神炎聖剣少女ジャンヌオルタさん   作:ちゅーに菌

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この小説をジャンヌオルタが見れると思って開いた読者の紳士淑女諸君。

そこまでだ 残念だったな

この小説に出てくるジャンヌオルタちゃんはジャンヌオルタと言うよりも、"JKジャンヌオルタ"みたいなモノです。

よって基本的にネタまみれかつシリアルで話が進行します。相変わらずの一人称万歳です。

というかジャンヌオルタにホイホイされた人はここ小説の作者の名前を二度見したまえ。このクソ作者に真面目なシリアス作品など期待する方が無駄ですぜ。

というかこれ自体、FGOの無課金のサブアカで10連引いたら前回はタイツ師匠、今回ので10連引いたらジャックちゃんとわらべうたちゃんが同時に出やがった腹いせの小説だチクショウ。本アカに幾ら貢いでると思ってやがる(血涙)。


ジャンヌオルタさん逃げる

「レティシア」

 

「……?」

 

どこにでもあるようなとある一般家庭。そこに夫妻と、ひとりの少女が住んでいた。

 

夫妻はある日、少女に対して疑問を投げ掛ける。

 

「どうして礼拝に参加しないの?」

 

朝、教会に出向いて司教の話を聞き、讃美歌を歌うだけの行動をなぜか少女は異様に嫌がった。

 

日常として行われている事なだけに夫妻なりに少女を心配しての言葉でもある。

 

「だっていないよ…?」

 

「いない?」

 

少女は首を傾げ、なぜ当たり前の事を聞くのか疑問に思うかのような様子で呟いた。

 

「この世界に聖書の神様はもういないもん」

 

「え…?」

 

小さな少女から飛び出した言葉の意味が飲み込めず、夫妻は何も言い返せないままに少女は次の言葉を吐く。

 

「それだけじゃないよ。悪魔も殆どいないの」

 

その後、ノートを部屋から取って戻ってきた少女は夫妻にあるページを見せた。

 

それを見た夫妻は驚愕の表情に染まる。

 

 

1. バアル◎

2. アガレス◎

3. ヴァサーゴ

4. ガミジン○

5. マルバス 断絶

6. ヴァレフォール 断絶

7. アモン

8. バルバトス

9. パイモン

10. ブエル 断絶

11. グシオン 断絶

12. シトリー ◎

13. ベレト

14. レラィエ 断絶

15. エリゴス 断絶

16. ゼパル

17. ボティス 断絶

18. バティン 断絶

19. サレオス

20. プールソン

21. モラクス 断絶

22. イポス 断絶

23. アイム 断絶

24. ナベリウス

25. グラシャラボラス ◎

26. ブネ 断絶

27. ロノヴェ 断絶

28. ベリト

29. アスタロト ◎

30. フォルネウス ○

31. フォラス 断絶

32. アスモダイ

33. ゲアプ 断絶

34. フールフール

35. マルコシアス 断絶

36. ストラス

37. フェニックス ◎

38. ハルファス 断絶

39. マルファス 断絶

40. ロイム 断絶

41. フォカロル

42. ウェパル 断絶 ○

43. サブノック 断絶

44. シャックス

45. ウィネ 断絶

46. ビフロンス 断絶

47. ウヴァル

48. ハーゲンティ 断絶

49. クロセル 断絶

50. フールカス ○

51. バラム ○

52. アロケル 断絶

53. カイム 断絶

54. ムールムール 断絶

55. オロバス 断絶

56. グレモリー ◎

57. オセ 断絶

58. アミィ 断絶

59. オリアクス

60. ウァプラ ○

61. ザガン 断絶

62. ヴォラク

63. アンドラス 断絶

64. フラウロス 断絶

65. アンドレアルフス

66. キメリイェス 断絶

67. アムドゥスキアス 断絶

68. ベリアル ◎

69. デカラビア 断絶

70. セーレ 断絶

71. ダンタリオン

72. アンドロマリウス 断絶

 

 

「ね?」

 

そう言って無邪気に笑う少女の姿が、夫妻にとっての悪魔に見え始めるのに時間は掛からなかったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

人間誰しもが秘密を抱えているものだと私は考えています。

 

失敗の隠蔽から、コンプレックス。人には言えない金額の貯金通帳。

 

宝物、サプライズ、嘘、盗み、負い目、親殺しに子殺し、主人殺しに死体の隠蔽。上げれば切りがないほどにその幅は深く広い。

 

そして、私の場合はその中でも一際異質なもの。

 

私はこの世界自体を、物語でも読んだかのようにの何故か知ってしまっているのです。

 

例えるのならずっと族長物語の時代にタイムスリップして手元にある旧約聖書を読んでいるような気分。そんな可笑しな感覚を私は常に持っています。

 

世界と照らし合わせ、頭の中のそれを現実だと認識するまでに若干時間は掛かりましたが、それだけは確かな事でしょう。

 

何故かと言われれば物心付いた頃から常にそう言った意識があったからとしか言えませんね…。

 

神の啓示なんかよりも、よっぽど凄まじい真理ですよ。まあ、これを普通の人に話せば私は精神病院にfly awayされますよ、ええ。

 

と言うか、現に孤児であり、まだ物心が付かなかった記憶すら曖昧な頃に私の里親に話していたらしく、いつの間にか里親から恐れられ、私はこの聖剣使い養成所とやらにs'envolerですよ全く…。

 

最後に義理の両親が施設の人から何かを貰って喜んでいたのは覚えているので多分、私は売られでもしたのでしょうね。

 

ああ、神よ! なんということでしょう…。惨めな私に慈悲を与えたまえ!

 

………………まあ、その聖書の神様はこの世界にはもういないんですがねー。

 

それはそれとして、この施設に入れられた事で良い事と悪い事がありました。

 

良い事とはなんと! 私は、かのフランスの英雄にして、くっ殺要員のジャンヌ・ダルクの魂を受け継いでいる人間らしいです。

 

更に施設にたまに来る天使の方によれば本物のジャンヌ・ダルクと容姿まで瓜二つだとか。私の方がちょっと肌が白っぽくて、目がかなりやさぐれているらしいですけど。

 

鏡を見ながら、無駄にキャラの立った容姿をしていると思っていた日々は無駄では無かったのですね。

 

ただ、この世界のジャンヌ・ダルクといえば神器に聖剣創造を持っていて、聖剣で竜を作れるテロリスト程度の認識ですね。あれ…? 知識の中でジャンヌ・ダルクの姿が全く頭に浮かばないような…? まあ、私がそれなりに整った容姿をしているので別に気にすることもありませんか。

 

それで悪い事の方ですが、この聖剣使い養成所の所長の名前が"バルパー・ガリレイ"と言うそうです。

 

ええ、この施設確実にヤバい施設です本当に、本当にありがとうございました。

 

…………バルパー・ガリレイと言えば聖剣計画というモノの首謀者。聖剣計画とは、僅かでも聖剣の適正のある子供をかき集め、その子らから聖剣の因子を抜き出して人工の聖剣使いを作り出す計画です。バルパー・ガリレイのこの計画以降は教会では死を伴わずにそれを成し遂げているようですが、逆に考えればプロトタイプとも言えるこの聖剣計画では抜かれた者はほぼ確実に死ぬようですね。ま、死体から搾取するらしく先に毒ガスでお陀仏みたいですけど。

 

この神炎聖剣少女ジャンヌの聖剣因子を抜こうだなんていい度胸ね…。私、怖くて泣いてしまいそうです。

 

おおブッダよ! 寝ているのですか!…………聖書の神様は死んでましたね。それにブッタさんも管轄外でしょう。

 

私は施設の枕があまりにも柔らか過ぎて寝れなかったので、ふかふかした自作のブックカバーで聖書を覆い、それを枕にして眠るほど真摯なクリスチャンですからね。神様の意向は尊重しますよ。勿論、生きていればの話ですが。

 

………と言うことはここで何をしても誰にも咎められることはないと言うことですか。やったねジル! 神罰は実在しなかったわよ!

 

あ、そうです。

 

折角ですからこの施設から脱走するにしても金目のモノを粗方頂いてから、逃げ果せることにしましょう。先立つものはお金。後はコネぐらいです。

 

それに、後ろめたい施設なんですから、きっと本物のレアな聖剣の二本や三本ぐらい置いてありますよね。

 

思い立ったが吉日。私は行動を起こし……。

 

 

 

ぐぅー

 

 

 

………………やっぱり晩御飯を頂いてからにしましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

森に囲まれたとある雪原の平野に作られた建造物群と、それらを取り囲むようにぐるりと囲む巨壁。建物の所々に施された独特の装飾から教会施設だということが見てとれるだろう。

 

外敵の侵入から護るという名目の施設は、内部の者が外に出てしまわないようにと言い換える事も出来よう。

 

現在、その施設内部のあちらこちらから火の手が上がり、外では数人の引率者がこの施設で暮らす多数の少年少女を引き連れて消火に当たっている。

 

そんな最中、地下部分にあたる区画ではけたたましいサイレン音と、赤の非常用誘導灯が絶えず点滅していた。

 

「クソッ! なんだあの化物は!?」

 

一般のこの施設の職員とは若干、衣装の装飾の異なる男がそう吐き捨てる。

 

男はそこそこ名の知れたエクソシストであり、銃を持たせた十数人の施設職員と共に、一本道の通路の先に入る何かに向けて絶えず発砲を続ける。

 

彼らの視線の僅か50m程先では、通路の床、壁、天井に至るまでの全面が赤一色で染まり、天井から滴り落ちる鮮血が小さな水音が響かせる。更には、そこで打ち棄てられた50や60では効かないバラバラに分解された死体が、火の付いた炭のように炎を巻き上げる異様な光景が広がっていた。

 

そして、その最前列を歩むのは、奇妙な装飾の施された古い本を片手で開き、もう片方の手にはきらびやかな銀の柄と赤々と赤熱する刀身が特徴的な剣を持つひとりの少女だ。

 

エクソシストは何れ程銃弾を浴びせようとも結界や障壁のようなものに阻まれ、進行を遅らせることすら出来ていない現実に焦りの表情を浮かべながらも指示を飛ばした。

 

「今すぐ隔壁を閉鎖しろ!」

 

「ですがまだ仲間の退避が……」

 

「バカを言え! アレの後ろに生き残りがいるものか!!」

 

エクソシストが檄を飛ばした事で、施設職員のひとりが壁に付けられた簡素なスイッチを押す。すると少女と彼らの間に70cmは厚みがあろうかという鋼鉄の隔壁が降りた。少女が視認出来なくなった事で、彼らにも多少の安堵の表情が浮かぶ。

 

次の瞬間、鋼鉄の隔壁が、まるでナイフでバターでも切り分けるかの如く斜めに溶断される。

 

さらにもう1本の切れ込みが入り、障壁にバツの字が刻まれた直後に穴が開き、何事もないかように本に目を向けている少女が再び足を進めた。

 

少し背伸びした程度のただの人間には人智を越え過ぎた光景にひとり、またひとりとエクソシストの側にいた施設職員らが職務を放棄し、脇目もくれず逃走を始めたのも仕方の無い事だろう。

 

本から顔を上げ、その陳腐な姿を目にした少女の額に皺が寄る。

 

「逃げるなら最初から歯向かうんじゃないわよ…」

 

少女は剣先を床に突き立てると、マッチを擦るように剣を振り上げた。それにより、正面に1本の炎の線が駆け抜る。

 

「爆ぜなさい」

 

その刹那、炎の線が激しく爆裂し、少女の前方の通路が爆炎で染まる。それは平等にエクソシストも、残っていた施設職員も、逃走した施設職員をも飲み込む。後に残るのは煤けた死体ばかりだ。

 

少女は再び本に顔を戻すと歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

ルルイエ異本しか置いてないとかあり得ないんですけど…?

 

え? なんなのここ? マジで表立っては聖剣使い養成施設なの?

 

………まあ、この螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)は割りと便利ですね。これそのものが魔力炉を内蔵した魔導書らしく、ページを開いて念じるだけで魔術が発動します。

 

適当にページを捲り、魔術をバラ撒きながら歩いていたら出てくるようになったヒトデっぽい海魔は、切られると分裂して増えるのでここの施設の連中では苦戦を強いられているようです。

 

『ジャンヌゥッ! まだまだCOOLには程遠いですぞ!』

 

今、何か聞こえたような…。

 

きっと気のせいでしょう。周りは死体だけですし。それよりも、もっと本の中身を確認しなければ。

 

「いあ いあ くとぅるふ ふたぐん…」

 

本の内容を声に出して読み上げながら進んでいると、この本が置かれていた地下施設からやっと出れたらしいです。

 

とは言っても外の建造物の殆どで火の手が上がっており、皆消火活動に奔走しているために元気そうですね。

 

まあ、私が聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)で造ったアレンジを加えた炎属性の聖剣をほぼ全ての建物の燃えやすそうな場所に予め置いておき、脱出すると決行した瞬間に遠隔操作で、全ての聖剣を解放してナパーム弾代わりにしたせいなんですけど。

 

少しばかり火力が高過ぎて、生き物が焼けるような匂いまで風に乗っていますが、ここには子供も含めて死んで困る人種は誰もいないでしょうから気に病む必要もありませんね。

 

視界の端でいつの間にか私より先に地上まで上がってきた海魔が、職員を襲っているのも気にしてはいけません。

 

焼け落ちる施設を横目に、施設全体を覆う外壁に向かって私は歩き出しました。

 

するとその途中で子供達のリーダーに留まるような形で避難誘導をしている見知った顔を見付け、思わず足を止めて声を掛けてしまいます。

 

「こんばんわ。明るくて素敵な夜ですね」

 

「君は!」

 

彼は後にリアス・グレモリーに木場裕斗と名付けられる少年。

 

この聖剣計画の数少ない生き残り。私の記憶ではこの世界の中でも重要な人物のひとりだと記憶しています。

 

「……………え…?」

 

私を見て何故か固まる木場さん。

 

そういえば今の私の身体は返り血だらけでしたね。やだ、なんだか恥ずかしい。

 

「ひとつだけ私からあなた方に。ここの施設の子供達に伝えておいてください」

 

私は精一杯の笑顔を作ると木場さんに言葉を吐きました。

 

「どうか皆様の夭折に幸運のあらんことを」

 

私はそれだけ言って、唖然としている木場さんの横を通り過ぎました。

 

 

 




クリスマスなので楽しんでいただけたら幸いです。この小説はクリスマス企画であり、私からの皆さんへのクリスマスプレゼントです(驚きの白々しさ)。

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