オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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PHASE-81「STRIKE」ーLUPUSーside:ASTRAY

00ライザーが自称翔真の嫁を名乗る《切姫夜架》束、シャルロット、なのは、大和、麻耶、シグナムに宣戦布告ととも取れる言葉を残し強奪?し姿を消してから数時間後…

 

 

「ふふふ、君の居場所になるから…‥へえ翔真って誰にでも言うんだね…」

 

 

 

「悪い冗談だよね、帰ってきたら、ちゃ~んとお話ししないとね……じっくりと」

 

 

 

「ええ、ゆっくりと…」

 

 

 

「ふふふ、そうだな……知らないうちに別は女を作るとは」

 

 

 

「私たちだけって言ったのに………」

 

 

黒い笑みを浮かべるシャル、なのは、シグナム、大和、真耶…束は翔真の名前がでたことで帰ってきたと勘違いし泣き始めた椿とヴィヴィオをあやし寝かしつけながら、00ライザーを奪った切姫夜架の言葉を思い出していた

 

 

ー心配しなくても奪おうという考えはありません。

翔真様を連れ戻して来ますわー

 

 

(……あの子が言った事が本当なら、ショウくんは近い内に帰ってくることは間違いない。今は信じるしかないよね)

 

 

八方手を尽くしても手掛かりが掴めなかった翔真の行方を切姫夜架は知っている。ならばその言葉を信じると決め眠ってしまった椿、ヴィヴィオからそっと離れ黒い笑みを浮かべるシャル、なのは、大和、麻耶、シグナムを落ち着かせるため歩き出した

 

 

PHASE-81「STRIKE」ーLUPUSーside:ASTRAY

 

 

 

イギリス、テイワズが開発中の湾岸都市エリア……ザフトと連合の戦いが激化し遅れていた。しかしそれは表向きの姿…その最下層にあるのはハンマーヘッド級からトレミー級を最大四隻収容可能な秘密ドッグが置かれており、そのうち一区画は先の戦いでのダメージを未だに残したトレミーⅡの姿。そのエンジンブロックは現在テイワズのエーコとハロwithカレル達がフル動員で修理に当たっていた

 

 

そんな中、00ライザーが切姫夜架により強奪?されMSの数が足りなくなってしまい戦力不足に陥りかけていた

 

 

 

「………やっぱりX105系とASTRAYのフレームが相性がいいか…8さん、銀ハロはみんなと肩、腕、膝フレームに新型パワーシリンダー組み込み作業を」

 

 

 

『『『『『『了解、了解♪』』』』』』』

 

 

ーまかせとけ!ー

 

 

 

パタパタと耳を動かし、8を御輿のように担ぐハロ達が向かうのはフレーム同然のバルバトス、そしてASTRAYとX105、見たことのない脚が組み込まれたMSが二体ならんでいる。ジャンク屋組合からテイワズを経由して送られてきた補給物質にはマルスが以前から頼んでいたバルバトスの強化パーツ《LUPUS》、アストレイ・エクシェスの予備パーツとX105のリペアパーツ一式があった

 

 

そこでアストレイエクシェスの予備パーツ、X105系のパーツを使い新たなMS建造とバルバトスをLUPUSへオーバーホールを同時並行で進めることをマルスは決めたのだった

 

 

 

幸い、LUPUSのパーツはツバサが今までバルバトスに蓄積してきた戦闘データを基に最適化、再構築した装甲と武装だったのもあり数日あれば仕上がる。しかし新たに組み立ててる機体は誰でも乗れるように作る必要があった

 

 

「…………ストライカープラグのマッチングをパラレル回路経由でA25、X48を接続して、シナプシス反応係数をパイロット毎にオートアジャスタ、パワーハイドロは0,5に……ニューロンワークは………………」

 

 

目にも止まらぬ速さでOSを組み上げていたマルスの指が止まる。その目に映るのはガンダム・エクシェス…VPSは起動していない。いわゆる不活性状態で灰色だ

 

しかしマルスの胸のうちには愛機に対する恐怖があった…初めて使う武装の詳細を知らないはずなのに知っていた。その時に感じた一体感に加えて、自分が何かに飲み込まれる…いや塗りつぶされて上書きされていく感じに寧ろ懐かしさ、心地よさを感じ戸惑う事なく引き金を引いた

 

 

ーい、いやだああああ!ー

 

 

ーし、しにたくない!うわああああああ!!ー

 

 

ーお、お母さ………ー

 

 

MSを巻き込み聞こえるパイロットの断末魔、さらに小さな無人島が光に飲まれ消滅していき海面が沸騰していく惨状を目にして悪寒に震え吐き気を覚えた。傭兵になってから一度も感じた事が無かった感情が溢れかえった…イギリスにつくまでずっと胸の内に抱え込み今に至る

 

 

 

(……ロウさんは二年前に胴体だけのエクシェスのコックピットで冷凍睡眠していた僕を見つけたって聞いた…………このエクシェスは一体何なんだ?僕は何の目的で乗っていたんだ?……僕は、僕は……だれなんだ?)

 

 

 

愛機を見上げ問うも答えてくれない……その時、背後に微かな気配。傭兵モードに切り替わり振り返りざまに拳を振るう…しかし払われた。マルスの目がとらえたのはYシャツにタイトスカート姿の千冬に驚き体勢を崩し巻き込む形で倒れ込んだ。端末がキャットウォークを滑りメモリが空をまい乾いた音と鈍い音が響いた

 

 

「たたっ………ご、ごめんなさい一夏くんのお姉さ……っ!?」

 

 

 

「あ、はぁ………んっっ??」

 

 

 

メモリが散乱するキャットウォーク上には千冬を抱きしめ抱える形で受け止めるマルスの姿…しかし耳を甘噛みし口に含み、Yシャツ越しでもわかる柔らかで豊かな胸を鷲掴みしブラに滑り込んだ指が桜色の部分をクリっと押し込み、極めつけはスカートがめくれ黒のレース柄のひもパンの片方がほどけ引っ張り上げ食い込ませるようにしている

 

熱を帯び、女性特有の甘い匂いと柔らかさ…あわてて身体を起こし離れた

 

 

「あ、あの、こ、コレはその……」

 

 

「…………こ、こ」

 

 

「え?」

 

 

 

「こ、こ、この痴れ者がああああああ!!」

 

 

 

「アビゴ…ルっ!?」

 

 

 

胸元を抑え、顔を俯かせたまま素早く懐に入り懇親のフリッカーが顔面に決まりキャットウォークをぎゅるる!と身体を回転させながら跳ね回りやがて落ちた

 

 

 

………………………

 

…………………

 

……………

 

 

 

「はっ!?ここは………」

 

 

「…………ようやく気がついたようだな」

 

 

 

声と同時に身体を起こすマルスの目には千冬の姿が入る。なぜかわからないがジィィっと睨み付け少し離れたキャットウォーク上に備え付けられていた椅子に座っている

 

 

「あ、あの……さっきはわざとじゃないんです!一夏くんのお姉さん……つい何時もの癖で……で、でも本当にごめんなさい!(気配なく後ろに立たれたりすると問答無用で排除する癖が)」

 

 

 

「……………何時ものクセだと?(あんないかがわしく破廉恥な事を何時もだと!?…………一夏が言うには私の姪を含めて四人も彼女がいると聞いてるが………)」

 

 

 

千冬の目に映るのはひたすらにあやまるマルス…そんな姿をみてふうっとため息をついた

 

 

 

「……反省したならばいい。男がそう何度もあやまるな」

 

 

「でも……」

 

 

 

「いいから謝るのをやめろ……」

 

 

 

「……は、はい………」

 

 

 

それっきり言葉は絶えハロ達がバルバトスをLUPUS用装甲を取り付けていく音が響く…気まずいなと感じたマルスは散乱したデータスティックを拾い始めた時だった

 

 

「………マルス・レディーレ、お前に聞きたいことがあるがいいか?」

 

 

 

「え?な、なんですか?僕に聞きたいことって?」

 

 

「………お前は二年前、私たちの前に現れた《ゴースト》なのか?」

 

 

……過去の世界に飛ばされ、帰還する直前に偶発的にミラー破壊作戦を進める千冬達の前に現れ援護をした時、図らずも接触回線で会話した、なるべく自分たちの証拠を残さないようにしていたのに何故気づいたのかわからないマルス、千冬は確信したようにさらに続ける

 

 

「……やっぱりか…なぜわかったって顔をしているな?アレを見たらわかる…」

 

 

 

千冬が目を向けた先、そこには修理パーツがいまだに届かずアロンダイトで切り裂かれたまま置かれているゴーストガンダムの姿。もう隠せないなと思い話し始めた…千冬は静かに話を聞いていく

 

 

 

「そうだったのか……あの時はすまなかったな」

 

 

「あ、いえ…僕の方こそ……あんな事しか言えなくて…一夏くんのお姉さ……」

 

 

「お姉さんはやめてもらおうか?私の名前は織斑千冬だ……好きな方で呼んでいい」

 

 

 

「じ、じゃあ…千冬さんでいいですか?あ、あの何でココに来たんですか?MSハンガーって面白くないんじゃ」

 

 

 

「………理由か?お前に礼を言いにきた…それとマルス…何か悩んでいるのか?」

 

 

「………え?」

 

 

 

「顔に書いてあるが?」

 

 

 

悩んでいるといわれ驚き、慌てながら近くにあったディスプレイに移し見るマルス…しかしナニも書いてない…すると背後で押し殺したような笑い声があがるのを耳にはいり、振り返ると顔を俯かせ肩をふるわす千冬の姿。やがて耐えきれずに笑い声を上げた

 

 

「う、嘘つきましたね千冬さん!?何も書いて無いですよ!?」

 

 

「あはは、まさか、引っかかるとは思わなかったんだ……」

 

 

 

「むう~千冬さんは意地悪だ……」

 

 

 

ぷく~とむくれるマルスを見ながら笑いをこらえる千冬…ただマルスは少しだけ気分が軽くなったのと、妙な懐かしさを感じていた。昔、誰かにこうしてからかわれたような懐かしさを

 

 

しばらくして笑い終えた千冬と会話をしながら新しい機体とLUPUSの組み上げ作業を進めていった……ただ、MSハンガー入り口に笑顔の御門、ノーヴェ、クリス、アインハルトがハイライトが消えた瞳でジッと見ていたことに気づかないまま…

 

 

 

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『さあ、皆様。大変ながらくお待たせしました………我がイギリスに流星のごとく現れ、瞬く間に高みへと上り詰めた彼女達《ディーヴァ》の登場です!』

 

 

タキシード姿の司会者の言葉に、スタジアムすべての席に座る人々の熱狂的な声があたりに木霊する…ライトアップされたステージに緩やかなウェーブがかった美しく長い髪を揺らし立つ少女…力強い眼差しと纏う黒のフリルがあしらわれたドレスは彼女の強い意志を体現している戦装束とも見えた。そして隣に控えるように緑を基調とした妖精のような衣装姿の金髪少女と絹のような黒髪ツインテールにした少女が静かに歩み寄り両隣に立ちすっと目を開いた

 

 

 

「いくわよ切歌、調………………聞け!私たちの歌を!!」

 

 

 

力強さに満ち溢れた声が響くと舞台照明が様々な彩りを演出しながら、力強く動く姿はまさに演武とま見紛うほどだ。観客たちは一挙一動に目を奪われ酔いしれる中、彼女達は違う想いを歌に乗せていた

 

 

(アレス隊長、あなたは今どこにいますか?)

 

 

 

(兄に、私たちはココにいるデス)

 

 

(だから、この歌に気づいて………)

 

 

 

イギリスに現れた歌姫達の正体がアレス・ルセディスが火星で発掘したガンダムフレーム三機からなる対Gspirits隊部隊《サーカス》メンバー、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、月読調、暁切歌である事を知らない

 

 

観客たちのボルテージは最高潮に達する中、彼女達の想いが込められた歌はイギリスの空へと響いた

 

 

 

 

 

 

PHASE-81「STRIKE」ーLUPUSーside:ASTRAY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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