オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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「マルスさん?」


「どうしたのアインハルト?わからないところがあるの?」



「いえ……あの御門先生とはどこで出会ったんですか?」


その問いに身を強ばらせるマルス…背後からも興味津々な視線を向けるクリスに気づくが、話せば間違いなく修羅場になることを本能的に察した


「み、御門先生とは任務であったんだ…」


「そうですか……どんな任務でですか?」


「あたしも聞きたいなア~ニ~キ?」


作業を終えたのか二人がズイズイっと前から後ろから迫りアインハルトの顔か間近に近づく…クリスも首に手を回し胸を押しつけて耳元に唇が触れる位置にあるし、それに女の子の、甘い香りにふらふらしてくる


「わ、わかったから二人とも落ち着いて~~」


観念したのか二人に話すことを決め、なんとか離れた事にホッとしながら語り始めた……二年前の銀世界での出来ことを



PHASE-51.5(裏)「御門とマルスの出逢い」side:ASTRAY

「私がマルスとあったのは二年前の冬かしら…テイワズのMS開発部第二課に配属されてしばらくたってからシビリアンアストレイ製造ラインライセンスを取得して、それをベースに現行のM1を上回る機体を開発したのだけど搭載したバイオセンサーが過敏すぎて誰にも扱いきれなかったの。結局、開発中止になって機体を封印施設に輸送することになったの。その時の護衛に会長が指名して寄越したのがマルスだったの」

 

 

『あら、あなたは誰?何でこんなところにいるのかしら?』

 

 

『あの…テイワズMS開発部第二課の御門涼子さんで間違いないですよね。サーペントテール《6》、マルス・レディーレ。シビリアンアストレイ封印施設への移送任務の護衛としてマクマード・バリストン会長から指名を受け任務につかせていただきます』

 

 

幼さが残る少年、マルス・レディーレの言葉に驚く御門…会長に確認すると告げ聞くと本当だった。しかし、若すぎる…普通なら学生と変わらない年齢なのに傭兵としてのキャリアも送られてきた経歴をみて納得したが気になることがあった

 

 

『あなたのMSが無いみたいだけど?』

 

 

『……前の任務で傷ついてしまって今はテイワズでフルメンテナンスしてるんです……今回の依頼料金なんです』

 

 

ばつが悪そうに頬をかくのをみて、本当に経歴どおりの傭兵なのかと疑問をもちながらMS輸送トレーラ、数台の無人MWを護衛に雪が降る中を走り出した。運転席に運転手、助手席にマルス、そして後部席には御門が座り距離にして100キロ先にあるテイワズ試作MS封印施設へと走り出した

 

 

 

PHASE-51.5(裏)「御門とマルスの出逢い」

 

(マルス・レディーレ………三日前に会長がアメノミハシラの建設視察から帰還する際に現れ襲撃してきた連合軍崩れのMSデュエルダガー3、105ダガー6からなる部隊をたった一機のカスタムアストレイでわずか数分で壊滅させた傭兵……しんじられないわね。でも三日前に運び込まれたMSと色も一致してる)

 

 

端末から少し視線を外し向けた先には先行する無人MW隊のモニターとセンサーからもたらされた周囲の索敵データに目を落とすマルスの横顔、自己紹介の時とは違い真剣な表情に少しドキリとした

 

 

(こんな顔もするのね…私より年下なのに《男》の顔を………)

 

頬が熱くなるのを感じ慌てて端末に目を向けようとした時、爆発音が鳴り響く。目を向けると先行していた無人MW隊の一機が爆発炎上している

 

 

「運転手さん!止めて!次の攻撃が来る!!」

 

 

マルスが叫ぶと閃光が再びMWを貫き火球へ変わると爆風が運転席に襲いかかる。ガラスが割れ無数の金属片が運転手と御門に襲いかかる。が、寸前で影が二人を後部席へ押し込んだ

 

 

「ぐっ!」

 

 

くぐもった声が聞こえ顔を上げた御門と運転手がみたのは二人を守るように覆い被さるマルス。パラパラと破片が身体を叩きおちていく。微かな振動音か複数響き外をみるとM1アストレイ、そして青く塗装されたM1アストレイ上位機種《M1Aアストレイ》が立つ姿

 

 

『あ~ああ~聞こえますか?テイワズ。我々は反連合組織だ。君たちが運んでいるMSシビリアンアストレイを渡して貰おうか?』

 

 

外部音声全開で呼びかけてくる反連合を名乗る部隊。狙いはトレーラに積まれたシビリアンアストレイ。だが運ばれているのがなぜシビリアンアストレイと気づいたのか、それ以上に移送ルートは秘匿されているのになぜ居るのか気になるも状況が最悪な方へと向かっているのがわかる

 

 

『今から十秒数える。それまでにトレーラから降りれば命だけは助けよう………』

 

 

「無理ね…扉が開かない……どうしたら」

 

 

「御門さん、シビリアンアストレイ使わせてもらいます…僕が引きつけている間に封印施設とテイワズに連絡を…」

 

 

「ま、まってシビリアンアストレイには武器が…」

 

 

御門が言い切る前にコックピットへ続く通路を駆け素早くハッチを開き身体を潜り込ませ火を入れOSを起動させ同時にサイドボードを引き出し自分に合わせたOSへ調整していく。滑らかにそして目にも止まらぬ速さで打ち終えた時シビリアンアストレイの相貌に光が灯る

 

 

「……………いくぞシビリアンアストレイ……」

 

 

「動いただと!ち、トレーラを狙……」

 

 

静かに呟くマルス…すべての感情を削ぎ落とし鋭い眼差しをモニターに映るM1Aアストレイ、M1アストレイ部隊に向けると機体を立ち上げシートをマントのように靡かせ跳躍、雪が舞い白銀の世界へ降り真っ先にイーゲルシュテルンをトレーラにビームライフルを向けるM1アストレイの足元に掃射、雪煙が上がり視界が阻まれすぐさま赤外線センサーに切り替える反連合の兵士。しかしモニターが消え砕け血に染めながら押しつぶされた

 

 

「まずは一機……残存数三機…こっちの武装はイーゲルシュテルンのみ…ならコイツのビームサーベルを使わせて貰う」

 

 

『よくもジーンを!』

 

 

コックピットから拳を引き抜こうとするシビリアンアストレイの背後からビームサーベルを抜きはなったM1アストレイの灼熱の刃が迫る。それを撃破したM1アストレイを楯代わりに防ぎ、逆手に構えたビームサーベルで腹部を突き刺しパイロットを焼き沈黙させた

 

『な、何だよアレ?聞いてないぞ!!』

 

 

『俺たちの武器を使いやがった……』

 

 

「…………次は誰だ?」

 

 

地の底から響くような冷たい声にM1Aアストレイ、M1アストレイのパイロットに届く。MSを爆発させず戦うシビリアンアストレイから発せられる殺気に当てられ身がすくむ反連合兵士…しかし退くという言葉は消え去り死ぬという言葉がよぎる…三日前にも宇宙に居た仲間がテイワズ会長を拉致しようとしてたった一機のカスタムアストレイに全滅させられた事を思い出しはっとなる、今、自分たちが相手にしているのはそいつかも知れないと

 

 

『た、隊長……まさかアイツが………』

 

 

『まさか、そんな訳ねぇ…たかが民生品にこのM1Aアストレイが負ける分けねえんだ!両方から挟み撃ちにするぞ。俺たちが生き残るには勝つしかねぇんだ!!』

 

 

一気にスラスター全開で叫びながら迫る二機に対し、マルスの心は冷え切っていた。負けるとわかってなぜ向かってくるのか?命をムダにするMSパイロットは二流以下だ。無駄に命を消耗する戦い方をする二機のパイロットの気持ちが分からない

 

 

「な、なんなの……マルスなの?シビリアンアストレイを使いこなしている?軍用のM1を圧倒するなんて」

 

トレーラから這い出した御門の目にビームサーベルを紙一重で交わし足を払い、前のめりに倒れるM1アストレイの背中へビームサーベルを突き刺しコックピットを焼ききり立つ…しかしビームサーベルの刃が消えモニターにバッテリー残量が警告域に達した事を示すアラートが鳴る

 

もともと動かす事を想定していなかった為、必要最低限の充電しかされていなかった、エネルギー消費の激しいビームサーベル使用はさらに拍車をかけたのだ。それをみてM1Aアストレイのパイロットは勝ち誇ったように笑い出した

 

 

『へ、へへ……エネルギー切れか……こっちはエネルギーはまだある……イーゲルシュテルンしかねぇお前に勝ち目はねえええ!!』

 

 

「…………」

 

 

ビームサーベルを両手に構え迫るM1Aアストレイ…軽くバックステップを取りかわすも刃がマルスのシビリアンアストレイの装甲に微かに切り傷が出来ていく

 

 

「なんで攻撃しないの?え?」

 

 

端末が震え慌ててみる御門の目に写るのは《そこから離れろ》と短い文面で悟った…自分を守るためにマルスが全力を出せないでいる事に気づき気絶した運転手を引きずりながら離れていくのをモニター越しに見届け距離を離し拳法の型をとる

 

 

『なんだ?カラテかよ?んなのでビームサーベルにかてるわけねえだろ!!』

 

 

苛立ちビームサーベルを構え迫るM1Aアストレイ…あと数メートルで刃が胴を凪ぎ切り払う距離へ迫ろうとした時、シビリアンアストレイの双眸が一際輝き、力一杯踏み込み流れるように迫る灼熱の刃をかわし懐へ潜り込ませ、そのまま拳をコックピットめがけ叩き込む。モニターか砕けM1Aアストレイのパイロットが最後にみたのは自身の血とマニュピレータ…反対側まで貫き通した拳はオイルにまみれ雪化粧が染まっていく。ゆっくりと引き抜かれ穿たれた穴が見えゆっくりと地面へ倒れた

 

「な、なんなのこの子……」

 

五機のMSをたった一機で沈黙させた光景に驚いた時、シビリアンアストレイがゆっくりと膝をついた。どうやらバッテリーがそこをついたらしい。恐る恐る近づいた時、バッチが開いた

 

 

「大丈夫ですか?御門さん…運転手さんは」

 

 

「え、ええ…軽いケガですんだわ…」

 

 

「良かっ……た……」

 

 

「マルス?どうした……!?」

 

 

声が途切れ、胸騒ぎがしコックピットを覗いた御門の目には血まみれになりながら操縦桿を握るマルスの痛々しい姿。あの時、二人を爆風から庇った際に負った傷だと気づき慎重に運び出し簡易テントを二つ立て運転手を寝かせ、もう一つのテントで手当てを始めた。背中から腹部に深い傷が見え破片がギリギリのところで止まってる。医者の資格を持っていたため御門は破片を取り除いた時、信じられないモノを目にした

 

(な、なにコレ……機械?いえ組織と融合している……今は縫合しないと)

 

 

ケーブルとシリンダーににたモノが見えているも今は縫合しなければと、手早く動かし処置を終えるも血を失いすぎているためと寒さで冷え切っている…身体を温めなければ命に関わる…御門は服に手をかけ脱ぎ、やがてブラのホックをプツンと外しショーツ一枚、ほぼ裸になると意識の無いマルスに寄り添い毛布をかぶり肌を合わせ暖め始めた

 

(冷え切っている……それにすごい傷だらけ……どんな風にしたらこんなに……今は)

 

 

豊満な胸を押し付け温める御門…知らないうちにうとうとし始めるが我慢する。医者として眠るわけにはいかない、それ以上に傷を負いながらも自分たちを守ってくれたマルスを死なせたくない。なぜ傭兵の世界に入ったのか、時折見せる少年らしい表情をみてみたい

 

もっと知りたい。その想いだけがあった

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「……それから朝になるまで暖めていたらテイワズから救援隊が来て、マルスはなんとか助かったんだけど、怪我も直ってからお礼を言おうとしたらなぜか避けられちゃったのよ。でもなんとか捕まえて聞いたんだけど、なんて言ったと想う?『傭兵の力は力なき者を守るためにあります…』って生真面目なのはいいけど、その時は顔を真っ赤にしてて可愛かったわね……今もだけど」

 

 

「そ、そんなことが(……………なんだよソレ!羨まし……そ、そんなの医者として温めただけだし……それにえ、エッチなことやってないし!)」

 

 

言葉とは裏腹に悩むノーヴェをみて少し笑みを浮かべながら少し冷めた紅茶を飲む御門……しかし実は言ってない事があった…

 

 

ーや、そんなに吸わないで……ダメ…ー

 

 

ーん、さくらんぼ……ちゅ…んん~~ちゅ…ー

 

 

ーそ、そこはやああー

 

 

胸に顔をうずめながら吸い舌先で器用に転がし絡め腹部を手で滑らせるように撫で更に一番敏感な部分を…

 

 

(マルスのって身体に似合わずスゴいのよね……初めてみたけど……でも寝ぼけてたくさん揉まれて、たくさん吸われ続けた時はもう一線超えていいかなって想ったし……いまは外堀をしっかり埋めなきゃ、あの子たちと一緒に)

 

 

あの時の感覚に身体の奥がうずくのを感じながらいまだに眠り続けるツバサの容態に注意しながら、次の手を考えた

 

 

「クシュン。風邪かな」

 

 

そんな思惑に気づかずバルバトスの改修を進めるマルス……徐々に外堀が埋められているのを知らずに

 

 

 




「という感じで御門先生とは知り合ったんだ………どうしたの二人とも?アインハルト?それにクリスもなんでデバイス展開してるのさ!?」


「なあ、アニキ……アタシニハカクシゴトハシナイッテイッタヨナ……」


「……マルスさんは胸が大きい人が好きなんですね……」


「い、いやいや……別に御門先生の胸が大きいのが好きだ………はっ!?」



「「問答無用!!」」



「ふ、不幸だああああああああああ!?」


爆発音がMSデッキに響き数分後にボロボロになったマルスが運び込まれたそうな



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