オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
「いいかげんアイツを、マルスのバカを呼べといってる!」
『ゴメン、キャロル、ゴメン、キャロル、デキナイ、デキナイ』
「ほう、ならば分解してやろうか?」
『ボウリョクハンタイ!ボウリョクハンタイ!』
ドライバー、ピッキングツール、ドリルを指に挟み迫るキャロルから跳ねながら逃げるハロ。そのままエルフナインのささやかな膨らみにすっぽり収まる
「あの赤ハロちゃん、なら通信は出来ますよね?」
『ゴメン、エルフナイン。ツウシンモムリ、ムリ……』
「ち、こう言うところはマルスのバカとソックリだ………」
吐き捨てるようプイッとベッドに倒れ込むキャロル…なぜ赤ハロにマルス、いやアレスを呼べと半ば脅迫じみた言葉を浴びせ、ドイツで二人を騙し連れ去るやミストルティンに監禁した相手を心配してるように見える
「あのバカマルス……こんなバカげた事をやれば……すべての憎しみを──────」
─ソレスタルビーイング、ビジディアン、イギリス、ATAG艦隊を確認!ミネルバ、ミストルティンはコレより戦闘速度へ移行、MS各機発進準備!!─
出撃を告げる艦内放送にキャロルの声はかき消された…キャロル、エルフナインが焦る理由、ソレを知る者は赤ハロと二人だけだった
ソレスタルビーイング、イギリス、ATAG艦隊との交戦数時間前、ZAFT月軌道防衛艦隊
同特務艦ミストルティン
「VS/GSシリーズ、アスタロト、ASFG、インレの最終調整を急げ!」
「阿頼耶識システム。リアクター同調完了!」
「次はデスティニーだよ何時でも出せるように整備をがんばるのだ~」
ミネルバと隣接したMSデッキは本音を中心とする整備班が機密エリアで忙しく動く中で弾ことアレックス、マリア、切歌、調、アリシア、箒はMSデッキにある休憩室にいる。コレからはじまろうとする戦いは間違いなく最大規模のモノとなる
少しでも体を休めるためにいたのだ
PHASE-130/131「開く扉」─罪の名を冠するモノside:ARES─
「ああ~退屈デス!」
「切ちゃん、少しは休まないと…隊長からもいわてるよね」
「そうよ。少しは英気を養う事も必要、勝つ為にね」
「ん~わかったデスよ」
少しむくれながら無重力の中を漂う切歌…宇宙にあがりプレシアにより艦隊へ編入されすぐ出撃かと思えば、待機命令に出鼻を挫かれたのもある
「箒、どうしたの?」
「……なんでも無い」
「ワタシの機体が気になるならAZに…「いい、あの機体は…アリシア用に議長自ら調整されたのだから気にしてない…」…うん、ルセディスさんが見せた時は驚いたけどスゴく馴染んだし」
合流直後、議長から搬入された機体を前にし血が上りかけた…しかしアレスがアリシア用に調整されたスペシャル機でありソレスタルビーイングに盗用されたモノと違い完成された機体だと説明を受け納得したが、複雑だった
湊も欠いた状態の中、不安が募るも頭の片隅に追いやり意識を集中させ落ちつかせるように務める中
「アレス」
「……ロラン、どうした?インレに何か問題があったのか?」
「い、いやインレに問題ないんだ…ただ。その……」
「?……ドコか具合が悪いのか」
「そ、そうじゃなくて…し」
「し?」
「写真を…撮らないか?」
…篁結維、更識楯無と戦術プラン提示し終え、MSデッキでエクシェスのOSを最新のモノへ更新する手を止めた
「もしかしたら最後の戦いになるし…その、時間は取らせないから……ダメかな?」
「…………………べつに構わない。OS調整も今終わった……」
「じゃあ、早く撮ろうか」
すっとコックピットから出るアレス、ロランは不安の色が消え笑顔になる。向かうはウーンドウォート、いやハイゼンスレイ─インレ─がある場所。その正面に並をんだ。撮影役はもちろんハロだ
《アレス、ロラン、ジットシロ。ジットシロ》
「えい♪」
「うわっ!?」
いきなり腕を組み抱きつくロランにあわてるアレス、シャッターが切られハロの口からホロデータが浮かぶ。嬉しそうに腕に抱きつき慌てる姿がしっかりと納められていた
「ふふ、うまく撮れたね」
「…いきなりはやめろ……」
悪戯が成功したみたいに笑いかけるのみながらハイゼンスレイ・ラーⅡ《ファイバー》を見上げた時だ
─にいに、もうやめて…─
(ハーティ!?……)
─アルちゃん……私たちはこんなこと望んでない。アルちゃんが幸せに─
(母さん!……)
─アレス、お前の力はこんな事に使うべきモノじゃない、科学者の信念をドブに─
(カ、カイジじいちゃんまで………オレは……ボクは、みんなの仇を討つんだ!MSを持ち込むきっかけを作ったアイツらを、大東に、綾崎翔真を!)
「アレス?どうしたんだい?」
「っ?……な、なんでも無い……戦闘待機に戻れ」
「あっ……まってアレス」
腕をスルリと抜け、離れていくアレス。まるで何処かに自分を置いていく不安が胸に広がるのを感じ名前を呼ぶ。その歩みが止まる
「……私の国、オランダに来ないかな?農業が盛んで春になるとチューリップが綺麗に咲いて……見せたいんだキミに、もし生き残れ…」
「………………わかった」
短く返し歩き出した。微かな不安を感じながら戦闘待機に戻るロラン…ハイゼンスレイ・ラーⅡ《ファイバー》のコックピットに座る
「信じてるからね……キミとそして…」
そっと腹部を撫で、最後の戦いに向けミッションプランの確認をしていくロラン。やがて艦内放送が響く
─ソレスタルビーイング、ビジディアン、イギリス、ATAG艦隊を確認!ミネルバ、ミストルティンはコレより戦闘速度へ移行、MS各機発進準備!!─
篁結維艦長の号令と共にミネルバ、ミストルティンを中心とした艦隊…三方向へ広がりカタパルトが展開していく
『アレックスさ…………『………弾だ。五反田弾、オレの本当の名前だ。忘れないでくれ虚副…虚』…はい、エイハヴリアクター、稼働良好!コントロールを五反田弾さんに移行します……あの待ってますから』
「………わかった……ガンダムアスタロト・ブレイジング改!五反田弾。出る!!」
『箒、この戦いですべてを終わらせようね』
『ああ、今度こそ終わらせる…一夏、翔真を倒して…平和を………デスティニー、篠ノ之箒、行きます!!』
『アリシア・テスタロッサ、アメイジングストライクフリーダム……飛翔します!!』
『切歌、調、私たちの力をアレス隊長の為に!!ガンダムガングニール、押し通す!』
『了解ですデス!ガンダムイガリマ、撫で斬るで~~す!!』
『もちろんだよ……ガンダムシュルシャガナ、行きます』
アスタロト、デスティニー、アメイジングストライクフリーダム、ガングニール、イガリマ、シュルシャガナがミネルバ、ミストルティンのカタパルトから撃ち出され光が明滅する戦場へ飛ぶ、敵艦からの砲撃が迫る中ミストルティン下部カーゴが開く…現れたのは半円状の翼に鳥にもにた強化ユニットを装備したTR-6ハイゼンスレイインレ《ファイバー》だ
『……さあ、いくよ……ロランツィーネ・ローランディフィルネィ…ハイゼンスレイ・ファイバー、みだれさく!』
その巨大さににあわぬ速さで戦場へ向かう姿は圧倒的なモノ?見るモノに畏怖を感じずには入られない、そしてアレスのエクシェスが姿を見せた。バイザーから見える赤金に輝く眼が一際輝いた
『………アレス・ルセディス、ガンダムエクシェス、逝く!』
虚空の海に飛翔するエクシェス、前方の空間が大きく歪み砕けた…現れたのは漆黒に彩られたヴァルヴァロにも似た機影、いや巨大MAだ
─ルシファー、ドッキングモード移行、レーザ誘導開始─
追い越すエクシェス、その背後でレーザ誘導と同時に装甲が展開、相対速度を取り飲み込むように装着。背部巨大推進機から光の翼、推進ユニットが下半身を覆い、左右に巨大なクローアーム兼ビームソード、そして目を惹くのは巨大な砲、イギリスが保有していた軍事衛星エクスカリバーを改造した高出力レーザ砲《ジェネシス》を構える姿が露わとなる
「いくぞ、エクシェス・シュターベル………」
シュターベル…罪を意味する名。アレスが完成させた復讐を叶える力が舞い降りた……彼女、プレシア・テスタロッサの手のひらで踊らされ偽りの復讐者の真実を知る劇が幕を開いた
PHASE-130/131「開く扉」─罪の名を冠するモノside:ARES─
了
続きはシャルロッ党さん、ヘルダイバーさんの最新エピソードにて