オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
ラスベガスへ向かう数日前
テイワズ、イギリス支社。同地下秘密ドッグ居住エリア
マルス・レディーレ私室。ここで今、マルスはある人物達と通信回線を開き話をしている
「ひさしぶりです。キャロル教授、エルフナインちゃん、ウェル博士。前に送ったデータをみてもらいましたか?」
空間モニターに独特なメガネをかけた銀髪の白衣姿の青年、くるくると緩やか波立つような金髪に豊かな胸、流れるようなウェスト、ヒップラインが巻頭衣にも似た服からでもわかるやや不機嫌な目を向ける女性、その隣には彼女を一回り幼くしたような少女がおどおどしながら挨拶してきた。隣にいる女性…キャロルが口を開いた
『ああ、ったくなんだあのOS概念は?EXAMかHADESUと同じモノ以上に扱いに困難だ…しかもコアに使うコレはなんだ?乗り手の歌に反応しエネルギーを生み出し物質再構成し搭載MSに特化した武装構築と表面装甲再構築強化…は、まるで錬金術だな、いや歌に関係するのはアレだな?』
『き、キャロル、すいませんマルスさん。でもボクもびっくりです。まさか応用してるなんて。少しききたいですけど…コアに使われている素材はどこで手に入れたんですか?』
『僕も興味あるねぇ…コアとなるコイツはキミが送ってきたOSとの高い親和性に加え!さ~~らにっ!歌に反応する事を考えて推測するに………あの20世紀最高の頭脳といわれ櫻井女史の櫻井理論が関係してること間違いな~~い!この天才、ドクターウェルにわからぬモノなんてないね!!』
「あはは、さすがアルケミスターズ最高の頭脳でエネルギー問題を解決した英雄ですね……キャロル教授、エルフナインちゃんのいうとおり櫻井了子さんの櫻井理論を参考にしてあります……」
手早く指を動かすマルス…20世紀、あるものを使いエネルギーおよび物質再構成、構築を太古のオーパーツ《聖遺物》が歌に反応する事で様々なエネルギー問題を解決できると提唱した稀代の女傑の顔写真と理論が複数のウィンドウに表示され転送されていく
しかし不慮の事故で亡くなった彼女の死後、資料は世界中へ開示されるも聖遺物を起動させるための歌い手が居なかった事から無用の技術として忘れ去られたものだった
『で、僕が聞きたいのは聖遺物、イチイバル、ガングニール、アメノハバキリ、ザババ、シュルシャガナ、アガートラームをどうやって手に入れたのかね?知りたいなあ~だってこれらの聖遺物は櫻井女史が亡くなってから行方知れずになっていたハズだ』
『オレもいきさつはパパから聞いてるがな…それにだマルス。コレを作る必要があるのか?ザフト、連合に対してのモノだと言うのはわかるが。過剰戦力はさらなる災いを呼ぶぞ?』
『ボクもそうおもいます…でも起動出来る人間は限られてます…搭載しても少し動きがよくなるだけだとみた限りおもいます…なにか思い当たることがあるんですか?』
「………この世界のMS技術と生産性は四年前までは微々たるものだったんです…それが今じゃ考えられない生産性と保有数に推移している……明らかにおかしいんです。まるで何者かが気づかれないように操作し世界を導くように企んでる………ザフト、連合の戦いはもしかしたら……」
『……何者かが介在してる。そう言いたいんだな……悪い冗談だ…ばかばかしい』
『待ってくださいキャロル、いまボクも調べてはみたんですけど……なにかおかしいです……』
『よこせ…………確かに変だな……』
『僕にも見せてくれるかな…………………ん?んんんんんん?く、ハハハハハ!なんだこれは?ためにためためためためのため~~!MS技術が微々たるレベルで拡散されているちまちまプチプチプチ~!っと!!世界中の銀行からも円以下の銭端数を集め一定にした時点でコレもビビビとぶんぶん拡散してる………いやあこんな天文学的な事をこなしている輩がいること間違いないね………気づかれないように干渉しているソイツの顔がみてみたいものだよ』
テンションマックスなウェル博士に方や涙目、方や深いため息をつく…これさえ《性格》なければ最高なのにと誰もが思った
『あ、あの話を戻しますけど……マルスさん、私たちにコレを見せたのは何でですか?起動出来る可能性は限りなくゼロです…それに現状じゃアメノハバキリ、イチイバルしか出来ないです』
「エルフナインちゃんも同じ考えなんだね…現状を考えたら二つ、ガングニールをあわせつて三つは出来上がる。でもコレは…」
『ふん、その介在してる輩に対抗するためもあるわけか。だからオレやウェル、エルフナインにデータを見せた訳か……まあ、いまちょうどヒマだしな……今度、買い物に付き合うなら手伝ってもかまわないが?』
『キャロルがきめたならボクもいいです…あと今度、遊園地に連れて行ってください……ふ、二人っきりで』
『キミがこの特盛りてんこ盛りの大天才の僕に頼るとはね~いいだろ~協力させてもらうよ。最高に生かしたケーキを報酬にね~』
「あ、はい、キャロル教じ…「キャロルと呼べ」キャロルさん、エルフナインちゃん、ウェル博士……聖遺物は数日中にテイワズ経由で送ります」
話はまとまりキャロル、エルフナイン、ウェル博士の頼みを聞く事を条件に取り付けモニターがきえしばらくして椅子にもたれかかった…その頃
「…やった!やっと約束を取り付けたぞパパ!!」
「やったなキャロル、エルフナイン、偉いぞ~傭兵だけどマルスくんなら二人を任せられる…」
「まかせてくださいパパ……ボクとキャロルが必ずマルスさんをゲットしてきます」
などと娘バカな父親とやっとデートの約束を取り付けられた娘二人に祝福の声をかけていた事に、当人はわずかに身震いしながらデスクの電子キーをたたきアタッシュケースを取り出し開いた
聖遺物イチイバル、アメノハバキリ、ザババ、シュルシャガナ、アガートラーム、ガングニールの破片。コレは数日前。依頼完了をP.Tへ報告した際に報酬と同時に受け取ったモノ……テイワズライブラリでヒマを潰していた時に閲覧していた櫻井理論を思い出し、慌てて照合すると本物だとわかり聖遺物を用いた新MSOSの概念構築を組み上げたのだ
なぜ報酬に聖遺物を渡したのか?P.Tの意図がわからない…しかし世界へ介入する存在の備えとして使うことを決めマルスは護衛任務で知り合ったキャロル、エルフナイン、ウェル博士の力をかりることにしたのだった
「……完成が間に合えばいいけど……エクシェスをコレ以上使うわけにはいかないし…翔真さん達が帰ってくるまでに……」
微かな不安を胸にしながらアタッシュケースをテイワズ経由で輸送手はずを整え、自室をあとにした
この聖遺物を用いた新MsOSがさらなる混沌を招く結果になるとはマルスは知る由もなかった
閑話 アルケミストー錬金術師ー
了