サウザー!~School Idol Project~ 作:乾操
+前回の北斗の拳サンシャイン!+
スクールアイドル部設立のため、生徒会長の元へ赴いた千歌と曜。しかし、生徒会長でありKING軍の幹部でもあるダイヤは二人の要望を一蹴した。
「部の設立には五人必要だってのを知らねえのか!?」
「そこを何とかお願いします!」
「うるせえ! おれの棒術を受けてみやがれぇ~!」
ダイヤは鉄の棒を取り出すと千歌に向けて振りかざした。
「貴様にこの棒が受けられるかぁー!」
しかし、振りかざされた鉄棒は目標の頭を割る前に千歌によってピタリと受け止められた!
「ナニィ!?」
「あくびが出るぜ」
※
……ここは、スクールアイドル界のトップであるA‐RISEが牙城、UTX学院。電気街秋葉原に聳えるビル丸々が学校である。そんな校舎の一角には、A‐RISEのためのプライベートなスペースがあり、メンバーはそこで練習やミーティングを行っている。
「フフッ……」
A‐RISEのリーダー、綺羅ツバサはそこでノートパソコンを見つつ一つ笑った。
「なんだ、急に笑って気持ち悪いな」
「英玲奈、言ってはダメよ。ツバサってそういうところがあるって、知ってるでしょ?」
「ああ、そうだったなあんじゅ」
「二人の中での私がどんな存在なのか甚だ疑問だけど、まあいいわ。それより、ほら」
ツバサはパソコンを回して自身が見ていた画面を統堂英玲奈、優木あんじゅの二人にも見せた。
画面に写っているのはラブライブの公式サイト。ここには今回の大会にエントリーしたグループやそれについてのニュースが掲載されている。
「これは……」
「あらあら」
ツバサが見ていたのは、μ's、そして南斗DE5MENに関するページであった。記事の内容は先日の帝都進撃ライブに関するものであった。
「相変わらずカオスな連中だな」
「それで、これがどうかしたの?」
あんじゅの問いにツバサは腰を椅子に深く沈めてから答えた。
「このライブ見てきたのだけど」
「姿を見かけない日が続いたのはそれが原因か」
「わざわざ帝都に捕まって奴隷労働までやったんでしょ?」
「おいおいマジか筋金入りの追っかけじゃないか」
ツバサはμ'sのファンであった。
きっかけは些細なことであった。隣の校区に位置する音ノ木坂にスクールアイドルが誕生したらしいという情報を得た彼女はオープンハイスクールに潜入し、μ's(当時はμ's´)のライブを観たのだ。ツバサは背が低いから、セーラー服を着てちょっと変装すれば中学生にしか見えなくなるのだ。
初めは偵察的な趣が強かった。A‐RISEが全国に名を轟かせる要因の一つが相手を見下さないことにある。無名のグループだろうが何だろうが、見ることが出来るものは実際に見て調査するに越したものは無い、というのがツバサの信条なのだ。
そのライブは……酷いものであった。主にサウザーとかいう南斗鳳凰拳伝承者が酷かった。
酷かったが……感動した。心が震えた。A‐RISEのライブには無い別な高揚感がそこにはあった。
この高揚感は何だろう? 知りたい……それを知ることが出来れば、A‐RISEはもっと成長できる。そう確信した彼女はμ'sの行ったライブは欠かさず観に行った。μ's´のラストライブも聖帝軍に紛れて参加した。そのためにモヒカンと化した時にはあんじゅが卒倒した。
そんなことをしている内に、ツバサは自身がμ'sのファンになっていることに気付き、自分で衝撃を受けた。
「ちなみに高坂さん推しよ」
「別に訊いてない」
「で、進撃ライブの感想はぁ?」
「控えめに言って最高だったわ」
奴隷から解放された喜びや高揚感も相まってライブは凄まじい盛り上がりを見せた。ぶっちゃけツバサとしても発電機を回し続けるなんて面白くもくそも無かったから、感動はひとしおであった。
「μ'sと南斗DE5MEN……一見滅茶苦茶な同盟に思えるけど」
「実際滅茶苦茶だろ」
「まぁそうだけど……だからこそ、並のスクールアイドルには出せないエネルギーがある」
「……つまり、μ'sと5MENなら『あのグループ』も破れるかもしれないってこと?」
あんじゅが真剣な面持ちで呟く。それを聞くと英玲奈もハッとして顔を引き締めた。
「私たちだけでは叶わなかった、『あのグループ』……μ'sと5MENが新しいアイドル伝説を作るかもしれないわね」
※
A‐RISEの三人が無駄に意味深な会話を繰り広げていたころ、μ'sと5MENはいつも通りサウザーの居城で会議をしていた。今日はお茶うけに穂むらの和菓子セットが供されている。
「今回の予選は参加グループが多いので特定のステージではなく、各グループが選んだ場所でライブを行い、それを全国配信する、という方式が取られています」
「つまり、ライブをする場所そのものも評点に大きく関わってくるのです!」
ホワイトボードの前でそう解説するのは海未と花陽である。
「そして、地区予選を通過できるのは上位五組」
「同地区のA‐RISEが一位で通過するのは決まったようなものなので、私達は残り四組に食いこまなければなりません」
「5MENの予選通過は決まったようなものだから、μ'sは残り三組に食い込む必要があるな?」
「サウザーのその自信はどこから沸いているのだ?」
シュウが呆れ声で言う。
しかし、大きな問題である。
μ'sと5MENは同盟関係にあるとはいえ、枠組みで言えば『二組で一枠』というわけではなく、それぞれ一枠ずつの扱いとなる。今後も同盟を続けていくには、四組のうち二組を勝ち取らなければいけないのだ。
「ていうか、別に無理に二組みとも進出しなくてもいいんじゃ……」
「5MENが予選敗退したらとりあえずマキの家にでも泊まりに行くとするか?」
「一緒に勝ちぬきましょうね!」
「それで、ライブをどこでやるのかは決めたのか?」
水羊羹をすくいながらユダが訊く。進出枠以前の問題である。
「いえ……最初は学校でやるというつもりだったのですが」
「インパクトにかけちゃう」
ライブにおいて『場の空気』というのは馬鹿に出来ないものである。実際、そのことは先日の帝都進撃ライブで実感したばかりであった。
純粋な技術を最大に引き出すのであればホームでやるのが一番。でもそれでは駄目……難しい問題である。
だが、こんな時に頼りになってしまうのが傍若無人、唯我独尊、自己中心の権化、聖帝サウザーである。
「アキバでやればよいではないか! 下郎どももたくさんいるし、我々のライブを見せつけてやるのだ!」
「ちょっと、ワンダーゾーンの時とは違うのよ?」
ニコが指摘する。
ワンダーゾーンの時も秋葉原でライブを行ったが、今回は『予選会場』の選定なのだ。A‐RISEのお膝元でのライブは下手をすれば喧嘩を売っているようにも見える。
「見えるも何も喧嘩を売るに決まっているであろうが!」
「あんたねぇ……」
「でも、面白そうやん?」
「希まで!」
「しかし、インパクトを求めるとなるとそれくらいはせねばなるまい」
シュウは腕を組んでサウザーらの意見に(珍しく)同調の気色を見せた。
それに、μ's内の『A‐RISEに喧嘩を売る』ことへのためらいはワンダーゾーンの時ほど強くは無かった。何しろこの間まで帝都という軍閥勢力に喧嘩を売っていたのだ。怖いものなしである。
「フハハハハ! では、我々のライブ会場を探しに行こうではないか!」
とは言ったものの、秋葉原でもライブが行えるポイントは限られてくる。一同はぞろぞろと秋葉原内をうろついた。
「うーん、いざ探すと良い場所無いにゃー」
「そういえば、神田明神では出来ないの?」
穂乃果が希に訊く。
「うーん、あそこは普通に参拝する人も多いから無理やんなぁ」
「そっか、ライブのために邪魔するわけにもいかないしね」
「フン、そのような連中のことまで配慮する必要はなかろう」
「まぁそう言うなユダよ!」
うろうろしている内に一同はUTX学院の前までたどり着いてしまった。夕日に聳える現代的な校舎のビルは今を生きるナウい若者からしたら憧れの的だ。
「いつ見ても凄いですねここは」
「圧倒されちゃうね」
「フフ、このようなビル、我が南斗鳳凰拳にかかれば……」
「何する気か知らないけどヤメテね?」
穂乃果がサウザーにくぎを刺すと同時、校舎ビルに取りつけられている大きなモニターにA‐RISEの三人が映し出された。
『UTX高校にようこそ!』
画面の中の三人が唱和する。
『ついに、新曲が完成しました! 今度の予選で披露するから、是非見に来てね!』
リーダーの綺羅ツバサがそう言うや、校舎の前に集まっていたファンは皆歓声を上げて喜んだ。このファンたちは、A‐RISEのメンバーが何か話すだけでも大喜びするのだ。
「堂々としてますね」
「図太さだけなら私たちも負けないんだけどなー」
穂乃果は嘆息する。画面越しだというのに圧倒されてしまう。
けれども、彼女とて負ける気はない。
(負けないぞ……!)
今は画面越しだけど、きっと追いついてみせる。そう心に決めた。
「私たちも負けないくらい素敵にならなくちゃね!」
「その通りですね穂乃果」
「頑張ろうね! 穂乃果ちゃん」
「高坂さんは今のままでも十分素敵だと思うけど、応援するわ」
「うん! ……ん?」
何やら聴き慣れぬ声での返事があったような気がする。穂乃果は隣に目をやった。
すると、そこには先ほどまで画面からファンに手を振っていた綺羅ツバサがニコニコしながら立っていた。
「えっ……えっ!?」
あまりに意味不明な事態に穂乃果は困惑する。しかし、ツバサはそんなのお構いなし、穂乃果の腕をぐわしと掴むと「来て!」と言って引っ張り走りだした。
「ほ、穂乃果ちゃん!」
「穂乃果をどこに連れて行く気ですか! ラブアロー☆シュート!」
とっさに海未はツバサの背中へ向けてラブアローシュートを放った。これを受ければ、例えデビルリバースといえども立ってはいられない。
だが。
「!」
ツバサは放たれた矢状の
「なっ!? ぬふっし!」
いつかと同じように自らの放った技で悶絶する海未。ことりはいつもの様に崩れ落ちた海未に駆け寄り抱き上げた。
「海未ちゃん!」
「んうふ……一度ならず二度までも破られるとは……」
「フハハ! 園田海未を倒せてもこの聖帝は倒せるかな? トァッ!」
サウザーは跳躍した。
「なんだか知らんが5MENに勝負を挑むとは愚かなる下郎! 受けてみよ、南斗鳳凰拳奥義『南斗爆星波』!」
サウザーは空中で腕を十字に切り、闘気の刃を放った。
対するツバサは一旦穂乃果の腕を放し、空中のサウザーと迫りくる爆星波に対して手を構えた。
「『
「ぬ!?」
ツバサの手から闘気が放たれ、サウザーの爆星波を吹き飛ばした。サウザー自身は空中で身を翻し迫る闘気の波を避けたが、ツバサへの攻撃の機会を逃した。
「む、ちょこざいな」
一方で、他のメンバーもツバサの存在にすぐ気づき、サウザーとの攻防の始終も目撃した。
「あの娘、闘気を操るぞ」
「何者だ?」
シュウとシンが驚く。
「なんなん? アキバ周辺にはまともな女子高生おらへんの?」
「希も大概じゃないかしら……」
「ていうか、あれツバサよね!? 花陽!」
「うん! 追いかけましょう!」
ニコと花陽はA‐RISEの大ファンである。そして、この二人はアイドルの追っかけとなると運動神経が倍増する素敵性能の持ち主でもある。
「あぁ、かよちん待って! ていうか速っ!?」
二人のスピードは元陸上部の凛ですら見失うほどであった。
サウザーの追撃を逃れたツバサは穂乃果を連れたまま校舎エントランスに飛び込んだ。校舎へ入るには在校生であるICカードが必要なのだが、流石はA‐RISEのリーダー、穂乃果を手続きなしに校舎へと招き入れた。エントランスには既に英玲奈とあんじゅが待っており、ここに穂乃果が連れてこられるのが予定通りと言った風であった。
「はじめまして、高坂穂乃果さん。UTX高校へようこそ」
状況を飲みこめない穂乃果はツバサの挨拶に「ご、ご丁寧にどうも!」と答えてお辞儀した。
「はじめましてです! ……って、えっと、これってどういうことなんですか……?」
「うふふ」
遅れること数秒、今度はニコと花陽がエントランスに飛び込んできた。
「うわ、ホントにA‐RISE!」
「あああああの、よろしければササササササインください……!」
花陽はいつどこでアイドルに出会ってもいいよういサイン色紙とネームペンを鞄に忍ばせているのだ。
「あっ、抜け駆けズルいわよ!」
ニコと花陽のすったもんだ劇が展開される。それをA‐RISEは咎めることなく、おかしそうに笑いながら、
「会っただけで喜んでもらえて嬉しいわ」
「えぇ!? そんな……そんな」
「照れちゃいますぅ~」
「えっと、まだ状況が飲みこめないんですけど……」
盛り上がる二名はひとまず置いておいて、穂乃果は何故自分を連れこんできたのかを訊こうとした。突然すぎて訳が分からないのだ。
「ああ、ごめんなさい」
ツバサはうっかりしてたと言うと、穂乃果たちに、
「立ち話も何だし、上で落ち着いて話しをしましょう。良かったら、他のメンバーの方や、南斗DE5MENの方も一緒に」
※
音ノ木坂学院の学食と違ってUTXの食堂(というよりカフェテリア)は煌びやかでお洒落だった。そんなカフェテリアの一角に設けられている個別ブースへμ'sと5MENは通された。ガラス張りの部屋で、夕日に照らされる秋葉原が一望できるブースである。
「あの、さっきはうるさくてごめんなさい……」
冷静さを取り戻した花陽が先ほどの取り乱し振りを謝る。
「良いのよ。さっきも言ったけど、あそこまで喜んでもらえてこちらこそ嬉しかったわ」
あんじゅはウフフと笑いながら言う。花陽は嬉しさとやはり申し訳なさでもじもじと恐縮した。
「μ'sと南斗DE5MEN。一度話してみたいと思っていた」
「そうなの。高坂穂乃果さん?」
「は、はい!?」
ツバサに声を掛けられて飲みかけのお茶を吹きだしそうになる。
「下で見つけた時、すぐあなただと解ったわ。映像で見るより、ずっと魅力的」
「えぇ、そんな……」
「本当の事よ? 前回の大会も、μ's……当時は『´』がついていたわね……あなた達が一番のライバル、つまり
「そうなんですか!?」
穂乃果たちは驚きの声を上げた。いくら人気が上昇していたとはいえ、A‐RISEはμ'sなど眼中にないと思っていたのだ。
「そうなのよ。だからツバサったら、あなた達が棄権した時はもう……いたっ!」
「?」
「何でもないわ。気にしないで?」
ツバサはニコニコ笑う。彼女の手がテーブルの下であんじゅの股をつねっていたことはA‐RISEだけしか知らない。
「μ'sは羨ましいほど個性的なメンバーが集まっているわ」
「私たちの事、調べてくれたんですか?」
「もちろん」
A‐RISEの三人はμ'sメンバーのプロフィールや魅力をすらすらと述べた。あまりに褒めるものだから、一同顔を赤く染める。
「無論、南斗DE5MENのメンバーもばっちりよ?」
「……ほう、面白い」
そう言われて、サウザーはシェイクのストローから口を離した(相変わらず吸えていない)。
「『将星』のサウザー。南斗鳳凰拳伝承者にして南斗DE5MENのリーダー。圧倒的戦闘力とバイタリティーを誇る。かつてはμ's´のリーダーも務め、斬新なパフォーマンスで客を沸かせた。リボルテック化済み」
「『仁星』のシュウ。南斗白鷺拳伝承者で一児の父。最年長らしい落ち着きと見識で個性派ぞろいのメンバーをまとめ上げる。リボルテック化済み。あとロン毛」
「『殉星』のシン。最年少メンバーでファンも多いがたった一人の人物を一途に愛している。もちろんリボルテック化済み。あとロン毛」
「『義星』のレイ。不器用ながらもまっすぐな姿勢で女性ファンからモテモテ。リボルテックが四種も出ている。あとロン毛」
「『妖星』のユダ。リボルテック化されて無い上ロン毛」
「なんと、そこまで調べ上げていたか……」
シュウは驚きを隠せない。誕生からまだ一か月ほどしか経っていない5MENの事をここまで調べ上げているとは、ただ者ではないと言わざるを得ない。
「納得できんぞ!?」
「まぁ、実際ユダはロン毛以外良く分からんしな?」
「ぬっく……おのれサウザー!」
「とにかく、我らA‐RISEにとって、μ'sと5MENはただならぬ存在となったわけだ」
「そして、そんなあなた達に、私たちからひとつの真実を話しておかなければならない」
ツバサの顔から笑みが消えた。和やかだった空気が一気に緊張し、ただならぬ話がなされると全員が理解した。
「あなた達は、全てのスクールアイドルの元祖を知っているかしら?」
ツバサが問う。
「それって、あなた達A‐RISEじゃないの?」
マキが答えた。一般常識として、スクールアイドル流行のきっかけを作ったのはA‐RISEだ。ノウハウも豊富で、だからトップアイドルとして君臨することが出来る。
しかし、ツバサはそれを否定した。
「いいえ、違う」
「『現在のスクールアイドルのイメージを作った』という点ではあってるけどね」
あんじゅの言の真意を掴みかねて穂乃果たちは首を傾げる。そんな中、ニコと花陽だけが何かに気付き始めている様子であった。
「まさか……『アレ』は伝説の存在じゃ……」
「違うわ。実在した……いえ、『アレ』は今も実在する」
ニコと花陽は息を呑んだ。他の面々には全く理解できない。サウザーは相変わらずシェイクを吸おうと苦難している。
「スクールアイドルの起源は今からずっと昔に遡るわ」
「それって具体的にいつ頃なんですか?」
「詳しくは分かっていない。ただ、『ラブライバー』がまだ『ラブライ部員』と呼ばれていた時代であることは確かだ」
「割と最近だにゃ」
「そもそも、スクールアイドルの起源は日本ではない」
英玲奈がそう言うと、答えるように花陽がぽつりと呟いた。
「……『修羅の国』」
「そう。我らスクールアイドルの源流は『修羅の国』で生まれたのだ!」
「修羅の国だと!?」
「なに? シュウ、知っているのか!?」
レイの問いかけにシュウは「うむ」と答える。
修羅の国……南斗聖拳や北斗神拳、元斗皇拳などといった諸拳法の源流となった四千年の歴史を持つ拳法が存在し、住人同士が殺し合い、生き残った者こそが強者であるという武の掟によって支配された恐るべき国である。
「その修羅の国を支配する三人の羅将……彼らこそ、スクールアイドルの源流なの」
「彼らは自らをこう名乗っていたわ……」
ツバサの目が、キラリと輝いた。
「『
つづく
プロット通りだけど何書いてんだって気分になる