本編は『よつ』で統一します。
某鎮守府、昼ーー
◇鎮守府内・中庭◇
択捉「よつさん、どうしたんですか?」
占守「さぁ、こればかりは占守にも分からないっしゅねぇ」
御蔵「いわゆる『ツッコミ待ち』というものでしょうか?」
日振「なのかなぁ?」
〜何故択捉たちが困惑しているのかというと〜
よつ「うーん、このワンピース子どもっぽくないかなぁ?」
よつ「でもでも、ていとくがよつに似合うからって買ってくれたのに着ないのもなぁ」
〜先程から奥様よつが中庭で服を眺めながら、うろうろしているから〜
占守「よっちゃん、何してるんですか?」クビカシゲ
よつ「あ、みんな! お疲れ様! あのね、このワンピースどう思う? ていとくから貰ったんだけど……」
〜よつはみんなにワンピースを見せる〜
占守「しむしゅしゅ? 可愛いピンクのワンピースとしか……」
択捉「いいですね。私個人としては好きなデザインです」
御蔵「丈も短過ぎないですし、心配するとすれば下着が透けて見えないか、ぐらいですね」
日振「セーラー襟が可愛くていいですね! 襟のふちに白いラインが引いてあるのも可愛いです!」
よつ「そ、そう? ほらでも、ちょっとお子様向けっぽく見えない?」
占守「そうでしゅかね〜……変に大人びたデザインのでも合う合わないがありますし、これでいいのでは?」
択捉「無難でいいと思いますけど」
御蔵「そもそも御蔵たち海防艦は普通の子どもと同等な見た目をしていますからね。なのに大人びた物を身につけるのはアンバランスかと」
日振「提督がよつさんに着てほしくて贈られたんですから、素直に喜べばいいと思いますよ」
よつ「た、確かにその通りなんだけどぉ……ほら、よつはていとくのお嫁さんな訳で、そんなお嫁さんがお子様だったらていとくも恥ずかしいでしょ?」
占守「ん〜……言いたいことは分かりますが……」
択捉「大変理解出来ますが……」
御蔵「そもそも私たち海防艦へケッコンカッコカリの指輪を贈る時点で、周りからはそう見られてますからね」
日振「ていとくはそんなの気にしないからよつさんに指輪を贈ったんだと思いますよ?」
よつ「そ、そうかなぁ?////」テレリテレリ
〜言われて嬉しくなって照れる奥様〜
占守「まあ司令は□リコンさんでしゅからね」
択捉「上手くカモフラージュしてますが、本棚にはそれ系の薄い本がわんさかありますしね」
御蔵「でも不思議なことにその対象はよつさんだけですからね」
日振「それだけよつさんに提督はメロメロってことだね!」アセアセ
よつ「にへへぇ〜、そっかそっかぁ〜、じゃあこのままのよつでていとくは満足なんだぁ〜、そっか〜♡」ニヨニヨ
〜奥様は上機嫌になってワンピースを抱きしめて、その場でクルクルと回り出す〜
占守「ちっ、とんだ茶番でしゅね」
択捉「まあまあ占守さん……イラッとするのは分かりますが落ち着いて」ドォドォ
御蔵「自覚のない迷惑なバカッポーですからね」
日振「ほ、ほらよつさん! 提督がお待ちかねなのでは!? それを着て喜ばせてあげてください!」
よつ「うん、そうする! みんなありがとう! それじゃあね〜!」ノシ
〜こうして奥様は去って行く〜
占守「はぁ、お昼ご飯食べたのに辛い物が食べたくなってきました」
御蔵「私もです。からし蓮根辺りが欲しいですね。それと濃過ぎるくらいの渋いお茶」
択捉「寮へ戻る前に食堂で感覚をリセットしますか」
日振「あ、じゃあ日振は先に明石さんのとこでおやつ買って寮に戻ってますね」
占・択・御『お願いします』
◇執務室◇
提督「いやぁ、可愛いなぁ。まるで天使じゃんか」
よつ「えへへぇ、そう?♡」クルンクルン
〜奥様、ワンピース姿をお披露目中〜
よつ「でもていとく、こんな子どもっぽいよつでいいの?」
提督「まだ気にしてるのか?」
よつ「だって……」
提督「確かに周りからはいい風には見られないだろう。でも愛した相手がよつだった。それだけのことさ」
よつ「ていとく……」トゥンク
提督「周りなんかどうだっていい。よつとこうして結ばれたことが、俺は幸せで仕方がない。いいじゃないか、よつも俺のことを愛してて、俺もよつのことを愛してるんだから。お互いが愛し合ってるなら何も問題無いだろ? 現に艦娘になら誰にだって指輪渡していいんだし」
よつ「うんっ!」
〜よつ、提督の胸にダイブ〜
提督「よつは軽いな」
よつ「まあね! だから抱っこしやすいでしょ?」フフン
提督「確かに」
よつ「でもだからって抱っこしたまま移動しちゃダメだよ? 恥ずかしいもん」
提督「見せつけたいんだけどなぁ」
よつ「だぁめ……こういうのは二人きりの時にするからドキドキするし、気持ちいいのぉ♡」スリスリ
提督「クソかわいいなちくしょー」
よつ「ていとくが可愛くしてくれてるんだよ」ニパァ
提督「あぁ、よつの笑顔に後光が差して見える」
よつ「あはは、大袈裟だなぁていとくは」
よつ「ねぇ……ていとく」
提督「ん?」
よつ「こんな子どもっぽいよつを愛してくれて、ありがと♡」ホッペチュッ
提督「違うだろ?」
よつ「え?」
提督「キスってのはーー」
〜提督、奥様の唇を奪う〜
よつ「あ……んっ、ちゅっ……んっ♡」
提督「ーーこうするもんだろ?」ホッペナデナデ
よつ「うん……えへへぇ♡」ゴロゴロ
提督「変に気にすることなく、ずっと俺の側にいてくれよ」
よつ「は〜いっ♡」
次の日ーー
よつ「ていとく、手ぇ繋ごっ!」
提督「おう」
よつ「あ、でも今日は腕組みの方がいいかなぁ?」
提督「お好きにどうぞ」ニコッ
よつ「ん〜、じゃあ今は手を繋いで、帰りは腕組もっ!♡」
提督「あぁ、いいとも」
よつ「にへへぇ、ていとくだぁいすきっ!♡」
提督「俺もよつが大好きだよ」
〜夫婦はよりラブラブになった〜
占守「工廠行くだけであれっしゅか……」ウップ
択捉「仲は睦まじいですね」ニガワライ
御蔵「あれで遠慮してるらしいですけどね」
日振「それだけ仲良しってことだよ!」
夫婦がより愛を深めた一方で、艦隊のみんなはそのシュガーテロの脅威により晒されることになったそうなーー。
第四号海防艦 完
第四号海防艦終わりです!
愛があるから何も問題無い!
お粗末様でした☆