Toloveるダークネス ~トランス兵器編~   作:野獣君

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初の女装

7月中旬。期末試験を終え、結果が通知され、皆がそれぞれの表情を浮かべながら結果を見ていた。もちろん俺とメアも例外ではなく、まるでプレゼントボックスを開けるのかのように慎重に結果を見た。

 

「メア、どうだった?」

 

「上がってたよ。ヒロくんは?」

 

「俺は下がっちゃった。まぁ仕方ないよな」

 

正直今回の試験は余り良い出来とは言えないので内心下がっていることは目に見えていた。けど、まさかメアが上がっていたとは思わなかった。メアのことだ陰で努力していたのだろう。

そんなことを思ってると俺達の教室に一本の放送が流れた。

 

「1年B組の七原大夢くん、黒咲メアさんは至急保健室に来て下さい」

 

保健室ということドクターミカドが待っているということだ。余りいい気はしないが、行ってみることにした。

 

 

 

「失礼します」

 

「失礼しまーす」

 

「二人とも来たわね。それじゃあ、早速本題に入るけど今度の土曜日悪いんだけど診療所の手伝いをしてくれるかしら?」

 

「俺達が、ですか?」

 

「ええ、もちろん報酬は払うわよ」

 

「いえ、そうじゃなくて…」

 

「大丈夫よ結城君達にも言っておくつもりだから」

 

「土曜日はそんなに混むの?」

 

「ええ、もう予約でいっぱいなの」

 

「大丈夫ですよ!私やティアーユ先生もいますから!」

 

お静さんが元気に手を挙げる。逆にこの人がいるとメアが何かしそうで恐いな。

 

「じゃ、そういうことだから土曜日よろしくね」

 

「わかりました」

 

 

 

 

そして、土曜日。俺、メア、リト先輩、ヤミ、モモ姫の五人でドクターミカドの手伝いをすることになった(ナナ姫とララ姫は用事があり、これなかった。)。そして各々が診療所に見合った服に着替えたのだが、

 

「何で俺達もナース服なんだよ!しかも女体化させられたし!」

 

男子二人は何故か女体化し、ナース服を着ていた。これにはドクターミカド達も笑うしかなかった。

 

「結城君の女装もいいけど七原君の女装もなんだか新鮮ね」

 

「そうですねー!」

 

「何いってんですか!?」

 

「だ、大丈夫よ、七原君!充分可愛いわ!」

 

「フォローになってないんですけど!?」

 

ガヤガヤ騒いでいる内に受付開始時間になってしまったので、俺達はそれぞれ指示された持ち場についた。

開始時刻になると一斉に患者が診療所内になだれ込んできた。ドクターミカド曰く今は宇宙風邪や病気のシーズンらしく、怪我などで来院してくる患者は余りいなかった。

 

ある程度患者もいなくなり、更にはお昼時ということで休憩に入った。

 

「みなさん、紅茶淹れましたよ~」

 

お静さんが気を利かせてみんなに紅茶を淹れてくれた。俺は緑茶派なのだが、お静さんが淹れてくれる紅茶は普通に美味しいし、好きだ。

 

「ふぅ、それにしても…結城君と七原君の女装はほんとによく似合うわね」

 

「そうですね、リトさんの女性姿はよく見ますが大夢さんの女性姿は初めてみますね」

 

「…まぁ、悪くないですね」

 

終いにはヤミまでこんなことを言い出した。それほどに彼等の女性バージョンはレベルが高かった。リトは茶髪のショートカットに豊満な胸を持つ少し派手めな美少女へとなった。一方、大夢はセミロングの黒髪に細い体つきをしていていかにも清楚系の美少女という感じだった。

 

「なぁ、モモ。いつになったら元に戻るんだ?」

 

「そうですね…あと30分くらいでしょうか」

 

「ふむ、ということはあと30分しか結城君達の女装を堪能できなくなるということね」

 

「何いってるんですか!先生!」

 

「いいじゃない。結城君はまだしも、七原君はこんな機会あまり無いんだから」

 

「俺は、まだやる可能性があるんですか!?」

 

「でも、もうやりませんよこんな事」

 

「あら、残念。でもそういう子に限って意外といじめがいがあるのよね~」

 

「あ、わかります!」

 

「私も~」

 

「わかるな!……とりあえずもう少しで切れるから着替えてくる。リトさん行きましょう」

 

「あ、ああ!」

 

俺達が更衣室に向かおうとした時、ドクターミカドがたるで狙ってたかのようなタイミングで言い出した。

 

「あ、いい忘れてたけど女性用の看護師の服しか用意していないから」

 

その言葉に俺とリトさんは顔を見合わせ、ため息をついた。

 

「また女の子になるしかないな…」

 

「そうですね…。俺達の名誉の為にもそうしましょう」

 

このまま元の姿に戻ってしまうと変態という不名誉な肩書きがついてしまう。それを避けるために二人はもう少し女性の姿でいることを選んだ。

 

 

 

結局診療所が閉まるまで俺達は女性であり続けた。元に戻り、着替え終えると今日1日の疲れが疲れがどっと押し寄せてきた。

 

「今日はみんなありがとね。また頼むかもしれないからその時はよろしくお願いするわね」

 

「次はちゃんと男物も用意してくださいね…」

 

「前向きに考えておくわね」

 

「えー…」

 

「冗談よ、ちゃんと用意しておくわね」

 

「お願いしますよ…」

 

ドクターミカドから今日の分のバイト代を貰い俺達はそれぞれの帰路についた。

 




お久し振りです。今回もgdgdなストーリーとなってますが最後まで読んで頂ければとおもいます。

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