奥様は艦娘! 艦これSS   作:室賀小史郎

10 / 324
戦艦陸奥がお嫁さん。

若干のシリアス含みます。


陸奥とケッコンしました。

 

 某海域、昼下がりーー

 

 〜艦隊、演習より帰投中〜

 

長門「久し振りの敵戦艦との殴り合い、胸が熱くなったな」ハッハッハッ

伊勢「長門は突出し過ぎだったわよ。私達のフォローが無かったら無傷では済まなかったはずよ。演習だったから良かったけど……」

日向「陸奥も良くフォローしていたがな。もう少し周りも見て戦ってくれ」

扶桑「今回のことを次に活かせば良いかと。取り敢えずは帰ってゆっくりしたいですね」ニコッ

山城「長門がもう少し考えて動いてくれていれば、姉様も私も変に被弾すること無かったのに……」フコウダワ

陸奥「」

 

長門「わ、悪かった……その点はちゃんと反省しているから勘弁してくれ」アセアセ

伊勢「この前の演習の帰りも出撃の帰りもそう言ってたけど?」ジトー

山城「連合艦隊旗艦を務めた経験があると周りのことは無視してもいいんですね分かります」

長門「だ、だから悪かったって!」アワワ

 

 /ギャースギャース\

 

陸奥「」ハァ

 

 〜陸奥は第三砲塔を撫でやり、ため息を吐く〜

 

日向「おい、まだこの前の出来事を気にしてるのか?」

陸奥「日向……」

扶桑「気にしてしまうのも分かるけど、あれは不慮の事故よ。幸い提督のお怪我も軽かったし」

陸奥「でも……」

  (私の不幸が提督に降りかかったせいで……)

 

 

 ◆回想◆

 

 ドーーーン!

 

陸奥『爆発!?』

長門『方角からして工廠だ!』

陸奥『っ!? 今提督は工廠に行ってるの!』

長門『なんだと!?』

 

 〜二人は急いで工廠へ〜

 

 

 ◆工廠◆

 

 〜工廠前では既に多数の艦娘達が消火活動をしていた〜

 

長門『状況は!?』

大和『逃げて来た妖精さん達によると突然艤装が爆発を起こしたそうなの!』

陸奥『提督は!? 提督は無事なの!?』

武蔵『顔と右手に軽い火傷を負ったくらいだ。今は他に怪我をした妖精達と共に医務室に運ばれている』

陸奥『そう……良かった……』

長門『では後は火を消すだけだな! 皆で手分けして鎮火するんだ!』

 

 〜そして数時間後に火は消え、爆発の原因を見つけた〜

 

長門『これは……』

陸奥『私の艤装……』

大和『陸奥……』

武蔵『姉さん、今はそっとしておいてやれ』

 

陸奥『う、うぅ……うわああああああぁぁぁぁ!』

 

長門『お前のせいじゃない!』

 

 〜長門、陸奥を強く抱きしめる〜

 

陸奥『私のせいで……工廠が! 提督がぁぁぁぁ!』

長門『艤装のトラブルだ! それに提督の傷も浅い! 気を強く持て!』

陸奥『ああああぁぁぁぁ!』

 

 ーー。

 ーーーー。

 

 

 ◇現在◇

 

長門「ーーそんな顔をするな、陸奥」カタポンッ

陸奥「長門……」

長門「艦時代のお前の事故の辛さはお前にしか分からない。こう言ってはあれだが、今艦娘となって蘇った私達が持っているのはただの記憶に過ぎない」

陸奥「」ウツムキ

山城「長門の言う通りよ。確かに私達は艦娘になっても軍艦だった当時のことがステータスに反映されてはいるけれど、史実通りに沈んだりすることは無いわ」

陸奥「山城……」

日向「それにあの提督はそんなことで私達を轟沈させるような人間ではないだろう?」

扶桑「それは陸奥が一番分かってるはずよ……ね?」ニコッ

陸奥「日向、扶桑……」

伊勢「愛しの提督にそんな湿気た面見せたら嫌われちゃうわよ?」ニシシ

陸奥「伊勢……そう、よね。うん、ありがとう」ニコッ

 

長門「うむ。ではさっさと帰って提督へ報告しに行くぞ!」

全員『おぉ〜!』

陸奥「おぉ〜!」ニコニコ

陸奥(本当にありがとう、みんな……)

 

 〜そして艦隊は無事に帰投した〜

 

 

 ◇執務室◇

 

 コンコンーー

 

提督「どうぞ」

 

 ガチャーー

 

長門「失礼する。第一艦隊帰投したぞ」

提督「あぁ、みんなお疲れ様。報告を頼む」

長門「心得た、まずはーー」

 

 〜報告中〜

 

長門「ーーと言った具合だ。後で詳細をまとめた報告書を提出する」

提督「ん、ご苦労様。じゃあみんなは補給をしてゆっくりと休んでくれ」

艦隊『了解!』

提督「よし! では解散!」

 

 〜そして艦隊はドックや補給へ〜

 

提督(陸奥、少しは明るい表情になったな……長門達と演習に向かわせて良かった)

 

 数十分後ーー

 

 ガチャーー

 

陸奥「提督、ただいま。何か手伝ってほしいことある?」

提督「お〜、おかえり。そうだな、少し手伝ってほしいな」

陸奥「なら手伝うわ」ニコッ

提督「じゃあ、ちょっとあっちのソファーに行こう」スッ

陸奥「?」

 

 〜陸奥、提督のすぐ隣へ腰掛ける〜

 

提督「では、お邪魔します」ゴロン

陸奥「きゃっ……もぉ、いきなりびっくりするじゃないの」ナデナデ

 

 〜提督、陸奥の膝枕を堪能〜

 

提督「とか言いながら俺の頭を撫でてくれる陸奥、愛してる♪」ニカッ

陸奥「それはどうも♪」ナデナデ

 

提督「なぁ、陸奥」

陸奥「なぁに?」

提督「もう何度も言ってるけどさ、気にしなくていいからな、事故のこと」ホッペナデナデ

陸奥「えぇ……」

提督「お前の運命は俺が変えるからな♪」ニカッ

陸奥「ふふ、そうね♡」ニコニコ

  (あぁ、忘れてたわ……)

 

 

 ◆回想◆

 

陸奥『え、私とケッコン!? 本気なの!?』

提督『俺はこんな冗談言わない主義なんだが?』

陸奥『でも、私は……』

提督『自分の不幸が俺に移るってか?』

陸奥『…………』

 

提督『なぁ、陸奥』

陸奥『何?』

提督『自慢じゃないが、俺は自分のこと幸運の持ち主だと思ってるんだよ』

陸奥『何それ?』ムッ

提督『お前が不幸って言うなら、俺がその運命を俺の幸運で変えてやるよ』

陸奥『え』

提督『どんなに不幸な最期でも、艦娘になった今では関係ないって言ってんだよ。黙って俺とケッコンしろ。幸せで不幸どころじゃなくしてやるから』ニカッ

陸奥『最低なプロポーズね……』クスクス

 

陸奥『……でも、嫌いじゃないわ♡』ニコッ

提督『愛してる、陸奥。俺と幸せになろう』ギュッ

陸奥『えぇ、提督と幸せになるわ♡』ギューッ

 

 

 ◇現在◇

 

陸奥(ーー今考えても、無茶苦茶なプロポーズよね♡)

提督「陸奥〜」

陸奥「は〜い?」

提督「今陸奥は幸せか?」

陸奥「ん〜……まぁまぁかしら?」

提督「えぇ〜」

 

陸奥「だって私のトラウマ抉ったもの〜」クスッ

提督「それでも軽い火傷で済んだ俺の幸運を褒めろよ」ニガワライ

陸奥「幸運なら無傷じゃなきゃ♡」ウインク

提督「手厳しいな」アハハ

陸奥「私の不幸を掻き消してくれるんでしょ?♡」

提督「勿論さ♪」

陸奥「約束、守ってね……一生をかけて♡」

提督「当たり前だ」ホッペナデナデ

陸奥「〜♡」

 

陸奥(本当はあんなことがあっても生きていてくれていただけで、私は幸せよ♡)

 

陸奥(もっと提督と幸せになりたいから言わないけど♡)

 

陸奥「提督♡」

提督「?」

陸奥「愛してるわ♡」

提督「俺も愛してる」

 

 そして夫婦は静かな執務室でそっと口づけを交わし、互いの幸せをより一層育んだーー。

 

                  陸奥 完




陸奥終わりです!

陸奥さん、満を持しての登場ですよ〜!
艦の頃は不運な最期でしたがそんな彼女だからこそ、幸せなお話を書きたかった!
なので少し大人っぽい感じの純愛物語にしました☆

お粗末様でした〜♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。