某鎮守府、昼過ぎーー
◇埠頭◇
神州丸「うむ、釣りをするには絶好の日和っ」
あきつ丸「ですな、神州丸殿」ウンウン
神州丸「ささ、どっしりと構えて食いつくのを待つとしよう」
あきつ丸「了解であります♪」
〜釣りスタート〜
神州丸「しかし、戦時中とはいえこうも平和な時間を過ごせるとは思いもよらなんだ。実に尊き時間だ」
あきつ丸「然り。神州丸殿の旦那殿に感謝です」
〜今日は執務仕事が少ないので秘書艦任務はお休みなのだ〜
神州丸「提督殿はそういうことは好かぬ。言葉で感謝するよりは行動で示した方が喜ぶぞ?」
あきつ丸「流石奥方は理解が深い。感服致します」
神州丸「そ、そのような言い方はよせ。提督殿の理解力には遠く及ばぬ故、私はいつも理解を深めようと必死になっているに過ぎないのだ////」テレリ
あきつ丸「相思相愛とはまさにこのこと。これならば案外早くにややこの顔が見れるかもしれませぬな」ニヤニヤ
神州丸「ひ、飛躍し過ぎではないか!?////」
あきつ丸「いやしかし……既にもう行為はしているのでありましょう?」
神州丸「……ま、まあな//// つい昨晩も優しく愛して頂いた次第だ……////」ポッポッ
あきつ丸「ならば自分が言ったことは正しいのであります」フンス
神州丸「うるさいうるさいっ//// それより貴様の竿がしなっておるぞ!////」
あきつ丸「おぉ、これはデカいのであります!」
ーーーーーー
「おーい!」
神・あ『?』
秋津洲「釣れてるかも〜?」
神州丸「おぉ、貴様か。その手荷物からして貴様も釣りか?」
秋津洲「そうなんだー! 午後から暇で、何しようか悩んでたら二人の様子が見えたから明石さんのところで釣具一式借りてきたかも!」
あきつ丸「ほうほう、ならば一緒にやりましょう。自分は先程カサゴを釣り上げましたぞ」
秋津洲「わぁ、おっきい! ここの埠頭って結構釣れるからいい暇つぶしになるよね♪」
神州丸「そうだな。そしてとても平和な時間だ」
秋津洲「よ〜し、あたしも平和を満喫するかも〜!」
ーー
神州丸「よしっ」
〜奥様、30センチ超えのグレ(メジナ)をゲット〜
あきつ丸「おぉ、これは今日一番ではないですかな?」
神州丸「日頃の行いのお陰だな♪ でもまだ釣るぞ!」
秋津洲「日頃提督とイチャイチャしてるから釣れたってことかも?」
神州丸「な、なな、何を言い出すんだ貴様は!?////」
秋津洲「だって日頃の行い〜なんて言うから。神州丸さんっていつも提督とイチャイチャしてるし」
神州丸「い、いいイチャイチャなんてしてないぞ!//// 旦那ちゃんとは節度ある夫婦生活をだなーー」
秋・あ『旦那"ちゃん"?』キュピーン
神州丸「っ!!?」シマッタ
〜神州丸慌てて口を手で押さえるが後の祭り〜
秋津洲「ほらほら〜、やっぱりイチャイチャしてる〜。そんな呼び方普通の夫婦はしないよ〜?」ニヤニヤ
あきつ丸「しかし可愛らしいですな〜。因みに奥方はどう呼ばれておいでで?」
神州丸「し、しぃちゃんって……♡////」キャッ
秋津洲(げろあま)
あきつ丸「ややこが出来るまで秒読みですな、これは」
神州丸「うるさいうるさいうるさーいっ//// 我々夫婦のことなんてどうだっていいだろ、まったく……////」
〜神州丸、誤魔化すように持ってきた飲み物を口に含む〜
秋津洲「オシャンティーな水筒かも!」
神州丸「あぁ、これか? 旦那ちゃ……提督がわざわざ贈ってくれたものだ」
秋津洲(言い直さなくてもいいのに……)
「何を入れてきたの?」
神州丸「旦那ちゃん特製のキャラメルモカなんだ!♡ 妻である自分だけが味わえる幸せな飲み物なんだぞ!♡」ドヤァン
秋津洲「そ、それは良かったね……」ヒキギミ
(とうとう旦那ちゃんって言い切っちゃった)
あきつ丸「キャラメルモカとは洒落てますなぁ」
神州丸「ミルクキャラメルが好きでよく食べていたら、旦那ちゃんが淹れてくれるようになったんだ♡ 本当に幸せっ♡ んーまっ♡」
秋津洲(水筒にキスするほどなんだ……。というか、ここまでデレデレの神州丸さんってレアかも。みんなの前ではここまでデレデレに顔溶けてるの見たことないし)
あきつ丸「こんなにも甘いと魚も逃げ出しそうですなぁ」
秋津洲「逆に寄ってくるんじゃない?」
あきつ丸「中には甘いのが好きな魚もいますからなぁ、たぶん」
神州丸「旦那ちゃ〜ん♡ んーまっ♡ んーまっ♡」
ーーーーーー
夜ーー
◇長官官舎◇
神州丸「出来ましたよ、旦那ちゃ〜ん♡」
提督「おぉ、豪華だな」
神州丸「たくさん釣れたんです♡ それについさっき捌いたばかりですからどれも新鮮ですよ♡ 召し上がれ♡」ワハー
提督「いただきます」人
パクン
提督「うんまい。これはなんの魚だ?」
神州丸「グレです♡ 今日一番の大物なんですよ♡ それを捌いてフライにしたんです♡ 旦那ちゃん白身の魚フライ好きでしょ?♡」ニコニコ
提督「最高だ。それにこのタルタルソースも。ご飯が進む進む」ガツガツ
神州丸「ご飯もたくさん炊いてありますから、いっぱい食べくださいね♡」ニコニコニコニコ
ーー
提督「ご馳走さん……いやぁ、うまかった」
神州丸「お粗末様でした♡」
(えへへ、全部綺麗に食べてくれたー♡ 嬉しいー♡)
提督「食後の茶は俺が淹れよう。いつものでいいか?」
神州丸「いつものがいいっ♡」
提督「はいはい。いつものキャラメルモカな」
ーー
提督「はいどうぞ」
神州丸「ありがとうございます♡」ワハー
提督「しぃちゃんの笑顔を見てると、こっちまで幸せな気持ちになるな」
神州丸「そ、そう?////」ハゥ
提督「あぁ、ケッコンしてから毎日思ってる。いつも幸せをありがとう」
神州丸「そ、そんな……♡////」
提督「ほら、冷めない内に飲むといい」
神州丸「はぁい……あっ」
〜カップの中に大きなマシュマロが浮かんでいる〜
神州丸「……大丈夫なんですか?♡////」ドキドキ
提督「今日は仕事が楽だったからね。元気が有り余ってるんだ」ニカッ
神州丸「えへへ……朝まで離しませんからね♡」
提督「望むところだ」
それから二ヶ月後、神州丸のおめでたが提督から公表され、夫婦は仲間たちからお祝いで大量のミルクキャラメルを投げつけられたーー。
神州丸 完
神州丸終わりです!
真面目な人がデレッデレになるのっていいですよね!
お粗末様でした♪