某鎮守府、朝ーー
◇食堂◇
春雨「そんな、いけません! そんなことをしたら司令官が!」
提督「俺のことはいいんだよ。春雨や皆の健康管理も俺の仕事のうちだ」
春雨「それを言うなら春雨は秘書艦でお嫁さんです! 大切な司令官の健康管理は私の担当です!」
提督「それでは春雨が……いつも執務室で仕事ばかりの俺より、いつも前線に赴いている春雨の方が辛いだろう?」
春雨「それが私達の使命ですから! それに愛する司令官が倒れちゃったりしたら艦隊が……春雨はどうしたらいいか……」ポロポロ
提督「な、泣くな……分かった、じゃあこうしようーー」
/ヤイノワイノ!!\
五月雨「またやってる……」アワワ
夕立「ね〜、提督さん達またやってるっぽい」ハムハム
時雨「まぁいつも通りだね」クスクス
村雨「今日は玉子焼きの最後の一個をどっちが食べるかで口論してるわね〜」モグモグ
白露「昨日は最後の唐揚げで口論してたよね〜」パクパク
涼風「白玉ぜんざいの最後の白玉でも口論になってた」ヤレヤレ
海風「互いに思い遣るからこそ毎回ああなるのよね」ハァ
江風「ンでもって最終的にはーー」
提督「ーーこれなら二人で食べられるな」ニカッ
春雨「はい♡ 仲良く半分こ、です♡」ニパッ
/イチャイチャラブラブ\
江風「ーー結局お二人仲良く半分ずつ食べるってなるンだよな〜」パクパク
海風「結局毎回ああなるのがオチなんだから最初から半分にしようってならないのかしら」ニガワライ
村雨「寧ろ大皿で頼まないで小皿で頼めばいいのにね〜」ニガワライ
時雨「あのやり取りも二人にとっては必要な戯れなんだよ、きっと」フフフ
夕立「やっぱり二人は仲良しっぽい〜♪」モグモグ
白露「夫婦だからこそご飯のおかずまでも同じお皿の物を食べたいんだね〜」
五月雨「その内全部食べさせ合うんじゃ……」
涼風「みなまで言うな。フラグが立つ」
春雨「美味しいですね、司令官♡」
提督「そうだな♪」
〜夫婦仲良く最後のおかずを食べさせ合う〜
姉妹達『(今があれじゃ、いつか絶対全部を食べさせ合うよね、アレ……)』←確信
春雨「〜♡」
提督「〜♪」
〜そして夫婦はお仕事へ〜
◇執務室◇
春雨「司令官! これくらいは春雨がやりますから、司令官は次のお仕事に!」
提督「いや、ここは俺が。春雨はさっき工廠へ行ってきて、今帰ってきたばかりじゃないか」
春雨「これは秘書艦である春雨のお仕事です!」
提督「いやでもこれくらいは俺がやった方が……全ての雑務を愛する嫁にさせるのは気が引ける」コマリガオ
春雨「そんな困った顔をしないでください……分かりました。ならこうしましょうーー」
/ワイノヤイノ!!\
長良「」ニガワライ
由良「」クスクス
那珂「またやってるね〜♪」キャハ
長良「遠征の報告書を提出しに来ただけなんだけどね〜」
那珂「いつもどっちが報告書をファイリングするかで揉めちゃうよね〜♪」
由良「しかもどっちの主張も相手を思い遣ってるのよね〜」フフッ
那珂「そして最後にはーー」
春雨「ーーこうしてやれば二人で出来ますね♡」ニコニコ
提督「そうだな♪」
/アハハ! エヘヘ!\
那珂「ーー二人で一緒にファイリング作業になっちゃうんだよね〜♪」
長良「効率を考えるとあっちの方が悪いけどね」ニガワライ
由良「夫婦で流れ作業じゃなくて共同作業だからね」クスッ
長良「結局こうなるなら最初から一緒にやればいいのにね」
由良「そこはほら、お約束ってことで♪」
那珂「思い遣り口論があってこその二人だからね〜♪ その内提督が春雨ちゃんを膝に乗せて全部作業するんじゃない?」キャハ
長良「なりそう……」
由良「そうかもね♪」
提督「ここを抑えて」
春雨「ここを止めて」
提・春『出来上がり〜♪』
〜春雨は提督の膝の上に座っている〜
長良「まぁ仲悪いよりは、ね」
由良「そうそう、それにあれでこその二人だから」
那珂「あっま〜い♪」
春雨「〜♡」スリスリ
提督「〜♪」ナデナデ
そして時は流れ夕暮れーー
◇執務室◇
提督「よし、今日の仕事終わり!」
春雨「お疲れ様でした♡」ニコッ
提督「さて、夕飯の買い物しつつ帰るか〜」ノビー
春雨「はい♡」
〜戸締まりをして夫婦は帰宅〜
◇自宅近くのスーパー◇
春雨「今日は何が食べたいですか?」
提督「まずはぐるっと回って、それから決めよう」ヒダリウデスッ
春雨「はい♡」ウデギュッ
ーー。
春雨「牛挽肉が安いですね〜」
提督「卵もお一人様一パックで百円だな」
春雨「牛挽肉……卵……お家には玉ねぎも残ってましたし、フーカデンビーフでも作りましょうか?」
提督「お〜! いいなそれ!」
春雨「由良さん直伝なので自信あるんですよ♡」エッヘン
提督「春雨の料理はどれも美味いから大丈夫さ」ナデナデ
春雨「嬉しいです〜♡」ゴロゴロ
〜お会計を済ませ、袋詰め〜
春雨「エコバッグ、エコバッグ……」スチャ
提督「今日はそんなに買わなかったし、一つで済みそうだな」
春雨「はい♪ 軽いので私が持ちます♪」
提督「いや、軽いからこそ俺が」
春雨「愛しの司令官に荷物を持たせるなんてダメですぅ!」
提督「ん〜、愛しの春雨に荷物を持たせるのは悪い気が……」
春雨「じゃあ……♡」チラッ
提督「そうだな♪」ウインク
〜夫婦はバッグの持ち手を片っぽずつ持つ〜
提督「これなら……」
春雨「一緒に持てますね♡」
こうして夫婦は軽い荷物を互いに仲良く運び、夕暮れに照らされ笑顔で帰宅したーー。
春雨 完
春雨終わりです!
春雨ちゃんは健気で献身的、しかし一歩も引かないイメージがあるので、互いに思い遣り過ぎる夫婦にしました!
此度もお粗末様でした!