十六夜が学校ぐらしを始めるようです!   作:鬼城

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やっと出せました。

今年もよろしくお願いします!

ではでは、短いですがどうぞ!


四話 購買にて

コンコンコンッという音が静かな空間に響きわたる。ゾンビが入れないぐらいに胡桃達が持ってきた木材をドアに打ち付けて行く。その作業を何回か繰り返して十六夜は汗を拭うようにして立ち上がった。

 

「とりあえず、こんなもんか…」

 

「いっちゃんカッコいいね〜なんでもできるんだね〜」

 

「ヤハハハハッ当たり前だろ!」

 

完成したソレを見て由紀は目を輝かせる。十六夜も思ったより綺麗にできたので満足気だ。

 

「次は何をするんだ?」

 

「渡り廊下の方の入り口をふさがないとな。」

 

「また、木材が必要か?でも、もう残りはないぜ?」

 

その胡桃の言葉に十六夜はニヤッと笑う。まだあるだろ?と言いたげに…そんな十六夜を見て胡桃は頭を傾げる。

 

「木じゃなくてもいいんだよ。頭を使えツインテ」

 

「私の名前は胡桃だ!木じゃないって何を使うんだ?」

 

「机だ。教室にある机を積み上げたりしていけばいいだろ?ツインテ」

 

「だ〜か〜ら〜、く•る•み!」

 

ツインテと言われるのが嫌なのか十六夜を睨みながら名前を改めるように言う胡桃。それを見て笑う十六夜。全くもって平和だ。

 

「もう!胡桃ちゃん。いっちゃんといっぱい話しててずるいよぉ!」

 

その由紀の言葉に十六夜は、俺はそんなに好かれるようなことしたか?と疑問に思うも口には出さず由紀の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。

 

「それじゃあ十六夜くん、机を運びましょう。」

 

既に、動いていた悠里は机をもって渡り廊下の入り口に行っている。それにまけじとみんなも動いた。

 

 

「終わった〜!」

 

「おいおい、ツインテこれくらいでへたばったか?」

 

「うっせ〜、休憩だ!休憩ーー」

 

一階にある教室の机をほとんど使って出来たバリケードは高さ重視ではなく横幅重視で出来ている。これは十六夜の案だ。奴らは飛んだり、急な斜面を登ったりは出来ないから高さは必要ないだろう。という十六夜の言葉により高さをなくし、バリケードが倒れないよう横幅を広くした。これで奴らも簡単には中に入れないだろう。

 

「さぁ、みんなご飯にしましょうか。」

 

「めぐねぇに賛成ー!ご飯だー!」

 

今は午前六時半ぐらいだろう。昨日の夜もほとんどご飯といえるものは食べていないので、朝食には丁度いい時間帯。それを見越してか慈はみんなに声を掛けた。

 

「でも、ご飯なんてものあるのか?」

 

「ツインテ、お前本当にこの学校の生徒か?購買があるだろ?」

 

「言われなくても分かってますぅー!」

 

そう言って歩いていく胡桃を見て、やはり弄りがいがあると一人納得する十六夜。箱庭でいうと彼女は黒うさぎ(笑)と同じタイプだろう。と、考えていた十六夜に「だまらっしゃい!」と言う黒うさぎの声が聞こえた気がして十六夜は少し笑みを零した。

 

 

二階にある購買まで仲良く話しながら歩いていく。その間にゾンビと何体か会ったが、彼女らの目の前で殺すのには気が引けた十六夜は割れた窓へ奴らを投げていく。二階という高さから落ちてもゾンビは死なないだろう。

 

「おまえ…本当に人間かよ…」

 

「ヤハハハ、よく言われるが残念ながら人間だ。」

 

ゾンビを…約四十kg以上はある重さを片手で投げていく十六夜をみて他の女性陣は驚きを通り越して唖然としている。彼女らはここにいる十六夜という男がいかにデタラメなのかようやく知ったことだろう。それに、沙羅神仏に勝負を挑み戦っていたということなど彼女らが知る由もない。

 

「購買にとうちゃーく!」

 

「ふふ、由紀ちゃん。ちゃんと要るものだけを買うのよ?」

 

「もう!子供じゃないんだから‼︎大丈夫だよ!」

 

「あっ、ごめんなさい。そういうつもりで言ったんじゃないの…」

 

見た目があれなのだからしょうがないのでは?と感じる十六夜。その時、ギロッと由紀に睨まれる。

 

「さっき、いっちゃん…失礼な事を考えたでしょ!私にはわかるからね‼︎?」

 

そして、フンと言いながら購買の中へ入って行く由紀。由紀の言ったことは図星なので言い返すことは出来ず、苦笑いを浮かべる十六夜だった。

 

「由紀って時々鋭いよなぁ。」

 

そう言って十六夜に近寄るのは胡桃。その顔は笑っているようで笑っていない。なにか、嫌な体験でもしたのだろうか。

 

「ツインテはなんか買わなくてもいいのか?」

 

「だから、胡桃だ!私はもう買い終わったんだよ!」

 

その言葉は本当らしく手には袋が握られている。それはいい…それはいいのだが…

 

「うんまい棒、買いすぎだろ」

 

その袋には何個ものうんまい棒が入っているのが見える。生活用品買えよ。と思わなくもないが…

 

「い…いいだろ!別に…」

 

「どうしはの?くるみはん…」

 

「はぁ、おまえもか…」

 

出て来たのは、うんまい棒を咥えた由紀。それを見てなんとなくだが、十六夜も食べたくなったのであった。

 

「で…どうしてみんなしてうんまい棒食べてるの?」

 

あれから悠里もうんまい棒を食べ始めて慈以外は全員食べているというなんとも言え難い状況になり、慈はそれを見て疑問を口にする。

 

「なんとなく…」

 

「めぐねぇも食べるか?」

 

「おいひいねぇ」

 

「三人が食べている所を見てたら、つい…」

 

と、四人の中でうんまい棒が流行った瞬間だった。




次回は、料理対決だー!

ということで次回もお楽しみに!!

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