翌日、朝起きたらメアは既に着替え終えていた。
「もーっ!ヒロくん起きるの遅いよー!」
「ごめん、ごめん。今着替えてくるよ」
翌日、朝起きたらメアは既に着替え終えていた。
「もーっ!ヒロくん起きるの遅いよー!」
「ごめん、ごめん。今着替えてくるよ」
「わかった!玄関で待ってるね!」
何故メアがこんなに急かしているのかというと、そう、今日は俺とメアの初デートの日だからである。デートと言っても一緒に買い物をしたり、ご飯を一緒に食べるといったことをするぐらいである。
(なんであいつ今日に限ってあんなにルンルンなんだろうな)
そんなことを思いながらも私服にトランスし終え、玄関へと向かった。
「それでどこ行く?」
「メアは行きたいところとかあるのか?」
「う~ん、特にないかなー」
「じゃあ、俺の行きつけのクレープ屋に行かないか?」
「うん!行く行く!」
俺はメアと歩きながら後ろをチラ見し、微笑を浮かべた。
~尾行者(モモ、ナナ、ヤミ)side~
「大夢さん完全にこっちが尾行していることに気づいていますね…」
「あの笑いが気づいたサインですね」
「て、ことはメアも気付いてるんじゃないか?」
「恐らく、大夢より早くこちらの存在に気付いてるでしょう」
「不味いわね…。こんなに早く気づかれるとは思わなかったわ…」
「どうするんですか?モモ」
「とりあえず少し時間を置いてからまた尾行に移りましょう」
モモの判断に二人とも頷き、その場を離れた。
~尾行者side終~
「やっと撒いたか…」
「モモちゃん達のこと?」
「うん、メアはいつから気づいてたの?」
「ちょっと前だよ。でもどうせまた尾行してくるだろうね」
「まぁそれは一旦忘れてクレープ、食べようか」
俺はマロンバナナ生クリームを、メアはブルーベリー生クリームをそれぞれクレープ屋のおっちゃんに注文した。
「はい、お待ち。大夢くん彼女さんとデートかい?羨ましいね~」
「おっちゃん。冗談はやめてくれ、彼女はただの幼なじみだから」
「何だ違うのか~。ほいっ、出来たよ」
「ありがと。金はここに置いとくね」
「あいよ、また来てね」
おっちゃんから受け取ったクレープを手に近くのベンチに腰かけた。
「おいしいねー、このクレープ」
「だろ?こっちに来て初めて食べたのがこのクレープなんだよ」
自慢げに語る大夢の話を流しながらメアはクレープを一気に食べてしまった。
「おい、メア。もう少し味わえよ…」
「ごめんね。美味しかったからつい」
そう言いながらさっきから俺のクレープを凝視していた。
「…食べたいのか?」
俺が聞くとメアは目を輝かせながら頷いた。
「はぁ…全く…ほら口を開けろ」
メアにあーんをさせる形で食べさせた。正直かなり恥ずかしかったけどメアが美味しそうに食べていたのでそれも気にならなかった。
「ヒロくん、口にクリームついてるよ?」
そう言うとメアは俺の口についていたクリームを指でとってそのまま自分の口に運んだ。
「えへへ、美味しい♪」
この予想外の行動に俺の頭はパンク寸前だった。
~尾行者side~
「二人ともなかなか大胆ね…」
「見せつけてくれますね…」
冷静なヤミ、モモとは対照的にナナは赤面しながら二人をじっと見ていた。
「あら、ナナどうしたの?」
「別に…」
「もしかしてリトさんにあれをやってもらいたいとか思ってるの?」
「なんでそこでリトが出てくるんだよ!!」
「いいじゃない。因みに私はリトさんとあーゆー事してみたいわよ」
「お前本当に欲望に忠実だな…」
「二人とも、行きますよ…」
~尾行者side~終
その後はデパートに行き、服を買ったり、ゲーセンで遊んだり、レストランで食事したりと恐らく地球に来てから今まで一番有意義に過ごせたと思う。それから公園で少し休むことにした。
「ヒロくん今日はありがとね。すっごい楽しかった」
「俺も楽しかったよ。ところで…」
俺はわざと公園に響くようなでかい声で言った。
「お前ら!そろそろ出てきてもいいんじゃないか?」
その後公園の叢からヤミ、モモ、ナナが姿を現した。
「その…いつから二回目に気づいてたんですか?」
「もうクレープを食べてる辺りからバレてますよ。逆にバレてないと思ってたのですか?」
「こっちに見向きもしないのでてっきり気づいてないのかと…」
「わざと気づかないふりをしてたんですよ、俺もメアも。ヤミにもわからないようにね」
「ごめんね~、モモちゃん。実は私も気づいてたんだ~」
「迂闊だったわ…よく考えたらこの二人が気づかないわけないじゃない…」
「さて、それじゃあとりあえずリトさんの家に行きましょう。そこで説教します」
「ここで説教するんじゃないのか?」
「再発防止のためですよ。さっ、行きましょうか」
この後リトさんの家で一時間説教してやりました。
読んでくれた方に感謝です。ありがとうございましたm(。_。)m