キャラ崩壊含みます。
某鎮守府、昼下がりーー
◇艦娘宿舎◇
しおん「…………最近、旦那様がしおんの手料理を食べてくれないの」
しおい「ふ〜ん」パリパリ
〜しおい、テレビを見ながらポテチを食べる〜
しおん「旦那様と出会って恋に落ち、両想いとなって愛を育み、夫婦となって仲睦まじく生活していたのに……」オヨヨヨ
イヨ「う、うん」
(もう何回この説明聞かされたのやら……)
〜イヨ、満面の苦笑い〜
しおん「これが……世に言う倦怠期だというの!? こんなにも辛い困難を世のご夫婦方は乗り越えて来ているというの!?」
ヒトミ「…………」クスン
〜ヒトミ、もらい泣き〜
しおん「もしこのまま旦那様に捨てられてしまったら、しおんは……しおんは……」
しおん「どうしたらいいのぉぉぉっ!」
〜しおん、テーブルに顔を突っ伏して号泣〜
しおい「ねぇ、お姉ちゃん」
しおん「(´;ω;`)?」
しおい「うるさいからちょっと黙ってて。今いいところなの」
しおん「うわぁぁぁんっ!」
ヒトミ「し、しおんさん」ナデナデ
イヨ「しおいちゃ〜ん、もう少し話聞いてあげようよ〜」ニガワライ
しおい「無理」
しおん「えうっ……えぐっ……うぅ……」
ヒトミ「え、えっと、お料理を食べてもらえなくなってどれくらいなんですか?」
しおん「ぐすっ……今日で三日目になります」
ヒトミ「え?」
イヨ「ちょ、ちょっと待ってよ! それだけ!?」
しおん「それだけなんて心外です! 愛する旦那様にしおんの真心を、愛情を込めたお料理を食べてもらえなくなって三日目になるんですよ!?」
イヨ「大袈裟過ぎでしょ! 姉貴もしおんちゃんに何か言ってよ!」
ヒトミ「しおんさん、可哀想……」クスンクスン
イヨ(あ〜、姉貴も
しおい「あ〜、もう、うるさいな〜! お姉ちゃんが思ってるようなことないから!」
しおん「でもぉぉぉ!」
しおい「今日の朝もお昼も二人して食堂で食べさせ合ってたくせに倦怠期とか笑わせないでくんない?」
イヨ(あ〜、しおいちゃんも
しおん「で、でも、旦那様に今夜は何が食べたいですかと訊ねたら、『今夜は鎮守府の外へ行って外食しようか』と仰ったのよ!?」
しおい「だ・か・ら! お姉ちゃんの考えは極論過ぎって言ってるの!」
しおん「でもーー」
しおい「でもじゃない! ケッコンしてもデートとかふざけんな! 私も一緒につれてけよ! 寧ろお願いしますぅぅぅっ!」
イヨ「しおいちゃんしおいちゃん、本心だだ漏れってレベルじゃないよ。寧ろ決壊してる」
しおい「っと、こいつは失敬」
イヨ(何キャラなの!?)
ヒトミ「あ、あの、しおんさん。しおんさんはいつも提督にどんなものを作って差し上げていたんですか?」
しおん「それは勿論、旦那様のことを考えて主食、副菜、主菜の一汁三菜に薬味も拘ってます」
ヒトミ「そうなんですか……提督、どうしたのかな?」
しおい「主食になるご飯は?」
しおん「それは勿論、しおん特製のバターライスに決まってるでしょう、何を言ってるのしおいちゃんったら」クスクス
ヒ・イ『あ〜』ナットク
イヨ(そういや最近、提督がいつも胸やけに効く薬飲んでるって噂になってたっけ……)
ヒトミ(毎食バターライスってすごいなぁ。毎回作るしおんさんもだけど)
しおん「?」
しおい「それってさ、お姉ちゃんが提督と一緒になってからずっとだよね?」
しおん「? いいえ、正確にはこのしおんを秘書艦にご任命されてからだから、ケッコン前からよ?」
しおい「それだよ、それ」
しおん「それ?」
イヨ「あ、あ〜、きっとさ〜、提督的にはダイエットでもしてるんじゃないかな〜?」
しおん「え、そうなの?」
ヒトミ「う、うん。最近太ったって言ってるの聞いたから……」
〜二人は必死にフォローした〜
しおい「提督だって三十になるんだし、そろそろ他のレパートリー増やした方がいいよ。普通のご飯にするとか普通のご飯にするとか」
〜大切なことだから(ryーー〜
しおん「なるほど……で、あればこうしていられないわ! 早くお夕飯の準備に取り掛からなくては!」
〜疾風のように去っていくしおん〜
しおい「は〜、やっと行った」
イヨ「お疲れ〜」
しおい「幸せで感覚が麻痺ってるのかもしれないけどさ〜、もう少し自重してほしいよ〜」
ヒトミ「で、でも、幸せなのはいいことなんじゃ……」
しおい「それは分かってるよ〜。でも毎回毎回些細なことで悩んでほしくない」
しおい(ま、こういうやり取りが当たり前になってる私も、その幸せに慣れてきてるんだろうなぁ)
〜三人は気を取り直してお茶をすすった〜
そして、夜ーー
◇鎮守府内、夫婦の部屋◇
提督「ただいま〜」
しおん「おかえりなさいませ、旦那様♡」
しおんE.割烹着(スク水の上に)
提督「あれ? 割烹着なんか着てどうした?」
しおん「はい、旦那様がダイエットをしているのではと考え、ディナーに誘って頂いた身ではありますがしおん自らダイエット食をお作りしておりました♡」ニコッ
提督「そ、そうなのかー」
しおん「はい♡ ささ、旦那様、着替えて来てくださいませ♡」
そしてーー
しおん「今晩はこんにゃくやきのこを中心としたお料理とバターライスではなく、
提督「おぉ〜、これはまさしく白米……」カンドウ
しおん「ダイエットとはいえ、必要な糖質は取ってくださいね♡ はい、旦那様♡ あ〜ん♡」つご飯
提督「あ〜ん」モグモグ
〜提督、自然と涙が〜
しおん「ど、どうされました!?」
提督「ご、ごめん……まさかしおんから白米を食べさせてもらえる日が来るなんて思わなかったから」ナミダフキフキ
しおん「旦那様……」
提督「これからも俺のために美味しいご飯を炊いてくれ」ギュッ
しおん「っ……はい、旦那様♡」ギューッ
その後、提督はしおんがいつも炊いた白米を毎食三合食べ続けることになったという。
その分、提督は頑張って運動量を増やしたそうなーー。
伊400 完
秘書艦ボイスを聞いてて思いついたお話をそのまま書きました! あのバターライス押しは凄いの一言です。
しかしそれも愛故に食さねば男が廃ります故、頑張れ提督さん。ってことで!
今回はあまり甘くなかったかもですが、ご了承を。
お粗末様でした!