モモンガ様が女の子のサブアカウントでログインしたようです   作:香介

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モモンガ様を可愛い女の子にしたかった。ただ、それだけだ。

※課金でアカウントを複数持てるようにしました。
注意事項をよくお読みになるようお願いします。



こうして、モモンガ様はヒロインになった1

DMMO―RPG<Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game>。

 

 

 仮想世界で現実にいるかのごとく遊べる体験型ゲームのことである。

 

 YGGDRASIL(ユグドラシル)

 

 二一二六年に発売されたそのゲームのタイトルは、数多開発されたDMMO―RPGの中で、その広大なマップと異様なほど広いプレイヤーの自由度から、日本国内において爆発的な人気を博した。

 

 

 それから十二年、ユグドラシルは最後のときを迎えようとしていた。

 

 

 

1

 

 ユグドラシルのサービス最終日、ナザリック地下大墳墓の円卓には五人のプレイヤー――モモンガ、ウルベルト・アレイン・オードル、たっち・みー、タブラ・スマラグディナ、ペロロンチーノが集まっていた。

 五人は所属するギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルド長であるモモンガの招集に応じたメンバーであり、サービス終了までの残り少ない時間を楽しんでいた。

 

 「ユグドラシルのサービス最終日とはいえ、メンバー全員が集まるなんて思ってもいませんでしたよ」

 モモンガが笑顔の感情(モーション)アイコンを浮かべ、楽しそうにそう言った。

 ギルド、アインズ・ウール・ゴウンにはかつて四十一人のメンバーが所属していた。しかし四十一人中、三十六が辞ていった。そして、残りの五人のメンバーが今円卓にいる全員である。

 モモンガはその全員が自分の出したメールに答えてくれたことが、心の底から嬉しかった。

 「本当ですね。皆さん時々ログインしていたとはいえ、五人全員が集まったのは1年ぐらい前じゃないですか?」

 たっち・みーの発言に全員が頷き返した。

 皆、時間を見つけてはログインをしていたが、誰かと会うことは少なかったのだ。そのため、五人全員が集まるのは久しぶりであり、こうして全員で集まれたのは僥倖だったのである。

 「皆さん忙しいくて、毎日ログインしていたのは俺だけでしたしね」

 ギルド長であるモモンガは、メンバーの誰よりも多くログインしていた。辞めたメンバーも含め、ギルドのメンバーがいつ帰ってきても良いように、ギルドの維持をしていたのである。

 そのことに、メンバー全員はひどく感謝していた。

 「そういえば、モモンガさんは一人の時、ギルドの管理以外何をしていらしゃったんですか?」

 「そうですね…。主に素材と資金集め。あとは、サブアカウントでログインして、クエストをこなしたりしていました」

 「あれ?モモンガさんがサブアカ持っていたの!?俺聞いたことなかった!!」

 モモンガの答えにペロロンチーノが頭上に驚きの感情(モーション)アイコンを浮かべ、大きな声を上げた。

 他のメンバーもモモンガのサブアカウントの存在は知らなかったようで、ペロロンチーノ同様に驚いていた。

 「……その、なんだか恥ずかしくて、皆さんに教えることができなかったんですよ」

 モモンガが困り顏の感情(モーション)アイコンを浮かべながら、明らかに困惑の色が分かる声でそう返答すると、タブラが驚いた様に声をあげた。

 「おや、モモンガさんが私たちに見せられないようなアカウントを作るなんて、想像がつきませんね」

 タブラの疑問はもっともだと他のメンバーも心の中で同意した。モモンガ他人に恥ずかしいと思われるようなことは滅多にしない人物である。そして、なかなか気心知れた仲である自分たちに対して、見せることをためらうとは、いったいどのようなアカウントなのか想像ができなかった。

 そのため、メンバーたちはモモンガのサブアカウントに興味を惹かれた。

 「ほう、興味があるので、もし良かったら見せていただきませんか?」

 「え!?ウルベルトさんは俺のサブアカウントを見たいんですか?」

 「えぇ、ぜひとも。皆さんも見たくはありませんか?」

 悪戯っぽく笑いながら聞いたウルベルトに、内心見てみたいと思っていたモモンガ以外のメンバーが頷き返した。

 「すっごく見たいです!!」

 「ペロロンチーノさん!?」

 「私からもお願いします」

 「タブラさんも!?」

 二人の答えにモモンガはわたわたし始めた。そんな様子のモモンガには悪いと思ったが、たっち・みーも興味があるので正直に答えることにした。

 「私も見てみたいので、お願いしますね。モモンガさん」

 「うぅ…。たっちさんもですか……」

 小さく唸りながら少し考えたモモンガはしばらく考えた結果、せっかくの最終日なのだから見せるのもやぶさかではないと思った。

 「……わかりました。皆さんにお見せします。」

 「やったー!モモンガさんのサブアカウント見るの楽しみ!!」

 「あの…、でも、一回ログアウトしてからここに来るには、三分程かかりますけど、いいですか?」

 その言葉にメンバーは嬉しそうに頷いた。

 「構いませんよ。でも、ギルドのトラップの方は大丈夫なんですか?」

 「それなら心配には及びませんよ、たっちさん。サブアカウントはメインアカウントとアイテムを共有できますから、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを装備することが出来ます。指輪を着ければ、トラップに引っかかることはありません」

 「なるほど。それなら安心ですね」

 「はい。それでは、一回ログアウトしますね」

 モモンガはそう言うとコンソールを操作してログアウトした。

 




次から、ヒロイン(女の子のモモンガ様)登場。

今後も捏造が多くなります。
苦手な方は閲覧をお止めになることをお勧めいたします。

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