※ルイージ・トレッリはイタリア→ドイツ→日本と所属を変え、その都度名前を変えています。
本編はルイージことルイで統一していますが、見た目はさして変わりませんので、UIT-25(ウイ)や 伊504(ゴーちゃん)として脳内変換して読んでも大丈夫なように書きます。
某鎮守府、昼前ーー
◇執務室◇
提督「はい……はい……えぇ、存じています」
〜提督、お偉いさんと電話中〜
トントントンーー
提督「……いえ、そういうことでは……」
ガチャーー
ルイ「て〜とく〜?」ピョコ
提督「」ニコッ
〜提督、ジェスチャーでルイに静かにするよう頼む〜
ルイ「♡」コクコク
〜ルイ、静かにドアを閉めてソファーへ〜
提督「確かにそうかもしれませんけど……」コマリエガオ
ルイ(どうしたんだろ……いつもより困った顔してる)
提督「はぁ……分かりました。それで所属は……はい、了解しました。ではーー」
ルイ(……所属? え、もしかしてあたし、また所属変わっちゃうとか!?)ガーン
ルイ(そんなのヤダ!)ダッ
カチャン……
提督「ふぅ……ごめんね。ちょっと先輩からのお願いの電話で……」
〜ルイの姿はない〜
提督「あれ?」クビカシゲ
◇埠頭◇
ルイ「」ハァハァ
〜埠頭まで走ってきた〜
ルイ(何で逃げてるんだろう、あたし……逃げたって所属が変わっちゃうのは変えられないのに)
ルイ(艦時代の頃は所属が変わっても、何も思わなかったのにな……)
背中トントンーー
ルイ「?」クルッ
ろ「こんにちは〜ですって♪」ニコッ
ルイ「ろーちゃん、やっほー」ニコッ
ろ「提督が探してたよ? 何かしちゃったの?」
ルイ「なはは……まぁ、ちょっとね〜」ニガワライ
ろ「悪いことをしたらすぐに謝ったほうがいいよ?」
ルイ「あ〜……うん、そうだね」
(ただあたしが勝手に逃げちゃってるだけなんだけどな〜)
〜ルイ、あることを思いつく〜
ルイ「ねぇねぇ、ろーちゃん。ちょっと相談してもいい?」
ろ「? うん、ろーちゃんにおまかせ! ですって♪」ニパッ
ルイ「ありがと。あのね、これはあたしの
ろ「」コクコク
ルイ「その友達は大好きな人と愛し合ってるのに今度、仕事の関係で離れ離れになっちゃうんだって」
ろ「」フムフム
ルイ「その友達の相手の人は大人で友達と離れても平気そうなんだけど、その友達はどうしても離れたくないんだって」
ろ「」ウンウン
ルイ「でね、どうしたら離れ離れにならずに済むかな〜って相談なんだけど……難しいよね?」ニガワライ
ろ「…………」ウーン
ルイ「あ、無理に答え出さなくてもいいからね? あたしもこれってのが全く浮かばないし……」
ろ「ねぇねぇ、お友達の夫婦はお互いのことが大好きなんだよね?」
ルイ「え……うん、そりゃあね。いつも一緒の部屋で暮らしてるし、毎日キスもしてるし……」
ろ「じゃあ、どっちが遠くに行っちゃうの?」
ルイ「多分、あたし……の友達」
ろ「なら大好きな人も一緒に連れてっちゃうとか……そのお友達のおうちにその人も住むの♪」
ルイ「……あ〜、ね……」ニガワライ
ろ「お互いがお互いを好き好きなんだったら、変に考える必要ないと思うな〜……お互いの距離は離れても、心の距離が離れることはないはずだもん」
ルイ「……心の距離、か」トクン
スクッ←ルイ、立ち上がる
ルイ「なんか少し軽くなった。ありがとね、ろーちゃん♪」
ろ「うん♪ あ、提督がいるよ? 行ってあげなよ♪」
ルイ「うん、今行く♪」
そして時は過ぎて夕方にーー
◇執務室◇
提督「ん〜、今日の仕事はこんなとこか〜」ノビー
ルイ「お疲れ〜、はい、お茶」つ湯呑
提督「あぁ、ありがとう」ウケトリ
〜ルイ、提督の膝の上へ〜
ルイ「…………」ギュッ
提督「……昼頃から様子がおかしいけど、何かあったのか?」ナデナデ
ルイ「…………ちょっと、ね」ニガワライ
提督「僕で良ければ相談に乗るぞ?」
ルイ「うん……」
提督「僕らは夫婦だ。一人じゃどうしようもないことも、二人でなら乗り越えられるはずさ」オデコチュッ
ルイ「ぁんっ……そう、だよね♡」ニコッ
〜ルイ、決心する〜
ルイ「あの、ね……あたしね?」モジモジ
提督「うん」
ルイ「あたしの所属がどんなに変わっても、心は提督の側にいるから!//// だから提督も……提督もあたしのこと忘れないで!////」
提督「…………ん?」クビカシゲ
提督「え〜っと、まぁ、君を忘れることはないよ? これからも君はずっと僕のお嫁さんな訳だし……」ナデナデ
ルイ「え? だってお昼に電話で所属がどうのって……」
提督「あぁ、あの電話は今度の合同演習の紅白戦についての打ち合わせだよ」
ルイ「へ?」
提督「うちの潜水艦隊は他所よりも高い練度だ。その僕達がどちらの所属になるかで、演習の内容は大きく変わる」
ルイ「…………」
提督「つまり、僕達をみんな自陣に入れたくて仕方ないのさ♪ だから昼の電話も先輩から、うちの紅組に所属しろってお願いの電話だったんだ」アハハ
ルイ「…………////」プルプル
提督「うわぁ、凄い顔が赤いけどどうかしたのかい?」
ルイ「提督のバカ!//// バカバカバカバカ!////」ポカポカ
提督「ちょ、えぇ……何で?」イタイ
ルイ「所属とか言うから、てっきりあたしの所属が変わっちゃうのかと思ったの! 提督と離れ離れになっちゃうのかと思ったの!」
提督「あぁ、そういうことか……それは申し訳ないことをしたね」ニガワライ
ルイ「ヤダ! 許さない! あたしとってもとっても不安だったんだから!」プイッ
提督「」ニガワライ
ルイ「………………許してほしい?」チラッ
提督「あぁ、勿論」
ルイ「じゃあ、ん♡」リョウテヒロゲ
提督「?」
ルイ「抱っこ! 抱っこしてくれれば許してあげるって言ってるの!」プンプン
提督「あ〜……ごめんね、僕だけのお姫様」ギュッ
ルイ「えへへ〜、あい♡ はにゃはにゃ♡」スリスリ
ルイ「ちゅうしてくれたら、もっと許してあげても……いいよ?♡////」チラッチラッ
提督「仰せのままに♪」チュッ
ルイ「ん〜っ♡」チュッチュッ
後日、合同演習で提督率いる潜水艦隊は紅組艦隊を勝利に導いた。
そして夫婦はひと目をはばかることなく、勝利のキスをして砂糖を振り撒いたそうなーー。
ルイージ・トレッリ 完
ルイージ・トレッリ終わりです!
かなり波乱万丈な艦+名前を変えるのでユーちゃん、ろーちゃんみたいにしようと思ったのですが、見た目がユー&ろーみたいに凄い変わってはいないのでこのようにしました。
なのでウイちゃん編、ゴーちゃん編は書かないのでご了承ください。
お粗末様でした!