そのままでは長いため、本編では『ふーふ』と表記してます。
某鎮守府、朝―――
◇本館内・廊下◇
提督「今日ものどかでいい一日になりそうだねぇ」
ふーふ「この大量の書類から目を背けてはいけない……」
〜夫婦、大淀から書類を受け取り執務室へ移動中〜
提督「いいじゃないか、ちょっとした現実逃避くらい」
ふーふ「したところで書類は減らないんだからね?」
提督「出世なんてするもんじゃないな」
ふーふ「この前まで早く出世したいって言ってた……」
提督「出世すれば楽になれると思ってた時期が僕にもありました」
ふーふ「敢えて言わせてもらっていい?」
提督「嫌だ」キリッ
ふーふ「人生そう甘くないんだよ?」ペチペチ
〜奥様は提督の背中を叩きながら言う〜
提督「だから嫌って言ったのに……」ブーブー
ふーふ「私、甘やかさない主義なんで」
提督「……さいですか……」ニガワライ
そして、忙しい一日が過ぎた夜―――
◇執務室◇
提督「あ〜、やっと終わったぞ〜」
〜本日の執務を終え、提督はソファーに倒れ込む〜
ふーふ「ほらほら、終わったなら早く戸締まりして部屋に戻ろるよ!」
提督「少しくらい休暇させてくれても……」
ふーふ「だーめ! そもそも制服のままソファーに寝そべらない! シワになっちゃうじゃん! そのシワを直すの誰だと思ってるの!?」
提督「……起きます」
ふーふ「よろしい」
提督「すっかり俺は奥さんの尻に敷かれてしまっているな」
ふーふ「そんなの今更だね」
提督「それじゃ、戸締まりして戻るか」
〜戸締まりをしっかりし、夫婦は自室へ戻った〜
◇本館内・夫婦の部屋◇
提督「戻ったぞ〜……」
ふーふ「提督、帽子と制服の上着」
提督「ほい」つ帽子&上着
ふーふ「手袋はネットに入れて洗濯機に」
提督「ほいほい」
ふーふ「Yシャツは明日妖精さんのところに持っていくから洗濯籠に」
提督「ほいほいのほい」
ふーふ「スボン」
提督「ほいほいのほいほい」つスボン
〜提督は言われるがまま〜
ふーふ「着流しは一番右にあるやつからで」
提督「ん」
ふーふ「後ろ向いてー」
提督「んー」
〜身長差があるのでお立ち台に奥様は乗って乱れを直し、帯も締めてくれる〜
提督「……」
(私生活だとめっちゃめちゃに甘やかしてくれる俺の奥さんぐう聖)
ふーふ「よし、完璧!」
提督「ありがとう」
ふーふ「いえいえ。それじゃあ、んっ」
〜そう言って提督に頬を差し出すように向ける奥様〜
提督「いつも感謝してるよ……ちゅっ」
ふーふ「えへへ、はーい♡」ニコッ
〜その後は第二十二号海防艦も着流しに着替えて晩御飯の準備に取り掛かる〜
◇室内に設置した簡易厨房前◇
提督「今日の晩飯は何?」
ふーふ「ヤバい程美味しい唐揚げ♪」
提督「なん、だと……!?」
ふーふ「今日頑張ったから、今朝仕込んでおいたんだー♪ どう? いい奥さんでしょ? もっと好きになったでしょ?」
提督「ふーふ、俺とケッコンしてくれ」
ふーふ「えー、どうしよっかなー♪」
〜小悪魔のようにわざと焦らす奥様〜
提督「……お前の唐揚げを毎日食べさせてくれ」
ふーふ「流石にそれは健康的じゃないから却下」ニコニコ
提督「酷い……」
ふーふ「私の手料理なら毎日食べさせてあげるけどー?」ニッコリ
提督「私は永遠の愛を誓います」
ふーふ「私も誓いまーす♡」
提督「唐揚げはよ」
ふーふ「ほいほーい♡」
〜提督に見守られつつ、奥様は唐揚げを手際よく作っていった〜
ふーふ「はい、手を合わせて!」
提督「……」人
ふーふ「いただきます!」
提督「いただきます!」人
〜提督は早速奥様お手製の唐揚げに箸を伸ばす〜
提督「っ」サクッ
〜しっかりと味付けされたサクサクの衣の中からジュワッと溢れ出す肉汁〜
提督「おっほー!」
ふーふ「♪」ニコニコ
〜柔らかい鶏肉に塩麹の味がしっかり染み込み、無限に米を食べたくなる欲求が押し寄せる〜
提督「あぁ、マジ最&高っ! これ一個で丼飯軽くいける!」
ふーふ「おかわりあるからよく噛んで食べてよねー♪」
提督「おかわりー!」
ふーふ「ふふふ、はーい♡」
(作り甲斐があるなー♡)
〜こうして幸せいっぱいの食卓を囲んだ夫婦であった〜
そして―――
ふーふ「ふへ、ふへへへ♡」
提督「よしよし」ナデナデ
〜後片付けも湯浴みも終え、布団を敷いた部屋で夫婦は向かい合って抱き合うように座っている〜
ふーふ「いっぱい食べてくれてありがとね♡」
提督「こちらこそありがとう。本当に毎日でもあの唐揚げ食いたい」
ふーふ「それはダメ……揚げ物ばかりだと体に毒っていつも言ってるよね?」
提督「まあそれは分かってるんだけど、あれはそれぐらい美味いからなぁ」
ふーふ「まあ、そう言われると悪い気はしないけどさぁ♡」
提督「はは、だろ?」
提督「もし退役したら……」
ふーふ「退役したら?」
提督「二人で唐揚げ専門店でもやるか」
ふーふ「えー、退役しても働かせる気ー?」
提督「いやぁ、俺だけ堪能するのももったいないかと……」
ふーふ「提督のためだけに作ってるんだからいいじゃんか」
提督「そう言われると……」
ふーふ「この世界で提督だけが味わえるんだぞ? ヤバいだろ?」
提督「……ヤバい」
ふーふ「あはは、じゃあそういうことで!♡」
提督「ああ、そうだな」
退役後、夫婦の子どもが唐揚げ専門店を出店したとか―――。
第二十二号海防艦 完
第二十二号海防艦終わりです!
これで新実装された艦娘たちは全員書き終えましたので、また暫くお休みします!
最後までお粗末様でした♪