奥様は艦娘! 艦これSS   作:室賀小史郎

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海防艦稲木がお嫁さん。


稲木とケッコンしました。

 

 某鎮守府、休日の朝―――

 

 ◇長官官舎◇

 

提督「ぐぉ〜、ぐがぁ〜……」

稲木「……」パチリ

 

 〜奥様が先に目覚める〜

 

提督「ぐぉ〜、ふがぁ〜……」

稲木(うむ、今日も提督はよく眠っている)ウンウン

 

  (いびきにはすっかり慣れたが……)

 

 むぎゅ〜〜〜っ!

 

稲木(この抱擁は一向に慣れない! 提督の匂いは好きだが、どうしてこうも力強く抱き締めたまま寝れるんだ!?)

 

  (苦しくはないがこう……毎度毎度心臓に悪い! 好きな人との距離が近過ぎて!)

 

 〜それとなく抜け出そうと試みる奥様〜

 

提督「んんっ……んっ」ムギュムギュ

稲木「っ!♡」ビクン

提督「んっ……ん〜……ぐぉ〜」

稲木「くぅ♡」

 

 〜余計に抜け出せなくってかわいい悲鳴をあげてしまう奥様〜

 

稲木「ふぅ」

  (落ち着け、私。提督はどうせもうすぐ起きる。そうすれば離してもらえるから――)

提督「んがぁ〜」ムギュムギュムギュ

稲木「んっ、そこ……おっ♡ だ、め……おっ、ほぉ♡」ビクンビクン

提督「んぅ〜」

稲木「ふー、ふー、ふー……♡」

  (あ、悪魔の抱擁だ……こんなの気持ち良過ぎるぅ!♡)

 

提督「くぅ〜、ん〜……ん〜」

稲木「あっ、おっ♡ おっほ?♡ いま、あたま、なでたら……んぉぉぉっ♡」

提督「んが? お〜、朝か……」

稲木「お、おはよう、提督……♡」ビクンビクン

提督「おはよう、稲木……なんか凄い顔赤いけど、熱でもあるのか?」

稲木「い、いや、たぶん、提督が私を抱き枕にしていたからだろう……んぁ♡」

提督「おおう、それは申し訳ない」

稲木「気にすることはない……」

  (悪魔の抱擁は危険だが、提督に抱かれていないと寝付きにくくなってしまったしな……我ながら提督LOVEが過ぎる)

 

 〜とりあえず夫婦は起きて身支度を整えることに〜

 

稲木「ふぅ……私は朝から何をやっているのやら……」

 

 フキフキフキフキ

 

 〜奥様は提督専用弾薬庫(意味深)から潤滑油が溢れ出してしまったため、念入りに処理中〜

 

提督「稲木〜、まだか〜? そろそろ漏れそうなんだが、まだ掛かるなら本館のトイレ行くんだけど」

稲木「! すまない! 今出る!」

 

 〜奥様は急いでトイレから出た〜

 

稲木「はぁ、今日は厄日か? いや、これもすべて悪魔の抱擁のせいだ……」

 

 〜下着を履き替え、稲木は洗濯機を回す〜

 

稲木「いつ使っても洗濯機とは便利な物だ。乾燥までしてくれるのだから……私よりよっぽど役に立っている気がする」

提督「そう自分を卑下するのは良くない」ニュッ

稲木「きゃっ、急に背後から声をかけないで!」

提督「ごめん……でも俺は稲木が役に立ってないなんて思ってないから」ナデナデ

稲木「分かっている……」ゴロゴロ

 

 〜そして夫婦は遅めの朝食〜

 

 ◇居間◇

 

稲木「そういえば、昨日鵜来から梨を貰ったな。食べ頃だから剥いて食べてしまおう」

提督「へぇ、梨か」

稲木「稲城市の梨だとさ。稲木違いの洒落で買ってきたんだろう」ニガワライ

 

 〜奥様は慣れたナイフさばきで梨を剥いていく〜

 

提督「まあいいじゃん。梨美味しいし」

稲木「梨に罪はないしな」

提督「そういうこと……って鵜来に何か報復を考えてるのか?」

稲木「川鵜を獲ってその肉をお裾分けしてやった」フフン

提督「あ〜、だから昨日急に午後出掛けたのか」

稲木「ああ。しかし『ありがとう』と言われただけだったな」

提督「まあ鵜来たそならそうだろうなぁ」ニガワライ

稲木「私の自己満足だからいい。ほら、剥けたぞ。口を開けろ」

提督「ありがとう……あ〜」

稲木「ふふ、相変わらず素直だな、提督は……ほら♡」

 

 シャリッ

 

稲木「どうだ、お味の方は?」

提督「もぐもぐもぐもぐ、ごっくん……みずみずしくて美味いよ」

稲木「ソフトボールサイズだから食べごたえも十分だしな……あむ」シャクシャク

提督「あ、俺も食べさせたいのに」

稲木「む、そうか? ではお言葉に甘えて……あ〜」

提督「ほい」つ梨

稲木「シャクッ……ふふっ、甘くて最高だな♡」

提督「梨特有の甘さがいいよな」

稲木「ああ♡」

  (食べさせてもらったことの方がより甘さを増してくれたと思うけどな♡)

 

 〜その後も仲良く梨を食べさせ合い、後片付けを済ませてのんびりすることに〜

 

 ◇縁側◇

 

提督「ん〜、週休二日制になりたい」

稲木「そうなるのはまだまだ先だろうな。戦いが終わらない限り」

提督「だよなぁ。まあいざ休みになっても、特にやりたいこともないんだけどな」

稲木「趣味を見つけるのもいいんじゃないか?」

提督「既に稲木を愛でるのが趣味みたいなもんだしなぁ……」ナデナデ

 

 〜提督はそう言って奥様を膝上に抱え、頭を優しく撫で始める〜

 

稲木「そういうのはいい……////」

提督「俺の唯一の趣味を奪う気か?」

稲木「私の心臓が保たない。提督は知らないだろうが、今頭を撫でられているだけでも胸の鼓動が戦闘している時より早くなっているんだからな?////」

提督「俺のことが好きーって?」

稲木「うるさい////」

提督「相変わらず可愛いな、稲木は」

稲木「むぅ……可愛いと言えば何でも許されると思っているな?」

提督「まさか〜」ニコニコ

稲木「見え透いた嘘を吐くな」

提督「可愛いのは事実」ナデナデ

稲木「全く、仕方のない提督だな……♡」

  (そして喜んでいる私も仕方のない妻だ♡)

 

 こうして夫婦はその後ものんびりと愛を育んだ―――。

 

                  稲木 完




稲木終わりです!

お粗末様でした!

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