奥様は艦娘! 艦これSS   作:室賀小史郎

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駆逐艦薄雲がお嫁さん。


薄雲とケッコンしました。

 

 某鎮守府、昼下がりーー

 

 ◇執務室◇

 

吹雪「薄雲、それで相談って言うのは?」

白雪「気兼ねなく何でも言って」

初雪「そーそー」

深雪「姉妹なんだからさ!」

叢雲「と言ってもどうせ司令官絡みでしょ?」

磯波「薄雲ちゃん、提督のこと大好きだもんね」

浦波「司令官とケンカでもしちゃったんですか?」

 

薄雲「そういう訳じゃないの」

提督「そうだ。俺たちはいつでも仲良しだ」ドヤァ

 

 〜薄雲、提督に膝の上に乗せられた上で後ろから抱きしめられ中〜

 

深雪「だよな〜。ケンカじゃねぇよなぁ」

浦波「そっか〜」

磯波「仮にケンカしてても一緒にいるけどねぇ」クスッ

 

薄雲「…………それは提督が私を離してくださらないからで////」

提督「ケンカしてようが離すもんか。ケンカしてても愛してる」ホッペチュッチュッ

薄雲「♡////」

 

姉妹『…………』カワイタエミ

 

吹雪「こほん。お姉ちゃん本題に戻ってほしいな」

 

薄雲「あ、はい。それでご相談なんですが、提督が離れてくださらなくて……どうしたらいいですか?」

提督「」ホッペチュッチュッ

 

 〜シーンと静まる執務室〜

 

薄雲「あ、あの! 本当に真剣にご相談してるんです! 提督は私が任務以外は私の側を離れようとしなくて、このままじゃ私危険が危ないと思うんです!」

 

 〜テンパり過ぎて意味不明の言葉まで飛び出す奥様〜

 

初雪「等と言っております」

吹雪「なるほど、ではこれにて解散」

 

 〜吹雪たちは席を立つ〜

 

薄雲「ま、待ってください! 私、本当に悩んでいるんです!」

提督「あぁ、可哀想な薄雲。でも可愛い」ホッペチュッチュッ

 

叢雲「ん〜、無理じゃない?」

白雪「そうだね」

深雪「そもそも薄雲の自業自得なのもあるからなぁ、司令官の溺愛っぷりは」

 

薄雲「私のせいですか!?」ガーン

 

磯波「私も人のこと言えないけど、薄雲ちゃんとてもネガティブだもん」

浦波「ですねぇ。ケッコンする前はいつも私たちに

 

『提督、ちゃんと私のこと覚えてくれたかな?』

『提督のお役にちゃんと立ててるかな?』

『提督って素敵だから、私が秘書艦なんかやってたら周りから変に見られちゃわないかな?』

 

   って言ってましたから」

吹雪「だから私が姉として司令官にそのままをご報告したら、こうなったの。いいことだったでしょ? 不安は解消したし、大好きな司令官からは余計に愛されるしで」

 

提督「その節は世話になったな吹雪。お礼に間宮券を渡したが無くなったらいつでも言え。姉妹分用意してやる」

 

吹雪「あ、じゃあ今度は伊良湖券もセットで」

 

提督「お安い御用だ」キリッ

 

吹雪「てな訳で問題無し!」

 

薄雲「問題有りまくりですよぉ! このままじゃ前の生活に戻れないです!」

 

初雪「前の生活とは?」

 

薄雲「ですから、こんなに極端な愛され方をする前です。私としては前くらいが良かったかと……」

 

初雪「等と意味不明な供述をしています」

叢雲「確かに意味不明よね」

白雪「前は前で薄雲がヘラってたからねぇ」

 

提督「すぐに不安になる薄雲もそれはそれで良かった。しかし男なら不安すら掻き消す愛を送らないといけないと思ったまでだ」ナデナデホッペチュッチュッ

薄雲「〜♡////」

 

 〜薄雲、何だかんだニヤケ顔をしている〜

 

吹雪「とにかく、相談は相談じゃなかったマル」

白雪「愛されることに慣れてないだけって感じかな」

初雪「そして慣れて更なる甘みへ」サムズアップ

深雪「幸せでいいな、お前」

叢雲「甘んじて受け入れなさいな。艦隊のみんなもあんたたちの立ち振る舞いがまたいきなり変わったら、それこそ足並みが乱れるもの」

磯波「妖精さんたちも心配しちゃうもんね」

浦波「シーツをクリーニングに出さない日があるだけで妖精さんたち心配するもんね」

 

 〜ということで、相談会は終わって吹雪たちは執務室を去って行った〜

 

薄雲「はぁ……」ガックリ

提督「どうしたんだい、俺の薄雲。まだ俺の愛が足りない?」

薄雲「そうじゃないですぅ」

提督「ならどうしたというんだ?」

薄雲「愛され方に困惑してるんですぅ」

提督「受け入れればいいんだよ!」

薄雲「無理だから言ってるんですっ!」

 

 〜とは言いつつ、提督の膝から逃げようとしない奥様〜

 

提督「だったら今のこの状況は?」

薄雲「……知りません」プイッ

提督「逃げないって時点で薄雲はもう俺の愛に満足しているということだ」

薄雲「うぅ……」

提督「何が不満なんだ?」

薄雲「……私たちは寿命が圧倒的に違うからです。もし提督がいなくなってしまったら、私はどうやって生きていけばいいのですか?」

提督「…………」

薄雲「こんなにも愛してもらえて幸せです。でもこの幸せは永遠じゃない……ですから、あまり過度なことはしないでください」

提督「無理だな」

薄雲「どうしてっ!?」

 

 〜提督、薄雲の目を真っ直ぐに見つめる〜

 

提督「……俺が死んだあとも、薄雲に忘れられない男でいたいから」

薄雲「私が提督を忘れるだなんて……」

提督「忘れなくても、どうしても薄れてはいくだろ。でも俺はそれすらも嫌だ。そのために俺は毎日毎日薄雲からも周りからも何と言われようとイチャイチャする」

薄雲「そんな……」

 

提督「薄雲がいつも忘れないでいて欲しいと願うように、俺も薄雲に忘れないでいてもらいたい。だったら生きてる間中、濃い時間を共有すればいいだけのことさ」

薄雲「……本気なのですね?」

提督「指輪を贈ると決めた時点で俺は本気だったぞ?」

薄雲「では何故急にこんなにも接し方を変えられたのでしょうか?」

提督「んなの薄雲がいつまで経っても変わらなかったからだ。だったら今まで以上にイチャイチャしないと」

薄雲「そう、なのですね……」

提督「そうそう。確かに急ではあったかもしれないが、薄雲だって嫌じゃないから強く拒否してこないんだろ?」

薄雲「……はい」

 

 〜奥様、陥落〜

 

提督「素直でよろしい。ならもうこんな話は終わりだ。せっかく時間が空いてんだからイチャイチャしよう」ホッペツンツン

薄雲「あんっ、ほっぺつんつんしないでくださいっ」

提督「どうして?」

薄雲「……嬉しくなってしまいますので……////」ウツムキ

提督「可愛いから拒否する」ツンツンツンツン

薄雲「きゃあっ、もう提督ぅ、やめてくださいぃ♡」

 

 こうして夫婦は散々イチャイチャし、その戯れの声は執務室の外まで聞こえ、執務室の前を通る者たちに砂糖を吐かせたーー。

 

 

                  薄雲 完




薄雲終わりです!

ネガティブな子を目一杯愛でたらバカッポーになった件。

お粗末様でした☆

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