ゴトランドとケッコンしました。
某鎮守府、昼下がりーー
◇中庭◇
ゴトランド「はぁ……」
〜ゴトランド、ベンチに腰掛けため息を吐く〜
ゴトランド「…………」ズーン
ガングート「何を一人で辛気臭い顔をしているんだ、お前は?」
タシュ「何か悩み事?」
ゴトランド「ガングートにタシュケント……
ドカッ←ガングートが隣に座る
ガングート「何もないような顔をしてないから聞いてるんだ。さっさと吐け」
ゴトランド「相変わらず図々しいわね……」
タシュ「なはは、まぁこれでもガングートは君を心配してるのさ。あたしもガングートに言われるまでは気づかなかったからね」
ガングート「余計なことを言うな」フンッ
ゴトランド「…………」ニガワライ
ガングート「それで、何があったんだ? 北欧出身だからと迫害でも受けているのか?」
ゴトランド「そんなことある訳ないでしょ」
タシュ「そうだよガングート。まぁ、同志提督と唯一ケッコンしてるってことでイジられてる場合は仕方ないけどね」ニッ
ゴトランド「そ、それはもう落ち着いたわ……というか、提督がいい人過ぎてみんなに好かれ過ぎてるのよ! 金剛とか榛名とか大和とかイタリアとかリシュリューとか……みんなみんな二言目には『提督とのケッコン生活はどう?』って訊いてくるんだもん!」
ガングート「さらりと惚気おって……」
タシュ「まぁ、みんな気になるものさ。同志提督は君には特別な愛情を注いでいるしね」
ゴトランド「ま、まぁ、それは……身に沁みて分かってるけど……////」デレデレ
ガングート「悩みなのか、それともただ単に惚気話を話したいだけなのか……」ヤレヤレ
ゴトランド「そ、そんなんじゃないわよぅ……」
タシュ「でも提督絡みってことは分かった。それで、同志提督と何かあったのかい?」
ゴトランド「…………」
ガングート「我々は口は固い。言い難いことでも聞き流してやる。だからさっさと吐け」
ゴトランド「……あのねーー」
ガン・タシュ『…………』ウンウン
ゴトランド「ーー提督とケッコンして半年以上経つけど、私って提督の奥さんらしいこと全くしてないのよ」
ガングート「そうか」
タシュ「自分で何か出来ることを探してやったらいいんじゃないかな?」
ゴトランド「それがね、あの人ったら完璧過ぎて家事も何も私の出る幕じゃないの……」
ガングート「至れり尽くせりってことで良いではないか」
ゴトランド「貴女はそれでいいかもしれないけど、私は嫌なの。それに家事は夫婦でするのがスウェーデン式だもの」
タシュ「まぁ、ここは日本だからね。それに同志提督は欠点を探す方が難しいよ」ニガワライ
ゴトランド「そうなのよ! 微笑んでくれるだけでも素敵なのに、お料理の腕は最高で私をいつもお姫様扱いしてくれて軍略は見事で部下にも優しくて完璧過ぎなのよ!」テシテシ
ガングート「文句なのか惚気なのかどっちなんだ……それと私の太ももを叩くな」ペシッ
ゴトランド「あたっ……ンンッ、とにかく、私も愛する提督に何か愛をお返ししたいの! でもそれが見つからなくて辛いの!」
タシュ「愛のお返し、ね……」
ガングート「赤子がへそでロシアンティーを飲むくらい馬鹿馬鹿しい。んなことで悩むとは……」
タシュ(ことわざが色々とごっちゃになってて、カオスな言葉になってるよ……)
ゴトランド「そんな言い方……」
ガングート「事実だからな。そもそも完璧なんて無い。完璧だと思っていた我が祖国ソ連が崩壊したように、必ずや誰しも欠点があるんだ」
ゴトランド「…………」
ガングート「それにロシアの思想家ドストエフスキーはこう言ってる……『女こそ男を完成させる唯一のものである』と。
ゴトランド「意味分かんない」
ガングート「お前は良くあいつのことを褒めるだろ?」
ゴトランド「えぇ。だって本当にそう思うから凄いわとか素敵だって伝えてるのよ?」
ガングート「つまりそういうことだ」
ゴトランド「???」クビカシゲ
タシュ「まぁ、なんて言うか、君が純粋に同志提督を褒めるから、彼は君にまた褒めてもらいたくて頑張ってるんだってことだよ。つまり君はもう同志提督に愛を送り、その愛に彼は応えてるんだ」
ガングート「駆逐艦にそうやって説明されないと気がつかんとは、嘆かわしい」
ゴトランド「うるさいわね……でもなんとなくモヤモヤは解消された気がするわ、
〜そしてゴトランドは二人と別れ、足取り軽く執務室へ……提督の元へ戻った〜
その日の夜ーー
◇夫婦で過ごす長官官舎◇
〜ディナータイム〜
提督「どうかな、僕なりに考えてスウェーデン料理を作ってみたんだけど……?」
ゴトランド「どれも美味しい! 特にこのPyttipannaとJanssons frestelseはお店開けるレベルよ!」キラキラ
提督「良かった……ゴトランドのその笑顔が見れただけで、僕は幸せだよ」ニコニコ
ゴトランド「っ♡」キュン
提督「ゴトランド?」
ゴトランド「……私もすっごく幸せ♡」
提督「うん! 明日もまた美味しいご飯をゴトランドのために作るね!」ニコッ
ゴトランド「っ!?♡」キュンキュン
提督「ゴトランドの笑顔は最高だ……そんな君と毎日過ごせる僕は世界で一番幸せな男だよ」
ゴトランド「私だって提督の愛がいっぱい入ってる料理を独り占め出来て、世界一幸せよ♡」
提督「愛してるよ、ゴトランド」ギュッ
ゴトランド「
その後も夫婦は相変わらず他を寄せつけないほどラブラブにイチャイチャして鎮守府へ砂糖を振り撒くのであったーー。
ゴトランド 完
ゴトランド終わりです!
艦これ初のスウェーデン艦娘のゴトランドさん。
スウェーデンは恋愛大国であり、結婚するカップルは多く、どっかのサイトではスウェーデンの離婚率は50%近いなんてのもありました^^;
スウェーデン人はシャイであまり社交的ではないという日本人と少し近い性格の人が多いですが、親しい間柄になるとスキンシップが激しいとか。
愛の伝え方も独特で
IKEAに行くけど一緒に行かない?
二人で洗濯する時間もう決めたから
↑はスウェーデンで言うと「愛してる」に当てはまるそうです。
日本語だと不思議に感じるかもですがこれもお国柄ということで、本編ではストレートな言い方であるものを書きました。
本編に出したスウェーデン料理はピッティパンナとヤンソンの誘惑です。
ピッティパンナはスウェーデンの家庭料理で冷蔵庫に残った食材を無駄なく使える料理。
ジャガイモや玉ねぎ、牛や豚などの肉や場合によっては魚などを塩胡椒で簡単に味付けをしたシンプルな炒め物で、日本での野菜炒めに近いもの。
ヤンソンの誘惑はスウェーデンの伝統料理。アンチョビと玉ねぎを使ったポテトグラタン。
スウェーデンの定番おもてなし料理で、特にクリスマスの時には欠かせない人気メニューらしいです。
とまあ、あげたら切がないので気になった方はこれを期にスウェーデンの文化を調べてみるのも面白いかと!
お粗末様でした!