お待たせしました!
某鎮守府、昼前―――
◇食堂◇
ざわざわ……ざわざわ……
子日「せいしくに!」
初春「これ、静粛に、じゃ」
子日「あ、そっか! 静粛にー!」
〜ほんわか空間〜
子日「これより提督夫婦によるシュガーテロの裁判を行います」
有明「検察側。準備出来てるぜ」
子日「弁護側の準備はいいですか?」
白露「……帰りたい」
時雨「弁護側、いつでも大丈夫です」
子日「白露ちゃん、帰りたがってるけど?」
時雨「いつもの発作だから大丈夫だよ♪」
白露「ねぇ、なんで時雨はそんなにノリノリなの?」
時雨「面白そうだから!」キリッ
白露「……お姉ちゃんは悲しい」
子日「問題ないってことで! では被告人を呼んでください!」
〜夕暮を提督がお姫様抱っこした状態で、若葉と初霜に誘導されて入廷〜
子日「わぁ、相変わらず仲良しー♪」
初春「いつものことじゃな」
有明「えぇ、まずお二人の朝のルーティンをお聞かせください」
提督「朝起きたら隣で眠る妻にキスをします」
夕暮「旦那様にキスで起こして頂き、お互いのおお召替えをし合い、朝の身だしなみを整えます」
提督「そうしたら二人で朝食を作り、食べさせ合います」
夕暮「食べ終わったら一緒に洗い物をし、腕を組んで執務室へ向かいます」
有明「みんな聞いたな? もう朝からシュガーをばら撒いていることがよく分かったはずだ。迷惑だよなぁ!?」
シーーーン
時雨「迷惑じゃないってさ」
有明「んだとぉ!?」
時雨「だってそうじゃないか。そもそもこの裁判だって君が無理矢理始めたことだろう? ただ単に妹を提督に取られ、嫉妬した。それだけのことさ」
有明「時雨、お前なら分かるはずだ!」
時雨「何が?」
有明「既に傍聴席にいる何人かがエチケットバケツに砂糖を吐いている!」
時雨「それは単に耐性の問題だよ。ほら、見てごらん?」
有明「ん?」
提督「夕暮、どんな判決がくだされようと、俺は死ぬまで君を愛しているよ」
夕暮「わたくしも同じ気持ちです、旦那様♡」
時雨「何しようと夫婦は二人だけの世界で生きている。有明、もうスルーするか、このクソ甘空間を一種のドラマや何かだと思って楽しむ方が有意義じゃないかな?」
有明「諦めんなよ!」
時雨「時には諦めも肝心だよ」
有明「裁判長!」
子日「あ、はーい」
有明「有罪にして暫くアイツらが一緒に過ごせないようにしてくれ!」
子日「夫婦なのに?」
有明「毎日毎日夕暮から惚気けられるのはうんざりなんだ!」
子日「でも神様に愛し合うことを誓って、実行してるんだから何も悪いことしてないよ? 神様に有罪判決出すのと同じになっちゃうよ?」
有明「マジレスすんなよ! お前普段はアホの子だろ!」
初春「そもそもこんな茶番、あのうつけ夫婦に何も意味などない。ほれ、見てみぃ?」
有明「?」
提督「夕暮、今夜は月見酒なんてどうかな?」
夕暮「まあまあまあ♡ いいですねぇ♡」
提督「あ、でも……」
夕暮「何か?」
提督「月よりも綺麗な君を見ている方がいいと思うんだ」
夕暮「旦那様♡」
〜抱き合う夫婦に熱狂する傍聴席〜
有明「うぇっぷ」
若葉「どうせこうなるからやめとけばよかったんだ」ヤレヤレ
初霜「これに懲りたらもうこんなことしない方がいいよ?」
有明「でももう少し節度守ってほしい」
若葉「イチャイチャくらい流せ」
初霜「一度受け入れたら楽よ?」
有明「ダメだ。あたしだけでもあのクソ甘夫婦を注意しねぇと……」
若葉「難儀な奴だ」
子日「無罪ってことでいいよね?」
初春「他にないじゃろうて」ヤレヤレ
時雨「ほら、白露帰ろ?」
白露「麻婆豆腐食べて帰る」
◇執務室◇
提督「結局、有明は何がしたかったんだろうな?」
夕暮「さぁ? 多分構って欲しかったのではないでしょうか?」
提督「ああ、確かにそうかも。夕暮といるのが当たり前になってたからな。今夜の月見酒は有明も呼ぼうか」
夕暮「いいですね!」
提督「なら早速約束してくるか」
夕暮「はい!」
〜提督は当然のように夕暮をお姫様抱っこする〜
夕暮「うふふ、こうすると旦那様のお顔が近くて幸せです♡」
提督「はは、俺もだよ」
夕暮「頬に口づけしても?♡」
提督「お好きにどうぞ。俺は拒まない」
夕暮「では失礼して……んっ♡」
提督「くすぐったいな」
夕暮「我慢してくださいませ♡ んっ、んっ、んーっまっ♡」
提督「あはは」
夕暮「うふふ♡」
こんな状態で有明に月見酒の約束をした夫婦は当然有明から怒号と共に参加する旨をもらうのだった―――。
夕暮 完
夕暮ちゃん終わりです!
久々だから甘さ控えめかも?
お粗末様でしたー!