???―――
提督「…………?」
〜提督は目覚めると何処なのかも分からぬ場所にいた〜
提督(深海棲艦による拉致か? いやその可能性は限りなく低い。そもそも私を拉致するのにはリスクが高いし、拉致したところで旨みがない)
〜提督の階級は中佐で上官たちが共有しているような最重要機密が入って来ない。故に艦娘たちの包囲網を潜り抜けてまで拉致するメリットがないのだ〜
提督(となると、私を消したい派閥によるものか? いやいや、確かに派閥争いはあるにはあるが、過激派はいないし私自身がどの派閥にも所属していない。それにどの派閥もこれまでこんな暴挙に出るなんて馬鹿げたことをする程低能ではない)
提督(……というよりは普通に昨晩は眠りに就いただけで、特に何も怪しいところはなかったはずだ)
〜考えれば考える程に今の状況が分からなくなる提督〜
提督(そもそもだ。拉致しておいて両手足を拘束していないし、口も封じていないなんて素人過ぎる)
〜そうしている内に提督は目が暗闇に慣れてきた〜
提督「本当に知らない場所だな……」
カチャリ
提督「っ!?」
フレイ「あ、提督起きてたんだ?」
〜存在すら知り得なかった扉から現れたのは愛する妻の伊201〜
提督「フレイ!?」
〜提督は思わず妻の両肩を掴んだ〜
フレイ「きゃっ!? 提督、落ち着いて? 私は確かに貴方から求められればいつでも大歓迎だけど……♡////」
提督「冗談を言ってる場合じゃない! この状況の説明をしてくれ!」
フレイ「強引な提督も好きよ♡」
提督「私は真面目に訊いている!」
フレイ「……覚えてないの?」
室内の空気が1℃下がる
提督「? なんのことだ?」
フレイ「そう、覚えてないのね」
室内の空気がまた1℃下がる
提督「フレイ?」
フレイ「提督、昨晩のことはどこまで覚えてるの?」
提督「昨晩のことだと? 昨晩はフレイとのケッコン記念日で、一緒に過ごしていたことまでは覚えている」
フレイ「……酷いわ」
提督「?」
フレイ「私の口から言わせたいのね。提督って本当に意地悪。でもそんな貴方を私は愛してる。だから私の口から言うわね?」
提督「ああ……」
〜伊201説明中〜
提督「私をクズ野郎と罵ってくれ……そして許してくれ……」
〜説明を受けた提督はフレイの前で土下座して許しを乞う〜
フレイ「酒は飲んでも飲まれるな」
提督「ごもっともで」ドゲザー
フレイ「あんなに私をめちゃくちゃにしたくせに……////」
提督「すまなかった……この通りだ……だからリコンしないでくれ……」
フレイ「する訳ないでしょ、もう……」
(そもそもあんなことされたら、もう提督なしじゃ耐えられないんだけど……////)
簡単に説明するとこうだ。
昨晩、提督は妻とのケッコン記念日で珍しく羽目を外して、普段は飲まないワインを飲み、泥酔してしまった。
伊201はそんな夫を寝室まで運び、寝かしつけようとしたところで夫に引き寄せられてしまう。
そこで彼から彼が寝落ちするまで延々と自分の好きなところや、自分に惚れているところ、自分がいないとどうにかなりそうな気持ちになるなどの愛を囁かれた。
なので伊201はそんな夫を誰にも見られないように、夫の尊厳を守る名目で独占するために官舎の地下ある非常事態時に避難する部屋へと移動させて脳髄を彼からの愛でとことん蕩けさせてもらったのだ。
提督「もうお婿に行けない……」
フレイ「私が貰ってるから安心ね……♡」
提督「うぅ……恥ずかし過ぎる……」
フレイ「私は嬉しかったけど?♡」
提督「…………」ガックリ
フレイ「♡」デレデレ
提督「そ、それより、今日の任務はどうなってる?」
フレイ「秘書艦である私が指示を出して平常運転よ?」
提督「そうか……」ホッ
フレイ「みんなには提督は昨晩ハッスルし過ぎてお休みって伝えてあるから」ニコッ
提督「……なんだと?」
フレイ「あら、照れてるの?♡ でも大丈夫♡ みんな貴方が私に夢中なのは知ってるから、寧ろ喜んでくれたわ♡ だからお昼はお赤飯だって♡」ホッペチュッ
提督「何故バレている……?」
フレイ「普段から私を大切にし過ぎてるからじゃない?♡」
提督「…………」
フレイ「これからはみんなの前で堂々とイチャイチャ出来るね?♡」ニコッ
提督「しない」
フレイ「じゃあ私からするね?♡」
提督「…………」
フレイ「私からなら貴方は拒めないものねー?♡」ニコニコ
それからと言うもの、伊201が提督へ行うスキンシップが激しくなり、なんだかんだ提督も微笑んで拒まずに受け入れているので、シュガーテロリストとして名を馳せた―――。
伊201 完
伊201終わりです!
お粗末様でしたー!