神炎聖剣少女ジャンヌオルタさん   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。

次のガチャでフランちゃん入るよ……やべぇよやべぇよ…。確実にジャンヌオルタさん控えてるのにここでフル投入したくなります…。

サブタイトルのルーラーさんに偽りは一切ありません(真顔)。

次の更新はFFBEでエクスデス先生と、ケフカ引くまでリセマラしてからになるのでちょっと遅れると思います。


ジャンヌオルタさんとルーラーさん

施設の外壁を作製した爆発する聖剣で脱出し、外に出てからは創造した炎属性の聖剣を光源と暖代わりに使いながら特に宛もなく森を歩いていました。

 

やっぱり人間束縛は少ない方が良いというものです。そうでないと私みたいな悪い子が今回みたいに爆発してしまいますからね。

 

さてこれからどうしたものか。少しばかりの金塊と、二日分ぐらいの食糧は持ってくる事が出来ましたが、このままさ迷って無事で済むと思うほど楽観視は出来ません。

 

足がほしいところですが、ヒッチハイクをしようにもここは雪の積もった深い森の中ですし、そもそも通信機器がありませんけどタクシーが来てくれるとも思えませんね。

 

その辺の野生の狼を捕まえたら背中に乗せてくれるのではないかとも考えましたが、金の延べ棒8本(90kg弱)を持たせたら流石に動けなくなるでしょう。

 

「あら…?」

 

冷たいモノが跳ねる感触を肌に感じ、顔を上げると雨が降って来た事に気が付きました。

 

このタイミングで雨ですか…。この前までずっと雪だったと言うのに季節の変わり目なのか見事な雨。私の幸運値は低いのでしょうか…?

 

何より雨の中を進むなんてことしたら食糧が湿るわよ……。

 

そう思いながらどこか雨宿り出来るところは無いかと周囲を見渡していると、十数m程先の地面に雪が積もっていないことに気が付きました。

 

その近くまで進み、確認してみるとどうやら中々の深さの縦穴の入り口のようです。人の手の入っていない自然の洞窟でしょうが、食糧の味を悪くするぐらいなら私はこの深い縦穴を選ぶわ。

 

私は縦穴の底まで飛び降りました。

 

雨が止むまで縦穴周辺にいても暇なので、便利な聖剣の灯りを頼りに洞窟探検をすることにします。もしかしたらどこかに通じているかも知れませんしね。

 

意外と巨大な洞窟なようで幅も天井への高さも十数mはあるでしょうか。更に何故かコウモリ1匹見受けられず、中は綺麗なものです。

 

そんな感想を考えながら暫く進んでいくと突然、音楽ホールのように扇状に開けた空間に出たようですね。

 

足元を照らす役割をしていた聖剣の灯りだけでは、微妙に見辛い奥の方で何かが見えます。

 

仕方なくを螺湮城教本使う事で幾つもの魔法の光でこの空間を満たし、奥にいる何かがハッキリと視認出来るようになりました。

 

「………え…?」

 

黒い身体に白い腹。ピンクに近い赤の翼膜が張られた黒い翼。一本一本がナイフのように鋭い歯と頭に生える攻撃的なデザインの角。体高だけで10m程ある体躯。

 

それは正に"竜"と呼ぶに相応しい生物がそこに鎮座していました。

 

その上、ドラゴンの目蓋は開いており、爬虫類特有の瞳がこちらを射抜くように向けられています。

 

ドラゴンは体躯を動かし、両手を地面につけるとその口を開きました。

 

そこから放たれた咆哮により、大気が揺れ、ビリビリと直接全身に衝撃が響き渡ります。

 

常人ならその場で気絶するか、軽く飛ばされるかもしれない程の風圧を伴う爆音を聖剣を地面に突き立てながら踏み止まりながらも、私の表情は驚きに塗り潰され、そのドラゴンを唖然と見つめていました。

 

 

 

『こんばんわー!』

 

 

 

なんか無茶苦茶人懐っこそうな声が……なにこれ副音声?

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

どうやら私は竜と会話が出来るようです。今、初めて知りました。

 

触っても良いそうなので触れていますが、さわっとしてつやつやした撫で心地のため、とても感触が良いですね。

 

ちなみに私の目の前で尻尾をはち切れんばかりに振っているこの竜は、クエレブレという種類の邪龍の一個体だそうです。

 

「名前は無いのですか?」

 

『名前?』

 

流石にクエレブレと呼ぶのは犬を犬と呼ぶようなものでしょうと思い、聞いてみましたが、返答は疑問が飛んできました。

 

声色からまだこの竜は大人ではないようですし、聞き方が悪かったでしょうかね。

 

「私はジャンヌ・ダルクという種族で、レティシアという名前がありました」

 

なんか違う気がしますが、だいたいあっているので仕方ありません。本名はもう棄てましたが、こういう時や公式文書を書くときだけ復活します。

 

『名前……ない…』

 

急に竜はシュンとしました。犬のようにブンブン振られていた尻尾は止まり、頭の位置もさっきより下がっています。

 

「なら私が名前を付けてあげます。今日からあなたは"ドラゴンルーラー"です。ルーラーって呼びますね」

 

『え…?』

 

「嫌なら構いませんが……呼び名がないと不便ですし」

 

ちなみに名前の由来は特にありません。何と無く、私がルーラーという言葉が好きなだけです。

 

「私の一番好きな言葉があなたの名前ですよ」

 

『えへへー、ありがとう!』

 

ルーラーはぐるぐると声を上げながら自分の顔を私に擦り付けてきます。

 

どうやら邪龍でも良い子みたいですね。とりあえずはそっとしておきましょう。

『お礼にこれあげるね』

 

ルーラーの頭の下辺りの空間が歪み、柄の黒い長槍が姿を現しました。

 

受け取ってほしいようなので私はそれを手にします。

 

柄が黒い事を除けば多少長めの槍ですね。

 

『"竜槍スマウグ"っていうんだよ』

 

何故か槍を見ていると旗を付けたくなる衝動に駆られます。それだけではなく、この槍からは私が造ったような聖剣が足元にも及ばない程の力も感じる。どうやら良いモノを貰ったようです。

 

「ありがとうございます。では私はこれで…」

 

そう言って私は来た道を戻ろうとしました。

 

ここまで進んで気が付きましたが、どうやらこの洞窟は殆ど一本道になっているようで、何処にも繋がってはいないようです。よって引き返すしかありませんね。

 

『どこへいくの?』

 

ルーラーの呟きに私は足を止めました。

 

どこへですか…。そう言えばとりあえず逃げ出して生きる事は決まっていますが、それ以外の事は何も決めていませんね。

 

「とりあえず暫くは好きに世界を見て回りましょうかね?」

 

『楽しそう…』

 

そう言うとルーラーはなにやら期待を込めた眼差しをこちらに向けてきました。

 

『じー…』

 

ルーラーはご丁寧に擬音付きで、仲間になりたそうな目でこちらを見ています。これがくれたら食べてもいい、というチョビの眼差しですか…。

 

…………まあ、この辺りの豪雪地帯を突破するのに足は不可欠なので丁度良いでしょう。

 

「あなたも来ますか?」

 

『本当!?』

 

ルーラーは嬉しそうな声を上げると、尻尾だけでなく翼までバタ付かせました。

 

ちょ…強風で髪が乱れるから止めなさいよ!

 

『ならそれもあげる!』

 

そう言うとルーラーは身体をルーラーが最初に立っていた方向に向けました。

 

良く見ればそこにはダンジョンの宝物と言わんばかりの箱が置いてあるではありませんか。

 

流石にTHE・宝箱なモノが置いてあるのは奇っ怪過ぎるため、あれはなんなのかルーラーに聞きました。

 

『さあ?』

 

「知らないのですか」

 

『ボクが来たときにはもうあったよ』

 

…………まあ、例えガラクタであれ貰えるものは貰いましょうか。今の私には必要なものが多過ぎますし、何かの役に立つでしょう。

 

とりあえず、開けた瞬間に宝箱が異様に長い手足が生えた生き物に変わって襲って来られたら大惨事なので、スマウグで宝箱をつついてみましたが特に変化はありません。どうやらミミックではないようですね。

 

とりあえず宝箱を開けてみます。

 

するとそこには鞘、柄、刀身に至るまで真っ赤に染めらたひと振りの曲刀が入っていました。刀身は日本刀のようですが、柄は西洋剣のそれという不思議な形状をしています。

 

良く見ればご丁寧に"カムシーン"と銘が彫られていますね。

 

「名刀カムシーン」

 

何故か声に出したくなったので声に出してみましたが、特に意味もありません。

 

これも私が聖剣創造で造れる規格を遥かに越えた業物のようなのでありがたく貰っておきましょう。ありがとうトルネード! …………トルネードって誰ですか?

 

とりあえずこれらを持って外に出ましょうか。雨が止んでたらですけど。

 

「行きますよルーラー」

 

『はーい』

 

私の後ろをドスドスと音を立てて着いてくるルーラー。地味に可愛いと思ったのは内緒よ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

途中からルーラーさんの背中に乗って縦穴から這い出ると、いつの間にか雨は止んでおり、それどころか既に朝日が射し込んでいました。

 

そして、日の光に照らされながら100を軽く越えるであろうという数の下級から中級の天使が縦穴を中心に私達を取り囲んでいます。

 

雪森の空を埋める天使達は絵画になりそうな幻想的な光景ではありますが、微塵も嬉しさは込み上げてきません。

 

どうやら、悠長に雨宿りなんかしていた報いと言ったところですか。十中八九突破できなければ私は殺されるでしょう。

 

ですが、どうやら向こうは騒然とした様子です。まあ、横にいる明らかに凶暴な邪龍といった風貌のルーラーさんのせいですね。

 

少女を追い詰めたと思ったら邪龍に跨がっていた。大誤算もいいところでしょう。

 

とは言っても攻撃を緩めるような程、甘くはないようで空が天使達による無数の光の槍で染め上げられていきます。少女ひとり殺すには随分と大人気ないんじゃないかしら?

 

『ねぇねぇジャンヌ?』

 

「はい?」

 

『あれ食べてもいい?』

 

「好きにしてください」

 

『やったぁ!』

 

嬉しそうに巨大な咆哮を上げるルーラー。

 

まあ、こう思いましょう。

 

武器の試し斬りの相手が出来たと。

 

ルーラーと、ルーラーに騎乗している私は天使の群れへと飛び出しました。

 

 

 




ジャンヌオルタさん
原作よりだいぶやさぐれているジャンヌ・ダルク。異常なまでに炎や呪詛の扱いに手慣れていたり、人間の言葉を持たない竜と普通に会話を成立させたりすることが可能。やたら竜、特に邪龍に好かれる。


ジャンヌオルタさんのもちもの。

聖剣創造
ジャンヌさんの神器。戦闘から生活まで幅広く使われている。しかし、それが祟ってテロ行為スレスレの事に使われることまで形式美。

螺湮城教本
ジャンヌさん専属の魔術師みたいなもの。物凄く便利。ただ、夢に螺湮城教本の精霊と名乗るギョロ目の男性が出てきたり、巨大なタコっぽい自称旧支配者さんが出てくる事が難点。

食糧
ジャンヌさん曰く2日分。常人曰く15日分。知らないんですか? 聖処女は1食抜いただけで餓死するんですよ?

金の延べ棒
オーラム。この世界では頭の可哀想な店主が居ないために指輪は転がせないので貴重な資金源。

ドラゴンルーラー(黒)
カムシーン(笑)さん主人公でしか戦う事が出来ないが、オープンワールドであるロマサガ3のボス的な立ち位置の四魔貴族(幻影)と同じぐらいかそれ以上に強いドラゴン。ドラゴンルーラーにて最強! 最強なのだ! HP24000中、12000削ると仕様的な第2形態へと移行し、その時の閃きレベルが序盤から戦えるモンスターどころか終盤ボス並な事で有名。閃こう。

そのために、ジャンヌさんもルーラーちゃん本人も気付いていないが、この世界では既に最上級悪魔とサシでやりあえるぐらい強い。しかし、まだまだ子供。

竜槍スマウグ
言わずと知れたロマサガ3最強の槍。ドラゴンルーラーからの極低ドロップ。

この世界では後にジャンヌさんに旗を付けられる事が決定付けられている悲しき宿命の槍。これからのジャンヌさんの主装備。

名刀カムシーン
カムシーン(笑)じゃない方のカムシーン。ドラゴンルーラー(黒)を倒すと手に入るため、完全にスマウグとドラゴンルーラーの閃きのおまけである。

これからのジャンヌさんの副装備。


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