某鎮守府、昼下がりーー
◇執務室◇
屋代「提督、屋代のお話、ちゃんと聞いてますか?」
〜屋代は提督を床に正座させてお説教中〜
提督「聞いてる聞いてる。でも日頃執務室にこもりっぱなしってのも良くないと思ってさ」ニコニコ
〜対して提督は反省の色無し〜
屋代「屋代もその意見には賛同しますよ。ですが、執務を放り出して他の皆さんまで巻き込んで追いかけっ子だなんて……いつまで子ども気分なんです?」
提督「少年の心を忘れたくないということだ」キリッ
屋代「終いにはお顔がめり込むくらい単装砲の砲身で殴って差し上げますよ? 屋代、ちっちゃくてもそれなりに力はありますし、遠心力も加算されますから、上の前歯は余裕で粉々に出来る自信があります」ニッコリ
提督「暴力、いくない」
屋代「でしたらもっと反省してください」
提督「いやでもさぁ」
屋代「ほらまた『でも〜』とか『だって〜』とかすぐ口にするんですから。男らしくありませんよ?」
提督「男が『でも』とか言って何で悪いんだ! 俺は男だよ!」
屋代「精神崩壊させましょうか?」
提督「そうなると屋代が献身的に介護を?」
屋代「いえ、そういう方が入られる施設に強制的に収容します。鎮守府は他の提督を着任させますからご安心を」
提督「ひどーい……」
屋代「屋代に提督の介護は面ど……荷が重いですから」
提督「ひどいっ! これだけ愛し合ってる仲なのに!」
屋代「反省しない人を甘やかすと碌なことになりませんので」
提督「あのさ」
屋代「まだ何か?」
提督「この状況でも俺を愛していないと言える?」
〜屋代は提督が正座する太ももに横向きで鎮座している〜
屋代「愛してはいますよ。しかし愛しているからと言って甘やかすのは違います」
提督「屋代たんの髪から柑橘系のいい匂いがしてお説教聞いてる場合じゃないのよね」
屋代「提督のために身嗜みは気を付けてますから。実はコンディショナーを変えたんです。明石さんのところにみかんから作ったコンディショナーがありましたので」
提督「へぇ、いい匂いだなぁ。思わずキスしたくなる」
屋代「反省したらいくらでもしてくれて構いません。しかし反省していないのにした場合は罰を与えます」
提督「どんな?」
屋代「太ももを抓り回します」
提督「抓った上にグリグリと回すとか鬼畜の所業ですやん」
屋代「反省してもらうのが重要課題ですので」
提督「というか、何だかんだ屋代も楽しんでない?」
屋代「あ?」ギロリ←ドスの利いた声
提督「止めてチビる」
屋代「おもらし提督と名付けましょう」
提督「まだチビってねぇしぃ!」
屋代「何でもいいので反省してください」
提督「いやぁ、だからさ……この何つうか、俺が可愛い悪さして屋代がお説教するのって、俺たちだけのコミュニケーションじゃん? だから何だかんだ言って屋代もこの瞬間を楽しんでるんじゃないかっていう」
屋代「提督?」ニコニコ
提督「いやん、とっても素敵な笑顔なのに怖い」ガクブル
屋代「屋代はもっと普通のコミュニケーションを希望します。提督が普通にお仕事をし、それを屋代が労う。そうであれば屋代だって提督を甘やかすことに何も抵抗はありません」
提督「えぇ〜、今この状況が俺たちの普通じゃん」
屋代「屋代は普通が一番かと」
提督「今じゃん」
〜内もも抓り〜
提督「痛いぃぃぃっ!?」
屋代「世間的な普通と屋代たちの普通は違います。そう言いましたよね?」
提督「でも……」
〜内もも抓り抓り〜
提督「いぎゃあぁぁぁっ!?」
屋代「反省する気あります?」
提督「…………ほら俺って天邪鬼じゃん? だから悪さして屋代に叱られるのが好き、みたいな?」
〜内ももダブル抓り〜
提督「千切れちゃう……ちっ切れちゃうよ?」
屋代「その気でやってますから」
提督「ごめんなさいぃぃぃっ!」
屋代「全く困った提督です」ヤレヤレ
提督「でも愛している、と」
屋代「屋代くらいですよ。提督のお嫁さんが務まるのは」
提督「そうだなぁ。屋代愛してる」
屋代「屋代も愛してますよ」
提督「嬉しい! けど、何でまだこっち向いてくれないんだ?」
屋代「まだ罰の最中なので」
提督「え?」
屋代「謝って終わるのではなく、反省して終わるんですよ」
提督「反省したじゃん」
屋代「謝るイコール反省ではありませんので」
提督「我にどうしろと!?」
屋代「ですから反省ですよ、反省」
提督「じゃあずっとこのまま?」
屋代「たまにはいいかもしれませんね。屋代は提督のお側にいれますし、提督はずっと罰を受けることになりますし」
提督「…………執務は?」
屋代「放り出して遊んでた人が何を言っているんです?」
提督「ごめん! 本当にごめん! いや、すみませんでした! 次からは屋代も誘ってサボります!」
屋代「次置き去りにしたらまた同じことをしますから」
提督「分かった。もう勝手に屋代の側を離れない」
屋代「では約束の口付けを♡」
提督「おう!」
屋代「んっ……ちゅっ、んんっ……寂しかったんですからね?」
提督「ごめんごめん……ちゅっ」
屋代「んっ……ふふふ、今回は許してあげます♡」
提督「次からは一緒にサボろうな」
屋代「程々にしてくださいね」
という茶番が鎮守府の日常風景なのであったーー。
屋代 完
屋代終わりです!
お説教なのにほのかな甘さがあるっていう←
これで全艦書き終えましたので、また次に新しく艦娘が実装されるまでお休みします!
pixiv版の方も準備が出来次第あげていきます!
お粗末様でした☆