖なるオーラで相殺しているのにここまでダメージを受けるとは……!
そして、オリヴィエの腕を左手で掴み動きを止め……右手のジュワユースでオリヴィエを斬る!
「ふふふフフ負腐不附ふ……ロォォォラァァン……ふふ……」
……結果は、相討ち……とはいかず、あっちは軽傷に終わった。此方が悪魔だという事を抜きにしても、実力に差が有りすぎる。
というか、恐ろしすぎる。治療してる時間は無い……か。
『Welsh Dragon Balance Breaker!!』
「
すると、今の空気をかき消すように一誠が叫ぶ。
『相棒、おめでとう。しかし、構えろッ! あの女が殺しにかかって来るッ!』
「……黙ってろって言っただろ、糞蜥蜴が……死ね、折角楽しかったのに……」
オリヴィエが一誠に高速で斬りかかる。一誠は構えたまま動かないし、俺も動けない。
しかし、二人の間に空間が裂け、そこから背広を着た眼鏡の若い男が現れてそれを防いだ。
彼の手には極大な聖なるオーラを放つ剣が握られている。あれは……聖王剣?
「……やれやれ、二人の帰りが遅いから来て見たら……何の真似ですか?」
「は? こっちの台詞だアーサー。ただ私は目障りな糞蜥蜴を殺すだけだが?」
その言って一誠を睨むオリヴィエ。
「曹操に“やり過ぎるな”と伝言を預かっていますが?」
「チッ……」
オリヴィエが舌打ちした直後に、轟音と共に結界が破壊され……
「無事か、お前達!?」
「タンニーンのおっさん!」
タンニーン様がやってきた。
「……ゲオルクの奴、大分手を抜きやがったな……
すると、オリヴィエは苦い顔をして呟くと、霧によって去っていった。
ゲオルク? 曹操と同じくオリヴィエの仲間か?
しかし、助かったか……。
「引きますよ」
そして、アーサーが聖王剣で空間に裂け目を創ると、美猴と黒歌がアーサーの元に近づいた。
「わかったぜぃ、じゃあなグレモリー!」
「……白音、またね」
「はい、お姉様」
黒歌と美猴は裂け目に入っていった。それを確認するとアーサーが俺に言う。
「……『
『
「そんな事を喋っていいのか?」
「ええ、今回の件の謝罪と思っていただければ……。彼女は普段はまともな分類におけるんですが……」
余計たちが悪いぞ、それ。……取り敢えず、簡単な治療はした。あとは、アルジェントに任せるか。
そして、アーサーも空間の裂け目の中に入り、この場を去った。
そして、魔王主催のパーティは「
黒歌と美猴に関しては、タンニーン様に話さないとか……。
……とまあ、オリキャラのオリヴィエさんでした。そこまでぶっ飛んだキャラでは無いですよ……ね? 多少参考にしたキャラはいます……COOLな旦那とか。
彼女の姿や持ってる聖剣、神器に関してはおいおいと出てきます。
まあ、予想はついてると思いますが。