姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
貴様の愚痴などいいから本編はよ?
・・・・・・それではどうぞ
「黄の勇者、センドウユウマ」
宮殿と塔を繋ぐ通路で、ラウルと出会ったのは金色の鎧を身に纏い、先端がドリル状になった巨大な
「黒鱗の竜王、ラウル・デス・ムーン」
両者が名乗った瞬間、同時に攻撃した。突撃槍から放たれた突きを横薙ぎの一撃を当てて防ぐ。そこへ追撃の蹴りを放つ。しかし、
「<付与 自己加速>」
そう言いながら後ろに下がった。目にも止まらぬ速さで距離を取ると、突撃槍を正面に構えたまま突撃してくる。
「・・・・・・!速い」
回避が間に合わず、コートで防御する。ギギギと、鈍い金属音を響かせながらコートが突撃槍を弾いた。ラウルのコートは
「そらぁ!」
袖からペットボトルサイズの爆薬を取り出し、至近距離で爆発させる。
「<防御 重力障壁>」
ラウルとユウマを重力で出来た壁で閉ざされ・・・・・・爆発した。
~~~
「ぐはぁ」
「すまんな、卑怯なやり方で」
レンリは近衛兵の演習場にいた聖血騎士団の団員の一人を持っている鞭で締め上げた。先程まで、新しく入ってきた近衛兵と戦っていたのだが近衛兵が負け始めたので、加勢・・・・・・仕留めたのだ。
「れ、レンリ様」
「何をしとるか貴様。老いぼれの政治家に遅れを取るでないわい」
この場にナハトが居れば、『元魔王が何を言うか』と言っていただろう。
(さて、これで始末したネズミは10。勇者二人に鼠11が侵入者。緑の勇者は陛下が生け捕りに、黄の勇者は坊がどうにかしとろうな)
「<攻撃 銀閃の法剣>」
瞬間、背後が眩く輝き、銀色の光が剣のように伸びてレンリを貫こうとする。
「未熟。お主は未熟じゃ<模倣 偏光>」
模倣魔法を使って
「お主はぁ・・・・・・確か、死んだはずだがのぉ?」
そう言いながら先程攻撃を仕掛けてきた相手を見る。
「さあな。あの世で考えてくれよ」
そこには死んだはずのケサ・キョウがいた。
「再生系のスキルか。ダメージタイプではなく、時間タイプの回復・・・・・・肉体の回帰のようじゃな」
「おっさん、ほんとに大臣かよ」
~~~
「ちっ!さっきので死んでないとは思ってたけど、無傷とはなぁ」
ラウルは目の前にいるユウマを見る。爆風は重力の壁で抑えたため宮殿へのダメージはなかった。
(どうやって爆風と熱を凌いだ?)
「〈付与 嵐の槍〉」
突如豪風を纏った突撃槍が肉薄してくる。それを横に跳んで避けると、【偽典・叡智の魔書】を取り出す。
「〈召喚
巨岩のような竜が現れ、六本の槌がユウマに迫るが当たらなかった。
(やっぱり速すぎて当たらんか。恐らく彼奴は
「・・・・・・召喚魔法、攻撃魔法、防御魔法。
「残念、僕は万能型なの。<妨害 荷重空間><付与 自己硬化><付与 身体強化>」
力場属性の妨害魔法によって機動力を削いだあと硬化属性の付与魔法で肉体の耐久を上げ、最後に強化属性の魔法で身体能力を底上げする。
魔道師には、タイプが存在する。攻撃魔法などを多様する
実を言うと、ラウルはこの3つのタイプを切り替えて戦っている。
「【滅神魔腕・獄龍】」
ユウマの懐に入った瞬間、腕を一瞬だけ龍化した。黒い爪に黒い鱗がびっしりと生えた腕が炎や毒液、雷や氷を纏っていた。
【滅神魔腕・獄龍】は、魔法そのものを纏わせて発動するスキルだ。
「・・・・・・!」
荷重空間で動きが制限された状態で動きを止めたユウマは避けきれず、右腕と胸元を斜めに切り裂かれて血が吹き出た。直後、ユウマの後方が急に輝き出してラウルの視界を光が塗りつぶした。
~~~
「で、緑の勇者を捕らえただけと?」
「はい、黄の勇者にも逃げられてしまいました。腕はもって行けたのですが・・・・・・」
その後、ラウルとレンリはナハトの待つ玉座の間まで来ていた。青の勇者、イザヨイカグヤを連れた聖血騎士団の団員と黄の勇者、センドウユウマに逃げられたため、反省会をしていた。
「まあいい。緑の勇者の拷問は私が直々にする。ラウル、お前は一旦カベロニに戻れ」
この日以降、一華冠のデブルと、四華冠のヴォルゴが、宮殿を守る防衛装置の技術面の改善提案を提出してきた。
次回はまたしても拷問回。
・・・・・・の予定です。