Vivid!スクライド!!
新暦76年、冬…廃棄都市
「確かにここなのか?」
「うん、ここを根城にしてるみたい」
「ったく、やになるっすね~でたばかりのあたしたちに押しつけるなんて」
「ウェンディ、今は仕事に集中しろ…………私たちを引き取ってくれた父上のためにもな」
「わかってるっすよチンク姉…《金ピカライオン》狩りをするっすよ!」
ジェイルスカリエッティが起こした事件から二年…厚生施設からでたばかりのチンク、ディエチ、ウェンディは更正プログラムの一環として身元引受人となったゲンヤ・ナカジマ中佐率いる陸士108部隊へと預けられていた
そんなとき、廃棄都市でならず者相手に暴れまわる《金色のライオン》…隣接する都市部にも現れたと聞き治安を危惧し108部隊はチンク、ウェンディ、ディエチと隊員100名余りを派遣した。廃棄都市へはいりみたのは驚くべきモノだった
『ガアアアアアアァアアアアアアアア!!!』
黄金の光を身にまとい陸士108部隊を拳一つで殴りつけ叩きのめす黄金の獅子……真っ赤な鬣を揺らしギロリっ睨み叫んだ
『が、ガアアアアアア!』
「く、手ごわい……ディエチ、ウェンディ油断するな!……気を引き締めなければ負ける!! 」
スティンガーすべてを殴りつぶし粉砕した黄金の獅子に冷や汗を流し、久しぶりの強敵に内心喜びを感じるチンク…ディエチのイノーメスカノンの砲撃、ウェンディのライディングボードによる牽制に追いつめられていく
「そこだ!」
『ぐ、ぐ、ガアアアアアア……………』
スティンガーが顔面へ突き刺さり爆発、煙に包まれ胸をなで下ろし近づいた三人の前には
「……………こ、子供?まさかさっきの相手は…」
ボロボロの薄汚れた布を巻いた10歳前後の子供が倒れ伏す姿…三人は気絶した子供と共に傷ついた陸士隊員と共に帰還したのだが、身元すらもわからない、それどころか言葉も通じなかったのだ
「……あ、あの」
「が、があぁ!がっ!がぅ!!」
保護されてからも敵意を剥き出す姿にため息をつく…身につけていた服から辛うじて読み取れた文字《ーーーKAZーーーUMーーーA》からカズマと名を付けられた…一週間すぎても敵意を向け威嚇していた
「うう、あの子怖いっすよ!?」
「ウェンディ、あの子…もしかしたらだけど、あの廃棄都市でずっとひとりで生きていたんじゃないかな?頼れる人がいなくて…もしかしたら恐いんじゃないかな…私たちとにてるかも」
「でも、何も口にしてないんっすよ!?このままだと……チンク姉?!なにするんっすか!?」
「!ふぅぅぅ!ふぅぅぅ!」
「…………」
部屋の隅にうずくまり敵意の眼差しを向けるカズマに近づき、座ると持っていたパンを口にしたべ差し出した
「ふぅ!?」
「毒など入っていない……喉も乾いているだろう?さあ……」
「……ぐるる………!!」
差し出された食べかけのパンを鷲掴みにしクンクン匂いをひときしり嗅ぎ口にする…ただ無心に噛みちぎり飲み込んでいくも喉を詰まらせそうになるが、スッと先に飲んで見せたミルクが差し出さる。パッとつかむやいなや喉を鳴らし飲む姿に唖然となった
「う、うそ」
「あの子が……しんじられないっす」
「ングング…はっ」
「こら、あまりがっつくな。喉をまた詰まらせるぞ?」
カズマとチンク…野生の獣と戦闘機人である彼女との奇妙な繋がりが生まれた瞬間。そして一年の月日が流れた
「カズマ~コレはなにかわかるか?」
「…と…とり……」
「よくできたな。えらいぞ」
「カズっち、いい加減あたしのなまえ覚えるっす!!ウェンディっす!!」
「えんう゛ぃ……」
「ウェンディっす!あたしは鋼の錬金◑☆のホム◑☆クルスじゃないっすよ?」
「こらこら、まだ言葉を覚えたばかりだから無理強いはダメだ」
「チンク姉の言うとおりだよ。ねぇ~カズマ?」
「で…えち……」
少しずつ言葉を覚えていくカズマ…特にチンクに懐く姿は兄妹にしか見えない……そして新たな出会いをむかえる
「はじめまして、わたし高町ヴィヴィオです。よろしくねカズマ」
「う゛ぃう゛ぃ………たか……まち……ぼく……かずま」
ヴィヴィオとの出会いがカズマを人としての心を育んでいく…しかしソレはあっけなく崩れた
「見つけたぞNP23082…」
「……ちがう……ぼく……かずま」
「あぶないカズマ!」
現れたのは謎の組織《ホーリー》…なすがままになぐられるも見ていられず間に割って入り自分をかばい地面へ倒れたチンクをみたカズマの中で何かが切れた
「へ、戦闘機人風情が…まあ、いつか我がホーリー…カツキ様がきれいさっぱり抹殺してくれるんだからよ」
「チ、チンクおかあさん…………ふ、ふ、ふぅぅぅ…………うわああああああああ」
慟哭の叫びと共にカズマの周り…道路、ビルの壁、車の一部がはじけえぐり取られ光となると同時に右腕を突き出す…拳から肩まで三枚おろしに別れ節々にリングが拘束、金と赤の装甲が構築され右肩の肩甲骨に三枚の羽が形成、髪の毛が逆立たせながらチンクを守るように立つ姿に慌てふためくホーリーへ拳を向けた
「ば、はかな!アルターを発現させただと!」
「チンク母さん、傷つけた…母さん、傷つけた……ゆるさない、ゆるさない…おまえ、ゆるさない!…おまえ、許さない!!シェエルゥウブリットオオ!衝撃のおおファアアアストブリットオオ!!」
地面を蹴るやいなや、大きく振りかぶると背中の羽が一枚瞬く間に砕けると同時に加速、ホーリーの一員の眼前に迫りめいいっぱい殴る。顔面が歪みそのまま殴り抜くと水切り石のように跳ね続けてビルの外壁に大の字に叩きつけられた
「カ、カズマ?」
「ふぅぅぅ……ふぅぅぅ………」
この日からカズマとホーリー、ホーリー率いるカツキ・スルクマ
クソ白熊ヤロウ
との戦いが始まる
「テメェがいうように、実の親も、社会なんたらって地位も、学も無い…すべてテメェより劣ってかも知れねぇ……ただな、たった一つだけ勝ってるモンがある。見せてやる、いや見せてやるぜクソ白熊やろう!!……これが、コイツがッ!僕いや、オレのぉおおっ!自慢の拳だあああああああああああああ!!」
読み切りです
すいません!
主人公設定
カズマ(推定10歳)
身長:135㎝
体重:40㎏
髪の色:黒みかかった茶髪で無造作にまとめられている
瞳の色:黒
好きなモノ、色、人
肉、銀色、ナカジマ家のみんな、お母さん(チンク)
キライなモノ、色、人
魚、灰色、特に無い
特殊能力……《シェルブリッド》
融合装着型アルター。右腕が装甲で覆われ、背中には3本の赤い羽根が特徴をもち発現時に髪の毛が逆立つ。
羽根を1本を分解と同時に推進力へ変え敵に突進し殴り抜く強烈な一撃を見舞う衝撃のファースト・ブリット、ーーーーーー、ーーーーーーーーを持つ。強力な技だが一度の能力発動で使える必殺技はこの3発までが限度
だが発現時は身体能力が常人の数十倍から無限に跳ね上がり地面を殴りつけ高くジャンプ、または身体の動きで攻撃を受け流し無効化する
アルター発現時は性格は保護される前のモノに限りなく近くなり、語調がたどたどしいモノからはっきりいうようになり闘争心剥き出しになる
カズマのアルター能力はまだまだ成長する可能性を秘めている
アルター発現時
パンチ力:5t
キック力:1.5トン
ジャンプ力:10~25m
最大速度:100メートルを三秒
衝撃のファーストブリット:10t~20t
????:???? ???
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廃棄都市の一画を根城にし、近づくモノ、目をあわせたモノすべてに敵意を剥き出しにし拳一つで叩き潰していた。その姿は《金色の鎧に身を包みライオンを想わせる鬣を揺らす破壊者》《黄金獅子》《拳の悪魔》と呼ばれ恐れられていた
新暦76年、冬に管理局陸士108部隊、同部隊に一時的所属していたチンク、ディエチ、ウェンディの手で一時間かけようやく確保した
保護されてからも言葉を一切話さず、敵意と警戒心を剥き出しにし威嚇していた…食事をとらず弱っていくも恐れずチンクが近寄りパンとミルクを食べて飲んでみせ差し出した事でようやく警戒心を少しずつ解いていき信頼を寄せていく
カズマの名前は身にまとっていたボロボロの服?に《N◑☆…………KA◑☆ZU♪☆M◑☆◑A》と辛うじて読めた文字を繋いでチンクが名付けた
ナカジマ家に引き取られ一年経ち、若干人見知りし唸るも簡単な言葉なら話せるようになった
アルター能力とは
ー精神感応性物質変換能力ーと呼ばれ、自分の意志(精神力)により周辺の生物以外のあらゆる物質を原子レベルで分解し、各々の特殊能力形態に再構成することができる特殊能能力である。
構築されるアルターの形状や能力はアルター使いにより様々、カズマのは体の一部を変化させる融合装着型にカテゴライズされている