まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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戦闘。イッセーの描写の方が多いのは気にしない方向で←


What is a chaos brigade? Ⅱ

 

 

旧魔王その1の防御障壁を容易く斬り裂き近距離で魔術をぶち込む……という事を何度か繰り返して有利な状況で戦闘を続けている。

 

冷静さが欠けているからほぼ一方的な状況になっているが。

 

「……っ! 下級悪魔ごときが!」

 

魔術によりボロボロになった旧魔王その1が忌々しそうに叫ぶ。

 

「すみません、余りにも貴方がノロマなものですから……そろそろ、奥の手を出しますか?」

 

と、挑発や精神攻撃は基本。実際、奥の手を早く出してもらわないと困る、起死回生の手だったら最悪アザゼルに援護して貰えばいいし、対した事がなければそのままいけるだろうしな。

 

すると、旧魔王その1は距離をとって語りだした。

 

「……ふふふ、いいでしょう。その台詞、後悔させてやろう」

 

旧魔王その1は胸元に手を突っ込んで、小瓶を取り出した。そして、中に入っていた小さな黒い蛇らしき物を呑み込んだ。

 

すると、旧魔王その1の魔力が急に倍以上に膨れ上がった。

 

「今のは、何だ?」

 

基本的にこういう奴は質問に答えてくれる筈。

 

「今のは、オーフィスの蛇です。世界変革のため、オーフィスには少々力を借りました。この力で貴様を倒した後は、貴方たち全員を倒します」

 

さっきの蛇のようなものは、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィスによるものか……どこまでの強化度なのかわからないので距離が離れているので様子見で魔術を放ちながら距離を詰める。

 

そして、魔術を防いでいた障壁を魔力を纏った足で蹴りつけるが、障壁で防がれて反撃とばかりに打たれた拳を聖剣で受けて軽く吹き飛ぶ。

 

「ちっ……」

 

思わず舌打ちをしてしまったが冷静に思考する。確かに、蛇の効果で全体的に能力は飛躍している。さて、どうするか……?

 

「どうですか?今の私とあなたでは、力の差は歴然です」

 

蛇の影響で気持ちが昂りすぎて思考力が低下しているのか訳がわからないことを話す旧魔王その1。

部長たちがヴラディを救出するのを待つ必然性もないし……やはり速攻でケリをつけるか。まあ、この程度なら……

 

「……デュランダル!」

 

コカビエルの件の後からデュランダルは態々詠唱しなくてもよくなった。理由は不明だが、便利なので良しとする。

 

「ふっ!」

 

そして、気と魔力を融合させ身の内と外に纏って瞬間的に強化する。これは、まだ持続力に欠ける為に一瞬しか持たないが、今はこの一瞬で充分……!

 

「なっ!?何故聖剣が二本も!?」

 

驚く旧魔王その1の隙を狙いデュランダルとジョワユースの範囲内にまで近づき告げる。こんな所で驚くなんて……お終いだぜ?

 

「Game Over だ」

「な!? 速……」

 

防御障壁をデュランダルで斬り裂いて、そのまま聖なるオーラを込めたジョワユースで旧魔王その1を斬って消滅させた。凄まじいな、ジョワユース……

 

「……ふう、終っ……!」

 

旧魔王その1を滅して、一息ついて緊張を解こうとした途端、俺のいる辺り周辺に無数の魔力弾が放たれた。ちっ……ここで反逆か。魔力弾の数が多い……捌ききれるか?

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

すると突然、黄金の全身鎧を身に纏った人物が現れて魔力弾の大半を光の槍で相殺した。

 

「ほらよ、これで貸し一つだ。ってことでミカエルの説得は頼むぜ?」

 

その全身鎧を身に纏ったのは、アザゼルだった。

 

「アザゼル、その鎧はまさか……」

 

「正解だ、白い龍(バニシング・ドラゴン)や他のドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)を研究して作り出した、俺の傑作人工神器(セイクリッド・ギア)だ。今は『堕天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)』の擬似的な禁手状態だ。名前は『|堕天龍の鎧《ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー》』」

 

説明し終えるとアザゼルは、さっきの魔力弾を放った首謀者である白い全身鎧を身に纏った人物を見上げ、話かける。

 

「しかし、ヴァーリ。お前が裏切るとはな……」

 

そう、さっきの攻撃はヴァーリだったのである。可能性としては、俺を除いては、こいつしか有り得ないしな。

 

「アザゼル、俺はあくまで協力するだけだ。“アースガルズと戦ってみないか?”と魅力的なオファーを受けてね。自分の力を試してみたい俺では断れない。アザゼルは戦争嫌いだから、ヴァルハラ……アース神族と戦う事を嫌がるだろう?」

 

どこまでも戦闘狂だな……俺主観だが、さっきの旧魔王どもよりは変な欲望が無い分ましに思える。

 

「……チッ。俺もやきが回ったもんだ。身内がこれとはな……」

 

「ゼノン! 無事か!?」

「ゼノンくん、無事かい?」

「さっきのは一体?」

 

すると、部長たちがやってきた。時間が惜しいので直ぐ様、説明する。

 

「簡単に説明するなら、お前たちが転移後に旧魔王の一人が来たが、俺がさっき始末した。そして、ヴァーリが裏切った訳だ」

 

皆が、ヴァーリを見るとヴァーリは語り出した。

 

「俺の本名はヴァーリ……ヴァーリ・ルシファーだ。死んだ先代の魔王ルシファーの血を引く者だが、旧魔王の孫である父と人間の母との間に生まれた混血児。白い龍(バニシング・ドラゴン)神器(セイクリッド・ギア)は半分人間だから手に入れたものだ。そうして、ルシファーの真の血縁者でもあり、白い龍でもある俺が誕生した。運命、奇跡と言う物があるなら、俺の事かもしれない……なんてな」

 

すると、ヴァーリの背中から光の翼と共に、悪魔の翼が幾重にも生え出した。態々見せてくれるなんて丁寧だな。

 

「嘘よ……そんな……」

 

部長が呆然と呟く。……って事は、部長はサーゼクス殿から教えられて無かった訳か。悪魔側なんだから、既に知ってると思ってたよ。

 

「事実だ。もし冗談の様な存在がいるとしたら、こいつの事さ。俺が知っている中でも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇になる」

 

アザゼルが肯定する。というか、歴史書を見る限りだと歴代の赤龍帝と白龍皇の戦いは余り載ってないし、アザゼルみたいに見た経験がないから歴代歴代言われても、実感がわかないんだよな。

 

「俺の様に魔王+伝説のドラゴンみたいな思いつく限り最強の存在がいる反面、そちらの様にただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合もある。ライバル同士のドラゴン神器(セイクリッド・ギア)とはいえ、所有者二名の間の溝はあまりに深過ぎる」

 

確かに、元の地の力では天地の差があるな。禁手(バランス・ブレイカー)に至っていて『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』も可能のような気がする白龍皇に対して、未だに禁手(バランス・ブレイカー)に正式に至れていない赤龍帝。

兵藤を指を差し見下しながらヴァーリは話を続ける。

 

「君の事は少し調べた。父は普通のサラリーマンで、母は普通の専業主婦。両親の血縁は全くもって普通で先祖に力を持った能力者、術者がいた訳でもない。勿論、先祖が悪魔や天使に関わった事もなく、君の友人関係も特別な存在ではない。君自身も悪魔に転生するまでは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)以外、何も無い普通の男子高校生だった」

 

うお、結構調べたんだな……俺は人物の過去については余り調べない主義なんだよな。

 

「ヴァーリ、何が言いたい?」

 

アザゼルが言う。確かに、兵藤なんて凄く微妙な顔をしているぞ?

 

「つまらない……あまりにつまらな過ぎて、キミの事を知った時は落胆よりも笑いが出た。せめて親が魔術師ならば、話は少しでも変わったかもしれないが……。そうだ!こう言う設定はどうだろうか?キミは復讐者になるんだ!」

 

ヴァーリの言っている意味がわかった俺はヴァーリを睨みつける。復讐者……巫山戯てんのか? このクソ野郎は。

 

「俺が君の両親を殺そう。親を俺の様な貴重な存在に殺されれば晴れて重厚な運命に身を委ねられると思わないか?どうせ君の両親は今後も普通に暮らし普通に老いて、普通に死んでいく。そんなつまらない人生よりもそのが華やかだ!そうだろう?」

 

「……殺すぞ、この野郎」

 

兵藤から殺気が溢れる。態々こんなことを言って兵藤を挑発したな、こいつは……。応じなかったら、普通に兵藤の両親を殺しそうだが。しかし、これはヴァーリの単独行動と言う事だな。ヴァーリを誰かが連れ戻しに来るまで兵藤の成長の為に利用させて貰うぜ?

 

「ヴァーリ! てめぇなんぞに、俺の親を殺されてたまるかよぉぉぉぉお!」

 

『Welsh Dragon Over Booster!』

 

兵藤の怒りにより、籠手が赤く強大なオーラを解き放ち、赤い鎧……『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』を纏った。本来なら、禁手に至っていていない兵藤では犠牲を払わないといけないのだが、事前にアザゼルから貰った特製のリングのお陰で犠牲を払わずに済んだ。

 

神器(セイクリッド・ギア)は単純で強い想い程、力の糧となる。兵藤一誠の怒りは純粋な程お前に向けられているのさ。真っ直ぐな者、それこそドラゴンの力を引き出せる真理の一つ』

 

「そうか。そう言う意味では俺よりも彼の方がドラゴンと相性が良い訳だ」

 

空中で、飛んで向かってくる兵藤をながらヴァーリとアルビオンが会話をする。

 

「だが、ドライグを使いこなすには知恵が足りな過ぎる」

 

「さっきから俺が分からない事を言ってんじゃねぇ!」

 

『BoostBoostBoostBoost‼』

 

両者の会話の中で一誠は、彼なりに考えて龍殺しの聖剣(ドラゴン・スレイヤー)であるアスカロンで斬りかかるも振り回すだけの剣では、ヴァーリに当てる事が出来ない。

 

『Divide!』

『Divide!』

『Divide!』

『Divide!』

 

「ぐぅ……」

 

兵藤の苦悶する声が漏れる。ヴァーリも態々倍加した分だけ半減させるとか……案外こいつに成長して欲しいみたいだな……まあ、好敵手なんだから当然か?

 

『BoostBoostBoostBoost‼』

 

兵藤がもう一度連続で倍加して今度は片手で斬りかかる。

 

『Divide!』

 

が、また避けられて一撃入れられる。……しかし、何故片手持ちにしたんだ? 何か策があるんだと思うが。

 

『Divide!』

 

二撃目が入り更に半減される。

 

『Divide!』

「何!」

 

三撃目が入るが、兵藤が右手でヴァーリの右腕を掴み捉える。

 

「ドライグ!収納しているアスカロンに力を譲渡だ!」

 

『承知っ!』

 

『Transfer!』

 

一誠の左手に力が譲渡され、アスカロンを収納した籠手でヴァーリの顔面に拳を入れる。

 

すると、龍殺しの聖剣(ドラゴン・スレイヤー)の威力が発揮されて『|白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル》』の一部が呆気なく壊れ、ヴァーリは地面に叩きつけられた。

しかし、兵藤もキツかったのか一旦地上に降りてきた。

 

何というか……泥臭い戦い方だな。そういう、肉を切らせて骨で立つ、みたいな考えは嫌いじゃないがな。

 

「へへ……やったぜ」

 

「兵藤、まだだ。既にあいつは回復している」

 

喜んでいる兵藤には悪いが、

俺の言う通り、大破した筈のヴァーリの鎧が再び元の状態に戻っていた。

 

「……まじかよ」

 

兵藤の禁手(バランス・ブレイカー)状態は制限時間付きで、その時間内でヴァーリを倒すには、相打ち覚悟で覇龍(ジャガーノート・ドライブ)ぐらいしかないか?速く、ヴァーリを迎えに誰か来いよ。

 

「……ん? これは……」

 

考え込んでいた俺の目の前に何かが光った。それは先程の攻撃によって破損した白龍皇の宝玉だった。俺はその宝玉を手に取り兵藤に投げ渡した。

 

「兵藤、神器(セイクリッド・ギア)は想いに応えて進化する。そして、相反する力も聖魔剣により合わせる事が可能だ。言いたい事はわかるな?」

 

兵藤は宝玉を受け取り、俺の話を聞いてからほんの少しだけ考えた後に、右手の甲に存在する赤龍帝の宝玉を叩き割りヴァーリに叫んだ。

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)、ヴァーリ! もらうぜ、お前の力!」

 

そして、兵藤は白龍皇の宝玉を右手の甲に埋め込んだ瞬間、右手からオーラが発生し、兵藤の右半身を包み込んだ。

 

しかし……

 

「うぐああああああああああああああああッ!」

 

兵藤の身体中には、形容し難い激痛が走っていると思う。魔力と気の混合もきつかったからな……それなりのリスクはあるとは思ったがこんなに酷いんだな……。

 

『ドライグよ、我らは相反する存在だ。それは自滅行為に他ならない。こんな事でお前は消滅するつもりなのか?』

 

リスクは消滅か……まあ、不可能では無いだろうし、後は兵藤の意志の強さに賭けるしかないな。

 

『アルビオンよ、お前は相変わらず頭が固いものだ! 我らは長年、人に宿り争い続けてきた! しかし、それは毎回毎回同じ事の繰り返しだったな』

 

『それが、我らの運命。お互いの宿主が違ったとしても戦い方だけは同じだ。お前が力を上げ、私が力を奪う。神器をうまく使いこなした方がトドメを刺して終わりとなる。そう、今までもこれからも』

 

兵藤が苦しみに呻いている中、会話をする二天龍。後で、ドライグに過去の戦いについて聞くか……興味が湧いてきた。

 

『俺はこの宿主……兵藤一誠と出会って一つ学んだ事がある……それは、馬鹿を貫き通せば可能になる事があると!』

 

「俺の想いに応えろぉぉぉおッ!」

 

『Vanishing Dragon Power is taken!!』

 

兵藤……一誠の叫びと同時に右手が真っ白なオーラに包まれ、白い籠手が出現した。

 

「で、出来た……!」

 

右手の白い籠手をみて声を漏らす一誠。それを見て呟く。

 

「白龍皇の力を宿した籠手……安直だが名前を付けるなら『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』ってところか……」

 

『あり得ん! こんな事はあり得ない!』

 

すると、アルビオンが驚愕の声を出す。というか、アルビオンはさっきドライグが言ってた通り頭が固いな……聖魔剣があり得るんだから、有り得なくは無いんだよ。

 

「まあ、進めた俺が言うのは何だが、無謀にも程がある。死んでいないにしろ、確実に寿命を縮ませたな」

 

今はまだ驚きっぱなしの部長には確実に怒られそうだな……結果オーライでなんとかなるか?

 

「……良いよ、俺は一万年も生きるつもりは無いから。けど、やりたい事は山程あるから、最低でも千年は生きたいけどな」

 

ハーレムかな? 一誠ならあり得るが。

 

「ふっ……今まででこんな奴は見た事が無い」

 

少し前に上空に上がったヴァーリが拍手しながら言う。全身鎧の所為で表情がわからないが、多分ヴァーリは良い笑顔を浮かべているだろうな。

 

「なら、俺も少し本気を出そう! 俺が勝ったら、君の全てと君の周りにある全ても白龍皇の力で半分にしてみせよう!」

 

『Half Dimension!』

 

宝玉から音声が流れ、眩いオーラに包まれたヴァーリが木々へ手を向ける。すると、木々が一瞬で半分の太さになってしまった。

 

「……半分(・・)?」

 

それを見ていた一誠は、小さく何かを呟いてから首だけを動かして部長へ視線を向ける。そして、半分になった木と部長を交互に見てからワナワナと震えながら口を開いた。どうした?

 

「ふ……ふざけんなぁぁぁぁぁあ! 部長の! 俺の部長のおっぱいを半分の大きさにするつもりかぁぁぁぁぁああッ!?」

 

『BoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

は……? え?

 

「絶対にてめぇだけは許さねぇッ! ぶっ倒してやるッ! ぶっ壊してやるッ! ヴァーリィィィッ!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost‼』

 

いやいや、何でだよ。何故そんな結論に達するんだよ?しかも、倍加スピードが断然速くなってるし、わけわからん。

 

すると、一誠は今までとは段違いのスピードでヴァーリに向かって飛び出して、動き回るヴァーリを難なく捕まえ……

 

「これは部長のおっぱいの分!」

 

謎の台詞と共に腹に右の鉄拳を入れた。

 

『Divide!』

 

それと同時に、奪った白龍皇の力……『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』の能力で、ヴァーリの力を半分にした。

 

威力に耐えられずヴァーリは吐瀉物を口から吐き出した。

 

「なんだよそりゃ!? 主さまの胸が小さくなるかもしれないって理由だけで、ドラゴンの力が跳ね上がりやがった!」

 

隣でいつの間にか禁手(バランス・ブレイカー)を解除したアザゼルが爆笑している……まあ、爆笑する気持ちはわかるが……

 

「朱乃さんのおっぱいの分!」

 

そんな中、一誠は更に叫び顔面に鉄拳を打ち込み、兜を破壊する。

 

「これは成長中のアーシアのおっぱいの分!」

 

今度は、背中に付いている噴射口を破壊した。ヴァーリの体制が更に崩れる。

 

「そしてこれが、小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁぁぁぁああ!」

 

止めとばかりに猛スピードを乗せたタックルをかました。それを食らったヴァーリは地面に叩きつけられて、吐血した。

 

しかし、ヴァーリは不気味に笑いながらゆっくりと立ち上がると、ある呪文を唱え始めた。

 

「『我、目覚めるは、覇の理に……』」

 

『自重しろヴァーリ! 我が力に翻弄されるのがお前の本懐か!?』

 

「一誠、離れろ! アザゼル!」

 

覇龍(ジャガーノート・ドライブ)の呪文だと分かった俺は更に一撃を放とうとする一誠を呼び戻し、ヴァーリの覇龍(ジャガーノート・ドライブ)に備えてアザゼルに声をかける。

 

「ああ、(バランス・)……」

「ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」

 

すると、アザゼルが禁手(バランス・ブレイカー)になる寸前に三国志の鎧を着た男がヴァーリの目の前に転移してきた。

 

美猴(びこう)か。何をしに来た?」

 

「それは酷いんだぜぃ? 相方がピンチだっつーから遠路はるばるこの島国まで来たってのによぅ? 他の奴らが本部で騒いでるぜぃ? 北の田舎アース神族と一戦交えるから任務に失敗したのなら、さっさと逃げ帰ってこいってよ? カテレアはミカエル、アザゼル、ルシファーの暗殺に失敗したんだろう? なら、監察役のお前の役目も終わりだ。俺っちと一緒に帰ろうや」

 

二人の会話から推測するに、こいつも「禍の団(カオス・ブリゲード)」の一員であることは間違いない。ヴァーリの覇龍(ジャガーノート・ドライブ)の露呈を防ぐ為に来たのか? それか、単にアース神族との戦争が間近だから呼び戻しに来ただけか。

 

「な、何だよ。お前は!!」

 

すると、二人の話に一誠が割って入った。すると、その問いにはアザゼルが答えた。

 

「闘戦勝仏の末裔……簡単に言えば西遊記の孫悟空の末裔だよ」

 

「ええええっ!?」

 

一誠が仰天しているから、謎の誤解をしないように説明する。

 

「一誠、正確には孫悟空の力を受け継いだ猿の妖怪だからな?しかし、偏見で悪いがお前が「禍の団(カオス・ブリゲード)」に入っているとはな……」

 

初代の闘戦勝仏様は、一度お会いしたが色々裏が有りそうな帝釈天とは違い素晴らしい方だったからな。

 

「俺っちは、仏になった初代と違って自由気ままに生きるのさ。一応、自己紹介させてもらうぜぃ。俺っちは美猴。よろしくな、赤龍帝。そして、聖剣使い」

 

俺の言葉に気を悪くせずに返答した美猴は手元に棍を出現させ、地面に突き立てる。すると、地面に黒い闇が広がり、ヴァーリと美猴を沈ませていく。闇に紛れて撤退しようしているので、別に態々追う必要が感じられなかったので一応報告に部屋に戻った。

 

因みに一誠は、禁手(バランス・ブレイカー)が終了して疲労感からかぐったりとしていた。

 




一応、主人公の現在の強さについて説明を……

まず、原作ではカテレアと闘ったアザゼルですが、原作では左腕を失っています。あれは、アザゼルが神器の調整がてら加減して闘ってたから(カテレアが女だからといった理由も無きにしも非ず)カテレアに自爆の余裕を作らせた為の失態だと考えてみると、カテレアはたいして強くないです。
で、ゼノンですが、やけに強いジョワユースを得て戦闘能力は二つの剣を扱う事には経験がある為、格段に上昇しています。尚且つ、
カテレアに対して油断は一切なく、殺すことを躊躇わいません。
よって、余裕でカテレアを倒せました。

原作のゼノヴィアと比べても段違いに強さが違います。レーティングゲームではそれが顕著に出る予定です。それによりジークフリートが強化される……かも。

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