十六夜が学校ぐらしを始めるようです!   作:鬼城

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遅くなりすみません!

とりあえず、更新しました。

それでは、どうぞ!


五話 敗北!?

朝御飯を食べるため五人は料理が出来る場所…つまり、家庭科室に向かった。

 

「りーさん、りーさん、何つくるの?」

 

「そうねぇ、スパゲティーでも作ろうかしら。」

 

さっき、購買で買ったものを見ながら考える悠里。購買には普通の学校にないような物まで売っていた。そこで買ったのは(正確にはお金をレジに置いただけ)小さい袋に入った米や麺。そして、お菓子や乾パンといったものに缶詰。それらを使って作らないといけない。

 

「スパゲティー!楽しみだな〜。」

 

目を輝かせながら飛び跳ねる由紀を見て、四人は笑顔になる。これが、ムードメーカーの為せる技なのか…十六夜は笑いながらもそう本気で考える。

 

「じゃあ、作るからみんなフライパンとか出してくれるかしら?」

 

「ちょっとまて、俺も作る。」

 

「はは、何言ってんだ?十六夜。お前が包丁とかフライパン持ったら全てが凶器になるだろ?」

 

「そんな考えをするのはお前だけだ。俺が昔住んでた所では役割制だったからな、料理には自信がある。」

 

一度、春日部に負けたが…あの後、リベンジをして納得のいくものが出来たから良かったものの、これ以上負けるわけにはいかない。と気合を入れる十六夜。ここの中で強敵になりそうなのはやはり悠里だろう。

 

「それなら、十六夜君は二人前つくってくれる?」

 

「任せろ。」

 

こっちが三人前じゃないのは…気にしないでおこう。

 

十六夜は、すぐに料理に取りかかる。

缶詰のトマトソース、ツナ缶、麺、油などなどを取り出し手慣れた感じでフライパンや包丁をそれぞれ使っていく。それを見て、唖然とする胡桃。本当に料理が出来るとは思っていなかったのであろうその顔は驚いている。

 

「めぐねぇも作れるの?」

 

「由紀さん、その質問はちょっと…」

 

「めぐねぇは不器用そうだもんな。」

 

「ちょっと、胡桃さん!先生もやろうと思えば…ヤレマスヨ…」

 

そう言う慈の目には少し涙が浮かんでいる。私が作ります。と言わなかったあたりからなんとなく察していた十六夜はその会話を聞きながらニヤニヤと笑っている。

 

「そのへんにしとけよ、慈が可哀想だ。」

 

「って言ってる十六夜君が一番笑ってますけどね!」

 

「そう怒るなよ。ほら、出来たぞ。」

 

そして十六夜はさっきの時間内で作って盛り付けたトマトスパゲティーを机に置く。

 

「おお!早く食べたいな〜。いっちゃんまだ?」

 

「悠里の方が出来るまで待つんだな。」

 

「ふふふっ、ほらこっちも出来たわよ?」

 

作る人によって風味が変わってくるためか二人のスパゲティは色合いが違う。十六夜はピーマン多めで普通より緑が多い。悠里はなんというか見た目は普通だ。

 

「それじゃ、食べましょうか。めぐねぇ、よろしくお願いします。」

 

「もう、悠里さんまで…先生でしょ?ふぅ…それじゃあ、いただk「いただきまーす。」

 

「おいおい、ロリっ子。セリフとってやんなよ。」

 

「ふぇー?なんへゆっは?」

 

既にスパゲティを口に入れてた由紀はリス状態だ。

 

「…由紀に悪気はない…許してやってめぐねぇ…」

 

「ぐすん…私の…私の…」

 

とまあ、こうして朝御飯が始まった。

グダグダな始めだったのだが、今は十六夜と悠里が作ったスパゲティーをそれぞれ交換して食べたりして感想を述べあっている。

 

「ふぅー、いっちゃんの美味しかったよ!りーさんのも!」

 

「そうだな、まあ、良かったんじゃないか?」

 

「そうね!先生も見習わなくちゃ!」

 

「……ふふ、ありがとう。それに、十六夜くんがこんなに料理が出来るとは思わなかったわ。…十六夜くん?」

 

さっきから無反応な十六夜。その目線の先にあるのは悠里が作ったスパゲティー。何かを考え込んでいるように見える。

 

「おーい、」

 

胡桃も十六夜の異変に気付いて十六夜の顔近くで手を振る。それに、ハッと反応する十六夜。

 

「何か言ったか?」

 

「お前でもボーッとすることあるんだな。」

 

「いっちゃん大丈夫?まさか、お菓子独り占めしようと考えていたんじゃないよね!?」

 

「そんな考えがあったか!」

 

「だめだよ!」

 

由紀のジョークだと思われる考えに納得してみる十六夜。それでも、その目は笑ってない。いや、落ち込んでいる?

 

「…負けたのか?…俺は…っ」

 

誰にも気付かれないようにそう呟く十六夜。完敗だった。悠里の料理の腕は多分春日部以上だ。どうやったらこんなにまろやかな味になるのか教えてほしいくらいに…

 

そして、リベンジに燃える十六夜だった。

 

 

たとえ、一階の入り口を塞いだとしても、もとから校舎にいたゾンビがいるため安全とは言えない。しかし、それも大分減らすことが出来ただろう。ご飯の後、二階の見回りも終わり次は三階へと歩みを進める五人。

 

「三階は…ゾンビが少ないな。」

 

一階は七体程度、二階は五体程度、三階は二体程度。というように階が上がるほどゾンビの数が減っている。

 

「…きっと、下の階の方が好きなんだよ!」

 

「…彼らは階段がニガテなのかもね。」

 

「それだ!めぐねぇ、頭冴えてるね!」

 

「佐倉先生でしょ?」

 

といつもの会話を繰り広げながら着いた場所は放送室。

 

「ここなら、あまり汚れてないから寝食できそうね。」

 

「ああ、そうだな。」

 

「じゃあ、ここで決定か?」

 

四人以上は寝れそうな広い部屋。言葉の通りあまり汚れてないので掃除をしたら暮らせそうだ。

 

「十六夜は…準備室か?」

 

その胡桃の言葉に準備室を覗いていた十六夜が振り返る。準備室も同じようにあまり汚れていない。一人ぐらいなら寝れそうな部屋だ。

 

「そうなるな。」

 

「えー、いっちゃんは一緒の部屋じゃないの?」

 

「馬鹿言うな!着替えを見られたらどうすんだよ!」

 

「そ…そっかぁ」

 

なんと、失敬な。今まで一度たりとも黒うさぎや春日部、お嬢様の着替えなんて見たことがないというのに。と内心思う十六夜。

 

そんなこんなで、寝る場所は決まったのであった。




無理やり終わらせた感が半端ない…

次回も少し遅れそうですが待っていてもらえると嬉しいです。

それでは次回でお会いしましょう!

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