姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
根の者達は死なない。
根の者達は根の領土では魔王同様不死不変の存在を維持している。では、その外で死んだ場合はどうなるのか。その場合は魂だけが根に送られる。その際に根の魔王は新たな器となる魔物を用意する。こうして不死身の軍隊が出来たのだ。
しかし、魂を移し替える数に限界があるのと、【眷属創造】のスキルは大量の
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「前方に敵発見。数4千、殲滅します」
ミストヴェール教国の西に位置するフローリカ城塞から560km離れた地点。後80km程進めば海に行く道を、ぞろぞろと根の魔物が埋め尽くしていた。
そこに突撃するのは白い鎧を纏った一人の少女。彼女の名前はエラギミズキ、白の勇者三人で構成された戦闘部隊、秩序の剣の一人だ。
「秩序の剣、第一の太刀エラギミズキ」
走りながら両腕を前に突き出す。するとそこから光で出来た剣が出現する。そのまま突撃してきた魔物を斬りつけると、紙を斬るかのように容易く斬れた。そのまま2体3体と切り裂いていく。
「ぐおおおおおおおお!」
数体がミズキを囲むと、独楽のように高速回転しながら、更に数十本の光剣を出現させ、投擲する。
「撃破数、38」
そのまま前進する。接触した瞬間斬る。人型の魔物が突きを放ってきたので、左に跳びながら斬る。後ろに回り込んできた魔物に対して剣を出現させて串刺しにする。普通よりも大きい個体に剣を突き刺した。
「目障りです」
腕に力を込めて言う。すると、巨体の魔物はぼこぼこという音を立てて、膨張していく。
「ぐ、ぐるああああああああ!」
内側から大量の光剣に貫かれて絶命した。それを一瞥した後、地面に光剣を突き立てた。
「【秩序の光剣】最大出力」
呟いた瞬間、視界を塗りつぶす程の光が魔物たちを消し飛ばした。
「撃破数483追加」
「仕事が早いですね」
振り向くと、そこには二人の赤の勇者がいた。
コウモトバンヤとセラ・クラウディーだ。
「おいおいおい、一人でこんなに倒したのかよ」
茶色い髪のチャラ男めいた男が呆然と呟く。
「まだ行けます」
「ですが、貴女一人に戦われてもこちらの面目が立ちません。我々も協力させていただきます」
「・・・・・・ご自由に」
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「うへぇ、準最強の勇者と最強の勇者か」
根の国の魔将ミアネスは根の魔物と勇者の戦闘を見ていた。・・・・・・見た上で、どのように負かすかを考え始める。
(白い方は剣を召喚する・・・・・・いや、創るスキルか。しかも範囲が広く火力も高い。正攻法はまず無理)
しかし、あれほどの力を持った勇者は必ず根の脅威となる。
『ミアネス、聞こえますか?』
「エーデリュアさんか。わりいな、こっちはもう少しかかるから先にウルグに仕掛けてくんない?」
『わかりました』
同僚との通信を切り上げ、考える。
(やっぱり俺のスキルでおびき出すか)
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エラギミズキは2つのスキルを持っている。まず一つが【秩序の光剣】このスキルは光を剣の形にして使うことができるスキルだ。
そして二つ目が【一芸神化】このスキルは『一つのスキルを完全に完成させる』スキルだ。しかし、このスキルにはデメリットがある。それは、【一芸神化】と、完成させるスキル以外のスキルを持つことが出来ないということだ。
「撃破数309追加」
「ごがああああああああああ!」
背後から突如咆吼が聞こえたので振り返ってみると、目の前に怪物がいた。
「・・・・・・
黒い鱗をした巨大な竜だった。
「面白い」
そう言って駆け出すと、光剣を盾のように展開させる。丁度そこへブレスが放たれる。しかし、黒い炎は光剣の盾を壊しながら迫ってくる。
「追加発注」
更に光剣を作り、盾として運用していく。しかし、ブレスで視界が遮られている間に光剣を投擲する。
「更に追加」
投擲する光剣を10から20、20から30と数を増やしていく。
しかし・・・・・・
「手応えが・・・・・・ない?」
その時、どどーん!という轟音とともにミズキを取り囲むように爆発が起こった。それと同時に地面に放射状の亀裂が生まれ、穴が開く。
「しまっ―――――――」
ミズキはそのまま穴の底へと堕ちていった。
はい、今回はここまで!次はウルグの予定です!
皆さんどうです?転生する前は多少は仲の良かった姉の転生後を見たら殺人マシンになってたとか・・・・・・滅茶苦茶いい展開じゃないですかヤダー!
APOCRYPHA様のリクエストキャラを使わせていただきました、ありがとうございます!
この戦いの続きはまたいずれ