Toloveるダークネス ~トランス兵器編~   作:野獣君

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帰省その2

「あー、どこら辺だっけ?」

 

軍の部下から聞いた情報を頼りに襲撃者がいる場所へと向かった。

 

「おー、おー、やってるねー」

 

戦闘が行われていた場所は幸いにも周りに町はなく、荒れ地で戦闘中だった。

軍は20人くらいで応戦していて互角の戦いをしていた。

 

「七原だ。ここから俺が軍の指揮をする。全員城に撤退しろ」

 

「し、しかし軍師殿に一人で戦わせるわけには…」

 

「俺なら大丈夫だ。お前らは怪我人の手当てを優先しろ」

 

「り、了解しました!」

 

軍を撤退させると砂埃の向こうから残念そうな声が聞こえてきた。

 

「なんだぁ?もう終わりかぁ?」

 

「僕たちの強さにびびって逃げ出したんだろうね」

 

「ふっ。哀れな…」

 

なんだか聞き覚えのあるようなないような感じの声だった。

 

「退屈させてすまないね。ここからは俺が相手をするよ。海賊さん」

 

砂埃が晴れた瞬間に互いの姿を確認した。

 

「!?てめぇはあのときの!」

 

「よくもあのときは僕をさんざんいたぶってくれたね!」

 

「あのとき恨み…ここで晴らす!」

 

3人同時に襲い掛かってきたが、大夢をそれをなんなく避け、3人それぞれにカウンターをお見舞いした。

 

「君達が俺の事を知っていても俺は君達のような弱者は知らないしこれから覚えようとすら思わない」

 

「てめぇ「赤毛のメア」の仲間だろ…」

 

「俺の知り合いにメアという子はいるけど「赤毛のメア」なんてやつは知らない。それと君達にはこれから銀河警察にいってもらうから」

 

「ふざけんな!誰がいくか!」

 

その瞬間大夢は海賊の喉元に刃を突きつけた。

 

「答えははい、イエスのどちらがだ。それに、デビルークの地をこうして汚したんだ。責任重大だぜ」

 

その後はザスティンに頼んで銀河警察へと送ってもらった。

デビルーク城に戻ったあとはギドと夜まで語り合おうと思っていたが生憎彼は、俺が襲撃者討伐に向かっている間に急用ができたらしく、どこかへ行ってしまった。セフィさんも政治関連の仕事で忙しい。するとが無くなった大夢は城に残っている部下達に別れを告げ、自身が生まれた村とトランス兵器研究所の跡地がある惑星へ向かうためにデビルークをあとにした。村はあのとき、海賊によって燃やされてしまった。

研究所があった場所には今は何もなく永遠と野原が続いていた。研究所自体は銀河大戦時にある人物によって壊滅させられた。恐らく研究者も彼の手によって全員抹殺されただろう。

 

「なんで俺はここにきたんだろう…」

 

あんな事があったのに。それなのに大夢はここを訪れた。

 

「まだ兵器としての心が俺の中にあるのかな…」

 

確かに俺は兵器だ。けど兵器だからといって人と触れあってはいけないわけではない。現にヤミやメアだってあんなに変われた。

 

「なのに俺はまだ過去のことを引きずってるのか…。情けない話だ…」

 

大夢は帰ることにした。ここにいても何もならないし過去のことだけが甦ってくる。そんな場所にもう用はない。宇宙船に乗り込んでも、もう一度あの研究所跡を見ようとは思わなかった。

 

 

予定より一日早く彩南町に着いた。デビルークは涼しい気候だったが、日本は夏のため暑かった。

大夢はとりあえずメアと同棲しているマンションへと帰った。

 

「メアも出掛けてるはずだからいないよな…」

 

ところが部屋の鍵は開いていてメアも大夢と同じく一日早くこっちに帰ってきてた。

 

「おかえりヒロくん」

 

「お、おう。帰ってたんだな」

 

「うん。特にすることもなかったから…」

 

「何処に言ってたんだ?」

 

「私が生み出されたトランス兵器研究所跡地へ行ってきたんだ。結局帰ってきちゃったけど」

 

「俺と同じだな。なんていうか…辛いだけだよな」

 

「うん。でもあそこは私とネメちゃんが初めて会った場所だから忘れようとしてもできないんだよ」

 

「そっか。そうだったよな…」

 

無理もない。メアにとってネメシスという人物は切っても切り離せないのだから。そんな人物と初めて会った場所を「辛くなるから忘れろ」なんてメアに言えるわけがない。

 

「ヒロくんは何してたの?」

 

「俺はデビルークに行ったあとはメアと同じだよ。研究所の跡地に行ってたんだ。まぁ特に何もなかったけどな」

 

「デビルークの方はどうだった?」

 

「久しぶりにいろんな人に会えたけど以前お前にボコられた奴がデビルークに侵攻してきたんだよ」

 

「へぇー」

 

「覚えてないのか?3人の海賊だよ」

 

「うーん…わかんないや」

 

どうやらメアは覚えていないようだ。あっちの方はあれだけ根に持ってたのにな。

あ、そういえば今日で帰ってきちゃったから明日丸一日暇になるな。何しようか。

 

「ねぇ、ヒロくん明日用事ある?」

 

「いや、無いけど。なんで?」

 

「明日もし良かったらどこか出掛けない?二人で」

 

「いいよ。どこ行く?」

 

「それは明日決めない?だってヒロくん疲れてるでしょ?」

 

「そうだな。そうしようか」

 

少しばかり期待はあった。けれども何故自分を誘ったのかが大夢には疑問だった。普通に遊ぶならナナ姫などをつれていくはずだが。結局寝るまでメアの真意はわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




だんだんどう書けばいいのかわからなくなってきました…。とりあえず色々試行錯誤を繰り返して頑張ろう。

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