姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

18 / 30
18話 ○ フェーリン海域の戦い3

魔人5つ面相(ファイブ・フェイス)】それはカノンが【魔眼の蛇】と共にラウルから貰ったスキルだ。1つ目の顔はありとあらゆる魔物が融合した異形の怪皇(ハイ・キメラ)。2つ目は霊体を操る魔女。3つ目は絡繰じかけの翼と腕を持った魔物。4つ目と5つ目にはまだ変身したことがないので分からない。

『主様、勇者の一人を封殺しました。これで勝ったも同然で――――――――――』

「あなたですか?彼女を結界で封じ込めたのは」

刹那、白い炎がカノンを焼いた。

『ぎゅああああああああ!!』

「あなたが、そうなのですね?」

『何故だァ!今の私は非実体・・・・・・霊体や精霊天使や悪魔でない限り、この身体を傷つけることは出来無いはず・・・・・・』

攻撃してきた人物を見る。それは、最強の勇者『セラ・クラウディー』だった。

「私のスキルの中には、神罰の炎を操る事もできます」

『そうですか、ならばいいでしょう。私も全力で相手してあげます!主様からは、完全魔族化を許されているのですから」

突如、複数の魔物の混ざり合った怪物は人の姿に戻った。しかし、その顔は先ほどの怪物の輪を掛けて異形だった。

「なんという・・・・・・」

一つの顔に五人分の人間の顔が描かれた100本近い手のある偶像だった。

【『我は、力なリ。真ノ意味での神の使徒なり)]

「神の・・・・・・使徒?」

【『如何にも。我は万物全テの神の使徒なり)]

カノンの身体がまばゆい光を発した。

~~~

「ん?今向こうの海が光ったような?」

ラウルは『リヴァイアサン』の甲板の上からその光を見ていた。

「敵影は?まだ見えないの?」

「は、はい。敵影いまだ確認されず」

「でも、なんだか変な感じなんだよな」

「へ、変な感じですか?」

龍種は意外なことに危機察知能力が高い。特に魔竜のような人型になれる種族ほど高い傾向がある。

その特、船を強い衝撃が襲った。

「はぁ!?」

「た、大変です!敵艦を捕捉!せ、潜水艦の模様!」

教国は潜水艦による格闘戦に持ち込んできたのだ。船体同士を衝突させた際の衝撃から立て直すように命じる。

「て、敵潜水艦から魚雷接近!数、8」

「左舷へバリアを集中。ついで第4砲塔は8時方向、第2砲塔5,6時方向へ対潜砲撃。艦首を左転舵」

バリアによって魚雷が完全に防がれたのを確認して、次の指示を出す。

「・・・・・・待て、これは囮だ。右舷、全魚雷発射管に広域衝撃魚雷装填、発射しろ。起爆タイミングは14秒後だ」

恐らく、潜水艦数隻による包囲陣形。

「上等だ」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。