某鎮守府、夕方―――
◇長官官舎・居間◇
提督「嗚呼、なんて喜ばしいことだ」
倉橋「……////」
〜倉橋はあぐらを掻く提督の足の隙間に向かい合って抱えられ、猫可愛がりされている〜
倉橋「あの、倉橋は当然のことをしただけでして……////」アタフタ
提督「日頃の鍛練の成果だな。嗚呼、本当に私の妻は強く、謙虚で、愛らしい」ナデナデ
倉橋「提督……その、勘弁してください……////」
〜実はこの度、倉橋は近隣の港町から感謝状を贈られ、昼間はその授与式に提督と出席してきたのだ〜
提督「我が国の漁船を、国民を敵潜水艦団から見事に護り、怪我人も出さなかった。その上倉橋は避難が終わる最後まで敵からの攻撃を一手に引き受け続け、無傷で帰還した。いくら褒めても足りないだろう」
倉橋「し、しかし、倉橋一人で成し得たことでは……////」
提督「勿論、今回任務にあたった海上安全巡回艦隊のメンバー全員で成し得たことだろう。それでも私はどうしても倉橋のことを一番誇らしく思えてならない」
倉橋「提督……////」
提督「いいだろう? 今この場には私たちだけしかいないんだ。目一杯褒めさせてくれ。私の最愛の妻を」
倉橋「〜〜〜////」
〜感謝状は任務にあたった艦隊のみんなが受け取ったが、それはそれこれはこれ〜
提督「倉橋。俺の妻。自慢の嫁」ナデナデ
倉橋「うぅっ……♡////」
提督「小さくとも誰よりも強い。我が鎮守府の小さき守護神。愛しているよ。心から」
倉橋「きゅ〜……////」
パタリ
〜倉橋はキャパオーバーで気絶してしまった。それでもその顔はとろとろに蕩け切っており、提督はそんな妻が愛おしくて仕方なかった〜
―――――――――
次の日の朝―――
トントントン
倉橋「…………?」パチリ
〜倉橋は包丁で何かを規則正しく刻む音で目を覚ます〜
倉橋「はっ!?」
〜日課である愛する夫への朝食作り。なのに隣に提督がいないことで倉橋は飛び起きた〜
◇台所◇
倉橋「申し訳ありません、提督!」
提督「おや、おはよう。私の天使さん」
倉橋「お、おはよう、ございましゅ……天使だなんて……////」テレリテレリ
提督「昨日は中途半端に甘やかしてしまったからね。今日はとことん甘やかさせてもらうよ?」ニッコリ
倉橋「ひぇ……♡////」
〜提督の大きな愛に倉橋は思わず背筋がゾクゾクする〜
提督「さあお顔を洗って、身支度を整えておいで。そのままでも十分可愛らしいけれど」ニコニコ
倉橋「〜〜〜♡////」モジモジ
提督「? 何なら着替えも歯磨きもしてあげようか?」
倉橋「け、結構でしゅ〜!////」
バビューン
提督「私の妻が可愛過ぎる……八百万の神々よ、感謝申し上げます」
◇居間◇
提督「あーん」
倉橋「…………////」
提督「あーん」
倉橋「あ〜……んっ////」モグモグ
提督「お味はどうかな?」
倉橋「美味しいでしゅ////」
提督「うんうん。倉橋が美味しいと感じるよう、愛を沢山込めたからね」
倉橋「ぅゅ……////」
提督「ほら次はお味噌汁だよ? 口移ししてあげるね」
倉橋「ぴっ!?♡////」ドキッ
提督「んっ」
倉橋「んぅ♡////」
〜本当に口移しをされ、倉橋は思わず眼がとろんとしてしまう〜
提督「……そんな顔をされると困るよ」ナデナデ
倉橋「提督のせいでしゅ……♡////」
提督「倉橋が可愛いからね仕方ないね」
倉橋「うぅ〜っ♡////」
提督「さあもっと甘やかすからな」
倉橋「勘弁してください……♡////」
提督「嬉しいって顔してるんだけどな?」
倉橋「〜〜〜♡////」
その日だけで倉橋は何度も声にならない声を上げ、提督の愛を思い知らされた―――。
倉橋 完
倉橋終わりです!
やっぱり真面目な子は照れさせるのが一番かと!
お粗末様でした!