オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
「兄貴~休んだらどうだ?」
「ん~まだいいや…それよりバルバトスの脚部サスの調整は終わった?」
「あ…わりぃまだ……」
「この前、無断で出撃したペナルティなんだからしっかりやる…貸してみてクリス……接地圧調整うまいじゃないか」
「そ、そうか?」
「うん、エラいエラい」
「こ、子供扱いするなよバカ兄貴!?なでるなったら……うう~」
さらさらした銀髪をすくよう撫でるマルスに嫌がりながらもそっぽ向くも顔は赤く、なぜか嬉しそうにも見える。あのワクチン輸送ミッションから3日、現在トレミーは南極海を抜け地中海へ向け航行している
前回の無断出撃のペナルティーとしてクリスはマルスの手伝い、ノーヴェは御門先生の助手をしているのだが
「……ち、ちゅかコレ短すぎだろ!!」
「あら、似合ってるじゃない。コレならマルスも落とせるかもね。そのときは私と一緒におとしましょ♪」
「お、お、お、落とすって?こんな色仕掛けやったら逆効果だかんな!!」
「あら、そうかしら?」
顔を真っ赤にし声を上げるミニスカナース姿のノーヴェに悪戯っぽく笑みを浮かべる御門先生…その日なぜか翔真のハロがいたのは気のせいだろうか?数時間後に黒こげになり運び込まれたらしい…話は逸れたがマルスとクリスは今、ツバサの機体の修復と同時にテイワズからジャンク屋経由でゴーストの予備パーツと以前にマルスが製作依頼したバルバトス用パーツ一式の入ったコンテナを開いていた
前回のデスティニーインパルスとの戦闘でゴーストはダメージを受けた。あのまま戦っていたら確実な死が待っていた。傭兵として戦ってきて初めて感じたモノを。デスティニーインパルスのパイロット…ミネルバのエースとなりつつある《篠ノ之箒》は確実に強くなりつつある
それに知り合いの情報屋から連合とザフトが水面下で何らかの動きを見せつつあるのと、直後にミッドチルダで出会ったヴレイヴのカスタム機とレギルスと邂逅し身構えるも、攻撃の意思は感じられなかった、明らかに支援しようとする姿勢に警戒を解き共に輸送ミッションをおこなった。無事届け終えると二機はそのままとびさっていった
……しかし、長い目で見ればいずれは戦力的に不利に陥ると感じマルスは今回送られてきたパーツを使いバルバトスをはじめとした機体の改修、新武装開発を行おうと考えまずはバルバトスから着手した
フレーム状態にされたバルバトスの足まわりのサスペンス、接地面調整と水上での戦闘も視野に入れホバリンク強化。そして両腕に追撃砲、少し離れた場所にあるハンガーに懸架された新武装《大型特殊メイス》を装備。この装備は打撃、先端部分が開閉しパワーシリンダーの強力なパワーで挟み、開閉武チェンソー(特殊鍛造金属製の刃)で切断する機能を持つ
「胸部装甲はガンダニュウム合金と特殊塗料を塗布して終わり。あとは新しいフレームとのマッチング作業かな?」
「なあ兄貴。機体の修理してもアイツが目を覚まさないと無駄じゃないのか?、だったら他のヤツを優先したらどうだよ」
「……クリスの言うことも正しいけど、もしツバサさんが目を覚ましたら自分の機体がすぐに必要になる………それに壊れたままにするのはほうっておけないんだ」
「……わかったよ。でもバルバトスって他のガンダムとは違うっうかフレームから共通点がないし…」
「ガンダムフレームって呼ばれてるんだ。技術的にはAEのムーバーブルフレーム、モルゲンレーテのpシリーズ《ASTRAY》にコンセプトが似てるかも。でもエイハブリアクターは初めてみる技術だし、しかも並列稼働はツインドライブ調整データが生かせる上に、胸になぜ収められてるのはコックピット内のパイロット保護も兼ねた対G緩和のためにエイハブ粒子が持つ重量軽減作用を生かされてて、装甲に塗布された特殊塗料と反応することで硬化、それも塗料によってバラつきが……」
目を輝かせながらバルバトスの説明をするマルス。クリスは記憶を失う前のアレスが通信でMSに関する解釈とフレーム設計者との話を嬉しそうにも話していた姿を見たことがあったのを思い出した。しかも三時間休みなしで
「兄貴。手が止まってっから。集中してやんねえとケガすっから」
「……あ?ご、ごめん…外装取り付けはハロに任せて休憩しようか?」
「ああ、じゃさっそくいこうぜ兄貴。今日はアタシがおやつ用意してるからさ」
「もしかして、あんパン?」
「そうだけど…イヤかな《あんパン》」
「いやじゃないから、飲み物はクリスは牛乳でよかったかな?」
「うん!」
元気に笑顔で頷いたのをみて少しほっこりするマルス…それになんか懐かしさを感じながらハロ達に装甲のアッセンブリーを任せてMSデッキから離れた頃、メディカルルームでも御門とノーヴェが休憩に入っていた
「な、なあ、御門先生」
「なにかしら?」
「マ、マルスとはどんな関係なんだよ……直接マルスに聞いたら逃げ出すし…」
「ん~お互いのすべてを見せ合った関係かしら…あ、
まだそこまで行ってないから安心しなさい」
「そ、そうか?じゃあドコで知り合ったんだ?」
ノーヴェの問いに軽く紅茶を口に付け飲むと静かに、ソーサにおいた御門が語り出したのは、二年前のテイワズで開発したバイオセンサー搭載試験機《シビリアンアストレイ》を輸送する際に護衛として雇われた傭兵としてマルスと出会った日のことを
「クリスとアインハルトは右腕と肩周りのトルクとアクチュエータ調整はパワシリンダーのデータを参考にして。ハロ達はツバサさんのモーションデータとのOSすりあわせ、誤差0.5に納めて」
「まかせろ兄貴。ちゃっちゃとすませるぞストラトス」
「はい、雪音さん………ハロさんも一緒にがんばりましょうね」
『『『『『了解、了解!』』』』』
外装と開発された新武装の腕周りのトルク調整を休憩を終えたマルス、クリス、遅れてきたアインハルトと共に進められていくバルバトス。主であるツバサの目覚めを静かにその時を待つ
そして……………
「バカな!?キマリスの腕が」
「マルス、後は任せてもらうよ。そして・・・・・相棒(バルバトス)を強化してくれてありがとう」
通信で簡単な礼を告げツバサはボバリングし、構えた大型特殊メイスで再び攻撃をキマリスへと仕掛ける…
「………ありがとうツバサ……残存敵機排除行動に移行する…行くぞエクシェス……」
キマリス、バルバトスから離れ残存敵機排除行動に移るマルス……少しだけ笑みを浮かべていた