サウザー!~School Idol Project~   作:乾操

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今回サウザーの出番なし
マキちゃん回


第11話 ここがアイ研の部屋! 堕天使は舞い降りた!!

+前回のラブライブ!+

 二年生不在の中、ファッションショーのステージを務めることになったμ's。

 素直になれない凛とその背中を押す仲間たち。

 そして彼女は、過去を振り切りステージに立ったのであった。

 あと、ユダがなんか頑張ったのであった。

 

 

 

 

 その日、生徒会室で穂乃果、海未、ことりの三人は書類の整理に励んでいた。

「……穂乃果」

「うん?」

 そんな中、海未が半泣きで仕事をこなす穂乃果を見てふと気が付いた。

「なんか……少し太りました?」

「え゛っ」

 穂乃果はギクリとした様子で声を上げる。

「……何の事かな」

「どことなく肥えたような気がします。穂乃果、この間の健康診断の結果を教えてくれませんか?」

 海未の言葉に穂乃果は気まずそうに眼を逸らすばかりである。その態度に、海未は疑念を確信へと変化させる。

「ダイエットですね」

「い、いや……そんなに? そんなに増えて無いし。背も伸びたし……」

「ダイエットですね」

 問答無用であった。有無を言わせぬ断言であった。

 海未曰く、スタイルはアイドルの資本であり、モデル並みにナイスボディでなくとも見苦しくないスタイルは保たねばならない。まして、これから地区本選、最終予選、そして本大会と続いていくというのにだらしのないボディを曝し続けるなど言語道断である。

「でも海未ちゃん、私には言うほど太って見えないよ? それに、女の子は少し肥えてた方が良いって言うし」

「だよねことりちゃん!」

「……確かに、今はまだそう太って見えませんし、誤差の範囲ともいえるかもしれません」

「――! なら……」

「ですがっ!」

 穂乃果の言葉を遮るように海未が声を張り上げる。

「このまま放置すると穂乃果は間違いなく際限なしに太ります! 『今日もパンが美味いねぇ。わはは』とか言いながらパクパクパクパク……」

「で、でもぉ……」

「でもじゃありません。……いいですか、ここに一枚の写真があります」

 そう言うや海未はどこからともなくパネルを取り出し穂乃果に見せた。そのパネルには中学生ほどの少年の写真で、なかなかどうしての美少年であった。

「綺麗な男の子だね」

「そうですね。では、続けてこちらをご覧ください」

 次に取り出したパネル。そこにはKING軍の幹部であるハート様のお姿が写っていた。

「ハート様じゃん。この子とハート様がどうしたのさ」

「この二人は同一人物です」

「……うん?」

「同じ人なんです。これ」

「…………」

「何が言いたいか……分かりますね?」

「…………」

 

 

 所変わって、一年生三人組と部室。

 部室では花陽が活動前のおやつを食べようとしていた。

「新米の季節です!」

 そう言いながら手にするのは大きな大きなおにぎり。花陽の顔がまるっきり隠れてしまうほどのサイズだ。

「あむ! う~ん、美味しい!」

「…………」

 そんな花陽を恨めしそうに睨むのが穂乃果である。

 彼女もいつも部活の前はパンを食べたりしているのだが、海未に制限されているのである。

「言われてみれば穂乃果ちゃん、少し丸くなったにゃ」

「ぐぬぬぅ……」

 さすがに後輩にまで言われては認めるほかない。

「もぐもぐ、食欲の秋に食べられないなんて……もぐもぐ、可哀想ですねぇ」

 先輩の不幸を尻目に花陽は幸せそうにおにぎりを頬張る。食べること、それが彼女の幸せなのだ。

 そんな幸せ全開な花陽を見ながら、凛がポツリと言う。

「……かよちんさ」

「もぐもぐ?」

「ちょっと太った?」

「まぐっ!?」

 花陽おにぎりを齧ったまま新膻中を突かれたが如く硬直した。

「……言われてみれば……」

 花陽をじろじろ見ながら海未も凛に同意する。

「ぴゃああああああ!」

「いや、そんなかよちんも好きだよ?」

「うふふ、花陽ちゃんも穂乃果の仲間だねぇ? ええ?」

 失意から一転、穂乃果はニヤニヤしながら花陽の肩に手を回した。何事も仲間が出来ると嬉しいものである。

「そ、そんな……新米……ごはんがぁ……」

「私もパン食べれないし。まぁ、頑張ろうや? へっへっへ……」

「穂乃果ちゃん悪い顔してる……」

 ことりが苦笑する。

 だが、ご飯を食べられないのはあまりにも苦しい。

「で、でも!」

「何が『でも』ですか?」

 海未が花陽に問う。有無を言わさぬ口調だが、花陽は挫けない。

「マキちゃんも……マキちゃんも太って見えるよ!?」

 そう言いながら彼女はマキを指さした。

 指の先で椅子に座るマキは、確かに以前に比べて身体が大きくなったように見えた。

「マキ、花陽はこう言いますが……太ったのですか?」

 椅子に座るマキに海未は問いかけた。すると、マキはニヤニヤしながら、

「ん~!? なんのことかな」

「マキちゃんは太ったと言うより、逞しくなった気がするにゃ」

 凛はそう言いながらマキの逞しい二の腕を叩く。

「凛の言う通りですね」

「背も伸びたかな?」

「顔も濃くなってるね」

 海未、ことり、穂乃果も凛と同意見のようだ。

「ぬ、ぐぐぐぐ……」

「観念なさい花陽。第一、マキが太っていたところであなたの食事制限になんら影響はありません」

「フフフ……」

 マキは落ち込む花陽を見てニヤニヤと笑う。

 と、そこへ絵里と希がやって来た。

「おはよう、みんな」

「おはよーさん」

「絵里ちゃん、希ちゃん! ニコちゃんは一緒じゃないの?」

「部長会で遅れるそうよ」

 絵里は鞄をテーブルに置きながら答える。その時、彼女の目に椅子にふんぞり返るマキの姿がとまった。

「あら、マキ……」

「んん~?」

「マキ、あなた……ちょっと雰囲気変わった?」

 絵里は顎に手をやりながら問いかける。

「おれは変わらん! ただ時代が変わったのだ!!」

「あらそう、大変ね」

 マキの回答に納得すると彼女は海未の方へ向き直り、今度の地区本選の歌詞は問題ないか訊いた。

「とうに完成して、マキに渡してありますよ」

「あらそう? マキ、曲の方はどうかしら?」

 そろそろ歌が完成していないと地区本選には間に合わない。ハードスケジュールではあるが、大会規則上仕方のないことである。

 絵里の問いかけに、マキは自信満々の様子で答える。

「安心しろ! おれは天才だ~!!」

「フフッ、頼もしい限りだわ」

「ヒッヒッヒ」

 笑い合う絵里とマキ。

 と、その時。

「おはよう。日直で遅くなったわ」

 扉を開いて一人の少女が部室へ入ってきた。その人物に、一同が驚愕する。

「マ、マキちゃん!?」

「マキちゃんが……二人……!?」

 なんと、挨拶と共に現れたのはもう一人の西木野マキだったのだ。

「もう、花陽に凛ったら何言ってんの……」

 呆れながら答えるマキであったが、自分の定位置に座る人物を見た瞬間、ぎょっとして鞄を抱きかかえた。

「……あ、あなた、誰よ?」

「おれの名はマキ! 北斗神拳のマキだぁ~!」

「いやいや、何よアンタ。そんなんで私とか片腹痛いわよ」

 ため息を付き、頭に手をやる後から入って来た方のマキ。しかし、他の面々は混乱の極みにあった。

「マキちゃんが分裂したにゃ!」

「違うよ凛ちゃん! これ、どっちかが偽物なんだよ!」

「う、海未ちゃん、穂乃果ちゃん、どっちが本物か分かる……?」

「皆目見当もつきません……」

「どっちも本物のマキちゃんに見えるよ……!」

「いやいや」

 息を呑む一同に後マキは思わず苦笑しながら、

「冗談はヤメテ。どう見てもアイツが偽物じゃない」

「どう見てもって言われても……」

「文字だから見た目なんてわかんないにゃ」

「文字にしたところでセリフからして偽物感が溢れ出てるじゃないのよ!」

 後マキの剣幕に花陽と凛は怯える。怯えながらも、

「だ、だって! 髪型だって二人とも一緒だし!」

「髪型以外がどう見てもおかしいでしょうが! ていうかアイツどう見ても男じゃない!」

「フッフッフ……」

 後マキの言葉を聴いて前マキはニヤニヤしながら髪の毛をくるくるし始めた。

「ほら! 髪の毛くるくるし始めたにゃ! マキちゃんの癖だにゃ!」

「私はあんなキモチワルイ顔しながらくるくるしないっ!」

「スピリチャルやね。でも、どうやって本物と偽物の区別つけるん?」

「希まで……一目瞭然じゃないのよ……」

 後マキは深いため息をついた。

 しかし、こんな時頼りになるのが、かしこいかわいいエリーチカである。

「私に任せなさい」

「何か策があるん?」

「簡単な質問をするのよ。マキに関する質問をして、合っていた方が本物って寸法ね」

 簡単だが効果的な案だ。本物や親密な者しか知りえない事柄を偽物が知りえるはずがないからだ。

「それじゃまず、後に入って来た方のマキ……便宜上『マキA』と呼ぶわ。あなたからね?」

「分かった。それで、質問は?」

「あなたの大好物は何かしら」

「トマトよ」

 マキAは答える。

「ふーん。マキBは?」

「おれも同じだ」

「二人とも、同じですって……!?」

 絵里が困惑の表情を見せる。

「絵里、言いたくないけどあなたバカジャナイノ?」

「まぁまぁ。ウチに任せとき」

 ショックを受ける絵里に変わり今度は希が質問をする。先はマキAから質問したから、今度はBから訊いていく。

「マキBちゃん、趣味は?」

「新秘孔の究明だ!」

 マキBは自信満々に答える。

「マキAちゃんは?」

「写真とか。あと天体観測とかもするわね」

「……うーん」

 二人の回答を受けて希は腕を組み、困ったように唸った。

「分からんねぇ」

「なんでよ!」

「どっちもマキちゃんらしいって言うか……」

「日頃の私のどこから新秘孔の究明なんて要素感じるのよ!」

 ぷりぷり怒るマキA。そんな彼女を他所に、突如としてマキBが花陽に声を掛けた。

「かよちん……」

「うん?」

「暴力はいいぞ!」

「あ、うん、そう……」

「何の話ですか……」

 と、ここで凛が何かに気付き海未にかぶさるように声を上げた。

「あーっ!」

「うわっ、なんですか凛、突然驚かさないでください」

「マキちゃん、今『かよちん』って呼んだにゃ!」

「えっ……あ!?」

 彼女の指摘に一同が声を上げた。

 そう、マキはいつも花陽のことを『花陽』と呼び捨てにしている。花陽のことを『かよちん』と呼ぶのは凛だけである。にもかかわらず、マキBは凛と同じように花陽を呼んだのだ。

「じゃあ、マキBちゃんが偽物!?」

 穂乃果が驚いて言う。

「当たり前でしょ! 驚く要素ないじゃない……」

 マキAは仲間のポンコツぶりに呆れながらも胸をなでおろしながら言った。無いとは思いつつも、このまま自分が偽物認定されたらどうしようという不安もあったのだ。

「……いや、ちょっと待って!」

 だが、ことりが納得しかける一同にまったをかける。

「ことりちゃん、どうしたの?」

「みんなマキちゃんは『かよちん』呼びしないって言うけど……」

「うん」

「初期っていうか、TV版以外は結構『かよちん』呼びしてたよね?」

「!?」

 ことりの指摘に一同は衝撃を受けた。

「言われてみれば、その通りです……!」

「スクフェスでもちょいちょい『かよちん』呼びしてたにゃ!」

「ドラマパートでも『かよちん』言ってたやん!」

「いや……何の話?」

 全く盲点だったぜと言わんばかりな面々にマキAは困惑するばかりである。

「言われてみれば、無駄にナルシストで自信家なところも初期っぽいわね」

 ふむふむと言いながら納得する絵里。

「てことは……両方とも本物のマキちゃん!? わけわかんないよぉダレカタスケテー!」

「分からなくないよ!」

 混乱する一同を落ち着かせようとしてか、穂乃果が立ち上がって叫ぶ。

「キャラは違うけどマキBちゃんも歴としたマキちゃん!」

「違うでしょうどう考えても」

「私達は今まで通りでいいんだよ。そうすれば、マキちゃんが二人いるのにもすぐに慣れる!」

「慣れねぇよ!」

 マキAの必死の抵抗も空しく、穂乃果の言葉に感化され面々はマキBをメンバーに迎え入れる準備を始めていた。穂乃果のリーダーシップや影響力をマキAは尊敬していたが、今回ばかりは恨めしい限りである。

「マキBちゃん……『マキB』ってのもあれだね……今日からあなたの事、『西木野初期』ちゃんって、呼んでいい?」

「凄い名前!」

「うむ、気に入った!」

「気に入るんだ!」

「よろしくね、初期ちゃん!」

「フフフ……」

 マキB改め初期ちゃんは嬉しそうにニタニタ笑った。

 かくして、久々にμ'sが10名となった。

「また賑やかになるね!」

「まったく、穂乃果には困ったものです」

 海未が困り顔で、でもどこか嬉しそうに言う。他の面々も同様だ。釈然としていないのはマキだけである。彼女としてはこんな得体の知れない人間をμ'sに置いておきたくはなかった。

 そんな彼女に、神が味方した。

 爽やかな秋の風が、開け放たれていた窓から部室の中へ舞いこんできたのだ。

 風は小さな旋風となって初期ちゃんの傍を通り過ぎた。

 その時である。

 初期ちゃんの、マキと同じような形をした髪の毛が。

 ぽとり、と、床に落ちた。

「…………え」

 まるで、空間そのものが凍り付いたかのようであった。

 初期ちゃんの髪が何故か床に落ちて、見直してみればそこにいたのは西木野初期ちゃんではなくニタニタ笑いの良く分からない変な男だったのである。

「……だれだお前!?」

 穂乃果が叫ぶ。それは全員が抱いた疑問でもあった。

 その疑問に答える者が一人。

「穂乃果、その男は私達の良く知る西木野マキではないわよ」

 部長会を終えたニコが何故かカッコよく入り口に寄りかかりながら告げる。

「ニコちゃん! うん、見ればわかる」

「その男の名はアミバ。レイさん達と南斗聖拳を学んだ男よ」

「な、なんだって!?」

 なんと、西木野初期ちゃんの正体は、南斗聖拳の拳士、アミバだったのである。 

 ニコからの告発に、初期ちゃん改めアミバは「クックック……」と不気味な笑い声をあげた。

「お前の言う通り、おれはアミバだ。だが、もう遅い!」

 言うや、彼は突然身をかがめ、腕を伸ばすとマキの背中に指を突きいれた。

「うぐっ!?」

「マキちゃん!」

 アミバが背中を突くと同時、マキは体操よろしく両腕を真横にピンと伸ばし、そのまま身動きが取れなくなってしまった。

「秘孔『戦癰(せんよう)』を突いた! ほれ!」

 彼は身動きの取れないマキの足元を払う。受け身も取れないから彼女はそのままうつ伏せになる形で倒れてしまった。

「もうマキは身動きが取れまい! これで今日からおれ様がμ'sの西木野マキだぁ~!」

「その理屈はどうなのかなぁ?」

「ていうかこれ、かつてない大ピンチじゃないですか?」

「ヤバいよ! ニコちゃーん! 南斗水鳥拳でどうにかしてよ!」

 困惑するμ'sを他所にアミバは上機嫌である。

「おれを認めなかったファンどもをいずれおれの前で平伏させてやるわ~!! そしておれにファンどもが媚びるのだぁ!!」

 なんだか知らないがとてつもないコンプレックスの波動を感じる。一周して憐れみを覚えてしまいそうであった。

「おれは天才だ! 天才マキ様だぁ~!」

 高笑いするアミバ。絶好調である。

 だが、だからと言ってアミバのμ's入りを認めるなど、許されることではない。

「アミバ、知らないようだから教えてあげるけど、北斗神拳には、『秘孔封じ』という奥義があるらしいわよ?」

「なぁにぃ? ……ぶばっ!」

 ニコに言われて倒れたマキを見やった瞬間、既に起き上っていたマキに蹴り飛ばされた。

「マキちゃん!」

「ハラショー! さすがね!」

 アミバの秘孔を封じたマキだったが、倒れた拍子に鼻を打ったらしく、弱冠涙目であった。鼻をさすりながら、彼女はアミバを煽る。

「私なんかに秘孔を封じられるなんて、穂乃果にも敵わないんじゃないかしら?」

「な、なにぃ?」

「天才が聴いて呆れるわね」

「ぬっ……ぐぐぅぅう!」

 蹴り飛ばされたアミバは壁に顔面から激突して鼻血を流していた。

 彼は怒りに震えていた。

 たかだか小娘にしてやられたこと。

 そして、その小娘に秘孔の技術がこれまた別の小娘にすら劣ると言われたこと。

 天才を自負する彼にとって、それは許し難いことであった。

「うくくっ! マキとおれとでは差があるというのか!? おれが劣ると……そんなわけない! おれは天才だ! 誰もおれには勝てん!!」

 言い聞かせるように叫ぶと彼は壁に向かって走りだした。そして、壁を蹴り跳躍すると、マキに踊りかかった。

「くらえ! 鷹爪三角脚(ようそうさんかくきゃく)!」

「マキちゃん危ない!」

 だが、マキは避けない。

 避けないどころか、彼女は拳を構え、アミバを迎え撃つ姿勢を取った。そして、マキの拳が向かいくるアミバへ向けて放たれた!

「えひゃっ!」

 マキの拳を受けたアミバはたまらず吹き飛ばされた。

「北斗残悔積歩拳(ざんかいせきほけん)!」

 

 ――残悔積歩拳!

 秘孔『膝限(しつげん)』を突き、自分の意志とは無関係に足を後ろへと進ませるという北斗神拳の奥義である! 技を受けたものは、後ろへ歩む一歩一歩に己の所業を後悔するのだ!

 

「あ、足が勝手にぃ~!」

 拳を受けたアミバは立ち上がるや否や後ろ歩きで部室を後にしていった。一同はそれを追いかける。

 アミバは後ろ歩きのまま廊下を通り、生徒玄関を経て、校門へと向かった。

「なんで天才のおれがこんな目にぃ~!?」

 校門には下校しようとする生徒が数多くいた。そんな中ヒィヒィ言いながら後ろ歩きするアミバは奇怪そのもので、大変注目を集めた。

 そして、彼が校門まで達した、次の瞬間。

「う  わ  ら  ば  !!」

 断末魔と共に身に付けている服が爆散し、アミバは素っ裸になった。

 後ろ歩きをしていた男が突然衆人……それも年頃の少女たちも前で真っ裸になったのだから、校門周辺では多くの悲鳴が上がる。

「これはアレですか? 社会的に爆死する秘孔ですか?」

「そんなところね」

「北斗神拳って、滅茶苦茶器用やね」

「器用さこそが北斗神拳の神髄です!」

 かくして、西木野マキ分裂事件は幕を閉じたのであった。

 




なんやかんやあってアミバはマキの家に居候することになりました。
次回、南斗DE5MEN会議

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