Fate/Problem Children   作:エステバリス

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今回は戦闘開始という事で視点多めです。その都合一つ一つが薄めなのですが、あしからず……




くえすちょんないん いろいろなばしょで、戦争開始

 

 

━━━夢を見る。その風景は以前見たものよりも朧気で、まるで記憶の何処かにある記憶を頼りに、カンヴァスで描いたかのような景色。彼は今日は、カンヴァスの向こう側を見る。

 

「あなただぁれ? ⬛⬛⬛のおともだちになってくれるの?」

 

「おともだち……? それって、⬛⬛⬛⬛⬛?」

 

二人の人間の声が聞こえる。だがその声は強烈なノイズが走っており、なんとか会話の内容を聞き取れるだけでその声が男なのか女なのか、大人なのか子供なのかすらわからない━━━いや、話し方でなんとなく子供だとわかるが。

 

それからは、言葉であらわすのならば走馬灯でしょうか? そんな風に二人の(恐らくだけど)子どもがいっしょに遊び続けます。しゃべり、絵が動くカンヴァスを見つめ続けるかのようでした。

 

二人はとても楽しげに、時間など忘れてしまったかのように遊び続けました。

 

でも、そんな時間ももう終わりです。いつのまにか空はあかね色にそまります。たんぱつの方の子供がとてもなごりおしそうに、ちょうはつの子どもとだき合います。

 

「あ、だめ。もうこんなじかん」

 

「え? まだこんなじかん」

 

「ううん、もうこんなじかんなの。ごめんね、また、あそんでくれる?」

 

「うーん、しかたないよね。わかった、それじゃあまたこんどね」

 

そうしてふたりは出会いました。むじゃきに、じゅんすいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━あつい。

 

あつい、あつい。

 

いたいいたい、やける、たすけて。だれか。

 

なんで、どうして。なにかわるいことをしましたか。なにか、よくないことをしたのでしょうか。よくわからない。やめて、やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて━━━

 

いきができない。あるけない。めがひらけない。ふくがない。つめたい。せまい。しゃべれない。きもちわるい。おなかすいた。おなかがさむい。あしがおもたい。てになにかささってる。かみのけのかんかくがない。

 

━━━……めが、あいた。

 

━━━あれ、なにもかんがえられない。

 

ここは、どこ? ……あなた、だぁれ?

 

「━━━私? 私はね━━━」

 

◆◇◆

 

ジン=ラッセルは目を覚ました。それは先日見たジャックの記憶以上に彼の意識を引き上げる強烈な光景だった。

 

「━━━あれ、でも……」

 

思い出せない。その光景を思い出す事ができない。凄惨だった筈。惨たらしかった筈。この世にあっていい光景ではない筈なのだ。

 

「ただの夢とは思えない……いや、思いたくない」

 

現実であるならばそれはそれで困ったものなのだが、そう呟く。むしろ夢であってほしいのだが、そんな悲惨な夢を見たのかと思うと自分の精神状態を疑ってしまう。

 

「いや、今はそんな事よりギフトゲームだ。ゲームの再開はもう三時間を切っている。開幕が夕刻だから徹夜は覚悟している……やれる事をやろう。ただでさえ参加人数は二百にも満たない状況なんだし、心の整理だけはしっかりと」

 

そしてギフトゲームはまた再開する。彼のギフトカードに在る"令呪"の一画がカードの中でギラついていた。

 

◆◇◆

 

ゲームの始まりは地鳴りが請け負った。

 

ゲームの開始時間、五時半頃に大きな地鳴りが鳴ったかと思うと、その舞台区画の在り様が大きく変貌した。

 

姿はこれまでとは大きく異なる街並み。西洋風であるには変わりないのだが、ゴシック調の街並みからルネサンスのそれに変わったのだ。

 

「なっ……何だ、何処だ此処は!?」

 

誰かが叫んだ。尖塔群のアーチは木造の家柄に姿を変えて黄昏を照らすペンダントランプの煌めきはパステルカラーの建築物に生まれ変わる。

 

「まさか此処は……ハーメルンの街!?」

 

「何だとッ!?」

 

ジンの声にマンドラが振り返る。その後も混乱は広がり続け、攻略指針が見えて士気が高まった参加者達は出鼻を挫かれたように足を止める。

 

「此処は何処だ!?」

 

「それに今の地鳴りは!?」

 

「まさか魔王の罠!?」

 

動揺が動揺を呼び、まるで伝染病のように拡大する。マンドラは舌打ちをしながらも一喝をする。

 

「狼狽えるな! 各人予定通りステンドグラスの捜索をしろ! 案内役ならばいる、案ずるなよ!」

 

「あ、あの。案内役とはもしや」

 

「お前以外に誰がいる。探索組で一番"ハーメルンの笛吹き"に精通しているのはお前だ。"ノーネーム"と言えど猫の手も借りたい状況なのだ。お前の指揮ならば誰が疑おう」

 

そう、このギフトゲームはハーメルンの街で消えた百三十の子供の同じ数のステンドグラスを捜索する事と魔王一派の打倒を並行にこなさなければならない。

 

そこで一派の撃破は"サラマンドラ"と"ノーネーム"、ジキルが行う事になった。安全である間に百三十のステンドグラスを見つけ、真実の伝承である"ヴェーザー"以外を破壊。魔王の撃破後に"ヴェーザー"を掲げる。

 

「まずは教会を探してください! このゲーム盤はハーメルンの街を再現した物です、ならば縁のある場所にステンドグラスがある筈です!」

 

少しでも混乱が収まったのを確認すると、ジンは街並みにヒントがないかを確認しながら捜索隊に続く。

 

(サンドラ、ジキルさん、黒ウサギ……十六夜さん、ジャック。魔王は皆さんに任せます。合図が来れば、僕は何時でも━━━)

 

ギフトカードを一瞥した直後、発見された教会内から喜びの混じった雄叫びが聞こえる。

 

「見つけたぞ! ネズミを操る道化師のステンドグラスだ!」

 

「っ、それは偽りの伝承です! 砕いて構いません!」

 

ジンが返答すると程なくしてステンドグラスの割れる音が聞こえる。

 

(……それにしても、ステンドグラスの展示箇所とハーメルンの街の展示箇所にそれほど大きなズレはなかった。ということはハーメルンの街に呑み込まれたのではなく、街を召喚したと考えるのが打倒か)

 

「はーい、其処まで♪」

 

ハッと街道の脇の建造物を見上げる。そこにはネズミを操る道化師、ラッテンが佇んでいた。

 

「お前はあの時の……飛鳥さんは何処だ!?」

 

ジンが叫ぶが、彼女はクスクスと嗤うだけで意にも介さず仰々しいお辞儀をすると魔笛を掲げる。

 

「ブンゲローゼン通りへようこそ皆様! 百三十の子供が消えた神隠しの名所に訪れたら皆様にはこの不肖ラッテン、素敵な同士討ちを以てお出迎え致しましょう!」

 

途端、屋根の上から数十の火蜥蜴が現れる。恐らくは操られた"サラマンドラ"のだろう。

 

捜索隊もすぐに臨戦態勢へ移るが、ジンはハッとしてそれを止める。

 

「いけません! 参加者同士の戦闘は!」

 

「そう言っていられるか!? 魔王の手先に操られているのなら我々が倒す他あるまい! それが手向けにもなる筈だ!」

 

「そういう問題じゃありません! 改正されたゲームルールには同士討ちの禁止が記載されています、殺してしまっても不利益しか残りません! 捜索そのものだって!」

 

「ふふ、そうねぇ。確かにそうだわ。でも、殺さなければいいんでしょう? 殺さないように手加減して、再起不能にしてしまえばいいのよ?」

 

ジン達が歯噛みする中、ラッテンは艶美な唇を歪ませながら魔笛を容赦なく振るう。

 

「さあ、仲間同士で戯れてご覧なさいな!」

 

ラッテンの合図と共に火蜥蜴達が一斉に炎を吐く。最早戦う他無いかと身を固めたその時━━━嵐の如く逆巻く黒い影が炎を掻き消した。

 

「なっ━━━」

 

ラッテンの顔から一転して余裕が消える。黒い影は瞬く間に頭上に収束して戻る。

 

視線を上げると其処には輝くように揺れる光が瞳を刺した。

 

煌々と揺れるブロンドの髪、深紅の瞳。純血の吸血鬼レティシアが翼を広げて彼女を見下ろしていた。

 

「見つけたぞ、ネズミ使い」

 

「……うわあおお……本物、本物!? 本物の、純血吸血鬼! スッゴい美少女、スッゴいブロンド。ああだめ、もう欲しい。今から興奮してきた」

 

恍惚としているラッテン。レティシアはその隙を突いてギフトカードから槍を取りだし投擲する。

 

ラッテンはステップを踏むようにひらりと避けると、再び視線をジンとレティシアに向ける。

 

「なぁによ。折角褒めてあげたのに」

 

「いらない心配だ」

 

そうして与太話を少しだけすると、彼方で雷鳴と炎、黒い旋風が迸ったのが見えた。

 

黒ウサギとサンドラがペストとぶつかったのだろう。他の場所でも戦闘が繰り広げられているようで、地ならしのような轟音が幾度も響く。

 

「ふふ、いい感じに祭りになって来たわ。なら私も……シュトロム!」

 

ラッテンが魔笛に唇を当て、疾走するかのようなハイテンポな曲を奏で始める。その独特な曲調はやがて大地を迫り上げ、巨躯の巨人を招き入れる。

 

「「「BRUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUM!!!」」」

 

"嵐"を体現する巨人、シュトロムが姿を現す。その数十二、かなりの量が参加者達を襲い始める。

 

「マズい! このままじゃ捜索どころじゃなくなる!」

 

「さぁシュトロム、蹂躙なさい!」

 

ラッテンが意気揚々と魔笛を掲げる。そして巨人達もそれに呼応するように雄叫びを上げ━━━

 

「BRUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU━━━」

 

巨人達は、謎の爆発を起こして次々に倒れ出した。

 

「━━━は?」

 

今度こそラッテンは絶句した。シュトロム達が、大音を立てて倒れた。何の前触れもなく、バタバタと。

 

「い、いったい何がどうなって━━━」

 

「何がどうなって、というのは。こういう事よ? 綺麗な笛吹きさん」

 

な、とラッテンが反応するより早く、彼女の首に一本の日本刀が添えられていた。

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)……の真似事だけど。これ、結構魔力使うわね。私程度じゃすぐ空っぽになってしまうわ。今度からはもう少ししっかり作ってから使いましょうか」

 

すぐ其処には今の今まで気配はおろか姿すらなかった筈の人物、清少納言が王手を掛けながら佇んでいた。地面に着く程の長い髪の毛を煩わしそうに掻きながら彼女は実に楽しそうな笑みを浮かべている。

 

「王手……いえ、王じゃないのだし、ここは舞台の時代観に合わせてチェック・メイトと言いましょうか」

 

「っ、あなたいつの間に……!?」

 

「いつ、と言われても今よ? 私、()()()()()()なの」

 

冷や汗を流すラッテンとは対称的に清少納言は表情一つ変えずに笑顔のままでいるのだ。ラッテンを救わんとする火蜥蜴達には空から突如飛来してきた幾重もの短剣によって胴体を縫い付けられた。

 

「さて……あまりでしゃばるのは(キャスター)らしくないのだけど。私としては貴女がどうやって脱出するか見ものだわ。そんなサーカスみたいな格好をするのなら、見せて頂戴な?」

 

清少納言は不敵な笑みを見せる。重たそうに見える剣を片手で振り上げたその時━━━

 

「キャスターさん、避けて!」

 

「━━━あら?」

 

清少納言の方に強烈な熱線が迸った。間一髪、ジン達の下へとワープする。熱線は空に消えて行き、爆音を轟かせながら爆発した。

 

「今のは……ああ、成る程。流石はインドの大英雄、流れ弾でサーヴァントが一騎死んでしまうところだったわ」

 

「な、なんと……インドの大英雄、噂に違わぬ凄まじい一発」

 

「いやそんな事言ってる場合じゃないですよ、ラッテンが逃げました!」

 

「あら、流石はネズミ使いと言ったところかしら?」

 

「上手い事を言っている場合じゃありませんよ! 被害が拡大する前に追いましょう!」

 

◆◇◆

 

一方、十六夜とジャックは集団から離れ、クリュート搭の付近を疾走していた。十六夜は周囲を見渡しながら楽しそうな笑みを浮かべる。

 

「なるほど……まさか地殻変動すら起こせるとは恐れ入った。なるほど、街の様式が此処まで変わればネタも割れるわな」

 

「おにぃさん?」

 

「いや、こっちの話。街道は滅茶苦茶だが要点は押さえている。さぁて何処にアイツはいるかな━━━」

 

「━━━いや、そこまで手間を掛ける必要はない。それより積極的に街から離れてくれた事に感謝をしよう」

 

突如、付近の林木が燃えた。あまりにも唐突かつ一瞬の出来事に二人は身を固める。

 

それは誰がやったかを理解しているが故、これから始まる強者との戦闘への準備。

 

「そりゃあな。オマエみたいな桁違いなサーヴァントの相手をするとなるとこっちも周りの心配はするってもんだぜ」

 

「ふっ、顔に似合わず心配性な男だ。だが案ずるな、我々はお前達二人以外を攻撃しないつもりだったからな」

 

「ハッ、なんだそりゃ。こっちに遠慮してんのか、それとも俺を嘗めてるのか、判断に困るぜ大英雄?」

 

アリスを伴って宙から降りてきたランサー、カルナが金色の槍を。十六夜が徒手空拳の構えを取りそれぞれ笑みを浮かべる。鎧の類いは身に付けていない。ゲームルールによって太陽の力の具現である彼の最強の鎧、日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)は使えないのだろう。

 

「オラァ!!」

 

十六夜の拳がカルナの槍と衝突する。カルナは衝撃を丁寧に受け流すと空いた腕で殴打を仕掛ける。

 

「フッ━━━」

 

しかし十六夜はそれを回避する。全力のカルナならば当てられたかもしれないが、今の彼はゲームルールにより大幅に弱体化している。一週間前にも感じた身体能力の違和感を鳴らしながら距離を離す。

 

「やるな、だが、これはどうだ?」

 

カルナは身体をよろめかせるように屈む。そして数瞬の後にその眼を十六夜の方へと突き出す。

 

「真の英雄は━━━()()()()梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)!」

 

「━━━は、」

 

カルナの眼から飛び出したのは、ビームだった。ビーム、そうとしか形容できない。

 

虹彩異色(オッドアイ)の右目の眼力が視覚化して炎熱を帯びる。成る程、太陽の力を失えど単なる炎熱ならば自身の魔術適性でどうとでもできる、というところか。

 

「なんだ、そりゃッ」

 

その熱線を両腕で弾き飛ばす。視覚化された熱線は彼方の方へと飛んで行き、ハーメルン街の一角へ消える。

 

「アレを防ぐか。全力で戦えない事が心底惜しいな」

 

「いやいや、あんなの何発も射たれたらこっちが死ぬっての」

 

「虚言だな。お前にはまだ切り札があるだろう。それを撃たないのは何故だ? ……いや、よそう。お前の目はアルジュナに似ている。さしずめ破壊神(シヴァ)の一撃と類似するものが切り札か」

 

「あんなアホみたいな攻撃出来てたまるか。まあ、理由は大正解だけどな」

 

そして一方、アリスとジャックもまた相対する。アリスはやはり嬉しそうな笑みを、ジャックは複雑そうな表情を浮かべながら。

 

「しっかりお話するのはこれがはじめてね、ジャック」

 

「そう、みたいだねアリス」

 

「うふ、うふふ。いっぱいお話したいけど……ざんねん、アリス(わたし)もそこまで貴女を知らないから……サーヴァントらしく、()()()()()()?」

 

「うん、そうしよう。わたしたちはわたしたちらしく━━━やろっか。アリス」

 

「ええ。……"あわれで可愛いトミーサム、色々あるわ、始まるわ。わたしたちのぼうけんはこれから始まるの"」

 

「"だってもう、ゆめが覚めているよ。夜のとばりはすぎさって、わたしたちは出会ったの"」

 

「「"さあ、はじめましょう。ページを開いて、こんにちは"!!」」

 

◆◇◆

 

「さぁ、相手をして貰おうか優男!」

 

「っ!」

 

同時刻、ハーメルン街の建物の屋根を走っていたジキルに巨大な魔笛が襲い掛かった。

 

屋内から襲来してきたヴェーザーの一撃はジキルの側頭部に直撃する。

 

「ちっ━━━」

 

「お返しだ! 先手は二手、貰ったぞ!」

 

脳震盪で揺れる意識を引っ張りながらジキルはヴェーザーの追撃を防ぐ。しかし以前よりも明らかに力の増したヴェーザーの一撃は防御を行ったジキルを吹き飛ばしヴェーザー河の付近にまで連れていく。

 

「が、は……!」

 

「ハッ、それでもサーヴァントか優男よ! こちとら箱庭に来て初めて星の地殻を震わす神格を貰ったんだ、落胆させてくれるな!」

 

「……ちい、」

 

ふらりと立ち上がる。ヴェーザーはそれを見るや否や更なる追い討ちを仕掛ける。それをすんでのところで避けるものの、回し蹴りを叩き込まれてまた吹っ飛ぶ。

 

「オマケだ!」

 

ヴェーザーが河川を叩く。地殻変動と衝撃を伴った水の一撃がジキルに襲い掛かる。水飛沫が直撃すると、彼の姿は飛沫の中へと消える。

 

「……どうよ優男。実力差は歴然。所詮アサシンじゃ神格持ちには勝てねえさ」

 

ヴェーザーが勝利を確信して呟く。水飛沫から背を向けてその場を去ろうとヴェーザー河から出ようとした時━━━

 

「━━━はぁ? 誰が、チクチク逃げ回っては機会を伺うだけの、チンケな人殺しだ?」

 

「……何?」

 

先程までとは全く声音が違った。声自体は同じだが、ヴェーザーのイメージするジキルの声とは百八十度調子が異なっていたのだ。

 

「……ったくよォ、折角アマチャンのジキルが戒めを解いてくれたってのにそりゃあねぇんじゃねェの? っつーか! ねぇよ! ねぇに決まってンだろ!!」

 

「何、今ジキルと言ったか!? それにその人が変わったような口調……お前の真名はまさか!」

 

「ああそうよ! 聞きたきゃ聞かせてやるさ! 聞きたくなくても()の名をその魂に刻みやがれ!」

 

水飛沫が晴れる。中から現れた彼はジキルとは思えない程強烈な殺意と狂気に満ち溢れ、整った金髪も乱れている。

 

ジキルである筈の彼は眼鏡を外すと河の中へと投げ捨て、丁寧に止めてあったコートのボタンを乱雑に外す。

 

「俺は"狂戦士"(バーサーカー)、真名は"ハイド"!! 俺ァジキルのアマチャンとは違うぜ? 鼓笛隊さんよ?」

 

 






清原ちゃんが戦えないと言ったな、あれは嘘だ。あれです、本人に戦う力がマトモにないってだけです。戦うための力ならあります。サーヴァントだもの(白目)

以下、茶番FGOトークコーナー(いつにも増して狂気です。それでも見るという方は心してご覧ください!)



















ジャックかわいいジャックかわいいジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャックジャック

ああなんでジャックこんなに可愛いんだろうどうしてこんなに愛らしいんだろうもう可愛いなぁジャックジャックと一緒にコタツ入って寝たいジャックと一緒に美味しいハンバーグ食べたいジャックと一緒にニチアサみたいジャックジャックジャックジャック

スカッ!

こ、この薔薇の黒鍵は!?

?「小さな少女を想う余り狂気に陥るその姿……人それを、愛と呼ぶ」

誰だ貴様は!?


「貴方に名乗る名などありません!」

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ(以下サンタリリィ)
「サンタアイランド仮面師匠! 来てくれたのですね!」

サンタアイランド仮面
「ええ、ピチピチフレッシュで純真無垢な可愛い幼子を救うべく参上。プレゼントを待つ子供よ聞くがいい!
日本では九月上旬から中旬にかけて誕生日を迎える子供が多いが、それは言うまでもなくクリスマスベイビーが多いという事である!(中略)ククク、クリームたっぷりのプッシュドノエルをライトアーム・ビッグクランチする者達にはわからぬ事でしょうがね。
今だサンタリリィ!」

サンタリリィ
「はい師匠! ツインアームリトルクランチ!」

ぐああああああ!!(浄化)


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