姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
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『主様、勇者の一人を封殺しました。これで勝ったも同然で――――――――――』
「あなたですか?彼女を結界で封じ込めたのは」
刹那、白い炎がカノンを焼いた。
『ぎゅああああああああ!!』
「あなたが、そうなのですね?」
『何故だァ!今の私は非実体・・・・・・霊体や精霊天使や悪魔でない限り、この身体を傷つけることは出来無いはず・・・・・・』
攻撃してきた人物を見る。それは、最強の勇者『セラ・クラウディー』だった。
「私のスキルの中には、神罰の炎を操る事もできます」
『そうですか、ならばいいでしょう。私も全力で相手してあげます!主様からは、完全魔族化を許されているのですから」
突如、複数の魔物の混ざり合った怪物は人の姿に戻った。しかし、その顔は先ほどの怪物の輪を掛けて異形だった。
「なんという・・・・・・」
一つの顔に五人分の人間の顔が描かれた100本近い手のある偶像だった。
【『我は、力なリ。真ノ意味での神の使徒なり)]
「神の・・・・・・使徒?」
【『如何にも。我は万物全テの神の使徒なり)]
カノンの身体がまばゆい光を発した。
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「ん?今向こうの海が光ったような?」
ラウルは『リヴァイアサン』の甲板の上からその光を見ていた。
「敵影は?まだ見えないの?」
「は、はい。敵影いまだ確認されず」
「でも、なんだか変な感じなんだよな」
「へ、変な感じですか?」
龍種は意外なことに危機察知能力が高い。特に魔竜のような人型になれる種族ほど高い傾向がある。
その特、船を強い衝撃が襲った。
「はぁ!?」
「た、大変です!敵艦を捕捉!せ、潜水艦の模様!」
教国は潜水艦による格闘戦に持ち込んできたのだ。船体同士を衝突させた際の衝撃から立て直すように命じる。
「て、敵潜水艦から魚雷接近!数、8」
「左舷へバリアを集中。ついで第4砲塔は8時方向、第2砲塔5,6時方向へ対潜砲撃。艦首を左転舵」
バリアによって魚雷が完全に防がれたのを確認して、次の指示を出す。
「・・・・・・待て、これは囮だ。右舷、全魚雷発射管に広域衝撃魚雷装填、発射しろ。起爆タイミングは14秒後だ」
恐らく、潜水艦数隻による包囲陣形。
「上等だ」