サウザー!~School Idol Project~   作:乾操

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Chapter2・スクールアイドル伝説走る!

 ……修羅の国 国際空港

「やっぱり国内線とは違うね、クタクタだよ」

 入国ゲートに向かって歩きながら穂乃果は首をこきこき言わせた。

「そうだね。でもほら、ユダさんに比べればマシだよ。二日間不眠だった人の背中だよあれは」

 ことりが前を歩くユダを示しながら言う。確かに、その背中には単に移動に疲れた以上の疲労を滲ませていた。

「そりゃサウザーちゃんの隣に13時間もいればああなるよ」

 対してサウザーは元気いっぱいである。着陸の時も気持ち悪くならなかったようで、ひたすら笑い続けていた。

「さぁ、入国手続きよ。何があるか分からないから、余計なことはくれぐれも言わないようにね」

 絵里が歩きながら注意を飛ばす。

 ここは修羅の国。いつどこで攻撃を受けるか分かったものではないのだ。

 一同は緊張と主に入国審査の窓口へ並んだ。

 ……この時、彼らは一つ大きなミスを犯していた。なんと、入国審査に並ぶ際、サウザーを列の先頭にしてしまったのだ。

Sightseeing(観光ですか)?」

 修羅の仮面を付けた入国管理官がサウザーに問う。すると、サウザーは小さく笑いながら、決め顔と共に、

「フフ……ノゥ(いいえ)! コンバット(闘うために)!」

「アイツ機内で何か映画見たわね」

 後ろに並ぶ絵里が舌打ちする。どうやらサウザーは映画か何かに影響されたらしい。

 ここが日本だったり普通の国であれば、サウザーの言は戯言と捉えられるか、または別室に連れて行かれ職質を受けるところであろう。

 だが、ここは修羅の国。

 サウザーの放った返答は紛れもない宣戦布告であった!

「コンバットだと? フフフ……」

 入国管理官は不敵に笑うとユラリと立ち上がり、顔に付けていた仮面を取り外した。仮面の下にあったのは羅将ハン程ではないにしろ中々濃い表情のおかっぱ男子であった。

「ここを修羅の国と知ってか!」

「ぬぅ、貴様、単なる入国管理官ではないな? 名を聞こう!」

「オレにまだ名など許されておらぬ! オレはただの修羅の一人!」

 修羅の国は戦いに勝ちぬいてようやく名を名乗ることを許される。この圧倒的強者感を出すおかっぱ男子が名前を持たないと言う事は、修羅の国にはコイツなど目ではない者が跋扈しているということを示すのだ。

「こ、これが修羅の国……! ん? ユダさんどうかしましたか?」

 慄く花陽はひとりワナワナと怒りを露わにするユダに気付き声を掛けた。

「何故だか知らんが、あの名も無き修羅、無性に腹が立つ……!」

「そう言えば、名も無き修羅もリボルテック化してるにゃ」

「あぁ、そういう……」

 凛の言葉を受けたマキは憐れみの目をユダに向けた。

「ぬっく……!」

 怒りと悲しみが混在した感情に震えるユダを他所に、修羅とサウザーのやり取りは続いた。

「貴様ら、この国へ何しに来た?」

 修羅がサウザーに問いかける。

「先ほど言った通りだ……闘いにきたのだ!」

「違います違います、私達スクールアイドルやってて、それでこの国に招待されたんです」

 サウザーに代わって穂乃果が修羅に説明する。すると、

「貴様らごときが剝空琉愛弗だと……? 笑止!」

「となると、貴様ら修羅もスクールアイドルなのか?」

 サウザーが訊くと修羅はそうだと肯定した。

「我ら修羅は剝空琉愛弗としてユニットを組む。認められるまではソロ活動してはならぬのだ」

「『名も無き修羅』ってそういう意味なんですね」

「我々は入国審査修羅でユニットを組んでいる。冥土の土産に教えてやろう……」

 修羅は背中にあった二本の棍を引き抜くと構えの姿勢を取った。

「『砂ップ(スナップ)』!」

「これまた際どい名前やなぁ」

「スナップだかパナップだか知らんが我々は南斗DE5MEN! そしておれは聖帝サウザー! 世紀末ナンバーワンアイドルとして頂点に立つモノだ!」 

「南斗DE5MEN?」

 修羅はサウザーの名乗りを聴いてフフンと鼻で笑った。

「この国では南斗DE5MENなど知らぬ! 通じぬ!」

「ならば、知らしめてやるだけのことよ……!」

 

 

「手強かった」

 入国審査を終えた一同はロビーを通り抜けて外へと出た。

「さすがに六聖拳が相手となると修羅といえどひとたまりもないのね」

 ニコが感心したように言う。

 結局名も無き修羅は六聖拳を相手にして返り討ちにあった。ただ、さすがにその辺のモブでは済まない実力を備えていたことは確かで、修羅の国の恐ろしさを存分に思い知った。

「とにかくホテルへ急ぐぞ。いつになくクタクタだ」

 ユダが急かす。

 ホテルまではタクシーを利用する。公式の黄色いタクシーだ。

 空港前には十数台に及ぶタクシーが列を成して客が来るのを待っている。客は乗り場に列になって並び、ドアマンの案内で乗車する。

Next person please(次の方どうぞ)!」

 ドアマンの修羅が呼びかける。

 意味は分かっても慣れない英語で呼びかけられると委縮するもので、穂乃果は「い、いえ~す……」とヘラヘラしながら案内に従った。ここでもたもたするとドアマン修羅に攻撃されかねない。

 当然だが、タクシーには分乗して行く。穂乃果の他には花陽、絵里、サウザーが乗ることになっていた。

「本当に大丈夫なのですか!?」

 絵里が乗りこもうとした時、海未が彼女に半泣きですがってきた。

「あなたのタクシーはレイさんだって一緒に乗ってくれるんだから。それに……」

 泣きすがる海未にメモ用紙を一枚手渡す。

「これを運転手さんに見せれば、ちゃんと連れて行ってくれるから。ね?」

「本当に!? 本当に大丈夫なんですね!?」

「海未ちゃんはこっちでしょー!」

「早くするにゃ!」

「後ろが詰まってるぞ!」

 念押しして確認する海未はことり、凛、レイに引きずられるように後方のタクシーへと消えていった。

「海未ちゃんって心配性だよね」

「まったくだな!」

 穂乃果はサウザーと一緒にフハハと笑った。

 

 乗車の終わったタクシーから順次発車していった。窓の外に広がる景色が日本のそれと全然違うから、単なる移動も楽しいものである。

 ただ、一人を除いて。

「本当に大丈夫でしょうか……どこか知らない場所へ連れて行かれたりしないでしょうか……?」

 海未は外の景色を楽しむ余裕も無いらしく、体中を強張らせていた。そんな彼女をなだめる様にことりは、

「正規のタクシーなら平気だって絵里ちゃんと希ちゃんも言ってたし……ていうか海未ちゃんも散々言ってたじゃない?」

「でもっ……常識が通じないんですよ!?」

「常識が通じない連中は音ノ木坂の周りにもいたにゃ」

「程度が違います! まったく、心配過ぎて吐きそうです」

「まぁ落ち着け。入国審査の時の修羅程度ならおれ一人でもどうにかなる」

「そうですけど……うぅ……」

 震える海未。

 そんな彼女が乗るタクシーの数台先を走る台にはサウザーらが乗っている。

「伝説によれば、内地の修羅の強さは沿岸付近の修羅のおよそ十倍!」

「じ、十倍!? そんなに強いんだ……」

「内地の修羅の方が弱いと言う話も聞きはしますが、油断は禁物ですっ!」

「そんなすごいところなのね。5MENが一緒で助かったわ」

「もっと褒めてもいいぞ?」

「あなただけで帰ってもいいのよ?」

「フハハハ。断る!」

「二人は相変わらずだねぇ」

 そんな風に話している内に、タクシーはトンネルに入った。そして、長い長いトンネルを抜けた瞬間。

「おぉ!」

 修羅の街が一同の目に飛び込んできた。

 そびえたつ摩天楼が陽光にキラキラと輝き、その下をハイウェイや高架鉄道が縫うように走っている。どことなくアメリカのニューヨークに似たその街は一同を圧倒した。

「すごい……たくさんのビル!」

「ほんとだ!」

「あのダム、北斗の拳で見たことがある!」

「シンのサザンクロスとか言う街以上の規模だな?」

 街に見とれていると、タクシーの隣をヌメリ様が駆け抜けていった。

「おっきな修羅!」

「山のフドウ並はあるな!」 

 メンバーを乗せたタクシーは街の中へと入って行き、やがて目的地のホテルへと到着した。立派なホテルで、外見からして中々のグレードであることが窺えた。

「おっきなホテル!」

 中も外見に比例して豪華な作りで、ボロや修羅のボーイが動き回っている。学生旅行で泊まるにはもったいないような気すらした。

「おっきなロビー!」

 天井からぶら下がった大きなシャンデリアに穂乃果は目をパチクリさせた。 

 彼女たちに続いて、他のグループも続々到着し、ロビーへと入ってくる。

「これは、想像以上に豪奢な作りだ」

 シュウが嘆息した。

「運営してるのリゾートホテルの会社なんですって」

「日本にもあるのよ、ここのホテル」

「ほえー……」

 絵里とマキの解説を聴いて嘆息する穂乃果だったが、彼女的にはそれよりもホテル内の設備の方が気になる様子だった。バーやレストランはもちろん、プールにジム、スタジオやホールまで設置されているらしい。

「さすが修羅の国やね」

「関係なくないか? ……あとはレイたちがそろえば全員集合か」

 ユダがようやく一息つけると言わんばかりに呟いた。

「やや遅れているようだが、道は大丈夫なのか?」

 シンが絵里に訊いた。残りがそろわないことには落ち着くことは出来ないのだ。もしトラブルが発生したのならそれに関する対応もしなければならない。

「それなら、穂乃果の書いたメモ渡してあるから大丈夫!」

 絵里はシンにウインクしてみせた。それに答えるように穂乃果も胸を張る。

 

 だが、彼女たちの自信とは裏腹に海未たちの身にはトラブルが発生していた。

「ここは」

「どこぉ?」

「にゃー……」

 タクシーに連れてこられたのはダウンタウンの一角にある古びたホテルであった。壁の塗装は剥がれ、看板のネオンはちゃんと点くのかすら怪しい。というか、本当に営業しているのかすら怪しい。

「こんなところに泊まるんですか……?」

「世紀末的には上等な部類だが……」

「凛たち的にはかなりヤバ目っていうか……」

 凛が周りに視線を移動させると、通りすがりのボロたちがこちらを訝し気にじろじろ見ていることに気付き、慌てて元に戻した。

「……とりあえず、入ってみる?」

「ちょっとことり正気ですか!?」

「まぁ、修羅の国だし……意外と中はまともかもしれないし……実は喉も渇いてて」

「凛も喉カラカラ。何かあったらレイさんの南斗水鳥拳と海未ちゃんのラブアローシュートで切り抜ければ良いにゃ」

「んな楽観な……あぁ、待ってください! 置いてかないでください~!」

 一行は恐る恐るそのホテルの入り口を叩き、中へとはいった。

「え、えくすきゅーずみー……」

 中は薄暗く、カビ臭かった。天井には水漏れらしいシミがいくつかあって、どこからともなく聞こえる甲高い啼き声も幻聴ではない。

「エクスキューズミー……! すみませーん!」

 ことりが奥に向けて声を上げる。すると、

「はあぁ~い、どなたかな~」

奥からしわがれた老婆らしき声が帰って来た。

「人がいたにゃ……」

「営業しているのかここは……」

 しばらくすると、奥からこのホテルの主と思しき老婆がのそのそと出て来た。

「どうなされた、旅のお人」

「あ、あの、お水を一杯いただけませんか?」

「あぁいいですとも、ささ、そこで休んでいきなされ」

「わぁ、ありがとうございます!」

「いいんですよぉ~。ヒッヒッヒ……」

 店主の老婆は一向に部屋の隅にあるテーブルをすすめた。ことりは礼を言い、三人に向かって「すこし休んでいこっか」と言う。

 だが。

「海未ちゃん……」

「はい……あれは……」

「二人とも気付いたか……」

「そりゃ気付くにゃ……」

 凛、海未、レイの三人はこそこそと話した。

 四人を快く受け入れてくれた老婆。

 この老婆、異常にデカいのである。

 ことりと並ぶと優に倍の身長はあると言うくらいにデカいのである。

 明らかにただの老婆ではない。

「みんなどうしたの?」

 ことりが不思議そうに三人を見やる。

「なんでことりは気付かないのでしょうか……」

「修羅の国補正だろう。修羅の国だからデカいババァのに三人はいるだろう、みたいに思っているんじゃないか……?」

「こ、ことりちゃん?」

「……? ホントにどうしたの?」

「ことり、早く出ましょう。ここは――」

「はぁ~い、お待たせしました」

 海未が言い終わる直前、デカいババァが水を四人分持って戻って来た。入り口近くで立ち尽くす三人にババァは手招きして、

「さ、休んでいきなされ。冷たい水ですじゃ。ヒッヒッヒ」

「…………」

 怪しすぎる。

 だが、疑うことを知らないことりは満面の笑みで老婆に礼を言うと水の入ったコップを手に取った。

「ことりっ!?」

「え?」

 海未が制止しようとする。

 だが、もうおそい。

 喉の渇いていたことりは、海未の制止空しく、コップの水を飲み干してしまった……。

 

 

  

 

 一時間後、ホテル・オハラ。

 本来の目的地であるそのホテルにあるラウンジの一角で海未は号泣していた。

「うっううっ……」

「う、海未ちゃんごめ~ん……ガイドブックから写した地図間違えてたみたいで……英語だったから――」

「穂乃果っ! 今日という今日は許しませんっ!」

 海未は泣いて真っ赤になった目を穂乃果に向けて激怒と共に説教した。

「あなたのその適当でお気楽な性格が、どれほど周りに混乱を振りまいているかぁ!」

「まぁ、ちゃんと着いたんだし――」

「それは結果論ですっ!」

 マキのフォローにかぶせるように吠える。

「あのホテルの主人が本当にただデカいだけのお婆さんで奇跡的に良い人だったから良かったものの、拳王軍の特殊部隊とかそんなんだったら今頃命はないのですよぉぉぉ……!?」

「あはは、修羅の国(ここ)に拳王軍はいないよ」

「例え話ですっ! 大体あなたはいつもいつも……! んひぃ、おーいおいおい……」

 海未は穂乃果に説教を続けようとしたが、ついに耐えきれなくなってソファーにうずくまり年甲斐もなく泣き始めてしまった。

「フハハ、情けないことこの上ないな!」

「サウザーちゃんは黙ってて! ……う、海未ちゃーん、みんなの部屋見に行かない?」

「ううぅうう……」

 クッションに顔を押し付けて首をグリグリ横へ振る。

「近くにカフェがあったのだが、コーヒーでも飲みに行くか?」

「シュウ様もそう言ってるよ! お茶しに行かない!?」

「ううぅうぅうう……」

 余程怖かったと見え、もうホテルから出たくないと言わんばかりの勢いで首を振る。

 海未は非常に頑固者で、一度決めたらそう簡単には変えない性格をしている。彼女の長所でもあるが、時としては短所にもなりえた。

 と、ここで。

「あそうだ」

 花陽が声を上げて白い箱を袋から取り出す。

「さっきカップケーキ買ったんだ。気分転換に食べない?」

「おぉ、花陽ちゃんナイス! 修羅の国のカップケーキと言えば美味しいって評判だよね!」

 二人のやり取りに海未が反応を示す。やはり年相応に女の子、美味しいスイーツには目が無い。

「では、それを食べたら明日以降の打ち合わせだな?」

 レイが苦笑しながら言った。それに絵里は「そうですね」と答えて、

「そういうことで。海未も食べるでしょ?」

「……いただきます」

  

 

 陽が沈み、夕闇に包まれると街はますます賑やかさを増した。

 μ'sと5MENはホテル近くのレストランで夕食を取りつつ、作戦会議を行うことにした。

「私あのエンピツみたいなビル登りたい!」

「お洒落なお店もいっぱいあったから、それも見て回りたいねっ」

「わ、私は本物の北斗宗家に伝わるジャイアント女人象を見たいな」

「凛は修羅の国のラーメン食べてみたい!」

 口々にそれぞれ行ってみたい場所を言っていく。完全に観光する気である。しかし、海未がそれに否と唱える。

「ここに何しに来たと思ってるんですか!?」

「拳王伝説に代わって聖帝伝説を始めちゃうためであろう?」

「んなわけないでしょうが!」

 ライブである。

 修羅の国でライブをし、その中継を通してスクールアイドル全体をもっと盛り上げていくため海を越えてやって来たのである。

「幸いホテルにはスタジオもあります。そこを借りて練習しましょう。外には出ずに!」 

 海未は一連の出来事が完全にトラウマになってしまっているようだった。

「いつどんな危険があるか分かりません!」

「そこは我ら六聖拳とニコマキがいるからには平気だと思うが?」

「関係ありませんっ!」

 シュウの言葉を一刀両断。海未の意志は固かった。

 そんな彼女を懐柔するのは絵里の仕事である。

「でも、どこでライブするかを決めるのは私たちだし……どこでパフォーマンスをすればμ'sらしい、5MENらしいライブが出来るかを見極めるには街を見て回る必要があるんじゃないかしら」

「ほほう……絢瀬絵里にしては賢い」

「うるさい……それで、どうかしら?」

「し、しかし……」

 絵里の言葉はもっともの話である。それに、海未も怖さが勝っているだけで観光したくないかと言えば嘘になる。

「絵里に賛成の人」

 不意にニコが多数決を取った。結果は当然海未以外が賛成というものである。

「ぐぬぬ……分かりました。では、明日は早く起きてトレーニングをし、後は街を見て回るということで……」

「やったー!」

「フハハハハハハ!」

 穂乃果とサウザーが歓声を上げる。

「この国に南斗鳳凰拳の名を知らしめてくれるわ!」

「くれぐれも面倒は起こさないでくださいね……?」

「よーし、そうと決まればご飯にしよう!」

 レストランのメニューはすべて英語であったが、大体どんな料理化は想像が付いた。とりあえず、修羅の国に来たからには大きなステーキや大きなハンバーガーは食べておきたいところである。

 この瞬間を一番楽しみにしていたのは意外にもことりであった。

 注文を終え、ことりの前に運ばれてきたのはニューヨークチーズケーキ丸々1ホールであった。しかも日本のものと違いかなり大きい。これには一同度肝を抜かされた。

「そ、それが夕食ですか?」

「晩飯にチーズケーキとは……」

「こっちに来たら食べるって決めてたんだぁ」

 彼女は嬉しそうにフォークで大きな欠片をすくいとり、口に放り込む。

「ふあぁぁ、あまくて美味しぃ」

「さすがは修羅の国やねぇ」

「それ、関係あるの?」

 マキが呆れ半分に指摘した。

 

修羅の国最初の夜は、更けていった。

 

つづく




用事があるので更新は遅れます。たぶん。

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