今回も戦闘描写はないのですが…
まぁ、どうぞ!
寝る場所が放送室に決まり、普段の生活場所。つまり、普通の家でいうリビングのような場所を生徒会室として十六夜達は今後の事を決めていた。
「さて、これからのことなんだが…部活をすることにしないか?」
「なるほどね。部活にすることで少しは普通の学校みたいに過ごせるかも…」
「だから、部活の名前を決めたいんだが…なんかいいのあるか?」
「うーん、そうねぇ。」
十六夜の提案に悠里が頷き、それぞれが納得する。そして、次は名前を考え始めた。
「…分かった!料理部にしようよ!」
「おい、ロリッ子。どんな考え方をしてそうなった?」
「だって、そうしたらいつでも美味しいもの食べれるし!」
「由紀は食べたいだけだろ。」
と由紀の言葉に呆れながらも突っ込む胡桃。丁度その時、悠里の顔がパッと明るくなった。さっきから真面目にずっと考えていたので、良い案が見つかったんだな。とすぐに分かる一同。そして、悠里が喋るのを待つ。
「学園生活部ってどうかしら?」
悠里から言われた名前はシンプルなものだった。学園で生活するから学園生活部。その部の名前を聞いて由紀ははしゃぎ出す。
「学園生活部!ナイスだよ。リーさん!」
「いいんじゃないか?」
「俺も同感だな。」
「そうね!そうしましょう。ありがとう、悠里さん。素敵な部の名前を考えてくれて。」
「「「「………」」」」
「え?みんな?」
「めぐねぇがいい感じで締めくくった!」
「流石に失礼だ。」
すぐさま由紀の頭にチョップをくらわせる十六夜。慈はというと…角の方で落ち込んでいた。一人、慈は「私だって…先生だし…先生…」となにやらブツブツと言っている。その姿はまるで呪いを唱えている変人にもみえる。
「めぐねぇ…ごみん。」
「もう!…しょうがないわね。今回だけよ?」
由紀の謝罪を聞いて立ち上がる慈。その姿を見ながら、十六夜は絶対今回だけじゃないなと確信した。
◆
「はい、じゃあみなさん。学園生活部の部長は若狭 悠里さんに決まりました〜!」
「お〜!」
パチパチパチという拍手の音が響く中、悠里はどこか嬉しそうに笑っている。
場所は生徒会室、今は部活名と部長が決まり終わり、何かの会?を催している。ちなみに、由紀がしようと言い出した。
「それじゃー、ここに部活動の開始?始動?まあいいや、かんぱ〜い!」
「由紀、そんなんでいいのか?」
「いいの、いいの。胡桃ちゃんは心配性だなぁ。」
こうして、会が行われる。みんなの手にはお茶が入ったコップが握られており机の上にはパチって…コホン、買ってきたお菓子が置いてある。それを手に取りつつ部活について楽しく語り合った。
「なぁ、一ついいか?おまえらはこの学校の校歌を知っているか?」
「…いいえ…覚えてもないし歌ったこともないわ。それがどうしたの?十六夜君。」
「そうか…慈は?」
「そうね…ごめんなさい、校歌については私もしらないの…」
「…わかった。ありがとな。」
十六夜はギフトゲームの鍵である校歌について聞いてみるが誰も知らないということなので、それについては頭を悩ませる。
入学式などでも歌うはずの校歌。それなのに、一度も歌ったことがない…不気味だ。それ意外でもこの学校はどこか他の学校とは違う。その一つとして、施設などが整いすぎている。この学校で過ごすことを想定してつくられたかのような万全さ…。まぁ、これだけではなんとも言えないのだが…
「十六夜君?」
「…」
「おーい、いっちゃん?」
「…あぁ、悪りぃ」
由紀達の声により思考を振り払って反応する十六夜。そして、誤魔化すように笑っている十六夜の顔を由紀はジッと見つめた。何かを言いたそうに…だが、すぐにいつもの笑顔に戻り立ち上がる。そして、
「いっちゃんも大変なんだね!」
と言う。全てを知っているかのように笑って言う由紀に十六夜は一瞬だが背筋がこおるのを感じた。
「大変?なにを見てそう思った?ロリっ子」
「そうだぞ、由紀。自由奔放そうなこいつが大変なわけないだろ。」
「ツインテよりはマシだ。」
「な、ん、だ、と〜!」
ウギャーという奇声をあげているかのように怒る胡桃にいつもの様子に戻った十六夜はヤハハハと笑った。
◆
雨ーー
最近になって多くなったその天気は人をも暗い気持ちにさせる。つまり、梅雨入りをはたしたこの時期はとてつもなく怠い時期なのだ。
「ひまだねぇ。」
机の上に勉強道具を広げて空を見上げていた由紀がそう呟く。それに十六夜が反応し読んでいる本から目線を離し由紀に向けた。
「おいおい、じゃあそこに広がっているノート達はなんだ?」
「こ…これは、あれだよ。いっちゃん」
なんなんだよ…とツッコミたくなる十六夜だが急に廊下に響いたガシャンという大きな音によりそれは出来ない。
「…胡桃ちゃんがなにかしたかな?」
「…あいつなら、しそうだ。」
いつものことだとその音のことを無視して、また本を読もうとする。ところが十六夜の耳に小さなーー本当に小さな悲鳴が届いた。それにより動きをとめる十六夜。
「…!?」
「どうしたの?いっちゃん?」
由紀には聞こえなかったその悲鳴に十六夜は胸騒ぎがするのを感じた。胡桃が何かを落としたりしたのなら悲鳴を出すのは当たり前。だというのに、不安は増すばかりーー
「まさか…な。」
そしてーー
『イヤーー。来ないで!』
今度ははっきりと聞こえた声に十六夜は立ち上がる。悪い予感にかられながらも十六夜は走り出した。
次回に戦闘描写が書けそうですね…
みーくんについてはもう少し先になりそうです。早めに出せるように頑張りますので次回もよろしくお願いします!