本編では『みと』で統一します。
某鎮守府、昼―――
◇執務室◇
みと「はぁ……」
〜奥様は憂鬱〜
よつ「どうしたの、みと?」
〜よつはみとの補佐。今は提督は演習艦隊を率いて他鎮守府へ行っているため二人でお留守番〜
みと「聞いてくれる、お姉ちゃん?」
よつ「姉妹なんだもん、遠慮しないで!」
みと「ありがとう……あのね」
よつ「うんうん」
〜みとはこの間のことをよつに正直に打ち明けた〜
みと「どうかな?」
よつ「提督の本棚にえっちな本があった。しかもそこに写ってたのはセクシーな大人の女性だった……男の人なら普通じゃない?」
みと「うん、それはいいの。旦那様だって男性だもの」
よつ「セクシーな女性が写ってたのが気掛かりなのね?」
みと「うん……私、ケッコンしてから一度も、旦那様とそういうことしたことないから、魅力ないのかなって」
よつ「ん〜、単に没収したやつを本棚に仕舞っておいただけなんじゃないの? それとそういうことしないのは、提督が誠実だからだよ。だってみとのことすっごく大事にしてて、見ててくっそムカつくもん」
みと「そ、そう?」
よつ「うん。だって常に抱っこして移動するとかありえないでしょ」
みと「私は嬉しいけど……♡」テレリ
よつ「あなたも末期ね。傍から見てるとくっそ甘くて胸焼けする」
みと「なら、そんなに悩まなくてもいいのかな?」
よつ「いいと思うよ? こんなの見つけたけどって言えば提督も思い出して処分するなり、持ち主に返して注意するなりするんじゃない?」
みと「ん〜……分かった。今夜訊いてみるね。ありがとう、お姉ちゃん」
よつ「どういたしまして……」
(提督は□リコンだから、あの本に載ってるようなので興奮しないはずなんだよね。カモフラ用なのかな?)
〜こうしてみとはいつもの調子に戻り、お留守番を完遂するのだった〜
―――――――――
その日の夜―――
◇長官官舎◇
みと「このえっちな本は旦那様ので間違いないでしょうか?」
提督「…………はい」
みと「どうして……」ワナワナ
〜ショックを隠せないみと〜
提督「えっと、その……俺も男なので……少々辛いと言いますか……」
みと「みとでは役不足ということ、ですよね?」
提督「違っ……そういうことでは……!」
みと「言い訳しないでください! みとをもっと惨めにさせる気ですか!?」
提督「……すまない」
みと「謝罪は求めていません。みとが旦那様の好みでないのはどうしようもありませんから」
提督「だからそれは―――」
みと「フォローしてくれなくてもいいです」
提督「な、なぁ、俺の話を聞いて?」
みと「なんでしょうか?」
提督「俺が艦娘のみんなからなんて呼ばれてるか知ってる?」
みと「□リコン野郎、幼女好き、ですね。泊地でも□リコンの水雷屋として名を馳せています」
提督「えっ、それは初耳なんだが?」
みと「皆さん、旦那様には聞こえないように言ってますからね。みとは艦娘なのであれくらいのひそひそ話は聞こえます」
提督「だから同期の奴らがこんなの送ってくるのか……」
〜提督、どこか納得したようにちゃぶ台に置かれた本に目をやる〜
みと「え?」キョトン
提督「だから俺の話を聞いてって言ったろ? これは俺のだけど、俺が買ったやつじゃなくて、同期の奴らに送りつけられたものだ」
みと「だって……」
提督「自分で言うのもアレだが、俺はこの本に載ってるような女性には興奮しない。そもそもみとがいるのに、他の女性に見移りするなんてありえないんだ」
みと「旦那様……♡」トゥンク
提督「誤解させてごめんな。でも本当のことなんだ。俺はみとを愛してるし、最近はみとのことを考えてないと俺の子提督も高射角準備に入らないし、一斉射もしない。みとを抱っこして寝てると、つい寝ているみとの頬をペロペロしたくなるし、息も荒くなるし、下手をすると朝になったら子提督が勝手に誤射してることもよくある」
みと「……っ♡」ガバッ
〜みと、提督の胸にダイブ〜
提督「ふぉぉぉぉっ!? マイスイートエンジェルぷにロリみとが俺の胸の中に! ダメッ! ハートキャッチされちゃう! あ、もうされてた! 分からされちゃうっ! 俺がみとのこと大好き過ぎるって分からされちゃうぅぅぅぅぅっ!」
みと「〜♡」スリスリ
〜提督の言動はとても気持ち悪いが、みとはご満悦〜
みと「我慢しなくてもいいんですよ?♡」
提督「みと……」
みと「みとは旦那様のお嫁さんですから、なんでもします♡ 旦那様が望むこと全部♡ ただ、その、お胸でするのは難しいと思いますが……」
提督「…………いいの?」
みと「は、はい……初めてなので分からないことだらけですが、旦那様が教えてくれれば、なんでも♡」
提督「じゃ、じゃあ、早速いいかな?」
みと「はい!♡」
提督「…………大人なキスしてもいい?」
みと「へ?」
提督「あ、やっぱダメ?」
みと「い、いえ、そんなことでいいんですか? もっとこう、凄いのが来るかと思いまして……」
提督「えっちなちゅうするのって凄いことじゃない?」
みと「そ、そうかも?」
提督「えっと……それで、いいかな?」
みと「は、はい……んっ♡」
〜みと、唇を突き出してその時を待つ〜
提督(かわええ……永遠と見れられいられるな。このまま餓死しても悔いはない)
みと「あの……まだ……ですか?♡」
提督「あ、ごめん……じゃあ」ホッペナデナデ
みと「はい……んんっ♡」ゴロゴロ
提督「くっそかわええ!」ナデナデナデナデ
みと「んゅ〜♡ くすぐったいですぅ♡」
〜結局、二人はキスせず、このままイチャイチャと触れ合うだけで気が付いたら朝になっていた〜
よつ「おはようございます! 本日も補佐として頑張りますっ!」
提督「おう」ゲッソリツヤツヤ
みと「おはよう、お姉ちゃん♪」ニコニコツヤツヤ
よつ「……昨晩はお楽しみでした?」ニコッ
みと「あ、あれ? どうして分かっちゃったの?♡」
提督「最高の一晩だった……」
よつ「ほうほう。で、何をされたんで?」ニヤニヤ
提督「ずっとほっぺむにむにしてた」
みと「ずっとほっぺむにむにされてました♡」ポッ
よつ「…………は?」
夫婦『えへへ……♪』ラブラブ
よつ「さっさと合体しちまえー!」
後日、やっと提督は嫁の近代化改修(意味深)に踏み切ったそう―――。
第三〇号海防艦 完
みとちゃん終わりです!
お粗末様でした!