インフィニット・ストラトス 虹の彼方は無限の成層圏(一時凍結) 作:タオモン3
描写は雑で残念ですwww
どうぞ。
千冬サイド
新学期まであと数日。わたしは頭を抱えていた。
理由はわたしの妹――織斑一夏がIS学園に入学すると友人から連絡があったからだ。
そんなことはいい。一夏は15歳、一般的に高校入試の歳だ。
それより問題は……どういう顔をして一夏に合えばいいんだろうかということだ。
「お、織斑先生!織斑先生!!」
「なんです山田先生……」
副担任の山田先生が慌てながら駈け寄ってきた。
心なしか、職員室内が騒がしい。
「これを見てください」
「……なんだこれは」
山田先生が差し出したタブレットには
『やっほー!!みんな見てるかな~?みんなのアイドル篠ノ之束だよ♪今日はみんなに重大発表がありま~す。それは……なんと男でISを使える人を発見しました!名前はユウヤ・キサラギ。ユー君と私を入れた五人でIS学園に今からいくからね。入学の準備しておいてね。もし、捕まえようなんて考えていると痛い目に合うから☆ばいば~い♪』
友人(ばか)の顔が映っていた。それもLive映像でだ。
わたしは再び頭を抱えた。
束……今度は何をしようとしているんだ。
クロエサイド
「ふう~、こんなんでいいかな。クーちゃんどうだったかな?」
「いいと思います」
四機のISが完成してから数日後。
束様は世界中のテレビチャンネルをジャックして初の男性操縦者であるユウヤさんの事を公表した。
世界各国の反応は様々で、中には怪しい動きを見せる国、組織、団体がいくつかありましたが気にすることはないと思います。
どうせ何時でも撃退できる相手なのだから。
「これで第一段階は終了。第二段階に移れます」
「りょうか~い。それじゃ、支度してみんなで行くよ――IS学園に」
「はい」
わたしは自分の荷物を取りに部屋へ戻った。
この計画は3年前から束様と一夏様が考えた計画。
ISを宇宙探索マルチフォーム・スーツに戻す。
わたしは一夏様を守るためにいましたが、ユウヤさんとユウキさんを加えたため大幅な修正を余儀なくされました。けどそれは、計画を成就させる時間が短くなったと思っています。
お二人はここから一世紀先の未来か同じ時系列の別の世界から来たと言われた時は信じがたく思いました。
巨大な人型兵器を操り、戦争をしていた軍人。
あの時ユウヤさんから感じたのはこれのことだと思いました。
しかし、あの温かなものの正体はわからぬままでいます。
あの感じは……一夏様初めて会った時に感じたものに近かった。
……なんでだろう。いつもあの人のことが頭の中にある。
「お~い、クーちゃんいっくよ~」
「……いまいきます」
束様に呼ばれ急いで部屋を出た。
「すいません。遅くなりました」
「気にするな。みんな今出てきたところだ」
「そうそう」
「うん」
外に出ると既に皆様がいました。
どうやらわたしが最後だったようです。
「それじゃ、みんな準備はいいかい?」
「ちょっと待て束。まさか……これで行くのか?」
ユウヤさんがにんじんの形をしたロケットを指差しました。
「そうだよ?」
束様は平然と答え、ユウヤさんは小さく嘆息しました
「もっとマシなのはないのか。ヘリとか」
「そんなのないよ」
「じゃ、列車とか飛行機とかバスとか車とか交通手段はいくらでもあるだろう?」
「それじゃおそいじゃん。そのためにロケットなんだよユー君」
だからなんでよりにもよってにんじん型のなんだよっとユウヤさんは項垂れました。
仕方ないです。束様は斜め上を行く人なのですから。
伊達に天災と呼ばれていません。
「まあ、いいんじゃない兄さん。人目に付けずに早くに付けるならさ」
「いやユウキ……人目は絶対に引くぞ」
「大丈夫です。こんな奇妙な形をしていますがステルス性は抜群です。自衛隊の滞空レーダーに捉えられることはまずありえません」
「こんなって……ひどいよクーちゃ~ん」
フォローした筈なのですか、束様は涙声になってしまいました。
おかしいですね。
「とりあえず乗ろう、ユウキお姉ちゃん」
「そうだね一夏ちゃん。クロエちゃんもいこう」
「はい」
「はぁ……」
「兄さんも早く」
「はいはい…………いまいくよ」
「む~みんなして束さんを置いていくな~!泣いちゃうぞー!」
わたしたち五人は席に着くと、にんじん型ロケットのカウントダウンを開始しました。
「それじゃいっくよ――3……2……1――点火!!」
轟音と強烈な揺れの中、わたしたちはIS学園に向け出発しました。
ユウヤサイド
にんじん型ロケットは以外にも優秀で、IS学園まではこれといって問題なく着くことができた。というかなんで突っ込むんだ?!墜落と大差変わりないぞ、まったく………
しかし、正門前まで来てみれば、
「篠ノ之束博士!大人しくこちらの指示に従いなさい!!」
「うっわ~きちゃってるよ~」
苦虫を噛み潰した顔を束はした。
案の定、IS学園には束を捉えようと十数機のISが待ち構えていた。おそらくあれがIS委員会とかいう奴らだろう。
「いやだね。それに私は言ったよね。捕まえようとしたら痛い目に合うって……伝わらなかったのかな?」
「ッ!」
ぞっとするような冷たい空気が場を包んだ。
束が出したプレッシャーだ。
それだけで何人かが怯んでいる。
その中に一夏も含まれているが。
「だ、黙ってこちらの指示に従わない場合は実力行使する。速やかに従え!これが最後通知だ!」
隊長らしい奴は臆しながら強気に言うと全機が武装を展開した。
やはりこうなったか。
「で、どうする束?」
「しょうがないんじゃない。私は言ったことは曲げない主義なんだユー君」
「……わかった。相手を敵対戦力と判断する。俺は全員を守るための防衛行動をとるぞ。いいな?」
「いいよ。やっちゃえユー君!」
束は満面の笑顔でサムズアップ。
やれやれだ。
「手を出すなユウキ。これくらいなら俺一人でやれる」
「りょ~かい。気をつけてね兄さん」
「ああ。わかってるよ」
「き、きをつけて」
ユウキの袖をつかみながら一夏。
「お気をつけてユウヤさん」
「おう」
この状況でクロエはいつも道理だ。場慣れしている。
俺はIS部隊の前まで進んでいく。
「なんだお前は?」
「聞かなかったのか?男でISを動かせる者だが」
「世迷言を。なにもできないゴミはさっさと消えろ!それともここ死ぬか?」
ライフルの銃口が向けながら、隊長らしき女は嘲笑う。
なるほどこれがISに魅せられた女性至高主義者か。
UC時代のティターズと似ているな。
崇高な思想の元、力と権力を振るうクソ野郎どもと一緒だ。
見ているだけで吐き気がする。
「なら、これを見ても同じことが言えるか?」
「なに?」
「いくぞ――《ネオサイコ・ドーガ》」
首に掛けているペンダントが輝く。
光りが体を包み、量子化された装甲が展開されていく。
両肩にファンネル十基搭載の大型バインダー。
どっしりとした脚部。
モノアイ型のハイパーセンサー。
右手にライフルを左手にはシールドを同時展開。
光りが収まると俺はIS身に纏っている。
「お、男がISを?それに全身装甲型(フルスキン)?!」
「どうだ?これで分かっただろう。それじゃ――いくぞ」
スラスターを全開で一気に間合いを詰め、隊長の女にシールを叩き付けた。
一瞬の出来事に女は避ける事が出来ず、もろにシールドパッシュをくらい吹き飛んだ。
「た、隊長?!貴様ッ!!」
向けられていた数十の銃口が火を噴く。
すべて実弾か。
避ける必要はないと思ったが、流れ弾があいつらに当たらないよう、俺はスラスターを噴かして上昇する。
「追いなさい!絶対に逃がすな!!」
隊長機の怒声で、一斉に後を追ってくる。
反転して振り向くとハイパーセンサーに表示された敵の数は約十五機。
機種は《ラファール・リヴァイヴ》が十機。《打鉄》が五機か。
まずは足の遅そそうな《打鉄》からいくか。
照準を上がってくる《打鉄》の一機に付け、ハイ・ビームライフルのトリガーを引き絞る。
砲身から放たれた黄色の閃光は《打鉄》に吸い込まれるように命中し黒煙を上げながら墜ちていった。
シールドエネルギーが減少していない機を一撃で撃破。
搭乗者は絶対防御があるから死にはしないが、これは……凄い威力だな。
「ビーム?!ISを一撃ってどんな威力よ!!」
「威力があるってことはそうそう連射出来ないはずだ!近づいて接近戦で仕留めろ!!《ラファール》隊は牽制!《打鉄》隊は近接戦闘を用意!!」
「「「了解!!」」」
《ラファール》の部隊が二機一組の最小単位で散開した。
《打鉄》の部隊は射撃武器から近接武器に切り替え、接近してくる。
近づく《打鉄》を狙おうとするが、八方から《ラファール》の銃弾が浴びせられる。《ラファール》を狙うと別の組と《打鉄》隊の近接ブレードが襲いかかる。
なるほど機動力のある《ラファール》が牽制または近接戦を仕掛ける《打鉄》の援護役か。
いい連携だ。しかし、この程度じゃ俺は墜せない。実際奴らの攻撃は《ネオサイコ・ドーガ》のシールドエネルギーを減少できていない。すべてが装甲の防御で止まっている。
このISはMSとの混合機だ。
装甲が一定のダメージを受けた時だけシールドバリアーが起動するように設定してあるらしい。なんでもシールドバリアー分のエネルギーを機体の方にまわさないと稼働時間がないとか。
材質であるガンダリウム合金は月で精製した120mm弾を食らってもびくともしない強度を誇る特殊合金だ。
並の兵器じゃこいつ傷つける事は出来ない。
そのお陰でこっちは、ハイ・ビームライフルにエネルギーをまわせられる。最大でも10発が限界だけどな。
「なんて固いIS!ほんとに効いているの?」
「効いていなくても攻撃の隙を与えるな!このまま攻勢を止めずに押し切れ!」
スラスターを巧みに使い銃弾と斬撃を躱す。
そろそろ操縦にも慣れた。
今度はこっちが攻勢に出るか。
ハイ・ビームライフルを収納。シールドに装備してあるビーム・アックスを取り出す。ここから俺も接近戦だ。
「このぉおおお!」
《打鉄》が振り下されるブレードを紙一重で避け、ビーム・アックスで薙ぎ払う。
咄嗟に防ごうとした右肩部分シールドを横一文字に溶断。そのまま直撃し《打鉄》は墜ちていく。
これで二機目。
「終わらせるか。ファンネル!」
バインダーに搭載されたファンネル十機すべてを射出した。
さすがに十機同時は初めてだが……この感じ、いけるな!
軌道イメージをファンネルに伝達。
「いけ!!」
ファンネルは一斉に《ラファール》部隊に襲い掛かる。足を止め、迎撃しようとした三組はファンネルの餌食になっていった。俺はその隙に《打鉄》の隊に接近。
ビーム・アックスを振り下し一機。シールドに格納してある二本目のビーム・アックスで二機目を沈めた。最後の一機は五基のファンネルで四方八方からのビームを浴びせた。これで《打鉄》隊は全滅だ。
「ビット?!なんなのこの機動力は!速すぎる!!」
「足を止めるな!止めたら――あああっ!!」
「くそ!残存四機!隊長指示を!隊長!!」
この様子だと力押しでいいか。
残りの《ラファール》数機にファンネルを集中。
味方の呼びかけに、後方へ控えていた隊長機は動けないでいた。
一機、また一機とファンネルに墜されていく。
最後に残ったのは隊長機だけになった。
「……そんな……十五機いたのよ。それがたった一機のISに……それも男にこうもあっさり…………」
目の前の出来事が隊長機には信じられないようだった。
俺はファンネルをバインダーにもどす。
サイコミュの感度は良好だ。ファンネルを動かすのに嫌な負荷が無い。操作性もMSに似ていて使いやすい。反応性もいい。
あとは適度にエネルギーを回復しないとすぐに内蔵エネルギーが空になってしまうところか。ハイ・ビームライフルは燃費がわるいから、別の装備をユウキに頼むとしよう。
まぁこの程度なら大丈夫だろう。
「これでわかっただろう。束の確保は諦めてさっさと帰れ」
「ふざけるな!ここまでしてわたしたち委員会が黙っているとでも思うなよゴミ野郎!!貴様は殺す!!このエリーゼ・フォン・ベルクが必ず殺してやるからな!!」
そう言うと隊長機の《ラファール》――エリーゼは何もせずに降下していった。
俺との力量の差を見て退いたか、一人ではなにもできない臆病者なのか。
なんにせよ、あの手のやつにはまた会う。
どんな巡り合わせかそうなっている。
経験上な。
「面倒なやつに目をつけられたな」
エリーゼとかいうのは置いておくとして……IS委員会か。
厄介なやつらがいるな。やつらは恐らくISを純粋な兵器として使いたがっているな。束が嫌な顔をしたわけだ。
しかし、それも仕方がないことだと思うけどな。
IS委員会の事はユウキたちと話し合うか。
俺は下で待つ束たちのもとに向かって《ネオサイコ・ドーガ》を降下させた。
はい、チートチートwwww
こんな感じで進んでいきます。
次回もお楽しみに