~芽亜side~
ヒロ君と別れた後私達はプールの更衣室へと向かった。幸い今日は満天の青空で最高のプール日和だった。更衣室ではナナちゃんとモモちゃんが胸の事で口論を始めたり、ヤミお姉ちゃんが拗ねたりと微笑ましい光景が見られた。着替え終えプールサイドで準備体操を始める。今日は最初の授業ということもあり自由時間になった。プールに入るとそれまで暑かった感覚が嘘のように気持ちいいくらいに冷たくなった。私はあまり泳げないのでナナちゃんやモモちゃんに泳ぎを教わったりした。グラウンドの方に目を向けると男子がサッカーをしていた。その中でもヒロ君だけは一際目立っていた。
「ヒロムのやつこんな暑いのによくあんなに走れるな」
「昔からだよ。体力バカっていうのもあるけど好きなことに関してはほんとに夢中になってやってたから」
「ただ、それのせいで周りが見えなくなることもありましたが…」
「あはは……確かにあったね」
ヤミお姉ちゃんの少し毒のある言い方に私は苦笑いするしかなかった。
「私は…ずっと考えていました。自分はいつまでここにいられるのか。ここにいてもいいのかと。ですが…大夢はそんな不安を晴らしてくれた。以前彼は私にこう言いました。「人間だろうが兵器だろうが進む道なんて関係ないよ。自分が信じた道を進めばいいんだよ」と」
「そんなことを言ったんだ…。ヒロ君らしいね」
「彼は本当に結城リト以上のお人好しですよ…」
「でも私はそんなところに惹かれたのかな。最近やっと理解できたんだよね。誰かを好きになるってことが」
「芽亜。それはつまり…」
「うん。私ヒロ君が好きみたい」
その時、芽亜の体が光だし、トランス能力が暴走を始めた。
「芽亜!?どうしたのですか!?」
「おい!メア!どうしたんだ!」
「芽亜さん!しっかりしてください!」
ヤミ、ナナ、モモの三人が慌てて駆け寄るがすでに芽亜はナイトメアへと取り込まれてしまった。
ナイトメアに取り込まれた芽亜の姿はダークネスとなったヤミ同様に真っ黒の過激な戦闘服に身を包んでいた。
「メア…なのか?」
「いえ…おそらくこれは芽亜ではありません」
「金色の闇の言うとおりだ」
するとどこからともなくネメシスが現れた。
「あれはナイトメアが芽亜の意識、そして五感の全てを乗っ取った状態だ」
そう説明したネメシスがナイトメアに話しかける。
「どうだナイトメア。今の気分は」
「…全てを壊したいって気分だね」
するとナイトメアは学校から数キロに位置にある森を一瞬で焼け野原にしてしまった。
「ほう…これがナイトメアの力か」
「ねぇ…次は何を破壊していいの?」
「メア!もうやめろ!」
「無駄だ。ナナ姫よ。ナイトメアとなった芽亜には今までの記憶など残っていない」
ネメシスの言葉通り芽亜には今までの記憶は一切無く、破壊という任務を心にプログラムされていた。
「仕方ないですね。力づくで芽亜をナイトメアから解放しましょう」
「今はそれしかないですね…」
「だけど、どうやってナイトメアと戦うんだ?」
「私が出来る限り引き付けます。その隙に攻撃してください」
「でも、それだとヤミさんが…」
「私なら心配いりません」
ヤミはトランスで腕を剣に変え、ナイトメアに向けた。
「貴女の相手は私ですよ。ナイトメア」
「あなたが私と一緒に遊んでくれる人?私をどこまで楽しませてくれるのかな?」
「ほう。金色の闇と双子の姫が相手か。ナイトメアの能力が十分に見られそうだな」
ナイトメアVSヤミ、ナナ、モモ
次は大夢sideとなります!ご期待ください!