姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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14話 〇 第8次根遠征旅団

毒霧のような紫色の空気、血のように赤い大地。植物は生えているものの通常のものとは思えない程異形の姿だった。

ここは根の大陸。魔物王原初の怪物(エルダーモンスター)がシャングリラ大陸を投影することによって生み出された大陸だ。

そこで、多種多様な魔物が人間のように普通に暮らしていた。この魔物の群れが、根の住民である。

「よ、クローレン」

「ミアネスか。勇者はどうなった?」

一見普通の人間にしか見えない男が優男風のイケメンと話していた。彼らは根の国の魔将の一人だ。

「ああ、いつのまにか逃げられてた」

「おいおい・・・・・・じゃあ十本指は?」

「あれは無理。即死の毒を受けた瞬間完治させるヴァルキリーに、スキル無しで『剣聖』に至った人狼に、堕神に半巨人に半天半魔、挙句の果てには元勇者の武具の付喪神にパンドラの匣だぞ?人外魔境にも程があるわ」

元勇者の不死人が呻く。

「元勇者でも勝てないって・・・・・・」

「いやまて、一対一か二対一ならあるいわ」

などと話をしていると、

「二人ともここにいたんですね!緊急事態です!」

エーデリュアが大慌てで走り込んできた。

「パンドラ帝国の機械化兵士団が攻め込んできました!」

~~~

パンドラ帝国。ウルグとブルームハート王国を隣国に持ち、両国の食料や鉱山資源の奪取を目的に戦争を仕掛けている軍事国家だ。しかし、幾度となく侵攻を繰り返しても未だに敗戦続きであった。

そんな中偶然パンドラの戦士団が根の魔王の作った揺らぎの中に入ってしまい、根の大陸にたどり着いてしまった。

そこで、根の者たちが不死不変の力を有していることを知った。そしてそれをパンドラの力にしてしまおうと、毎回のように根の侵攻が行われると遠征部隊を派遣するのである。

「突撃ー!」

パンドラ帝国軍第8次根遠征旅団。旅団長兼パンドラ帝国第一皇子、ドラグル・ヘブラム・パンドラの号令と共に、機構魔導兵装で義体化(サイボーグ化)したパンドラ帝国兵がアサルトライフルを構えながら走っていく。

機構魔導。魔力を電力代わりに使っていた文明の遺跡から発掘された兵器を解析、魔導として安定して運用できるようにしたものだ。

彼らの放った銃撃が吸い込まれるように根の魔物に当たっていく。

しかし、根の魔物達は死なない。魔王の領土の中ならば不死不変の存在を維持し続ける。

「そう、奴らを根の中で殺すことは出来ん!ならば、一時的に根の外の空間に概念固定してやればいい」

そう言って、映写機のような機構魔導兵装を取り出す。

『時空転送 概念固定 空間域圧縮 対象をパンドラ帝国へと空間域固定します』

「この兵装は一度記録した場所の空間域を圧縮格納し、投影することができる。いわばここは!根に居ながらパンドラにいるのだ!」

大仰に天を仰ぎ、高らかに、歌うように宣言する。

「そこへ更に、機構魔導兵団の集中砲火、機構飛竜機動戦士団の絨毯爆撃、魔導砲撃大隊の大火力魔導砲による長距離砲撃!ふははははははは!空間割断剣や時空歪曲障壁盾、挙句の果てには惑星の剣や終焉の魂食獣(ソウルイーター)を連れて行こうか迷ったが・・・・・・うむ、問題ないな!」




遅くなった挙句このクオリティ

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