美しい神様と神様に魅せられた人の話   作:えーちゃんは疲れている

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ヒカルは例え佐為に会わなくてもいつかどこかで囲碁に出逢い、その類いまれなる才能を開花させていただろうなと思いますが...原作よりもかなり強いぞ(笑)
そして、ライバルはどこかで必ず出会うものかなと思います。そこに、佐為という存在がいなかっただろうとしても。
拙い文章に目を通して頂き、恐悦至極にございます。



美しい神様に会わなかった彼の場合

俺は進藤ヒカル。小学6年生。幼なじみにあかりっていう少し口うるさいけど、まあまあ可愛い女の子がいる。勉強はあんまり好きじゃねーけど、体を動かすのは好きだ。勉強がなけりゃ、学校はトモダチがいるから好きだぜ。

自分で言うのも何だけど、至って普通の小学生だと思う...ちょっと趣味がジジっぽいのを除けばだけど。

俺の趣味は囲碁...あ、ジジっぽいと思っただろ?俺もそう思う(笑)

俺が囲碁を始めた切っ掛けも単なる小遣い稼ぎだったからな

それじゃなかったら、そんなジジくせー事しようと思わなかっただろーし。

でも、何だろうな...石の並び、石の流れが読めてくるとちょっと楽しくなってきてさ。本当に最初の頃はじいさんとしか打ってなかったんだけど それでも対局毎に色んな一局があって、それぞれで結果も違ってさ。何か自分が打つ手に対して相手が応える手もその時々違うから、一手に対して無限の可能性ってのがあるのに気づいたら滅茶苦茶楽しく感じるようになったんだよな。

...下手なくせに何語ってんだよとか言われそうだけど、一言にまとめたら今は一番囲碁が好きって事だ。

いつまでもじいさんに白星献上は悔しいからお小遣いや近所の図書館で詰碁の本や昔の棋士の棋譜とか買ったり、借りたりして勉強してんだぜ。あ...一番好きな棋士は、やっぱり本因坊秀作かな。

何か、一手一手がむちゃくちゃ綺麗なんだよ。あの時、あの戦局でこう打ったゃうの!?って感じ、やばいよなぁ。

いつか、本因坊秀作みたいな棋士になりたいのが今の目標...あ、先にじいさんを倒せって?(笑)それは既に達成済みっての。

近所の囲碁教室でプロの囲碁棋士の先生に指導して貰ってから徐々に強くなったみたいなんだよな...自分じゃ分かんなかったけど、初めは置き碁で9石もじいさんに置いてたんだけど少しずつ置き石の数が減っていってついに互い戦で打倒じいさん達成。

あん時はめちゃ嬉しかったなー。てか、やっと自分が強くなったって実感がわいてさ。嬉しすぎて先生に報告したら『それはスゴいじゃないか、進藤くん...あぁ、そうだ。そろそろ、こんなのに出てみないかな?進藤くんなら良いところまで行けると思うんだけど』ってチラシをくれたんだよ。俺はそれを見て、驚いたぜ。まさか、全国子ども名人戦の出場申し込みだもんなぁ。俺が始めたのはつい半年前だぜって感じ。

分かんないかも知れないけど、この大会って囲碁のプロになりたいやつの登竜門...なんて言われてるらしい。あくまで小学生のだけどな。

でも、強いヤツがめちゃ出るのは知ってるし俺じゃまだジツリョクが足りない事は充分承知してたけど、やっぱり対局するなら強いヤツとやりたいじゃん?

負けても得るものがあればいっかって感じでさ、出場申し込みの必要事項に記入して、応募したんだけど...あれ?いつの間にか優勝しちまったじゃねーか!?(笑)

先生も驚いてた...って、先生の考えてた良いところってレベルが想像できて逆に泣ける。

まぁ、一番驚いたのは俺だけどな...何か場違いなところに来ちまったなぁ、さっさと帰るかなんて考えてても、ベストは尽くして対局に向かったぜ。その結果、初戦は中押し勝ち。2戦目はなかなか強い相手で右上の死活を失敗したら俺の負け、生かせれば俺の勝ちって感じだった。俺なりに色々考えては見たもののどうやったって、生かせねーなって殆ど諦めてた。諦めてけど、本因坊秀作なら絶対軽やかに攻め手を受け流して簡単に生かしちゃうんだろうなって頭の隅っこで少し考えてた。今まで何百局って秀作の棋譜は並べて殆どさらで並べられるくらいに覚えるほど何百回と並べてた。だから、そんな事を考えちゃったんだろうけど。

逆に諦めてたからこそ...リラクッスしていつも先生と検討するみたいに今、この死活で秀作が打つならどこだろうって考えられた。そしたら、ちょっと面白い手が浮かんだ。嘘だろって、その先の何百通りの手を読んでみたら...あっ、生きたって。

それから、何か頭がおかしくなったみたいに色々な手が浮かんできて...少し気持ち悪くなった。考え込んでやっと開けた扉の先に何百って扉が待ち構えてた...分かりづらいか?悪い、俺もよくわかんねぇ(笑)

それからの対局も相手の一手に対していつもだったらこんなにわかんねぇのに、色々手が浮かんできて対局しながら横で並べて検討してぇ感じだった。

そしたら...いつの間にか優勝してた。

驚いたし、嬉しかったけど...素直に喜べないのは決勝で対局したヤツに言われた一言かな。

『こんな所で勝ったって意味ないんだよ。だって、塔矢アキラは出場してないんだからな』

はぁ...?なんだよ、それ。つか、誰の事だよ(笑)

後で、先生に聞いてみたら塔矢名人の息子さんらしい。塔矢名人っていったら結構年輩の渋い男って感じの棋士だったよな?...俺と同い年の息子、何歳の時の息子なんだろうって考えた俺は悪くない。

それで、話は戻るけど...その塔矢アキラはめちゃ強いからアマの大会には出てこねーんだと。まぁ、院生もアマの大会にはでらんねぇけど。自分が出ると他の子がやる気をなくすとかって言ってるから出てこないけど、陰で威張ってるなんて嫌な奴だって決勝戦のヤツが言ってたけど...俺だったら強いヤツと対局したいけどなって思った。出てくればいいのにって...あと、会ったこともない塔矢アキラはつまんないだろーなって思った。囲碁は相手がいなきゃはじまんねーのに、相手がいねんだもん。特に子どもでトップクラスのジツリョクがあるなら同い年くらいでライバルもいないんだろうなって...俺もいねーけど。

そんな事を考えてたら、つい先生に聞いちまった。

『塔矢アキラと対局するにはどうしたらいいの?』って。

先生もちょっと驚いてたけど、先生はある碁会所を教えてくれた。なんでも塔矢名人がケイエイしている碁会所らしい。えーと、ゼイキン対策とかかんとかって聞いたけど、よくわかんねぇ。とりあえず、そこに行けば塔矢アキラと打てるんだなってその足で碁会所に行った。膳は急げとかって言うしな。...母さんから名人戦の会場までの交通費としてちょっとお小遣いも貰ってたし。




しりきれとんぼな感じですが、どこで区切ったらいいのか分かりませんでした。
ライバルとの対局は次に持ち越しという事で。

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