某鎮守府、昼ーー
◇執務室◇
提督「昼飯にするぞ、松」
松「待ってました! 今日は何ですか!?」ワクワク
提督「今日はなんと」
松「なんと?」
提督「牛フィレ肉のステーキだこらぁぁぁぁぁっ!」
松「えぇぇぇぇぇ!」
松「って、牛フィレ肉って何ですか?」クビカシゲ
提督「そこからかよ!」
松「だ、だってぇ知らないんだもん。仕方ないじゃなぁい……」ユビツンツン
提督「牛のフィレってのはだな」
松「フィレとは?」
提督「すごく美味しい肉だ!」
松「お肉ってどこでも美味しくないですか?」
提督「ちっちっちっ。違うんだなぁ、これが」
松「?????」
〜提督、松の前にドドンとフィレステーキを見せつける〜
提督「このフィレってのはそこそこ珍しい肉なんだ。赤身であっさり。なのに柔らかくてご飯が進む進む!」
松「ゴクリ」
提督「まあ味見ってことで一切れ食ってみ。あーん」
松「あ〜、む……ん〜!」
〜松、美味し過ぎてその場でぴょんぴょんする〜
松「美味しい! 何これすっごく美味しいわ!」
提督「だろう? 松に食べさせたくて知り合いの肉屋に頼んでおいたんだ」
松「んもう、提督大好きー!♡」ムギュー
提督「ふっ、言われなくても分かってるさ。松の胃袋はもう俺の手料理無しじゃいられないからな!」ドヤァ
松「えへへ、確かに。でも提督の手料理が美味しいだけじゃなくて、ちゃんと松のことを思って作ってくれるから好きなんだからね?♡」
提督「分かってる」
松「えへへぇ♡」ニコニコ
〜ということで、夫婦は美味しい昼食を過ごした〜
昼下がりーー
提督「む、もう三時になるな」
松「おやつだっ!」ガタッ
提督「待て」
松「はい」ピシッ
提督「今日のおやつは」
松「今日のおやつは?」
提督「ウォースパイト直伝の英国キャロットケーキだぁぁぁぁぁ!」
松「キャロットケーキぃぃぃぃぃっ!?」
松「人参のケーキって美味しいんですか?」
提督「まあ確かに人参ケーキと言われたら、馴染みがないとそれって合うの?って思うよな」
松「」コクコク
提督「でも不思議なことに美味しいんだなぁこれが!」
松「おぉ!」キラキラ
提督「しかも人参だから普通のケーキより比較的ヘルシー!」
松「おぉー!」キラキラキラキラ
〜キャロットケーキ御開帳〜
提督「どうだ、美味そうだろ? 今回はシナモンを使ってみた」
松「ふわぁ、美味しそう……」ジュルリ
提督「そうだろうそうだろう。好きなだけ食べていいからな。俺は今これに合うミルクティーを淹れてくるから」
松「待ちます! 食べるなら一緒がいいですから!」
提督「可愛い奴め」
松「にへへ……」テレリ
〜それから〜
提督「どうだ、美味いか?」
松「はいっ、と〜っても!」ニパァ
提督「そりゃあ良かった。はい、あーん」
松「あむっ……ん〜♪」モキュモキュ
〜松、提督の膝上(定位置)で雛鳥の如く食べさせてもらっている〜
松「あの、提督……」
提督「ん?」
松「さっきから松にばかり食べさせてますけど、提督は食べないんですか?」
提督「あ、忘れてた」
松「え〜、何ですかそれ〜」
提督「だって松に食べさせるのは俺の生き甲斐だからなぁ。食べ物運ぶとお口開けて待ってて可愛いし、頬を手で押さえて『ん〜♪』ってなってるの可愛いし、次が欲しくて何も言わなくてもお口開けちゃうのも可愛いし」
松「あぅ……だぁってぇ……」モジモジ
提督「何をしてても松は可愛いなぁ」ナデナデ
松「ぴぇ……♡」
提督「ほらたんとお食べ」
松「あ〜むっ♡」
〜こうして時間は過ぎていく〜
夜ーー
松「提督、本日もお疲れ様でした!」
提督「お疲れ。明日もよろしくな」
松「はいっ!」
提督「ってことで晩飯だ!」
松「よっるごっはん♪ よっるごっはん♪」ルンルン
◇長官官舎◇
提督「さぁ、今晩の晩飯は何か!?」
松「何ですか〜!?」ワクワク
提督「それはだな」ナデナデ
松「それは!?」
〜お鍋の蓋オープン〜
提督「余った牛フィレで作った肉じゃがだぁぁぁぁぁ!」
松「きゃあっ、美味しそう!」
提督「好きなだけおかわりしていいぞ」
松「わーいわーい♪」
松「いつも美味しい手料理を食べさせてくれてありがと♡ 松、提督とケッコン出来て毎日幸せっ♡」チュッ
提督「俺はしたいことをしてるだけだ。俺こそ毎日愛する人の世話を焼けて幸せだ」チュッ
松「えへっ、本当なら立場逆なのにぃ」スリスリ
提督「いいじゃないかそんなの。これが俺たちの関係なんだから」
松「うんっ♡」
〜そして〜
提督「はい、あーん」
松「あ〜、む……ん〜、お肉とろとろぉ」
提督「執務の合間に執務室から近い簡易厨房で仕込んで、長時間煮込んでおいたからな」
松「提督って本当に何でも出来ちゃうから困っちゃうわ」ニガワライ
提督「こうして好きな人の世話をするのが夢だったからなぁ。提督になってみんなに手料理を振る舞うことは多くなったが、やっぱり愛する人にだけ作る料理ってのは作ってるだけで幸せなんだよ」
提督「だからこれからも俺の料理をたくさん食べてくれ」
松「っ……はぁい♡」
松(はぁ、こんなに幸せなの想像してなかったわ。本当に提督とケッコン出来たことは幸運だわ!♡)
松「提督♡」
提督「ん?」
松「愛してるっ♡ ううん、愛してるなんて言葉じゃ足りないくらい、いっぱいいっぱいい〜〜〜っぱい!♡」
〜松、提督にむぎゅっと抱きつく〜
松「えへっ、提督が嫌って言ってももう絶対に離れてあげないんだからっ♡」
提督「そうか」ニコリ
ーー
〜しかし松はそれから己の発言に後悔した〜
松「て、提督ぅ、流石にお風呂は一緒じゃなくても……」
提督「何を言う。離れないんだろ? 大丈夫。優しく全身隅々まで綺麗にしてあげるよ」ニコニコ
松「確かにそう言ったけどぉ〜」
提督「幸せだなぁ」
松「幸せだけどぉ」
提督「さぁ、俺に全て委ねて。たくさん愛情を込めて世話させてもらう」
松「ぴぇ……♡」
こうして松はもう提督がいないと満足出来ない身体になったとか。
しかしそれも提督の松へ対する愛故ーー。
松 完
松終わりです!
フレンドリーで犬っぽかったので甘やかされるシチュにしました!
お粗末様でした!