Toloveるダークネス ~トランス兵器編~   作:野獣君

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今回はかなり短くしました。そろそろネタが無くなってきた……


奏の過去

「まさか、本当に来るとは思わなかったよ」

 

自然公園に着くとすぐそ

 

「なんでこんな場所を指定した?」

 

「邪魔者が来てもここなら思い切り殲滅できるだろ」

 

「はぁ……。それで何の用だ?俺と殺し合いか?」

 

「そんなんじゃないよ。話をしに来たんだ」

 

「へぇ……俺もお前に聞きたいことがあったんだよ」

 

「なに?」

 

「何の目的があってこの地球に来た?」

 

「僕の標的がこの地球に潜伏してる情報が入ってきてね。それで来たんだ」

 

「本当にそれだけの理由で地球に来たのか?」

 

「逆に理由もなしにこんなところには来ないよ。……そろそろ君にも聞きたいことがあるんだ。いいかな?」

 

「いいよ」

 

「僕の里を焼き払ったことは覚えている?」

 

「なんだよそれ」

 

「覚えてないだろうな……もし覚えていたら僕は君をここで殺していたし、当時君はトランスナイトメアに支配されていたからね」

 

「ナイトメア?」

 

「ダークネスより戦闘力が向上し、さらには全てを焼くまで暴走が止まらない危険なトランス能力だよ。君はそれを科学者達にいつの間にか投与されていたのさ」

 

「俺が……暴走……?」

 

「君が暴走したおかげでみんな死んだよ。 僕と他の子ども以外一人残らずね」

 

里を焼き払った相手が目の前にいるのに奏はとても落ち着いていた。一方大夢は奏の言葉に脳の理解が追い付かず混乱していた。

 

「だから僕はトランス能力の開発に携わった科学者を何人か殺したんだ」

 

「お前は……俺を恨まないのか?」

 

「恨みなんて全然ないよ。むしろ焼き払っってくれて正解だったよ。あの村は完全に堕ちていた。男達は酒とギャンブルに溺れ、女達はその金を工面するために、自らの身体を売った。そして金がなくなれば僕ら子どもを虐待してストレスを解消していた。酷い話だよな」

 

「…………。」

 

「そして僕はある日の夜初めて人を殺した。いつものように男達から集団で虐待を受けていた」

 

「お前以外にも子どもはいたのか?」

 

「いたよ。でも僕よりずっと小さい子達ばかりでね、でも男達はそんな事お構いなしに暴力を振ってきた。それで男達が背を向けた瞬間を見計らって近くにあったガラスの破片で男の頭を思い切り殴った。その場にいた全員が呆然としていたよ」

 

「そこから先は?」

 

「……覚えてないんだ。気づいたら建物の外にいて村が火で覆われていた。周りを見渡しても全部火の海だった。そこで僕は背中に悪魔のような黒い翼を生やした君を見た」

 

「俺が……黒い翼を……?いやそれよりなんでお前は俺にこんな話をしたんだ?」

 

「君が僕とわかり会える唯一の人物だからだよ」

 

そう言って彼は去っていった。

 

「なぁ、奏。俺はお前が一番よくわからないよ」

 

大夢の呟きは誰の耳にも届かず、風に流されていった。

 




受験だった人はお疲れ様です!志望校に無事受かれるといいですね!

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