いろは(八幡お兄ちゃん )八幡(俺はいつからお前のお兄ちゃんになったんだ...?)(題名を変える予定です。内容は変えません) 作:@まきにき
いろは「ん....んん....せん...ぱい」
わたしの頬は紅く高揚しており息づかいも荒くなっている。瞳も虚ろでわたしは、このまま先輩に全てを委ねてしまいたい。
八幡「いろは...」
いろは「せん...ぱい。良いですよ...わたしに先輩をもっと感じさせてください」
先輩がわたしを呼ぶ。体が喜んでいるのが分かるほど震えてしまう。きっとこれが快楽に堕ちているってことなんだろうな。先輩の指がわたしの胸から少しずつ下に...お腹に、腰に..そして一番敏感なところに。
体が跳ね上がる。
八幡「わ、悪い...痛かったか?」
先輩が不安そうな顔でわたしを覗きこむ。違うんです先輩...。
いろは「違います...嬉しいんです先輩」
先輩は安心したのかわたしの唇に自分唇を重ねて--------------。
いろは「ん?......」
いろは「........んんん!?」
小町「ん、あれ?いろはちゃんどうしたの?朝弱いのは知ってたけど」
小町「あ、いえ...そうでしたか。夢..だったんですね」
どうやら夢だったようだ。....こんな夢を見てしまうのは、きっと先輩のあれを触ってしまった事が原因ですよね。
あの時の先輩のあれは、ズボン越しからもはっきりと分かるくらいに大きくて、そして熱かった。不思議と愛でたくなって....それを....。
ち、違います!こんなことを考えるなんて!わたしはビッチじゃありません!先輩のせいなんです!
小町「何か夢でも見てたの?」
いろは「....」カァ....
わたしの顔は、今どうなっているんでしょうね..いや分かってますよ。目の前で小町ちゃんがこれだけニヤニヤしていれば..きっとわたしは熟れたリンゴのように真っ赤になっているんでしょう。
小町「ふむふむ。ズバリ!名探偵小町があててあげましょう!いろはちゃんはお兄ちゃんと何か如何わしいことをしている夢を見たんですね!」
間違いない!と言った感じにふふんっと自信満々と言ってくる小町ちゃん。はい、その通りだよ...小町ちゃん。でも、でもね!これにはわけがあるんだよ!言えるはずないけど....もう!こうなったのも全部先輩のせいなんですから!責任とってもらいますからね!
いろは「小町ちゃん誤解だよぉ」
小町「はいはい。それじゃそろそろ時間になるから朝御飯作ろうかな。今日は休みだからお兄ちゃん、起きてくるの遅いと思うから、いろはちゃんお兄ちゃん起こしてね!」
一瞬でパジャマから私服に着替えて笑顔のまま1階に降りていく小町ちゃん。速い!速すぎるよ小町ちゃん!
先輩を起こしに...か。そう言えばと先日の出来事を思い出す。
確か先輩を起こしに行ったときに、一度だけ中々布団から出てきてくれなかった時があったなぁ。どうしてだろ?
そんなことを考えながらわたしは、胸を踊らせながら先輩の部屋に向かうのだった。
「先輩!朝です....よ?あれ?先輩?」
八幡の部屋に八幡はいなかった。
公園
八幡「それで陽乃さん。俺をこんな朝早くに呼び出した理由を聞いてもいいですか?」
俺は今、朝7時前だと言うのに陽乃さんから連絡があり近くの公園に来ていた。
そもそも俺は、いろはとの事があり中々寝付けずにボーっとしていたので陽乃さんからの連絡にも気付いてしまい、出てしまったのでここに来ることになったのだ。
陽乃「んー。ちょっと気になることがあってね。これ見てくれるかな?」
陽乃さんは自分の携帯を俺に見せてくる。画面に写し出されている写真を見て俺は、その場に固まってしまった。
陽乃さんの携帯に写し出されていたのは、俺といろはがずぶ濡れになり漫画喫茶に入ろうとしている瞬間だった。
八幡「.....」
陽乃「んー、何か言ってくれるかな?比企谷君」
知り合いに見られていた事実に言葉を失っていると陽乃さんは追い討ちをかけてくる。
陽乃「無言か。もしかして比企谷君は、一色ちゃんを選んだのかな?」
八幡「っ!それは!....」
違うとは言えなかった。自分からキスをしておいて違うなんて今更言うことは出来なかった。
陽乃「それは?何なのかな?」
八幡「....」
陽乃「少し前に聞いたよね?比企谷君にとっての本物って何って。君の答えは曖昧だった。だって君に関わりのある者って多すぎるでしょ?それに誰かを選ぶって事はね、比企谷君」
陽乃さんの声は少しずつ暗く、濁っていく。まるで既に答えを知っているように。
陽乃「他の人を選ばないって事なんだよ?」
他の人。その言葉を言われたとき俺の脳内では、雪乃と結衣がフラッシュバックする。どうして?なんて今更聞かれなくても分かる。つまり俺にとっての本物はそういうことなんだ。
陽乃「本物になることが出来るのは一人だけ。そして君はその一人を選ぶ。だけど選んだ後、本物だった人は、尚も本物でいられるのかな?」
八幡「どういう意味ですか?....」
陽乃「分からないかな?誰かを選んだら残りは偽物になるって言ってるんだよ。本物があるからこそ偽物はある。君の言葉だったね。光があるから影が出来るように、仮に一色ちゃんと付き合ったとして比企谷君は、今まで通りに二人と接することが出来るのかな?」
八幡「そんなことは「無理だね」」
陽乃「比企谷君は優しいから、どうしても負い目を感じてしまう。そしてその少しの君の変化をヶ浜ちゃんと雪乃ちゃんが見落とす筈が無い。そんな中で一緒にいてそれが本当に本物って言えるのかな?」
八幡「偽物になるかなんて分からないじゃないですか...もしかしたら」
もしかしたら。そんなことを言う時点で俺自身、本当は気付いてしまっている。陽乃さんの言葉の意味を。
陽乃「もしかしたら、なんて曖昧な言葉を使ってる時点で比企谷君は、気づいているんじゃないのかな?」
陽乃さんは、全て分かっている。全て知っている。
八幡「なんのことですかね....」
だから。
陽乃「本物なんて本当はないんだってこと」
俺が何を言ってもその言葉にすら意味が無くなってしまう。
八幡「....」
陽乃「うつむいていても分からないよ?それじゃ、質問の仕方を変えようか。比企谷君が仮に一色ちゃんを選んだとする。雪乃ちゃん達には言えるのかな?」
俺がもし、いろはとそういう関係になったとして....俺は....。
八幡「.....分かりません」
陽乃「そっか。うんまぁそうだとは思ったけどね。比企谷君は、本当につまらない子になっちゃったのかな?」
八幡「誰かとつ、付き合ったりするとつまらなくなるんですか?」
陽乃「そんなことは言ってないよ比企谷君。何を勘違いしているのか分からないけど、誤魔化しているだけかもしれないけど。私は比企谷君の本物に対しての話をしてるだけだよ」
八幡「...仮に陽乃さんが誰かと付き合ったとしたらどうするんですか?」
陽乃「その問いは無意味だね。私は誰かと付き合ったことはないし、これからも付き合うつもりはないよ。偽物の私しか見てくれない人達なんて意味ないもの」
八幡「..陽乃さんの偽物」
陽乃「君は気付いてるでしょ?」
八幡「...どうですかね」
陽乃「私の取り繕った姿を見てよってくるなんて、あまりに偽物だと思わない?」
八幡「気付いてる奴もいるんじゃないですか?...」
陽乃「うん、確かにいるね。例えば比企谷君とかね。それで聞くけど私の本物を知ってる君は私と付き合いたいって思う?」
八幡「その質問の意味が分かりません..俺じゃ陽乃さんには、釣り合いませんし」
陽乃「本当に釣り合わないのは、どっちかな~。ま、いいや。ごめんね、こんな早い時間に。それじゃまたね、比企谷君」
去っていく陽乃さんの後ろ姿に、俺の知っている強さは無く、何処か儚げで小さく見えた。
八幡「....帰るか」
陽乃さんの背中が見えなくなった事でようやく動くことが出来た俺は、重くなった足取りで家に向けて帰ることにした。
かなり久し振りに書いたので違和感があれば教えてください。